バカな親友らとテストと召喚獣   作:音羽2600

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  号外 20○○年(平成2△年)4月○▽日(土曜日) 文月学園新聞部 (清涼祭特別)
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|【清涼祭】  4月○▽日(土曜日)|   発行元:文月学園新聞部   |文 化 祭 |
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|                 |                 |    研 |
| 場所・・・・・第1社会科教室にて|場所:2F1-C教室       |    究 |
| 営業時間・・9:30~16:00|時間:9時半から16時半まで   |    会 |
|       主食は14:00まで|―――――――――――――――――|    ・ |
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|―――◎料理研究会 なごみ◎―――|中華喫茶ヨーロピアンへようこそ!!|    書 |
|料理研究会の今回のテーマは【和】 |本格飲茶を皆様に提供します。   |    部 |
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|  ぜひご来店ください。     |   お客様をお待ちしております!|  が イ |
|                 |                 |  発 ラ |
| 場 所 :多目的教室      |【共催:2-Aご主人様とおよび!】|  行 ス |
| 営業時間:9時~15時     |                 |  す ト |
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|<イベント情報>         |◎メイド喫茶 ご主人様とおよび!◎|  地 究 |
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|                 |す。どうぞ、お越しください。   |  蜜   |
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|                 |皆様のお越しをお待ちしております。|      |
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第4話文月新聞清涼祭2号:ババアとの交渉

 

ババアとの交渉

 

明久SIDE

 

僕達は学園長室へと向かうと

 

 

『……賞品の……として隠し……』

 

『……こそ……勝手に……如月グランドパークに……』

 

 

学園長室の前まで来ると、扉の向こうで誰かが言い争っている声が聞こえてきた。

 

商品? 如月グランドパーク? 何の話をしているんだろう?

 

雄二「どうした明久?」

 

明久「いや、中で何か話しているみたいなんだけど。」

 

雄二「そうか。つまり中には学園長がいるというわけだな。

   無駄足にならなくて何よりだ。さっさと中に入るぞ。」

 

取り込み中かどうかは向こうが判断するってことか。雄二の言うことももっともだ。

 

雄二「失礼しまーす!」

 

雄二がドアをノックして学園長室に僕らは入っていく。

 

学園長「本当に失礼なガキどもだねぇ。普通は返事を待つもんだよ。」

 

その室内で僕らを迎えたのは、長い白髪の婆さんだ。なるほど、康介の言っていた意味がようやく分かった。

 

しかし、第一声でガキどもはないよね。

 

教頭「やれやれ。取り込み中だというのに、とんだ来客ですね。

   これでは話を続けることもできません。……まさか、貴女の差し金ですか?」

 

眼鏡のレンズを拭きながら言い、眼鏡を掛けながら学園長を睨みつけたのは教頭の竹原先生だ。

 

鋭い目つきと、クールな態度で一部の女子生徒に人気が高い。僕はあまり好きになれない先生けど。

 

学園長「馬鹿を言わないでおくれ。どうしてこのアタシがそんなセコい手を使わなきゃいけないのさ。

    負い目があるというわけでもないのに。」

 

教頭「それはどうだか。学園長は隠し事がお得意のようですから。」

 

僕らにはよくわからないやりとりが行われている。どうも僕らは邪魔らしい、出直した方がいいのかな?

 

学園長「さっきから言っているように隠し事なんて無いね。アンタの見当違いだよ。」

 

教頭「……そうですか。そこまで否定されるならこの場はそういうことにしておきましょう。」

 

そう言って、竹原先生は部屋の隅に一瞬視線を送り、

 

教頭「それでは、この場は失礼させて頂きます。」

 

なんだろう?

