バカな親友らとテストと召喚獣   作:音羽2600

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第9問:数学

 問 以下のの問いに答えなさい。

  『縦、横が15mの正方形の土地に、同じ幅の道を縦、横につけて残りを畑にする。
   畑の面積が169m2になるとき、道幅は何mになるか求めなさい。』

《解答》
 音羽康介の答え
  『道幅をXとおく、
   道幅を正方形の一辺から引いた長さは(15-X)になる

    (15-X)×(15-X)= 169
      
     X2 - 30X + 225 = 169
 
     X2 - 30X + 56 = 0

    (28-X)×(2-X)=0

     X=2、28

     X<15より X=2 


     よって、道幅は2m  終          』


  教師のコメント
   そのとおりです。寧に説いていますね。


 吉井明久の答え
  『 15×15=225

    225-169=56    

    56m2       』  


  教師のコメント
   残念ながらそれは道の面積です。





第11話バカテスト数学:如月グランドパーク2

若干さかのぼる

 

●康介SIDE

 

みゆき「ただいま。」

 

康介「久しぶりです。」

 

知美「おかえり、随分お友達を連れてきたのね。

   始めまして、私がみゆきの母親の知美よ。よろしくね。」

 

知美さんと話しているとのんびりしたペースに持っていかれる。

 

さくら「初めまして秋月さくらです。」

 

ともか「生野ともかです。」

 

悠斗「三浦悠斗です。よろしくお願いします。」

 

エイミー「エイミー・ヤシマです。よろしくお願いします。」

 

知美「もう、そんなに固くならないで自分の家だと思ってちょうだい。」

 

悠斗「は、はあ。」

 

知美「じゃ、長旅で疲れたでしょ。

   働くのは後からでいいからゆっくり休んでちょうだい。お茶煎れてくるから」

 

ともか「なんかやさしいお母さんね。」

 

みゆき「そうかな。」

 

悠斗「さくらににてるな。」

 

あ、それは同感だ。

 

さくら「私にですか?」

 

エイミー「胸も大きいデスネ。」

 

さくら「////」

 

・・・・・・・

 

俺の横にみゆき、知美さんが、テーブルを挟んだ向こうに悠斗、さくら、生野が、角にエイミーが座っている。

 

知美さんは悠斗たちを観察するように見えた。

 

ともか「さっきからなんですか?」

 

知美「ごめんね。気になってることがあるんだけどいい?」

 

・・・耳栓忘れたな。

 

ともか「よくわかりませんが。」

 

知美「ねえ、ともかちゃん は悠斗君の彼女なの?」

 

お茶を飲んでいた悠斗が噴き出した。

 

悠斗「(ゲッホ、ゲッホ)」

 

ともか「な、」

 

知美「ウフフ、ごめんね。この前康君はからかっちゃったから。」

 

手を軽く合わせる知美さん。

 

ともか「こいつが私のか、か、か、彼氏なわけ…」

 

生野のこんな姿を拝めるなんて

 

知美さんは手を出して、

 

知美「いいのよ。ごめんね。」

 

ともか「……」

 

そんな人を殺しそうな目で俺をみないでほしい。

 

知美「聞くまでもなかったわね。悠斗君。」

 

悠斗「は、はい…?」

 

突然充てられて驚く悠斗

 

知美「大事にするのよ。」

 

生野が手をテーブルに着こうとして止める。そんな様子をにこにこして眺める知美さん。

 

ああ、高みの見物っていいなあ。

 

哲男「こらこら、からかっちゃだめだよ。」

 

知美「あ、哲男さん。紹介するわね。私の旦那よ。」

 

恥ずかしそうに

 

哲男「水谷哲男だ。よろしく。」

 

さくら「秋月さくらです。」

 

ともか「生野ともかです。」

 

悠斗「よろしくお願いします。三浦悠斗です。」

 

エイミー「エイミー・ヤシマです。」

 

哲男「それで、・・・」

 

 

