問 以下の問いに答えなさい。
『冠位十二階が制定されたのは西暦( )年である。』
《解答》
姫路瑞希の答え
『603』
教師のコメント
正解です。
坂本雄二の答え
『603』
教師のコメント
一体どうしたのですか? 驚いたことに正解です。
吉井明久の答え
『603』
教師のコメント
君の名前を見ただけでバツをつけた先生を許してください。
翌日、日曜日の朝、
康介「はあ、ねむい。」
夜遅くまで明久の勉強に付き合ったんだが、途中でリタイアした。
6時にみんなの朝飯を作るために一足先に起きると、
リビングで明久や雄二は机に突っ伏していた。
・・・朝飯、ちゃんと作るか。食パン焼けばいいと思っていたが
筋肉痛の腕を動かして卵焼きを作っていると、
福原「おはようございます。音羽君」
康介「おはようございます。」
欠伸をしながら冷蔵庫から牛乳を取り出す先生
福原「清涼祭も今日までですが楽しんでますか?」
康介「楽しんで…いるのかわかりませんが、料理の作り過ぎで筋肉痛です。」
福原「ああ、ナポリタンスパゲッティ、美味しかったです。ところで、何か手伝いましょうか?」
ありがたい。
康介「魚焼いてくれませんか?」
福原「ええ、わかりました。」
台所でごたごたしていると
雄二「なんだ?もう朝か?」
涎を垂らして、だらしない格好の雄二
雄二「今何時だ康介?」
康介「今、6時半だけど。取りあえず顔洗って来い。風呂入ってもいいぞ。」
見苦しい顔をこっちに向けないでくれ。
雄二「ああ、悪いな。風呂入ったら寝ちまいそうだから、シャワーかりるわ。」
雄二は明久を起こして
明久「あれ?ここはどこ?どうして雄二がここにいるの?」
雄二「寝ぼけてないで、さっさと起きろ!」
康介「朝飯はどうする?」
雄二「ああ、そうだな。握り飯を頼めるか?」
康介「数は?上限は一人3個までだ。」
雄二「6個頼む。」
康介「明久のを奪うなよ。」
雄二「昨日の教育台だ。」
そう言うと明久を引きずって今から出ていった。
福原「坂本君たちは優勝できるでしょうか?」
康介「ここまで来たらやるでしょ。」
まあ、やってもらわないと大変困る。学園が無くなればここも当然無くなるからな。
福原「魚を一匹ほぐしておきましょうかね。」
康介「頼みます。」
・・・・・・・
生野がすぐ後に起きて来た。
雄二と明久は握り飯を持って学校に行き、生野もその後に続く。
取りあえずひと段落ついた。後はみゆき、さくら、悠斗だ。
康介「先生、食器洗うのめんどくさいので全部握りましょう。」
福原「わかりました。では、魚をほぐしますので」
・・・・・・・
出来上がったのを見届けると握り飯2個持って出勤する先生を見送り、
みゆき と さくら が起きてきたので悠斗を叩き起こしに部屋に行ったものの
悠斗「もう少しやさしく起こしてくれないか?」
康介「遅くまで明久の勉強を見ていたみゆき や さくら はもう起きてるんだ。
先に寝ていたおまえが不平を言う資格はない。」
悠斗はジト目で
悠斗「母親みたいだな。」
ほう。母親みたいだと。
康介「誰の所為か考えろ。もう8時だぞ。」
悠斗「まだ、8時じゃん。」
康介「もう、8時だ。俺は6時から起きてんだよ!」
悠斗「はあ、全く。仕方がない。」
ようやく布団から出る悠斗
康介「早くしろよ。」
悠斗「ああ、出来るだけな。」
はあ、何か疲れた。
みゆきとさくらを見送って悠斗を待ったら遅刻ギリギリになった。
教室に顔出しして部活の方に行く。
雄二と明久は屋上で寝ているらしい。
俺も昼寝したい。
康介「おはようございま~す。」
大正ロマンスの門をくぐる。
ちひろ「遅い!」
言われると思った。
康介「開店は9時半じゃないですか。」
ちひろ「集合は8:20って言ったわよね。」
・・・完全に忘れていたな。
康介「すいません。わすれてました。」
ちひろ「早く準備なさい。」
康介「は~い。」
ことり「おはようございます先輩。」
うわあ、ビッシっと目がさめた。
康介「おはよう。」
大正時代に生きていたらこんな光景が毎日見れていたんだろうか?
