バカな親友らとテストと召喚獣   作:音羽2600

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第11問:化学

 問 0.05(mol/L)の塩酸50(ml)を完全に中和させるのに、
   0.01(mol/L)の水酸化ナトリウム水溶液は何(ml)必要か答えなさい。


《解答》
 三浦悠斗の答え
  『必要な水酸化ナトリウム水溶液を■mlと置く。

   a・C・V=a'・C'・V'より  

   1×0.05×50=1×0.01×■

   2.5=0.01■

   ■=250(ml)              』


  教師のコメント
   流石ですね。正解です。



 吉井明久の答え
  『0.05×50=0.025

   0.025÷0.01=0.000025(ml)』

  教師のコメント
   何をしたいのかわかりかねますが白紙で出さなかったことはよかったと思います。
   
   が、この程度の計算もできないとは・・・。強化補習の必要がありますね。



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ◇NOTE◇
 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


   ●中和の公式:a・C・V=a'・C'・V'
  
     ・a、a'は価数

     ・C、C'はモル濃度

     ・V、V'は体積   が入ります。


   ●化学式

    塩酸HCl   

    水酸化ナトリウムNaOH


  ※ 塩酸は酸の価数は一価なので、a=1

    水酸化ナトリウムの塩基の価数は1価なので、a'=1


  ※ 酸の価数:1分子の酸が放出することができる水素イオンH+の個数

    塩基の価数:1分子の塩基が放出することのできる水酸化物イオンOH-の個数



第11話バカテスト化学:強化合宿3日目 決戦前夜2

美波「(アキ、起きて。)」

 

明久「んむぅ・・・。」

 

うぅ・・・。誰だか知らないけど、僕は疲れているんだ・・・。寝かせてよ・・・。

 

美波「(もう、どうして寝てるのよ・・・。)」

 

ユサユサ

 

明久「んにゃっ!」

 

揺さぶる手を払いのける。

 

まったく、さっきからうるさいにゃあ。

 

美波「(起きなさいっての!)」

 

ゴキッ ゴキン

 

明久「―――っっっ!?」

 

な、なんだ!?

 

まるで左手の関節を一度外された後で証拠隠滅の為にハメ直されたような痛みがするんだけど!?

 

美波「(アキ。起きた?)」

 

明久「え?ああ、なんだ美波か。それなら納得だよ。」

 

美波が居るならこんな痛み仕方がないよね。

 

明久「ってどうして美波がムグゥッ!?」

 

美波「(大声ださないの!)」

 

慌てた様子で美波が僕の口と鼻を塞いでくる。

 

え、え!?どうして美波がここに居るの!?

 

美波「(目が覚めた?落ち着いたなら手を離すけど・・・)」

 

明久「・・・!(コクコクコク!)」

 

美波の言葉に一も二もなく頷く僕。

 

美波「(大きな声を出しちゃダメだからね・・・)」

 

そう告げて美波は僕の気道を開放してくれた。

 

すぅ、はぁ、と酸素を充分蓄えてから、もう一度正面にいる姿をじっと見ている。

 

明久「・・・え~っと、美波、だよね・・・?」

 

美波「・・・なによその目は?」

 

いつもと違って髪を下ろしている。ただそれだけで、美波の印象は随分と変わって見えた。

 

頬を赤らめている姿が妙に――可愛い。

 

美波「・・・アキ・・・?」

 

美波が不安げに僕を見上げていた。

 

その姿は、畝日頃近くで見ている勝気な様子とはうってかわって心細そうで、

 

まるで普通のかわいい女の子のようだった。

 

 

・・・でも、どうぢて美波が夜中に僕の部屋に居るんだろう?

 

 

こんな時間に女の子が男子の部屋に来るなんてよっぽどのことだ。

 

いくら友達と言っても一応は異性だ。

 

好きでもない男にこんな時間に、しかも寝室まで会いに来るなんてありえない。

 

服装だってかなりの薄着なんだから、間違いが起こる可能性も十分ある。

 

何でそこまでの危険を冒して美波はここに居るんだろう。

 

 

!?もしかして僕の事が好き、だとか?