哲男さん登場で終息すると思ったが、この後さらに会話はヒートアップし

 

生野が集中的にいじられぶっ倒れるまで続いた。

 

生野「(私、もういやだ。)」

 

悠斗「(この気まずい空気どうしてくれるんだ。)」

 

気持ちはわからなくはない。知美さんは歓迎してるつもりなんだけど。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

△雄二SIDE

 

 

車内は広々としていて対面式シートに冷蔵庫完備というまるで要人専用車、

 

これはマズい。これは本気だ!早く対抗策を考えなくては、

 

だが、この状況で俺に何ができる。右腕は翔子にがっちり組まれている。

 

翔子「……雄二、楽しみ。」

 

雄二「ック」

 

俺は無力だ。

 

「お待たせしました。到着しました。」

 

翔子「……やっとついた」

 

嬉しそうにアミューズメントパークを見ている翔子。

 

……ふむ。そんな姿を見ると連れてきた甲斐もあるかもしれないな。

 

如月グランドパークの職員が車の扉を開け

 

「ようこそ、遠路はるばるお越しくださいました。お荷物を持ちます。」

 

雄二「よし。それじゃ、翔子」

 

翔子「……うん。」

 

雄二「帰ろう。」

 

翔子「……ダメ。絶対に入る。」

 

雄二「はっはっは。翔子、俺の肘関節はそっち側に曲がらないぞ?」

 

「お疲れでしたら部屋をご用意しますが。」

 

疲れていると思った職員がそんな事を言ってきた。

 

職員としての当然とした対応なのだろうが、そんな事は必要ない。

 

部屋を用意されたらどうなる事か!

 

翔子「……雄二、大丈夫?」

 

雄二「ああ。大丈夫だ。部屋は用意しなくていい。」

 

「かしこまりました。入場ゲートはこちらです。そのままはいってください。」

 

 「例の客だ。手筈通りにな。」

 

この職員、例のジンクスを作るための工作員か?

 

 男は頷く。

 

くそう!そっちの思惑に乗せられてたまるか!

 

「いらっしゃいマセ!如月グランドパークへようこソ!」

 

日本人ではないのか、若干訛りの混じった口調で俺たちに笑顔を振りまいた。

 

顔立ちはアジア系っぽいので日本人かどうかはよくわからないが。

 

「チケットを拝見します。」

 

翔子「……はい」

 

翔子がポケットから例のチケットを取り出す。

 

係員はそのチケットを受け取って俺たちの顔を見ると、笑顔のまま一瞬固まった。

 

翔子がそんな係員の様子を見て不安そうに表情を曇らせる。

 

「ちょっとお待ちくだサーイ。」

 

係員はポケットから携帯電話を取り出し、俺たちに背を向けてどこかに電話をし始めた。

 

「――私だ。シナリオαの用意をしろ。・・(相手の応答)・・そうだ、確実に仕留める。」

 

翔子「……そのチケット、使えないの……?」

 

「イエイエ、そんなコトないデスよ?」

 

雄二「おいコラ。さっきの不穏当な会話はなんだ?」

 

くそう、周りに居る職員、スタッフは全員俺の敵と考えるしかないか。

 

「気にしないデくだサーイ。コッチの話デース。」

 

取り繕ったように元の雰囲気に戻る係員。あからさまに怪しい。

 

雄二「アンタ、さっき流暢に日本語話してなかったか?」

 

「オーウ。ニホンゴむつかしくてワカりまセーン。」

 

こいつムカつく。

 

雄二「ところで、そのシナリオαとやらは必要ないぞ。

   入場だけさせてくれたらあとは放っておいてくれていい。」

 

もはや潔いとも言えるネーミングのおかげで、向こうのやろうとしていることはよくわかった。

 

だが、そんなものに乗る気はない!そうしないと、俺の人生がっ!