そんな事を考えながら調理する服に着替える。
厨房に入ると、俺以外は全員来ていた。
宗義「おはよう。」
菫「おはようございます。」
幸作「おはようさん。寝坊か?」
康介「おはようございます。6時には起きていました。」
宗義「二度寝か?」
先輩じゃないんですから
康介「起きてくれないやつが居たんですよ。」
近くにあった椅子にすわる。
菫「先輩って確か皐月荘でしたよね。」
康介「ああ。」
菫「どんな感じなんですか?」
康介「・・・毎日が修学旅行?かな」
幸作「楽しそうだな。飯とかは?自分で作るの?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆=明久SIDE
明久「さてと。行こうか雄二」
雄二「そうだな。島田、俺達は抜けるが大丈夫か?」
美波「大丈夫じゃなくても行かないとダメでしょうが。決勝戦なんだからね?」
結局、僕と雄二は手伝いを三十分ぐらいしかしてない、
疲れっているだろうから、と気を遣って寝かせてくれたらしい。
なんだかんだ言っても、このクラスの皆はやさしいと思う。
瑞希「後で私たちも応援に行きますね。」
こちらは今日もチャイナ服がまぶしい。今日の売り上げが好調なのも、
彼女に魅惑なコスチュームが大きな要因の一つであるのは間違いないだろう。
みゆき「吉井、昨日あれだけ頑張ったんだから優勝しなさいよね。」
康介も残念だなあ。チャイナ服が見れないなんて。
葉月「お兄ちゃん。ファイトです!」
悠斗「勝て来いよ!」
秀吉「ここまで来たんじゃ。抜かるでないぞ?」
久保「こっちは僕たちに任せて戦っておいで」
ムッツリーニ「………優勝」
明久「わかってる。試召戦争の時にみたいなヘマはしないよ。それじゃ、行ってくる。」
湯治「やれやれ。耳が痛いな。」
秀吉とムッツリーニが突き出した手に軽くこぶしを充てて、
僕と雄二は会場に向かって歩き始めた。
明久「決勝戦の前に最後の妨害が来るかもしれないって思っていたけど、結局何もなかったね。」
雄二「もう小細工が通用しないとあきらめたか、
俺達の居場所がわからなかったか。そんなところだろ。」
明久「そっか。屋上にくる人なんて放送機器を使う人ぐらいだもんね。」
雄二「喫茶店の方はムッツリーニ達に任せてもう問題ないだろ。」
明久「あのスタンガン、服の上からでも通電する危険物って聞いたけど。」
雄二「ま、死にはしないだろ。」
用意したスタンガンは違法品のような気がしてならない。見た目もかなり矢場気だったし。
まあ、実際使わなくても見ただけで相手はおとなしくなるかもしれない。
抑止力だったけ。
雄二「後はもう何もない。勝つだけだ。」
明久「そうだんね。」
特に会話もなく、黙々と会場に向かう。
雄二「ほほぅ。随分と観客が多いな。」
明久「流石は決勝戦だね。」
ドクン、と少しだけ脈が速くなった。緊張していないと言えば嘘になる。
「入場が始まりますので急いでください。」
僕らを見つけた先生が手招きをしている。
『さて皆様。長楽お待たせいたしました!
これより試験召喚システムによる召喚大会を行います!』
聞こえてくるアナウンスは今まで聞いたことのない声だった。
もしかするとプロを雇っているのかもしれない。
世間の注目を集めている大会だし、十分考えられることだ。
『出場選手の入場です!』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●=康介SIDE
幸作「おい、何聞いてんだ?」
康介「ああ、召喚大会の決勝戦を。」
宗義「なんだ?無線機か?」
部長はイヤホンを引き抜く。
康介「ぶ、部長!」
宗義「こういう事は一人で楽しむものじゃない!」
まあ、そうだけど。
菫「無線って免許がいるんじゃないんですか?」
康介「いや、持ってるから問題ないんだけど、聴くだけなら無くてもいいし。」
おかしいな。ムッツリーニが教えてくれたチャンネルを呼び出すんだが…
『ザザザ』、ノイズと共に音声が入って来る。
『所属、坂本雄二君と、同じくFクラス吉井明久君です!皆様拍手でお迎えください!』
歓声が独特のノイズと共に入って来る。
康介「ええっと?」
幸作「ナポリタン2、オムライス1」
康介「りょ~かい」
宗義「がんばれよ!2年生」
椅子に座ってふんぞり返ってる部長
康介・幸作・菫「部長(おまえ)[先輩]、
働いてください!(働け!)[働いてください。]」
ちひろ「なにやってるの!」
宗義「ハイハイ、ただいま。」
森下先輩の声が聞こえると慌ててフライパンをにぎる部長
・・・森下先輩の声を録音しておこうかな。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆
『何と、最高成績のAクラスを抑えて決勝戦に進んだのは、2年生の最下級であるFクラスのコンビです!