 

いやいやいやいや、落ち着け吉井明久!そんな短絡思考でどうする!

 

いつもはバカだバカだといわれているけれども、本当は物事をよく考える頭のいい男のはずだろう?

 

この程度のシチュエーションで向こうが僕に惚れているなんて考えるのはあまりに単純じゃないか?

 

もう一度きちんと冷静になってみるんだ。

 

 

状況を分析して、じっくりと冷静に考えてみよう。

 

 

《クラスの女の子が薄着で真夜中に僕の前にいる。》

 

 ↓

 

イケるっ!

 

明久「あれ!?やたらと単純!?」

 

 

美波「(アキッ!邪魔者が起きちゃうでしょ!?)」

 

明久「むぐぅっ!?」

 

もの凄い勢いで美波に口をふさがれてしまった。

 

ちょっと待った。更に落ち着いて考えてみよう。

 

 

イケるっ!

 ↓

でも本当に僕の事が好きなんだろうか?

 ↓

今までの行動を見る限りそれはあり得ない。今も口は押さえつけられているし。

 ↓

そういえばさっきはおかしなメールを送ってしまった。

 ↓

きっと美波は気分を害している。

 ↓

美波はすべてを無かったことにしようと考える。

 ↓

夜中+侵入+全身凶器

 

 

ふむ、実に簡単な式だ。

 

明久「・・・美波。せめて苦しまないように頼むよ・・・。」

 

美波「・・・アンタってどういう思考回路しているの・・・?」

 

僕はきっとここで始末されるんだろう。

 

起き上がって正座しようとする僕に、

 

美波はなぜか顔を赤らめて恥ずかしそうにこんなことを言い出した。

 

美波「・・・そ、その、ウチだって勇気を出してここまで来たんだよ・・・?

   だから、その、ああいうことはメールじゃなくて、きちんとした言葉で・・・。」

 

明久「ほぇ?」

 

メールじゃなくて言葉で?それって遺書の事だろうか?

 

書くものがないから遺書の代わりに遺言を聞いてくれるってことかな。

 

随分と細やかな気遣いだ。

 

でも、そこまで親切にしてくれるなら、出来れば殺さないでほしいなぁ・・・。

 

よし、少し冷静になろう。この場を逃れられる方法を考えよう。

 

まずは周囲にあるものは・・・

 

 

・可愛らしい秀吉の寝顔

・カメラを構えるムッツリーニ

・浴衣姿で雄二の布団にしようとしている霧島さん

 

 

明久「・・・・・・」

 

あれ?何か色々と間違っているような・・・?

 

もう一度よく観察してみる。

 

 

・あどけない秀吉の寝顔

・静かにシャッターを切るムッツリーニ

・慌てふためく雄二をよそに浴衣の帯を緩ようにする霧島さん

 

 

明久「困った・・・。今の僕の役に立ちそうなものがない・・・。」

 

雄二「その前に俺を助ける気はないのかっ!?」

 

敢えて雄二の方には目線をやらない。

 

だってほら、霧島さんの浴衣がギリギリのとこまではだけちゃっているからね。

 

美波「ちょ、ちょっと!木下以外は全員起きてるの!?早く言いなさいよねっ!」

 

至近距離にいた美波が慌てて僕から距離を取った。

 

目撃者が多い中で僕の事を殺る気はないようだ。

 

た、助かった・・・。

 

美波「(そ、そっか。周りが起きてたんだ・・・。

    だからアキは知らない振りをしていたのね・・・。)」

 

とにかくこれで危機は去った。あとは先生に見つからないようにお引き取り願うだけ。

 

 

バァンッ!

 

 

美春「お姉さま無事ですか!?美春が助けに来ましたよ!」

 

わかってた。この程度で終わるわけないなんて分かっていたんだ。

 

美波「み、美春!?どうしてアンタがここにくるのよ!」

 

美春「さっきお姉さまのお布団に入ったら誰もいなかったから、もしやと思ったら・・・!