 

学園長「んで、ガキども。アンタらは何の用だい?」

 

雄二「今日は学園長にお話があって来ました。」

 

以外だ雄二が敬語を知っていたなんて

 

学園長「私はそれどころじゃないんでね。

    学園の経営に関することなら、教頭の竹原に言いな。

    それと、まずは名前を名乗るのが社会の礼儀ってモンだ。覚えておきな。」

 

こんな横柄な婆さんに礼儀を説かれるなんて、世も末だ。

 

雄二「失礼しました。俺は2年F組代表の坂本雄二。それでこっちが―――」

 

雄二が僕をを示して

 

雄二「―――2年生を代表するバカです。」

 

どうしてこのバカは普通に名前を言えないんだろう。

 

学園長「ほぅ……。そうかい。アンタたちがFクラスの坂本と吉井かい。」

 

明久「ちょっと待って学園長! 僕はまだ名前を言ってませんよね!?」

 

殺気の紹介で僕の名前が連想されたという事実に涙が出そうだ。

 

学園長「気が変わったよ。話を聞いてやろうじゃないか。」

 

まるで、映画の悪役のように口の先をつりあげる学園長。康介が良く言わないのもわかった。

 

しかし、これで人が教育しようと言うのだからなあ。

 

雄二「ありがとうございます。」

 

学園長「礼なんか言う暇があったらさっさと話しな、ウスノロ」

 

雄二「わかりました。」

 

それにしても雄二がこんなにも口汚く罵倒されているのに態度や言動は落ち着いたままだなんて。

 

雄二「Fクラスの設備について改善を要求しにきました。」

 

学園長「そうかい。それは暇そうで羨ましいことだね。」

 

雄二「今のFクラスの教室は、まるで学園長の脳みそのように穴だらけで、

   隙間風が吹き込んでくるような酷い状態です。」

 

あ、言葉がほころび始めた。

 

雄二「学園長のように戦国時代から生きている老いぼれならともかく、

   今の普通の高校生にこの状態は危険です。

   健康に害を及ぼす可能性が非常高いと思われます。」

 

丁寧な口調だけど危険な言葉がちりばめられている。

 

雄二「要するに、隙間風の吹き込むような教室のせいで体調を崩す生徒が出てくるから、

   さっさと直せクソババァ、というワケです。」

 

うん、やっぱり僕の知っているいつもの雄二だ。

 

そんな慇懃無礼な雄二の説明を受けて、学園長は思案顔になって黙り込んだ。

 

明久「あ、あの、学園長……?」

 

まずい、雄二の態度に腹を立ててしまったのかもしれない。全くバカ雄二。

 

尻拭いは全部僕におしつけるんだから。

 

学園長「(…ふむ、丁度いいタイミングさね……)」

 

ん?今何か呟いたような。

 

学園長「よしよし。お前たちの言いたいことはよくわかった。」

 

明久「え? それじゃ、直してもらえるんですね!」

 

良かった。変わってはいるけど、文月学園も一応教育機関なんだなぁ。

 

学園長「却下だね。」

 

明久「雄二、このババアをコンクリに詰めて海に捨ててこよう。」

 

雄二「・・・明久。もう少し態度には気を遣え。」

 

はっ!? つい本音が!

 

雄二「まったく、このバカが失礼しました。どうか理由をお聞かせ願えますか? ババア」

 

明久「そうですね。教えて下さい、ババア。」

 

学園長「……お前たちは本当に聞かせてもらいたいと思っているのかい?」

 

学園長が呆れ顔で僕らを見る。僕らが何かおかしなことを言っただろうか?

 

学園長「理由も何も、設備に差をつけるのはこの学園の教育方針だからね。

    ガタガタ抜かすんじゃないよ、なまっちょろいガキども。」

 

こ、このババア……

 

明久「それは困ります! そうなると、僕らはともかく身体の弱い子が倒れて」

 

僕のセリフを遮り学園長は顎に手を当てて話し始める。

 

学園長「―――と、いつもなら言っているんだけどね。可愛い生徒の頼みだ。

    こちらの頼みも聞くなら、相談に乗ってやろうじゃないか。」

 

あれ?雄二は顎に手を当てる。何か考えているみたいだ。

 

明久「その条件とはなんですか?」

 

雄二は何か考えているようで黙っているので僕が話をすすめる。

 

学園長「清涼祭で行われる召喚大会は知ってるかい?」

 

明久「ええ、まあ」

 

姫路さんと美波が出るんだっけ

 

学園長「じゃあ、その優勝賞品は知っているかい?」

 

明久「え?優勝賞品?」

 

へえ、商品があるんだ。出場する気がなかったし、出たとしても優勝できないし。

 

 

学園長「学校から贈られる正賞には賞状とトロフィーと『白金の腕輪』、副賞には

    『如月グランドパーク プレオープンプレミアムペアチケット』に『涼月温泉の宿泊チケット』が用意してあるのさ。」

 

ペアチケット、と聞いて雄二が反応していた。どうしたのかな?

