問 アメリカ合衆国が独立した年を答えなさい。
《解答》
姫路瑞希の答え
1776年7月4日
教師のコメント
正解です。
吉井明久の答え
1776年7月4日
教師のコメント
正解です。最近頑張っていますね。
雄二「「明久」
明久「ん?なに、雄二。」
雄二「そういえば、例のチケットはどうした?」
明久「例のチケットって――如月グランドパークのプレミアムチケットのこと?」
雄二「ああ、確か今週末がプレオープンの予定のはずだが、
姫路を誘って行ってみたりはしないのか?」
明久「な、何を言っているのさ雄二!だって、あのチケットを使って入場したら、
如月グループの力で一緒に行った人との結婚を強要されちゃうでしょ?
そんなことしたら姫路さんが可哀想じゃないか。」
雄二「そりゃ、向こうも『如月グランドパークを訪れたカップルは幸せになれる』
なんてジンクスを作り上げようと必死だからな。
来援するカップルが結ばれるように色々な手出しをしてむるだろうが――」
明久「うんうん。そうだよね。」
雄二「だが、姫路もまんざらじゃないと思うぞ。」
明久「……ほえ?」
雄二「いいじゃないか。
勇気を出して誘ってみたら、意外とすんなりOKをもらえるかもしれないぞ。」
明久「あ、はは。またまた雄二ってば、冗談ばっかり~。
僕なんかが姫路さんと結婚て、そんなのあるわけないじゃなうか。」
雄二「ふむ。まあ、お前がそう言うならそれはそれで構わないが。
けどそれなら、チケットはどうしたんだ?」
明久「ちょうど身近に結婚を考えている人がいたからね。その人に上げたよ。」
雄二「そうか。そんな奴がいるなら都合がいいな。
そのままうまく結婚になれば如月グループも喜ぶだろうしな。」
明久「そうだね。うまくいけば全員が幸せだもんね。」
雄二「その連中、上手くいきそうなのか?」
明久「うん。あとは時間ときっかけの問題だと思うんだ。」
雄二「そうか。上手くいくといいな。」
明久「大丈夫、きっとうまくいくよ。」
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●康介SIDE
Prrr、Prrr、
みゆき「はい、文月学園皐月荘――お父さん?どうしたの?え?うん。わかった。」
・・・・・・・・・・・・・
康介「まあ、なんだ。実のところを言うと予算が底をついた。いや着きそうなんだ。」
さくら「あ、あのうそれはどういう意味ですか?」
康介「わかりやすく言うとだ。倒産寸前の会社といってもいい。」
エイミー「リストラですか?」
康介「そうだな。それが会社をたてなおす一番早い方法だ。」
悠斗「さっきから何をいってるんだ?」
康介「このままいくと俺達は飢え死にするという事だ。」
ともか「アンタどうして予算の管理してないのよ!」
康介「してたさ。」
ともか「じゃあ、どうして?」
康介「想像を超えた出費でな。まあ、無理だろうなあ。とは思っていたんだけどさ。」
ともか「ふざけてるんじゃないわよ!」
ふざけてない。元々3人分を倍にしても『もしものお金』でなんとかなる筈だったんだ。
康介「お前ら転校して来て皐月壮に入寮いて来た時点で今月分の配当が終わっていたんだ。
いわゆる現在3人分の予算で何とかやりくりしている状況なんだ。
とは言ってもやらないといけないことはやらないといけないだろうし。
何かあった時の為の金を崩してやって来たわけだが、もう持ちそうにない。」
悠斗一人で2人分は食ってるからなあ。まあ、財政破綻しかけた理由は悠斗なんだが。
さすがにこれ話いうのは悠斗に悪いし。
さくら「それでどうするんですか?」
康介「働くしかないだろうなあ。」
随分と他人行儀な居方だと我ながらおもう。
生野が今にもブチ切れそうだ。こわいこわい。
みゆき「私のお父さんから電話があってね。この連休みんなで行かない?」
エイミー「どこに行くんデスカ?」
みゆき「私の実家、旅館よ。」
エイミー「りょ、旅館デスカ?」
キラキラさせて言うエイミー
康介「という分けで疎開しに行きましょうか水谷の実家に。」
この前行ったばかりなのになあ。
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とある休日の朝
カーテンの隙間から差し込む陽の光と雀の鳴き声で目を覚ますと、
翔子「……雄二、おはよう。」
俺のベット脇に翔子がいた。
翔子「……今日はいい天気」
シャッとカーテンを開く翔子。陽光が更に強く部屋の中に差し込んできた。
雄二「ん?ああ、そうみたいだな。」
強い光に目を細めながら、まじまじと幼なじみの姿を見る。
今日は休日だからか、いつもの制服姿ではないようだ。
上は白いカーディガンで、その下に薄いピンクのカットソーを着ている。
下は薄手の薄手のひざ上程度のスカートで、下着が透けない為のインナーが仲の見える。
ペチコートとかいうヤツだったかか?