   やっぱりここに探しに来て正解です!」

 

清水さん、キミはなんてすごい子なんだ。

 

『布団に入ったら誰もいない』なんて探しに行こうと考えた切っ掛けからして普通じゃないよ。

 

美波「あ、危なかったわ・・・。昨日で懲りたと思って完全に油断していたもの・・・。」

 

え?昨日も来たの・・・?

 

美春「お姉さま!男の部屋に来るなんて不潔です!おとなしく美春と一緒に裸で寝ましょう!

   いえ、勿論イロイロするので寝かせませんけど!」

 

明久「やめるんだ清水さん!それ以上の会話はムッツリーニの命に関わる!」

 

ムッツリーニ「……!!(ボタボタボタボタ)」

 

翔子「……雄二、とにかく続き。」

 

雄二「翔子、お前は本当にマイペースだな!」

 

秀吉「な、なんじゃ!?

   目が覚めたら女子が三名もおる上に雄二は押し倒されて

   ムッツリーニが布団を血で染めておるぞ!?」

 

明久「ああああっ!皆してそんなに騒いじゃダメだよ!

   このままじゃ、鉄人に気づかれて―――!」

 

 

鉄人「なにごとだっ!今吉井の声が聞こえたぞっ!」

 

廊下から聞こえてくる鉄人の声。

 

「「「「「「・・・・・・」」」」」」

 

明久「え?なに?

   なんで全員が『吉井が声を出したせいで見つかったじゃないか』みたいな目で僕を見るの?」

 

どうして僕の声だけはっきりと聞き取れるんだろう?

 

鉄人の耳はおかしいとしか思えない。

 

雄二「くそっ!明久のせいで面倒なことになった!

   とにかくお前らは見つからないようにここから逃げろ!」

 

明久「何だか納得いかないだけど雄二の言うとおりだ!とりあえずここは僕たちに任せて!」

 

女子が男子の部屋に(しかも一名は浴室で)居たなんてことがバレたら色々とまずいことになる。

 

ここは何としても三人を逃さないと!

 

美波「で、でも・・・」

 

美春「お姉さま、躊躇っている時間はありません!

   とにかく服を脱いで美春の部屋に行きましょう!」

 

美波「美春は黙ってなさい!」

 

この状況で尚口説きにかかる清水は凄いと思う。

 

鉄人「吉井に坂本ぉ!お前らだとはわかっているんだ!その場を動くなよっ!」

 

 

バタバタしているうちに再度ドスの利いた声が廊下から響いてきた。

 

明久「鉄人の声だ!もうかなり近いよ!」

 

雄二「時間がない!

   こうなったら俺が『必殺アキちゃん爆弾』で鉄人の注意を引き付けるから、

   その間に三人は部屋を出ろ!」

 

美波「わかったわ!」

 

明久「美波!そこはわかっちゃダメだ!」

 

その技はこの前封印したはずなのに!

 

明久「まず僕と雄二が飛び出して鉄人の注意を引き付ける。

   その隙に三人はドアから出て一気に部屋まで走るんだ。いいね?」

 

美波「うん。・・・ごめんね。ウチらの為に。」

 

翔子「……ありがとう。」

 

美春「お姉さま、愛しています。」

 

作戦は決まった。もう迷っている時間はないし、ここは勝負だ!

 

明久「雄二、行くよっ!」

 

雄二「仕方ない、付き合ってやる!」

 

ドアの取っ手に手をかけ、二人が一気に押し開けた。

 

バン!ガスッ!

 

鉄人「ふぬぉぉっ!?よ、吉井、キサマぁああ!」

 

明久「げっ!?鉄人が扉を頭で痛打したみたいなんだけど!?」

 

雄二「それはファインプレイだ明久!」

 

いや、皆にとってはそうかもしれないけど、その分鉄人の怒りが僕に集中するような。

 

雄二「逃げるぞ明久!」

 

明久「了か――。」

 

鉄人が頭を打って出遅れたせいで、部屋の中を覗き込もうとしている!?

