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|【清涼祭】 4月○▽日(土曜日)| 発行元:文月学園新聞部 |文 化 祭 |
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秀吉「明久に雄二。殴り合いなんてしておらんで、急いでAクラスに来ってくれんかの?」
相棒と友情を確認し合ってるところに秀吉がやってきた。
明久「あれ!何かあったの?」
秀吉「うむ。少々面倒な客がおっての。すまぬが歩きながらで頼む。」
明久「あ、うん。了解」
先を急ぐ秀吉に続く僕と雄二。
どうやらトラブルが発生したと見て間違いなさそうだ。
雄二「……営業妨害か。」
歩いている雄二の目が細くなる。
学園長室に行った時と同じ目つきだ。何か思うところがあるのだろうか。
明久「あはは、まさか。ガキ円債の出店程度で営業妨害なんてそんなことしても誰にもメリットないよ。」
秀吉「いや、それが雄二の言ったとおりなんじゃ。」
雄二「そうか。相手はどこのどいつだ?」
秀吉「うちの学年の3年じゃな」
しかもよりによって3年生か。まったく生徒の中では1番大人なくせに。
明久「ま、そういうトラブルなら雄二にお任せだね。
チンピラにはチンピラを充てるのが一番だよ。」
実際、雄二は腕っぷしも強いし、こういうことにはうってつけだ。
雄二「それが人に煮物を頼む態度か?……まぁいい。
喫茶店がうまくいかなければ、明久の好きな姫路が転校してしまうからな。協力してやろう。」
明久「べっ!別にそういう事は一言も……!」
雄二「あー。わかった。わかった。」
明久「その態度は全然わかってない!」
再三にわたってから買ってくる雄二に文句を言いながら歩く。
すると教室近くとは言え、廊下までに響く大声が聞こえてきた。
秀吉「む。あの連中じゃな。」
雄二「じゃ、始末してくるか。」
首をコキコキと鳴らしながら教室の扉に手に掛ける雄二。
本当、こういった事にはめっぽう強いよなぁ。
翔子「……雄二」
優子「坂本君?」
「なんだ!?このまずい料理は」
「こんなものを出すなんて信じられねぇよ」
片割れの先輩がもっているのは!!
どうやら、姫路さんの作った食品サンプルに手をつけてしまったようだ。
「ヤバイよ。店かえよう。」
お客さんがどんどん出ていく。
メイド喫茶の方からもお客さんが出ていっている。
明久「雄二、早く何とかしないと。」
雄二は頷いて
雄二「明久。お前はあの子悪党どもの特徴をよく覚えておけ。」
雄二はそういうとクレイマーにのっしのっしと近づいていった。
明久「?よくわからないけど、了解。」
営業妨害をしているのは2人。いずれも男だ。
1人は中肉中背の一般的な体格と、小さなモヒカンという非一般的な髪型をしている。
もう1人は、175センチぐらいの普通の体格で、こちらは丸坊主だ。
なんとも覚えやすい髪型だ。
「まったく、責任者はいないのか!このクラスの代表ゴペッ!」
雄二「私が代表の坂本雄二です。何かご不満な点でもございましたか?」
雄二はホテルのウエイターのように恭しく頭を下げる。
話しかける前に相手を殴り飛ばしていなければ、まるで模範的な責任者のようだ。
「不満も何も、今連れが殴り飛ばされたんだが……」
雄二「それは私のモットーの『パンチから始まる交渉術』に対する冒涜ですか?」
すごい交渉だ。
「ふ、ふざけんなよこの野郎……!何が交渉術ふぎゃあっ!」
雄二「そして『キックでつなぐ交渉術』です。
最後には『プロレス技で締める交渉術』が待っておりますので。」
常村「わ、わかった!こちらはこの夏川を交渉に出そう!