 

明久「はあ・・・・・・。それと交換条件に何の関係が」

 

学園長「話は最後まで聞きな。慌てるナントカは貰いが少ないって言葉を知らないのかい?」

 

明久「知りません。」

 

学園長「威張って言うことじゃないさね。それで、この副賞のペアチケットなんだけど、

    ちょっと良からぬ噂を聞いてね。できれば回収したいのさ。」

 

明久「回収?それなら、賞品に出さなければいいじゃないですか。」

 

学園長「そうできるならしているさ。

    けどね、この話は教頭が進めたとは言え、文月学園として如月グループと行った正式な契約だ。

    今更覆すわけにはいかないんだよ。」

 

前に、康介から『学園長は召喚システムの開発に手一杯だから経営に関しては教頭に一任している』なんて聞いたことがある。

 

あれは本当のことみたいだ。

 

明久「契約する前に気付け下さいよ。学園長なんだから」

 

学園長「うるさいガキだね。白金の腕輪の開発で手一杯だったんだよ。それに、悪い噂を聞いたのは最近だしね。」

 

学園長が眉をしかめます。口調とは裏腹に、若干責任は感じているみたいだ。

 

明久「それで、悪い噂ってのは何ですか?」

 

学園長「つまらない内容なんだけどね。如月グループは如月グランドパークに一つのジンクスを作ろうとしているのさ。

    『ここを訪れたカップルは幸せになれる』っていうジンクスをね。

    更に、結婚したら住む家まで用意するって、地域もそれに乗っかっているのさね。」

 

明久「? それのどこが悪い噂なんです? 済む家まで用意してくれるなんて良い話じゃないですか」

 

学園長「そのジンクスを作る為に、プレミアムチケットを使ってやって来たカップルを

    結婚までコーディネイトするつもりらしい。そして、涼月市は人口が流出してるからね。

    企業としても、地域としても多少強引な手段を用いてもね。」

 

雄二「な、なんだと!?」

 

突然雄二が大声を上げた。ビックリしたなあ

 

明久「どうしたのさ、雄二。そんなに慌てて」

 

雄二「慌てるに決まっているだろう! 今ババアが言ったことは、『プレオープンプレミアムチケットでやってきたカップルを

   如月グループの力で強引に結婚させる』ってことだぞ!?そして、家まで用意するおいう事だ。」

 

明久「う、うん。言い直さなくてもわかっているけどさ。」

 

いつも、堂々としている雄二が慌てている。…ちょっと新鮮。

 

学園長「そのカップルを出す候補が、我が文月学園ってわけさ。」

 

雄二「くそっ。うちの学校は何故か美人揃いだし、試験召喚システムという話題性もたっぷりだからな。

   学生から結婚までいけばジンクスとしては申し分ないし、人口が減っている涼月市はこれをチャンスにしたのか。

   結婚して子供が出来れば人口も増えるからな。」

 

悔しげに唇をかむ雄二。なんだかさっきから様子がおかしい。

 

学園長「ふむ。流石は神童と呼ばれているだけはあるね。頭の回転はまずまずじゃないか。」

 

学園長はそう言い頷く。随分雄二の事にくわしいな。さっきは僕の名前もすんなり出てきたし。

 

明久「雄二、とりあえず落ち着きなよ。

   如月グループの計画は別にそこまで悪いことでもないし、

   第一僕らはその話を知っているんだから、行かなければ済む話じゃないか。」

 

大方、霧島さんに連れて行かれるのを恐れているのだろう。

 

僕だったら行く相手すら見つからないのに、羨ましい男だ。

 

雄二「・・・・・・絶対にアイツは参加して、優勝を狙ってくる……。行けば結婚、

   行かなくても『約束破ったから』と結婚……。俺の、将来は……!」

 

雄二の目がうつろだ。いったい何があったんだろう?