 

まずい!そんなことされたら中にいる美波たちが見つかってしまう!

 

どうするどうする!?何とかしないとあの三人まで酷い目に!

 

おまけに雄二が僕の後頭部を鷲掴みにして必殺技の構えに入っている気がする!

 

これもなんとかしないと僕がひどい目に!

 

明久「鉄人!僕はこっちだよ!」

 

雄二の手を振りほどき、浴衣の帯に手をかけながら鉄人に駆け寄る。

 

鉄人は僕の声に反応してこっちを向いた。よし、まだ中の三人は見つかっていない!

 

鉄人「貴様は西村先生と呼べと何度言えば――」

 

明久「どりゃぁぁあーっ!」

 

すかさず脱いだ浴衣を巻き付ける。

 

鉄人「こ、こらっ!何を」

 

明久「おまけっ!」

 

そしてその上から帯でしばりつける。これで少しは時間が稼げる!

 

雄二「今のうちだ!」

 

三人は頷いた後、全速力で廊下を走って行った。

 

良かった。これで何とか無事に・・・

 

鉄人「吉井、貴様はつくづく俺の指導が受けたいようだな・・・!」

 

覚醒した鉄人が居た。

 

雄二「明久、後は頑張れよっ。」

 

雄二が僕に向けて親指を立ててる。

 

おっと、僕だけ犠牲にさせるなんて、寂しいじゃないかっ!

 

明久「西村先生すみません!

   雄二が隠し持っていた酒を隠すために注意を逸らせと言ってきたものですから!」

 

雄二「キサマ、何てことを言ってくれるんだ!?」

 

慌てる雄二に親指を立てて答える。

 

鉄人「吉井・・・。坂本・・・。

   貴様ら・・・覚悟は出来ているんだろうなぁぁああっ!」

 

さながら恐竜のような雄たけびをあげた鉄人。

 

僕らは獲物という事か!

 

明久・雄二「「出来てませんっ!」」

 

叫ぶと同時にその場から走り去る僕ら

 

明久「どうする雄二!何とかして鉄人をまかないと!」

 

雄二「どうするもなにも、普通に走っていたら逃げきれないのは目に見えているだろうが!」

 

明久「だよね!向こうはほとんど化け物だもんね!」

 

雄二「ああ、だから鉄人の入ってこれないような場所に逃げ込む!」

 

明久「オッケー!」

 

鉄人の入ってこれないような場所か。喚起口ぐらいしか思いつかない。

 

鉄人「どこへ逃げようとも無駄だ!観念して指導を受けろ!」

 

もう来たの!?

 

雄二「明久、こっちだ!」

 

明久「うん!」

 

学習室の前を全力で駆け抜ける。

 

明久「ところで、どこに向かう気なの!?」

 

雄二「男で教師の鉄人が入ることのできない場所、

   つまり、―――女子部屋だ!―――」 

 

あきヒア「なるほどっ!」

 

そうか、女子部屋か!

 

・・・・・・

 

明久「パンツ一丁で!?」

 

雄二「ああ、その後、

   パンツ一丁のお前が女子を襲おうとしたという理由で

   俺が止めたという事で鉄人に差し出すという算段だ。」

 

さも当たり前のように言う雄二。

 

明久「ふざけないでよ!」

 

雄二「なんだ、気づいたのか。以外だ。」

 

心外な!それぐらい僕だって気づくさ!

 

明久「他に方法は!?」

 

雄二「・・・」

 

直後、僕を突き飛ばした。

 

へ?

 

雄二「ガッハッハッハ!別々に逃げるぞ明久!」

 

あの野郎・・・あとで八つ裂きにしてくれる。

 

鉄人「吉井ぃぃぃぃいいい!!」

 

や、やばい。

 

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