( )にaもしくはanを入れなさい。
①Do you want ( ) apple or ( ) banana ?
②Is it( ) university student ?
③It will take ( ) hour to cook dinner.
《解答》
秋月さくらの答え
『① an , a
② a
③ an 』
教師のコメント
さすが、②を正解するとは!!
三浦悠斗の答え
『① an , a
② an
③ a 』
教師のコメント
残念ながら間違いです。
②の university は u で始まる母音ですが、発音では、ju から始まります。
なので an ではなく a を置きます。Aクラスは出来てほしい問題です。
③は h の子音から始まりますが、発音では a から始まります。こちらの方はよく使うので覚えていると思いますが。
考えてしまってわからなくなりましたか?
美波《それではいよいよ本日のメインイベント、ウエディング体験です!
皆様、まずは新郎の入場を拍手でお迎えください!》
園内すべてに響き渡るのではないかと思える程の拍手が聞こえてきた。
このうちの何割かはサクラだと思うが。
「坂本雄二サン、お願いしマス。」
舞台袖で似非野郎が耳打ちしてきた。
コイツをブチのめして逃げてやろうか。
「抵抗すれバ、ウニとタワシの活け作りをアナタの実家に送りマース。」
くっ。そんな物を送られたら、
あの母親はきっと全部ウニだと勘違いしてタワシにも手を出してしまう……!
雄二「やれやれ……。まぁ、あくまでもただの体験だしな。
適当に付き合ってさっさと終わらせるか。」
油断を誘うため、似非野郎に聞こえるように諦めの言葉を呟く。
恐らくこいつらの狙いは、指輪交換から誓いのキスまでの一連のシーンだ。
それらを大々的にメディアに発表することで、俺と翔子を世間的に結婚させるつもりだろう。
いやらしいが巧いやり方だ。
だがそれなら、俺は誓いの言葉に入るまでの間に脱走したらいい。
この場を逃れたらあとはどうとでもなる。
「さァ、どうゾ。」
雄二「あいよ。」
トントンと小さな階段を昇る。
そのままステージに上がると、その光景に一瞬眩暈がした。
雄二「おいおい……なんだよこのセット……」
数え切れないスポットライトにライブステージのような観客席。
スモークの設備はおろかバルーンや花火の用意までしてあるように見える。
向こうにある電飾なんていくらかかってるか見当もつかん。
これを抜け出すのは・・・
美波《それでは新郎のプロフィールの紹介を――》
ん?俺のプロフィール紹介か。まるで本物の結婚式みたいだな。
目的のシーン以外の部分もきちんとしているようだ。さっきのクイズもそうだが、
きっと細かく下調べを――
瑞希《――省略します。》
手ぇ抜きすぎだろ。
『ま、紹介なんていらねぇよな。』
『興味ナシ~』
『ここがオレたちの結婚式に仕えるかどうかが問題だからな。』
『だよね~』
最前列に座っている連中からそんな声が聞こえてきた。
声の主は……さっきクイズ会場で騒いでいたチンピラどもか。
しかし、最前列に座っているのに大声で会話とは。外観に相応しいマナーの持ち主だな。
美波《他のお客様のご迷惑になりますので、大声での私語はご遠慮頂けるようお願い致します。》
『コレ、アタシらのこと言ってんの~?』
『違ぇだろ。オレらはなんたってオキャクサマだぜ?』
『だよね~っ』
『ま、俺たちのことだとしても気にすんなよ。
要は俺たちの気分がいいか悪いかってのが問題だろ?な、これ重要じゃない?』
『うんうん!リョータ、イイコト言うね!』
調子に乗って下卑た笑い声が一層大きく響きわたる。
やれやれ、つくづく如月グループはついてないな。
いや、まてよ。これが宣伝に使えなくなれば、
美波《――それでは、いよいよ新婦のご登場です!》
心なしか音量が上がったBGMとアナウンスが流れ、同時に会場の電気が全て消えた。
シモークが足元に立ちこめ、否応なしに雰囲気が盛り上がる。
脱出するのは今だが、脱出はもう少し待つとしよう。折角来たんだ。
翔子のドレス姿くらい見ておくのも一興だろ。
そんなことを考えながら待っていると、目が暗がりになれるよりも早く、
一条のスポットライトが点された。
美波《本イベントの主役、霧島翔子さんです!》
アナウンスと同時に更に幾筋ものスポットライトが壇上の一点のみを照らし出す。
暗闇から一転して輝き出す壇上で、思わず目を瞑ってしまう。
そして、再び目を開けた時に飛び込んできた姿に俺は一瞬、言葉を失った。
幼い頃からの知り合いでありながらも今日この場で初めて出会ったような、
そんな感覚を抱かせるほどの見違えた姿。
彼女は花嫁と呼ぶに相応しくたおやかに佇んでいる。あれは……誰だ?