いつもはTシャツにジュースやデニムのミニを合わせている格好なので、
今日はこいつにシテは随分と気合の入っている格好だといえるだろう。
なんて、柄にもなくファッション観察をしている自分に驚いた。
寝ぼけているのかもしれない。眠気を振り払うように頭を大きく振って、翔子に向き直る。
雄二「改めて、おはよう。翔子」
翔子「……うん。おはよう雄二」
雄二「よいしょ、っと――」
そういえば、どうして翔子が俺の部屋にいるんだ?
今日はコイツと何かの約束をしていたっけ?
寝起きのため本調子には程遠い頭で記憶を掘り起こす。
ダメだ。覚えがない。覚えがないなら約束ではないだろう。
だとすると……。他の理由を少し考えて、一つの結論にたどり着く。
そうか、そういうことか。
雄二「悪い翔子。俺の携帯とってくれ。」
翔子「……電話でもするの?」
雄二「ああ、そうだ。」
翔子が渡してくれた携帯を操作し、番号をプッシュする。
コイツがここにいること。それは――
雄二「ああもしもし?警察ですか?」
不法侵入だ。
ドドドドドドドドドド! ガチャッ!
雄二「おふくろっ!どういうことだっ!」
雪乃「あら雄二。おはよう。」
坂本雪乃・・・雄二の母親
キッチンに駆け込むと、おふくろは流しで洗い物をしながら朝の挨拶をしてきた。
雄二「おはようじゃねぇっ!どうして翔子が俺の部屋にいるんだ!
おかげで俺は警察のオッサンに二次元と三次元の区別が出来ない
妄想野郎と思われちまっただろうが!」
幼なじみが無断で俺を起こしに部屋に入ってきた、と告げたときの
相手の反応は俺の心に深い傷を残してくれた。
寝ぼけていたとはいえ、一生の不覚だ。
雪乃「・・・え?」
おふくろが何度か大きな瞳を瞬かせる。その仕草は子供ぽかった。
持ち前の童顔の所為もあるが、おふくろは実際の年齢よりも若く見られる。
『よく女子大生に間違えられるんだから!』という本人の談。
親父はもちろん俺も信じていないが。
雪乃「翔子ちゃんが…?」
おふくろが頬に手を当てて困ったような顔をする。
この態度、もしや翔子単独の行動か?おふくろの手引きじゃなかったのか?
もしそうだとしたら、いきなり朝から怒鳴るのは少々浅慮だったかもしれない。
雄二「ああいや、怒鳴って悪かった。俺はてっきりおふくろが
アイツを勝手に俺の部屋に上げたものだと――」
雪乃「もう、翔子ちゃんってば奥手ねえ。
折角お膳立てしてあげたのに何もしないでいるなんて
勿体な―――あら雄二、どうしてお母さんの顔を鷲掴みにするのかしら?」
雄二「やっぱり、アンタのせいか・・・!」
この母親には一度きっかり常識を教えてやるべきだろう。
翔子「……雄二。お義母さんを虐めちゃダメ。」
雄二「止めるな翔子。俺は息子としてこの母親の再教育をしないといけないんだ。」
遅れて現れた翔子が俺の腕を掴んで邪魔してくる。
なんとなく、翔子の言う『お母さん』の発言が普通と違うような気がするが、
そこはツッコまない方が安全だろう。
翔子「……言うことを聞かないと、この本をお義母さんと一緒に読む。」
翔子が取り出したのはA4サイズの冊子。どこかで、・・・!!
雄二「ま、待てっ!それは女子どもの読むものじゃない!早くこっちに寄越すんだ!」
よりにもよってあの本か!
ムッツリーニですら唸らせた至高の1冊が見つかるなんて最悪の事態だ!
っていうかどうやって見つけ出したんだ!?