 

「そんなコト言わずニ、お世話させてくだサーイ。

 トッテモ豪華なおもてナシさせていただきマース。」

 

雄二「不要だ。」

 

「そこをナントカお願いしマース。」

 

雄二「ダメだ。」

 

「この通りデース。」

 

雄二「却下だ。」

 

「断ればアナタの実家に腐ったザリガニを送りマース。」

 

雄二「やめろっ!そんなことされたら我が家は食中毒で大変なことになってしまう!」

 

あの母親は間違いなく伊勢海老だと勘違いして食卓にあげるだろう。

 

なんて恐ろしい脅迫をしてくれんだ、この似非外国人め……!

 

「では、マズ最初に記念写真を撮りますヨ?」

 

翔子「……記念写真?」

 

「ハイ。サイコーにお似合いのお二人の愛のメモリーを残しマース。」

 

翔子「……雄二と、お似合い……(ポッ)」

 

翔子は似非外国人の言葉に頬を赤らめていた。

 

「お待たせしました。カメラです。」

 

そこに帽子を目深にかぶったスタッフがカメラを片手に現れた。

 

うん?なんだか見覚えのあるヤツだな。帽子で顔を隠しているのが怪しいが……

 

「アナタが持ってきてクレたのデスか。わざわざありがとうございマス。助かりマース。」

 

やはり妙だ。こういった場所のスタッフが客の前で同僚に丁寧な礼を言うだろうか?

 

――ふむ。少し試してみるか。

 

雄二「悪いがちょっと電話をさせてくれ。」

 

「わかりまシタ。」

 

携帯を取り出して『吉井明久』という名のバカに電話をかける。

 

Prrrr,Prrrrrr

 

「ああ、すみません。僕の携帯ですね。」

 

相手が出たことを確認して

 

「……いよう明久。テメェ、面白いことしてるじゃねえか……!」

 

明久「日、人違いですっ。」

 

ダッ!

 

雄二「あっコラ!逃げるなテメェ!ええい、放せこの似非外国人!」

 

「彼はココのスタッフのエリザベート・ハナコ(三十五歳)通称スティーヴでース。

 あなたの言う吉井ナントカさんではありまセーン。」

 

雄二「黙れ!人種性別年齢氏名全てにおいて堂々と嘘をつくな!

   しかもどう考えてもその名前で通称スティーヴはないだろ!

   ついでに俺は吉井何て名字は一言も言って無い!」

 

似非外国人に絡まれてる間に明久の姿は見えなくなった。

 

あの野郎、ただじゃおかねえ。人の人生を何だと思ってやがる!

 

しかし、個々のスタッフになりすましているとしたらかなり大がかりな話だ。

 

明久の単独行動とは考えにくい。ババァも一枚かんでいるとみて間違いないだろう。

 

明久が頼めばこの前の仮があるし断れないだろう。

 

雄二「翔子、すまんがちょっと我慢してくれ。」

 

翔子「……???」

 

きょとんとしている翔子のスカートを掴み、軽く捲り上げる。

 

下着が見えるか見えないかというギリギリの高さまでスカートが持ち上がった。

 

ムッツリーニ「………っ!?(ギラッ)」

 

その瞬間、すばやく動くカメラマン……。

 

雄二「ムッツリーニ!」

 

ムッツリーニ「!!(ブンブン)」

 

やはりムッツリーニも来ていたか。

 

翔子「……雄二、えっち。」

 

翔子が少し怒ったような顔で俺を見ていた。

 

雄二「なっ!?ち、違うぞ翔子!俺はお前の下着になんか微塵も興味がないっ!」

 

翔子「……それはそれで、困る。」

 

雄二「ぐぁああああっ!理不尽だぁあっ!」

 

翔子の握力で俺の頭蓋が軋む音が聞こえてきた。

 

「でハ、写真を撮りマース。はい、チーズ。」

 

近くでフラッシュが炊かれ、ピピッという電子音が聞こえた。

 

「スグに印刷しマース。そのまま待っていて下さイ。」

 

翔子「……わかったそのまま待ってる。」

 

雄二「ぐぁああああっ!このままだと俺の頭蓋骨がっ!」

 