「「「……綺麗」」」
静まり返った会場から溜息と共に洩れ出た、誰のものともわからない台詞。
だが、その言葉は何にも阻まれることなく壇上の俺のところまで届いてきた。
余程入念に制作したのか、純白のドレスは皺一つ浮かべることなく着こなされている。
スカートの裾は床にすらない限界の長さに設定されているようで、
アイツがステージの中央まで歩いてくる間、一度も床に触れることはなかった。
翔子「……雄二。」
ヴェールの下に素顔を隠し、シルクの衣装に身を包む幼なじみが、どこか不安げにこちらを見上げている。
胸元に掲げている小さなブーケが所在なげに揺れた。
雄二「翔子、か……?」
翔子「……うん。」
頭の中が真っ白になり、いわずもがなの質問が口をついて出た。
あまりの変わりように、確認せずにはいられなかったのかもしれない。
動揺する俺に、翔子は恥ずかしげに問いかける。
翔子「……どう?私、お嫁さんに見える?」
コイツが見知らぬ少女に見えたせいか、会場の雰囲気に飲まれたのか、
雄二「ああ、大丈夫だ。似合っている。」
似合っている、なんて言葉を付け加えられただけでも上出来だと思う。
翔子「……雄二」
翔子は小さな声で俺の名を呼び、ブーケを抱え直した。
そして、その場で動きを止める。
雄二「お、おい。翔子?」
なんだ?様子がおかしい。俺の返事が何かマズかったか?
駆け寄るべきか、一瞬迷う。すると、俺が迷ってる間に、翔子は再び言葉を紡いだ。
翔子「……嬉しい。」
目の前で少女が俯き、ブーケに顔を伏せる。
そして、それ以上は言葉を発することなく静かに震え出した。
美波《ど、どうしたのでしょうか?花嫁が泣いているように見えますが?》
仕事を思い出したかのようにアナウンスが入る。泣いている?
言われてみて初めて気づく。俯いて肩を震わせて―――――翔子は静かに泣いていた。
雄二「お、おい。どうした・・・・・?」
ヴェールとブーケが邪魔で表情が見えない。なぜ急に泣き出したんだ?
会場から静寂が消え、観客の間に少しずつざわめきが生まれ出す。
そんな中、彼女は小さな、だがはっきりと聞き取れる声で呟いた。
翔子「……ずっと夢だったから。」
涙混じりのかすれた声。
美波《夢、ですか?》
翔子「……小さな頃からずっと、夢だった。
……私と雄二、二人で結婚式を挙げること。
……私が雄二のお嫁さんになること。
……私一人だけじゃ、絶対に叶わない、小さな頃からの私の夢。」
口数の少ない翔子が懸命に紡ぐ言葉は、俺に形容し難い何かの感情を喚起した。
幼い頃のある出来事がきっかけで抱かれた、コイツの俺への想い。
それは罪悪感と責任感からくる勘違いなはずなのに、コイツはどうしてここまで強い気持ちを抱けるのだろうか。
翔子「……だから、本当に嬉しい。他の誰でもなく、雄二と一緒にこうしていられることが。」
そこまで言って、あとは言葉にすることができずに翔子は静かに泣いた。
会場のどこかから鼻をすする音が聞こえてくる。観客が泣いているんだろうか。
随分と涙腺の弱いヤツもいたもんだ。
美波《どうやら嬉し泣きのようですね。花嫁は相当に一途な方のようです。
さて、花婿はこの告白にどう応えるのでしょうか?》
どう応える?そんなものは決まっている。
場所がどこであろうと、時間がいつであろうと、俺のやるべきことはただ一つ。
コイツの勘違いを正してやることだ。頭ではそう考えている。
それなのに不思議なことに俺の口はなかなか言葉を紡ぐことが出来ずにいた。
雄二「翔子。俺は――」
『あーあ、つまんなーい!』
何かを言いかけたところで、観客から大きな声があがる。俺は慌てて口を噤んだ。
よくわからないが、どこかでホッとしている自分がいる。
ということは、これは俺にとって天の助けなのか。
『マジつまんないこのイベントぉ~。人のノロケなんてどうでもいいからぁ、早く演出とか見せてくれな~い?』
『だよな~。お前らのことなんてどうでもいいっての。』
どうやら俺の窮地を救ってくれたのは最前列に陣取る馬鹿二人組みのようだ。
会場が静まり返っていたおかげで発言者がはっきりとわかる。
『ってか、お嫁さんが夢です、って。オマエいくつだよ?なに?キャラ作り?