これはFクラスが最下級という認識を改める必要があるかもしれません!』
雄二(あの司会。嬉しいこと言ってくれるな。)
明久(だね。姫路さんのお父さんにも好印象になるよね。)
『試験召喚システムのおかげで、最低クラスの生徒もやる気を上げている。』
とPR出来るかもしれない。
『そして対する選手は、三年Aクラス所属夏川俊平君と、
同じくAクラス所属常村勇作君です!皆様こちらも拍手でお迎え下さい!』
拍手を受けながら入場。コールを受けて僕らの前に姿を現したのは、
昨日散々迷惑をかけてくれた例の常夏コンビだ。
『出場選手が少ない三年生ですが、それでもきっちりと決勝戦に食い込んできました。
さてさて、最年長の意地を見せることができるでしょうか!』
同じように拍手を受けながら、二人はゆっくりと僕らの前にやってきた。
『それではルールを簡単に説明します。試験召喚獣とはテストの点数に比例した――』
アナウンスでルール説明が入る。
雄二「ようセンパイ方。もうセコい小細工はネタ切れか?」
腕を組んで小馬鹿にしたような雄二の態度。こういった仕草が様になる男だな。
夏川「お前らが公衆の面前で恥をかかないように、という優しい配慮だったんだがな。
Fクラス程度のオツムじゃ理解できなかったか?」
答える坊主先輩も負けてはいない。顎を手でこすり、挑発して来た。
夏川「残念ながらあんたらの言葉なんてAクラス所属でも理解できないだろうな。
まずは日本語を覚えてくるんだな。サル山の坊主大将」
夏川「て、テメェ、先輩に向かって……!」
観客には聞こえない程度の小声で挑発合戦が行われている。
明久「先輩。1つ聞きたいことがあります。」
夏川「ぁんだ?」
明久「教頭先生に協力している理由はなんですか?」
そう聞くと、先輩たちは一瞬驚いた顔をした。
常村「……そうか。事情は理解してるってコトか。」
明久「大体は。それでどうなんですか?」
夏川「進学だよ。上手くやれば推薦状を書いてくれるらしいからな。
そうすりゃ受験勉強とはおさらばだ。」
明久「……そうですか。」
夏川「まぁな」
常村「そういう事だ。」
明久「……そうですか。」
小さく頷いて会話を打ち切る。僕が聞きたいことはこれだけだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●
予想通り大学だったか、それより
宗義「おいおい、そんなことあっていいのか?」
無線を聞いていた部長が声を上げる。
・・・止めとくべきだったかなあ。ムッツリーニからチャンネルを買う事を
幸作「全くだな。」
あ~あ。ヤバいことになっちゃったかもしれないね。どうする?
どうしようにもさ。
だよなあ。
意味のない脳内やり取りをしていると
菫「先輩、音羽先輩!!」
ハッ
康介「どうした?」
菫「突然止まったままになるんですからびっくりしたんですよ。」
幸作「疲れがたまってるんじゃないか?」
宗義「溜まってるのは俺達みんなおなじだ。あのクソババア、人の使い方だ…け。」
殺気を感じたのか後ろを振り返る部長
ちひろ「誰がクソババアなのかしら?あ・お・ば・君?」
まあ、高校生には見えないよな。
取りあえず無線機を止めるか。遅い気がするが
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆
常村「本当は小細工なんて要らなかったんだよな。
Aクラスの俺たちとFクラスのお前らじゃ、そもそもの実力が違い過ぎる。」
雄二「そうか。それなのにわざわざご苦労なことだな。そんなに俺と明久が怖かったのか?」
夏川「ハッ!言ってろ!お前らの勝ち方なんて相手の性格や弱味につけこんだ騙し討ちだろうが。
俺たち相手じゃ何もできないだろ!」
それは確かにそうかもしれない。僕らが今まで勝ってこられたのは相手の事を知っていたからだ。
『それでは試合に入りましょう!選手の皆さん、どうぞ!』
説明も終わり、審判役の先生が僕らの間に立つ。
「「「「試獣召喚(サモン)」」」」
掛け声をあげ、それぞれが分身を喚び出した。
向こうの装備はオーソドックスな剣と鎧。高得点者の召喚獣らしく、質はかなり良さそうなものに見える。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●
菫「なんで、切るんですか?」
ちひろ「料理溜まってるのよ。ラジオ聞いててもいいから早く作ってよ!」
宗義「出来ないくせに簡単に言うなあ。」
ちひろ「なんですってぇ!!」
幸作「これから面白くなりそうなのに」
康介「これ以上聞かれると俺がヤバそうなので今までの事は一切合財忘れてください。」
菫「先輩?」
幸作「おまえ、まさかアイツらに…」
何か勘違いされたのかな。
康介「そういう分けではなく・・・まあ、そうですね。」
頭の回転が鈍いなあ。寝ていないせいかな。
宗義「何があったんだ?」
ちひろ「言ってみなさい。まあ、誰にもいわないから」
・・・
康介「実はですね…斯く斯く然々、喧々諤々…という重要機密だった分けでして
くれぐれも、部外者には極秘にしていただきたいと言う所存でありまするわけでして」
これ、バレたらエライことになる。
菫「私たちの知らないところでそんな。」
幸作「勝てば何とかなるんだろ。」
ちひろ「勝てるのかしら、彼ら、性格は下衆だけど、頭は良いわよ。」
相変わらず言葉がきつい。
宗義「確かにな。900人以上を売るような奴らだからな。」
康介「あの二人なら心配ないと思いますけど。」
過信過ぎではないと俺自身思いたい。
ちひろ「ま、それはさて置き、料理をつくらないと、お客さんまたせてるし。」
って言いながら、無線機に手を伸ばし、電源を入れた。
康介「なんで、使い方がわかってるんですか。」
ちひろ「だって、電化製品ってオレンジ色のボタンは電源じゃない。」
・・・なるほど。