「―はい、どうゾ。」

 

ほどなくして似非野郎が写真を持ってきた。それと同時に開放される俺。

 

気づくとカメラマンもといムッツリーニはいなくなっていた。

 

翔子「……ありがとう。」

 

翔子は嬉しそうに写真を受け取りせき込む俺に見せつけた。

 

翔子「……雄二、見て。私たちの思い出。」

 

雄二「……なんだ、この写真は。」

 

写っているのは翔子の後頭部と頭を掴まれ悶える俺。そして――

 

「サービスで加工も入れておきまシタ。」

 

その二人を囲うようなハートマークと『私達、結婚します』という文字。

 

アイアンクローをかましてる女とそれに苦しむ男の周りを、

 

未来を祝福する天使が飛び回っている。

 

他人が見るとどういった経緯で結婚に至ったのか気になるところだろう。

 

・・・・・・どうみてもこの二人に幸せは訪れそうにない。

 

「コレをパークの写真館に飾っても良いデスか?」

 

雄二「キサマ正気か!?コレを飾ることでここになんのメリットがあるというんだ!」

 

見にくる客がドン引き間違いなしだ。客が減るかもしれない。

 

翔子「……雄二、照れてる?」

 

雄二「すまない。どこからどう見てもこの写真には照れる要素が見当たらない。」

 

なんて印刷された写真を見てると、

 

『あぁっ!写真撮影してる!アタシらも撮ってもらおーよ!』

 

『オレたちの結婚の記念に、か?そうだな。おい係員。オレたちも写ってやんよ。』

 

偉そうな態度でチャラいカップルがやってきた。

 

「すいまセン。こちらは特別企画でスので……。」

 

似非野郎が断ろうとする。

 

どうやらあの写真撮影は例のウエディングシフトとやらの一環で、

 

俺たちだけが対象なのだろう。

 

『あぁっ!?いいじゃねーか!オレたちゃオキャクサマだぞコルァ!』

 

『きゃーっ。リョータ、かっこいーっ!』

 

男が下から睨みつけるように似非野郎を威嚇し始める。

 

絵に描いたようなチンピラだな。その姿を見て喜ぶ女もどうかと思うが。

 

『だいたいよぉ、あんなダッセぇジャリどもよりも

 オレたちを写した方がココの評判的にも良くねぇ?』

 

『そうよっ!あんなアタマの悪そうなオトコよりもリョータの方が

 百倍カッコイイんだからぁ!』

 

とりあえずチンピラカップルが係員の注意を引いている間に逃げるとするか。

 

翔子「……(ツカツカツカ)」

 

雄二「っておい翔子。どこに行くんだ。」

 

急に勢いよく歩きだした翔子の腕を掴んで引き止める。

 

翔子「……あの二人、雄二のことを悪く言ったから。」

 

雄二「あのなぁ……。その程度のことでイチイチ目くじら立てていたらキリがないぞ?」

 

あのテの連中は下手に相手すると執拗に絡んでくることが多い。

 

悪口程度で構ったりすると面倒事を抱え込むよ事にもなりかねないので、ここは無視という選択肢が一番だ。

 

正直あんな連中に何を言われても気にならないし、何より視界に入れておくだけでも不愉快だ。

 

まあ、翔子怒ってくれた事に悪い気持ちはしなかったがな。

 

雄二「行くぞ、翔子」

 

翔子「……雄二がそう言うのなら。」

 

翔子もその光景は嫌だったようで、促すと渋々ついてきた。

 

雄二「さて。それじゃ、テキトーに回って帰るか。」

 

翔子「……楽しみ。」

 

園内には前評判通りの最新アトラクションが沢山あった。

 

3Dの体感アトラクションから絶叫マシーン、

 

コーヒーカップやメリーゴーランドなど、

 

知っているアトラクションは全て揃っているようだ。

 

中には見た目だけでは想像もつかないようなものまである。

 

雄二「映画館でもあれば楽なんだがな。」

 