ここのスタッフの脚本?バカみてぇ。ぶっちゃけキモいんだよ!』
『純愛ごっこでもやってんの?そんなもん観るために貴重な時間割いてるんじゃないんだケドぉ~。
あのオンナ、マジでアタマおかしいんじゃない?ギャグにしか思えないんだケドぉ。』
『そっか!コレってコントじゃねぇ?あんなキモい夢、ずっと持ってるヤツなんていねぇもんな!』
『え~っ!?コレってコントなのぉ?だとしたら、超ウケるんだケドぉ~!』
口々に文句を言い、翔子を指さして笑い始める二人組。すると、
明久《んだとテメェらっ!もういっぺん言ってみやがれ!》
瑞希《お、落ち着いてくださいっ!ステージが台無しになっちゃいます!》
そんな放送が入り、舞台裏の方から誰かが暴れるような音が聞こえてきた。
どこかで今のカップルの発言に腹を立てたバカが暴走しているのだろう。
瑞希《は、翔子ちゃん?翔子ちゃんはどちらに行かれたのですかっ?》
気づいたら翔子は壇上から姿を消していた。
さっきまで立っていた場所にブーケとヴェールを残して。
やれやれ、ヴェールを拾い上げる。
それは羽根のように軽いはずなのに、湿って少し重くなっていた。
美波《皆さん、花嫁を捜して下さい!》
会場は大騒ぎだ。それに乗じて俺は目標を探しに会場を出ていく。
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『いや、マジでさっきのウケたな!』
『うんうん!私……結婚が夢なんです。・・・どう?似てる?可愛い?』
『ああ、似てる!けど、キモイに決まってるだろ!』
『だよね~!』
目標も見つかったことだし、とっとと用を済ませるか。
ゆっくりと歩み寄り、背後から声をかける。
雄二「なぁ、アンタら」
『ぁあ?ぁんだよ?』
二人組が真っ茶色な顔をこちらに向けてくる。
きちんと礼をしておかないとな。
『リュータ。コイツ、さっきのオトコじゃない?』
『みてぇだな。んで、その新郎サマがオレたちになんか用か、あァ!?』
男の方が一歩前に出て、威嚇するような仕草を見せた。
雄二「いや。大し用じゃないんだが――」
借り物上着を脱ぎ、タイを緩める。
不思議なことに、身体は準備運動を必要としないほどに温まっていた。
雄二「――ちょっとそこまでツラぁ貸せ。」
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雄二「よっ。随分と待たせてくれたな。」
翔子「……雄二」
如月グランドパークの中にあるガランドホテルの前で待つことしばし。
玄関から翔子がトボトボと俯きがちに出てきた。
雄二「さて。それじゃ、帰るとすっか。」
似非野郎から受け取っておいた翔子の鞄を担ぎ直して、駅に向かって歩き出す。
翔子は何も言わず、静かに俺の少し後ろをついてきた。
夕暮れの中、黙々と駅に続く道を歩く。どのくらいそうしていたのだろうか。
如月グランドパークを出て人気のない道を歩いていると、
翔子が聞き取れるからどうかギリギリの小さな声で呟いた。
翔子「……雄二」
雄二「なんだ?」
翔子「……私の夢、変なの?」
例のバカップルに笑われたことをずっと気にしているのだろう。
翔子は足を止めていた。俯いているから表情は見えないが、長い付き合いだ。
どんな顔をしてるのかぐらい見なくてもわかる。
雄二「まぁ、あまり一般的ではないかもしれないな。」
俺は少し言葉を選んでからそう答えた。
翔子「……」
再び黙り込む翔子。さっきの言葉を鵜呑みにするなら、
こいつは七年という決して短くない時間をずっと、
ただ一つの揺るぎない夢を抱いて生きていたということになる。
それがあんな大勢の前で笑われ、否定された。
今の心情がどのようなものなのか、俺には想像もつかない。
しかし、だからと言って嘘をついて慰めるつもりはない。
雄二「この際だから言っておく。