一緒に暮らしているおふくろでさえわからないような場所に隠したはずだぞ!?
雪乃「あら翔子ちゃん。それは雄二が歴史の資料集の表紙をかぶせて
机の三番目の引き出しの二重底の下に隠している秘密の本じゃない?」
くそっ!今まで黙っていたのか!
雄二「わ、わかった。おふくろは開放しよう。」
言われた通りアイアンクローを取りやめる。なんて汚い脅迫なんだ。
翔子「……そう。それなら、この本は――」
くそっ。取り返したら今度こそ絶対に見つからないように隠してやる。
いっそのこと鍵でもつけて厳重に――
翔子「燃やすだけで許してあげる。」
雄二「すまん翔子。どう考えてもそれは許された時の対応じゃない。」
普通は許してくれたのならその本を返してくれるはずだ。
翔子「……じゃあ、この本を燃やしても許さない。」
雄二「燃やさないという選択肢はないのか!?」
小学校からの付き合いだがたまにコイツの考えについていけなくなる。
雪乃「ふふっ。相変わらず二人は仲良しねえ。」
解放されたおふくろは特に慌てた様子もなく、
最後の洗い物を終えてエプロンで手を吹いていた。
なんともマイペースな母親だ。
雄二「俺にはこれが仲の良い光景とは全然思えないんだが…」
雪乃「あら、そうかしら?」
ニコニコと微笑み続けるおふくろ。
雄二「やれやれ。んで、どうして翔子が来てるんだ?」
翔子「……約束」
雄二「約束?今日俺となにか約束をしていたか?」
翔子「……うん」
いつもの調子で頷いてポケットから小さな紙切れを取り出す翔子。
どうやら何かのチケットのようだ。え~っと……
雪乃「あら。如月グランドパークのオープンチケット?
しかもプレミアムって書いてあるから特別なチケットなんじゃないの?
凄いわ翔子ちゃん、よくこんなもの手に入ったわね~。」
翔子「……優しい人がくれた。」
雪乃「そう。良かったわね~。あら、雄二?どこに電話してるの?」
雄二「ちょっとゲス野郎に用ができたんだ。」
携帯電話の番号通知をOOFにして明久の番号を呼び出す。
数秒の呼び出し音の後、怨敵は軽快な声で電話に出た。
明久『はいもしもし?どちらさまですか?』
雄二「…………………キサマヲコロス」
明久『え!?なになに!?本当に誰!?メチャクチャ怖――(プツッ)』
電話の向こうで狼狽する声を聞きながら通話を切ると、少しだけ気分が晴れた。
翔子「……雄二、行こう?」
雄二「絶対に嫌だ。」
これは如月グループと周辺の自治体の企みが裏に存在する危険な企画だ。
そんなものに翔子と参加するなんてハメになったら、
そのままなし崩しで結婚まで持ち込まれてしまうだろう。
そんな事態は絶対に避けなければならない。
翔子「あら。どうしてそんなに嫌がるの?
翔子ちゃんと一緒に行ってきたらいいじゃない。」
雄二「色々と事情があるんだ」
翔子「……私は、雄二と一緒に行きたい。」
翔子がジッと俺の目を見ながら言った。
コイツがこうやって好意を示し始めてからもう七年くらいになるだろうか。
いい加減ビシッと断っておかないといけないな。
このままでは本当に結婚まで話が進んじまう。
今日こそはっきりと『翔子、俺のことは諦めてくれ』と言ってやろう。
雄二「翔子」
翔子「イヤ」
雄二「…俺のこと…」
早い!早すぎる!まだ名前の部分しか言ってないというのに!