翔子「……折角一緒にいるんだから、そんなのはダメ。」

 

翔子に却下されたので、仕方なく面倒が少なくて

 

妙な雰囲気にならないようなアトラクションを探す。

 

すると、そんな俺たちにヒョコヒョコと着ぐるみが近寄ってきた。

 

如月グランドパークのイメージキャラクターだ。

 

『お兄さんたち、フィーが面白いアトラクションを紹介してあげるよ?』

 

着ぐるみから聞こえてくるのは若い女の声。

 

ボイスチェンジャーなどを搭載していないのか、その声は普通の人間の声だった。

 

なんか聞き覚えのある声だな。

 

気のせいか、クラスメイトの優等生に思えてならない。こいつも確認しておくか。

 

雄二「そういえば、さっき明久がバイトの女子大生に映画に誘われていたな。」

 

瑞希『えぇっ、明久君が!?それはどこで見たんですか!?』

 

本当にこいつらは、揃いも揃って・・・・・・。

 

雄二「おい姫路。アルバイトか?」

 

瑞希『あ……っ!お兄さんたち、フィーが面白いアトラクションを紹介してあげるよ?』

 

・・・・明久みたいだな。

 

雄二「じゃあ、フィーとやら。お前のオススメを教えてもらえるか?」

 

瑞希『あ。う、うんっ。フィーのオススメはねっ、向こうに見えるお化け屋敷だよっ。』

 

フィー(姫路)の手が噴水を挟んだ向こう側に見える建物を示す。

 

ふむ。廃病院を改造したとかいう例のアレか。

 

雄二「そうか、ありがとう。」

 

瑞希『いえいえっ。楽しんできてねっ。』

 

翔子「よし翔子。お化け屋敷以外のアトラクションに行くぞ。」

 

翔子の背中を押して歩き出す。

 

すると、フィー(姫路)が慌てたように俺の腕をつかんできた。

 

瑞希『ままま待って下さいっ!どうしてオススメ以外のところに行くんですか!?』

 

雄二「どうしてもクソもあるか。

   お前の口ぶりからするとお化け屋敷には余計な仕掛けが施されているのは明白だ。

   わざわざそんなところに行く気はない。」

 

いくら成績優秀とはいえ、姫路は騙し合いはさっぱりのようだ。

 

瑞希『そ、そんなの困りますっ!お願いですからお化け屋敷に行ってください!』

 

雄二「断る。」

 

そのお願いとやらの為に残りの人生を捧げる気はない!

 

断固として否定し、俺は自由を謳歌するんだ!

 

瑞希『お願いです~っ。お化け屋敷はきっと楽しいですから~!』

 

雄二「い・や・だ!」

 

だっだ子のように姫路が引きずられるようについて来る。

 

邪魔なので振り払うかと考えていると

 

明久『そこまでだ雄二――じゃなくて、そこのブサイクな男っ!』

 

・・・そこに現れたのは頭部が前後逆になったシュールな生物。

 

雄二「なんだ明久。その頭の悪そうな格好は?」

 

見えてない時点で気づけよ。ここまで来ると筋金入りだな。

 

明久『失礼なっ! 僕――じゃなくてノインのどこが頭が悪いって言うんだ!』

 

翔子「……雄二。ノイちゃんはうっかりさんだから。」

 

その言い訳もどうかと思うが。

 

雄二「うっかりで頭部が前後が逆になる生物は自然界で即座に淘汰されると思うぞ。」

 

一度うっかりで即死何て生物は食物連鎖の底辺もいいところだ。

 

瑞希『あ、明久君っ。頭が逆です!』

 

明久『うわっ!しまった!どうりで前が見えないと思った!』

 

瑞希『早く直さないと坂本君にバレちゃいます!』

 

まだごまかせると思ってるのか。つくづくお似合いのカップルだ。

 

雄二「ところで明久。女子大生とのデートはもういいのか?」

 

明久『え?なんのこと?ぼくは別に・・・』

 

瑞希『明久君。大事な作戦の最中に他の女の人とデートしてたそうですね?』

 

明久『どうして携帯電話なんか取り出すの?』

 

瑞希『美波ちゃんが直ぐに来てくれるそうです。お話、ゆっくり聞かせてくださいね?』

 

明久『だ、ダメだよっ!オープン初日で刃傷沙汰なんてここの評判に――ひぃぃっ!