 

霧島さんに『チケットが手に入ったら一緒に行ってやる』なんて安請け合いでもしたんだろうか。

 

約束を破った時の代償はわからないけど、相変わらずバカなことをしているなあ。

 

学園長「ま、そんなワケで、本人の意思を無視して、

    うちの可愛い生徒の将来を決定しようって計画が気に入らないのさ。」

 

本当に生徒を可愛いと思っているのかは問題だが。

 

明久「つまり交換条件ってのは―――」

 

学園長「そうさね。『召喚大会の賞品』と交換。それができるなら、教室の改修くらいしてやろうじゃないか。」

 

ふむ。召喚大会の商品と交換か。それなら…

 

学園長「無論、優勝者から強奪なんて真似はするんじゃないよ。

    譲ってもらうのも不可だ。私はお前たちに召喚大会で優勝をしろ、と言ってるんだからね。」

 

くっ!読まれたか!やっぱり破天荒に見えても教育者ってことか。不正は許してくれないらしい。

 

明久「・・・・・・僕たちが優勝したら、

   教室の改修と設備の向上を約束してくれるんですね?」

 

学園長「何を言ってるんだい。やってやるのは教室の改修だけ。

    設備についてはうちの教育方針だ。変える気はないよ。」

 

やっぱりそう来たか。

 

学園長「ただし、清涼祭で得た利益でなんとかしようっていうなら話は別だよ。

    特別に今回だけは勝手に設備を変更することに目を瞑ってやってもいい。」

 

学園長からの提案。本来なら学園の方針で認められないけど、

 

取引に応じるのなら清涼祭で得た利益で設備を変えることに目を瞑ってくれるみたいだ。

 

明久「そこをなんとかオマケして設備の向上をお願いできませんか?

 

僕らにとっては教室の改修と同じくらい設備の向上も重要なんです。

 

学園長「それで?」

 

明久「もしも喫茶店がうまくいかずに設備の向上が危うかったら、

   そっちが気になって試合に集中できずに僕らも学園長も困ったことに……」

 

学園長「なんだ、それだけかい?ダメだね。それは譲れないよ。」

 

明久「でも!設備の向上を約束してくれたら大会だけに――」

 

雄二「明久、無駄だ。ババァに譲る気がないのは明白だ。この取引に応じるしか方法はない。」

 

いつの間にか雄二は正気に戻っていた。

 

……くそっ。悔しいけど、元々僕たちには取引に応じる以外の選択肢なんてないんだった。

 

雄二「わかりました。この話、引き受けます。」

 

学園長「そうかい。それなら交渉成立だね。」

 

学園長は『計画通り』といった顔をしてニヤリと笑った。

 

雄二「ただし、こちらからも提案がある。」

 

話もまとまったし、教室に戻ろうと思ったところで雄二が学園長に話しかけた。

 

学園長「なんだい? 言ってみな。」

 

雄二「召喚大会は2対2のタッグマッチ。形式はトーナメント制で、1回戦が数学だと2回戦は化学、

   といった具合に進めていくと聞いている。」

 

学園長「それがどうかしたかい?」

 

雄二「対戦表が決まったら、その科目の指定を俺にやらせてもらいたい。」

 

雄二は鋭い目つきをしていた。学園長の反応を試しているように見える。

 

学園長「ふむ……。いいだろう。点数の水増しとかだったら一蹴していたけど、

    それくらいなら協力しようじゃないか。」

 

雄二「……ありがとうございます。」

 

雄二の目つきが更に鋭くなった。

 

僕らにとってありがたい話なのに、どうしてそんな表情をするんだろう。

 

学園長「さて。そこまで協力するんだ。当然召喚大会で、優勝できるんだろうね?」

 

学園長が念を押してくる。そこまで如月グループの計画を阻止したいのだろうか?

 

雄二「無論だ。俺たちを誰だと思っている?」

 

雄二の不敵な笑み。これは試召戦争の時にも見た。やる気全開の表情だ。

 

明久「絶対に優勝して見せます。そっちこそ、約束を忘れないように!」

 

もちろん僕だってやる気は前回だ。問題解決の手段は見つかったんだ。後はやるだけだ。

 

学園長「それじゃ、ボウズども、任せたよ。」

 

雄二・明久「「おうよっ!」」

 

こうして、文月学園最低コンビが誕生することになった。

 

 

 

 

 

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