お前のその気持ちは、過去の話に対する責任感を勘違いしたものだ。」
七年も前に起こった出来事。翔子が俺に好意と勘違いした気持ちを抱くようになったきっかけ。
今でもずっと、あの時の事を公開している。もっとうまくやればよかったんじゃないかと。
あんなことがあったせいで、コイツは俺のようなロクデナシに時間を費やすことになってしまった。
だから、【お前の気持ちは勘違いだ】と押してやる必要がある。
無駄な時間をこれ以上過ごさせないために。だから、これくらいは伝えてやりたい。
全てが間違いなのではなく、気持ちを抱く対象を勘違いしていただけで、
夢自体はおかしなものではないのだから。
一人の人間を長い間想い続けるという行為は胸を張れる誇らしいことのはずだから。
雄二「けれども、俺はお前の夢を絶対に笑わない。
お前の夢は、大きく胸を貼れる、誰にも負けない立派なものだ。
ただし――」
会場で拾った物をうつむく翔子にかぶせながら
雄二「――相手を間違えていなければの話だけどな?」
折角の体験だったんだ、これくらいの思い出はあってもいいんじゃないか?
翔子「……これ……さっきの……ヴェール!!」
俺が会場で拾ったものを手で押さえ、翔子は驚いたように顔を上げた。
とっさに顔をそむけた。
雄二「それと、翔子。」
面と向かって言うには恥ずかしかった。
地平線に沈む夕陽を観ながら、
雄二「――弁当、旨かった。」
翔子「……あ!! 私のお弁当……。気付いて……くれたんだ……!!」
雄二「さて。さっさと帰るぞ。遅くなると色々誤解されるからな。」
翔子「……雄二」
雄二「特におふくろのやつは、いくら言っても――」
翔子「雄二っ!」
ここ最近では記憶にない翔子の大きな声を聞いて、思わず立ち止まってしまう。
雄二「・・・なんだ?」
翔子「私、やっぱり何も間違っていなかった!!」
振り返ると満面の笑みを浮かべる幼なじみが、そこに居た。
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悠斗『3番線、如月方面、快速「ホリデー涼月山4号 東京」行きが発車しま~す。
閉まるドーアにご注意ください。』
雄二「おい、翔子。」
まずい。行ってしまう。駅まで歩くんじゃなかった。
翔子「……うん。」
康介「お、お客さん!!危ないから駆け込みは」
駅員が静止の声をかけるがもちろん無視して・・・
発車のベルが鳴って電車が音をたてて出発していく。
間に合わなかった。
翔子「……私の所為」
雄二「お前の所為じゃない。俺が、」
康介「駆け込み乗車は危ないですよ?ね、雄二。」
後ろを振り返ると。
雄二「こ、康介!?」
そうか、そういえば悠斗もいたんだな。
康介「ささ、後10分ほどで次の【涼月温泉】行きが着ますから。」
雄二「は?」
翔子「……【涼月温泉の宿泊チケット】・・・雄二!行く!」
翔子は思い出したように鞄から取り出した。
雄二「は、ちょ、ちょっと待てぃ!」
とんでもないことを忘れていた!
まずい。あんなことがあった後だぞ。
翔子「……待たない!絶対行く。」
雄二「こ、康介!」
このヤロウ。康介の胸倉をつかむ。
悠斗「お客様、ホームで暴れないでください!」
雄二「ゆ、悠斗!!」
翔子「行く!絶対」
翔子は思いっきり顔を近づけてくる。
いや、待てよ。確か3番線に如月行が来る。それに飛び乗れば・・・
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄③|
↑③本来は如月行が来る
悠斗「はい、三浦です。601(例の計画)です。
3番線入線予定の如月行ですが1番線に変更願います。はい、わかりました。」
雄二「くそぉおおお!」
逃げれないじゃないか。
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