   なんだかすごい勢いで誰かが走ってきてるみたいなんだけど!?』

   

ふん、さて行くか。

 

「ハイ、すいまセーン。お待タせしまシタ。」

 

またしても面倒なヤツが現れた。さっきの似非野郎だ。

 

「坂本雄二サン、お化け屋敷に行って下サイ。」

 

雄二「イヤだと言っているだろうが。」

 

仕掛けが用意されてるとわかってる危険地帯に自ら踏み込む気はない。

 

「断れバ、アナタの実家にプチプチの梱包材を大量に送りマース。」

 

雄二「やめろっ!そんなことされたら我が家の家事が全て滞ってしまう!」

 

あのおふくろは全ての梱包材を潰し終わるまで他のことは何もしないだろう。

 

なんて地味かつ微妙な嫌がらせをしてくれるんだ……!

 

俺は翔子のほうをみてみると

 

「坂本翔子サン。お化け屋敷は雄二サンに抱きつき放題デスよ?」

 

翔子「……雄二。お化け屋敷に行きたい。」

 

雄二「汚いぞキサマ、翔子を使って罠にハメようなんて!それに勝手に入籍させんな!」

 

翔子「……大丈夫。すぐに変わるから。」

 

油断している隙に翔子にひじ関節を極められた。これじゃあ抵抗できない!

 

「では、こちらにサインして下サーイ。」

 

似非野郎が取り出したのは何かの書類とボールペン。なんだコレは?

 

「ただの誓約書デース。」

 

誓約書が必要なお化け屋敷ってなんだ。そんなに危険なのか?

 

雄二「だがまぁ、面白そうではあるな。」

 

誓約書が必要ということはスリルに満ちているということでもあるだろう。

 

それはそれで面白いかもしれない。ボールペンを受け取って書類に手をかける。

 

――――――――――――――【 誓 約 書 】――――――――――――――

 

1、私、坂本雄二は霧島翔子を妻として生涯愛し、苦楽を共にすることを誓います。

 

2、婚礼の式場には如月グランドパークを利用することを誓います。

 

3、どのような事態になろうとも、離縁しないことを誓います。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

翔子「……はい雄二。実印。」

 

「朱肉はこちらデース。」

 

雄二「俺だけか!?俺だけがこの状況をおかしいと思っているのか!?」

 

こいつらは全員正気じゃない。

 

「冗談でス。誓約書はいいので中に入って下サイ。」

 

翔子「……うん。冗談」

 

雄二「カーボン紙を入れて写しまで用意しているくせに冗談と言い張るのか。」

 

色々といってやりたいことはあるが、この連中に常識を求めるのも酷というものだろう。

 

「それデハ、邪魔になりそうなノデその大きなカバンをお預かりしマース。」

 

翔子「……お願い。」

 

翔子が似非野郎にバックを渡す。そういえばヤケに荷物が大きいな。

 

翔子「……零れちゃうから、横にしないで欲しい。」

 

「このカバンをですカ?わかりまシタ。気をつけマース。」

 

零れる?あの鞄に何が入っているんだ?

 

「デハ、行ってらっシャいマセ。」

 

翔子「……雄二、行こう。」

 

雄二「痛だだだだっ!ひじがねじ切れるっ!」

 

抵抗空しく、お化け屋敷の扉の前に立たされる。

 

演出なのか、その扉は横開きの自動ドアでありながら電気が

 

入っていないようで手動で開けるようになっていた。

 

『私だ。お化け屋敷にターゲットが入った。作戦を実行しろ。』

 

お化け屋敷に入った直後そんな会話が聞こえてきた。

 

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