俺は何もしないから交渉は不要だぞ!」
夏川「ちょ、ちょっと待てや常村!お前、俺を売ろうと言うのか!?」
慌てているのは坊主頭の夏川と呼ばれた男。
覚えにくいから、『夏坊主、常モヒカン』で覚えよう。
雄二「それで常夏コンビとやら。まだ交渉を続けるのか?」
あ、雄二の仮面が外れた。
どうやらババアの時と同じくあまり継続しないみたいだ。
それにしても、常夏コンビとは巧い命名だ。座布団一枚。
常村「い、いや、もう充分だ。退散させてもらう。」
常村(モヒカン)先輩が撤退を選ぶ。懸命な判断だ。
雄二「そうか。それなら───」
俺は大きく頷いた後、夏川(坊主頭)先輩の腰を抱え込む雄二。
夏川「おいっ!俺もう何もしてないよな!?どうしてそんな大技をげぶるぁっ!」
雄二「───これにて交渉は終了だ。」
バックドロップを決めて平然と立ち上がる。
常村「お、覚えてろよっ!」
倒れた相棒を抱えて走り去っていくモヒカン先輩。これで問題は片付いた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
小一時間ぐらい働いたところで次の勝負の時間になった。
雄二「そろそろ次の試合だ。明久」
明久「もうそんな時間?」
雄二「ああ、俺達は2回戦に行くから後を頼むぞ。」
そう言って僕らは会場に向かう。処で雄二が持ってる大きな本は何だろう。
明久「ところで、次の相手はどんな連中?」
会場に向かいながら、隣を歩く雄二に聞く。
雄二「対戦表を見た限りだと、勝ち上がってきそうなのは――お、予想通りだ。」
雄二の目線を追うと対戦相手と遠藤先生の姿があった。
明久「あれ?誰かと思えばBクラスの代表とCクラスの代表カップルじゃないか。」
根本恭二「よ、吉井に坂本!?おまえらが相手か!」
僕らを見て顔が引き攣っているのは、
前回の召喚戦争で大変お世話になったBクラス代表の根本君と、Cクラス代表の小山さん
この二人は付き合っているのかな?
小山優香「どうしたの根本君?
Fクラスのバカコンビが相手なんだから、この勝負貰ったようなもんじゃない。」
う~ん。正面切って悪口を言ってくるなんて、小山さんは相変わらず性格が悪いな。
雄二「おい、根本の彼女だかCクラス代表だか知らんがそこの女。」
雄二はそう言って何故か小山さんに声をかける。
優香「なにかしら?」
雄二は持ってきた本を訝しげに見ていた。
雄二「これを見てみろ。」
そう言って、1ページ目を捲る雄二。あ、それは写真集じゃないか。
そこには恥ずかしげにポーズを取っているスカート姿の根本君が、遠目のアングルで写っていた。
恭二「あ、坂本!わかった!降参する!だからその写真だけは……!」
あ、いつの間にか僕らの勝ちだ。呆気ないなあ。
雄二「明久、根本を取り押さえろ。」
明久「ん、了解。」
雄二の指示通り写真集を奪おうとする根本君を羽交い絞めにする。
雄二「よしよし。さて、Cクラス代表。この写真集が見たかったら、俺達に負けるんだ。」
恭二「さ、坂本っ!お前は鬼か!?」
根本君が泣きそうになる。流石にこれは僕も同情してしまいそうになる。
根本君は問答無用で負けてしまう上に写真集を彼女(?)に見られてしまう。
優香「……いいわ。私たちの負けよ。」
雄二「交渉成立だな。」
雄二は悪役の笑みを浮かべて写真集を小山さんに渡す。
恭二「ゆ、優香!?頼む!みないでくれ!」
根本君の懇願もむなしく小山さんは写真集を開いてマジマジと観ている。
雄二「明久、帰るぞ。気に勝負はついたんだ。」
雄二はそう言うと背中を向けて会場から出ていく。
明久「そうだね。じゃ、遠藤先生僕らの勝ちですよね。」
遠藤「あ、はい!坂本君と吉井君の勝利です!」
写真種を覗き込んでいた遠藤先生が気が付いたように言う。
これで正式に勝ち名のりも受けたし、3回戦進出決定だ。
優香「……別れましょう。」
恭二「ちょ、ちょっと待ってくれ!これには事情が……!」