雄二「だ、だがな、翔子」
翔子「……どうしても行きたくないなら――」
俺の言葉を遮り、翔子はトートバックから何かの冊子を取り出した。
翔子「――選んで」
翔子が取り出したのは、結婚式場案内のパンフ。
雄二「すまん。話の流れがさっぱりわからない。」
翔子「……約束を破ったら即挙式って誓ってくれた。」
契約の内容が変わっている気がする。
雪乃「お母さんはハワイとかの海外がいいな~」
雄二「おふくろ。アンタはどうしてそんなにマイペースなんだ。」
翔子「……雄二。早く選んで、予約するから。」
雪乃「あっ。ヨーロッパもいいわね。雄二、どこがいいかしら?」
雄二「くっ……!」
どちらを選んでも結婚の話がチラつくという恐ろしいこの状況。
だが、この程度の困難に屈する俺ではない!なんとかして脱出を……
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雄二「……俺は……無力だ」
『♪まもなく、「涼月市」です。列車は2番線に停まります。降り口は右側です。
お降りの際はお忘れ物の無いよう、御手回り品を今一度お確かめください。
本日は如月急行電鉄をご利用くださいましてありがとうございました。
またのご利用をお待ちしております♪』
電車で二時間ほどかけ、俺と翔子は如月グランドパークの最寄り駅で降りて
バスに乗ろうと駅のコンコースを歩いている。結構人がいるなあ。
「すみません、涼月山に行くバスはどこから出るんですか?」
康介「登山ですか?」
「はい。」
康介「5合目まで登るバスがありますよ。乗り場までご案内しましょうか?」
「ありがとうございます。」
康介「お荷物、お持ちしましょうか?」
「あ、すみません。」
「私も。」
康介「こちらです。」
翔子「……あれ、音羽」
雄二「何やってるんだアイツ・・・」
ハッ、なるほど、明久の差し金か!
翔子「……どこ行くの雄二。バス乗り場はあっち」
くそ!このままじゃどのみち顔を合わせることになるじゃないか!
ミシッ。
翔子「……早く行こう雄二。」
雄二「翔子、逃げないから手を放してくれないか?」
肘を極めてきた翔子に脂汗を流しながら笑いかける。まずい。指先の感覚がなくなってきた。
翔子「……恋人同士は皆こうしてる。」
雄二「待て翔子!お前は腕を組むという仲睦まじい行為と
サブミッションを同様に考えてないか!?」
翔子に引きずられてバス乗り場に連れて行かれた。
康介「このバスに乗られてください。」
「「ありがとうございました。」」
康介は帽子をとって頭を下げる。
康介「楽しんできてください。」
再度礼をしてバスに乗り込んでいく女子大生
くそう!生きて帰った暁にはFFF団にこの情報を流して
雄二「ぐわぁあああ!!」
な、なんだ。俺が何をした!
翔子「……浮気はダメ!お仕置き」
康介「何やってんだ雄二、霧島。」
大声を出したせいか康介が気づいてこっちにやって来た。
翔子「……雄二にお仕置きしてる。音羽は何してるの?」
康介「その前に雄二を放してあげなよ。」
翔子「……だって、雄二がさっきから別の女の事を」
康介「大丈夫、雄二は霧島一筋だから雄二を信じよう。それとも信じられないの?」
や、やめてくれ。
翔子「……わかった。」
雄二「ケホケホ」
助けてくれたことは感謝するが、元々、来なければこうはなってなかったはずだ。
覚悟しろよ!
康介「雄二、おまえ覚悟決めたのか?」
耳元で康介がそう言ってきた。
?どういうことだ
雄二「おまえは明久の計画に関係してないのか?」
康介「計画?そんなものは知らないな。」
まだ油断はできない。
雄二「じゃあ、何でここに居るんだ?」
康介「皐月荘の予算が底をつきかけたんで働いてるだ。」
翔子「……雄二、さっきから音羽とばかり話してる。」
雄二「なっ!」
康介「ごめん、霧島。雄二、チケットもってるだろ。」
雄二「ああ、」
翔子「……これ。」
鞄の中から取り出した。
康介「ええっと、向こうの待合室で待っててくれないか?」
雄二「ああ。」
康介は駅舎に入っていく。
ほんの3分ぐらい待っていると
康介「雄二、霧島、こっちに来てくれ。」
康介が呼びに来た。
待合室の外には白塗りの高級車が止まっていた。どこぞの金持ちでも来ているのか。
「お待たせいたしました。わたくし運転手の吉田と申します。
御二方を如月グランドパークにお連れするように言付かっております。」
・・・まさか、これに乗れってことか!?そんな恥ずかしい真似が出来るか!
雄二「どういう事だ康介!」
康介「すまない。これも俺の仕事なんだ。」
悠斗「雄二、覚悟を決めるんだ。さあ、代表とともに」
雄二「ゆ、悠斗!?おまえまで、」
翔子「……雄二、行こう。」
俺は翔子に引きずられる形で車に連れ込まれた。
車は静かに動き出し、後では康介と悠斗が敬礼をしていた。
俺は、俺は、必ず生きて帰るんだ!