第4問 :数学
以下の方程式を解きなさい。
Z(X-3)={Z・√(16Y2 )-12Z}/4
(X≧0)
(Y≧0)
音羽康介の答え
『 Z(X-3)= Z{√(16Y2 )-12}/4
(X-3)= {√(16Y2 )-12}/4
(X-3)= (4Y-12)/4
(X-3)= (Y-3)
X = Y 』
教師のコメント
音羽君には簡単でしたかね。正解です。
吉井明久のコメント
『 Z(X-3)= {Z・√(16Y2 )-12Z}/4 』
教師のコメント
わからなくても考えて答えてください。
明久と島田の交際疑惑が誤解だと言う事実が伝わり、
Dクラスは試召戦争の準備を取りやめたらしい。
島田は姫路と相席になって、清水の怒りも収まっていることだろう。
ただ、嬉しくないことに予想が的中し島田は怒り心頭に発している。
そして、昼休み。
美波「瑞希、お昼にしない?」
明久「あ、美波」
立ち上がってどこかに行こうとする島田に明久は声をかける。
美波「何よアキ。ウチに何か用?」
明久「えっとさ、今朝言ってたお弁当なんだけど・・・。」
・・・どうしてあんなことがあった後でそんな事が言えるんだ!
美波「なぁに、アキ?
ウチにあそこまで恥をかかせていおいて、
まさかお弁当までたかろうって言うのカシラ?」
島田の言葉の端々から殺気が立ち上っているのが感じられる。
明久「ごめんなさい。心の底からごめんなさい。」
美波「まったく、アキは本当に無神経なんだから・・・。
瑞希、今日は天気の良いし、こんなバカのいない気持ちのいい場所で食べましょ。」
勇み足で教室を後にする島田
瑞希「あ、美波ちゃん、待って下さい。そ、それじゃ、明久君。また後で・・・。」
島田を追って姫路が小走りで追いかけていく。
みゆき「あれ(美波と明久)、どうするの?」
明久たちのやり取りを見ていたみゆきが心配そうに聞いて来た。
康介「どうしようもないだろう。当人同士の問題だ。」
みゆき「でも、美波は・・・」
康介「まあ、今のところは様子を見よう。
それでだめなら、その時はなんとかすればいい。」
気持ちはわからなくはない。
だが、下手に手を出して取り返しのつかない事だけは避けたい。
みゆき「うん・・・。」
☆阿古久SIFE
雄二「なんだ明久。島田が作った弁当は貰えなかったのか。」
二人を見送っていると、いつものように雄二が僕の席に弁当を持ってやってきた。
その後ろには秀吉の姿もある。
明久「うん。美波のご機嫌が斜めでもらえなかった。凄く期待していたのに・・・。」
秀吉「まぁ、この状況で手作り弁当なぞ渡したら、
また清水が乗り込んでくるかもしれんからな。
諦めることじゃ。」
明久「それはそうなんだけどね・・・。」
美波は料理が上手だから本当に残念だ。いや、誰かと比べてってわけじゃないけど。
○康介SIDE
皆が集まっている明久のところに足を運ぶ。
俺らの姿を確認して
秀吉「ワシらも飯を食いに行くかの?」
康介「いいけど、ムッツリーニは?」
秀よぢ「そういえば姿が見えんのう。」
エイミー「師匠ナラ険しい顔をシて出てイキましたケド。格好良かっタデす。」
最近完全にムッツリーニに惚れこんでるな。悪い影響を受けなければいいんだけど。
雄二「そのことなんだが、何か妙な情報を掴んだみたいで、
確認しに出て行ったが――おっ。戻ってきたぞ。」
ムッツリーニ「……ただいま。」
殆ど足音をたてることなく俺らのところにやってくるムッツリーニ。
その表情は晴れないでいた。
エイミー「師匠、どうしたンデスカ?」
みゆき「何かあったの?」
ムッツリーニ「……(コクリ)」
明久「さっき言っていた情報のこと?」
ムッツリーニ「……今朝よりも更に良くない状況になってきている。」
そう告げて、ムッツリーニは卓袱台の上にお得意の小型録音機を置いた。
そして再生ボタンを押す。スピーカーからは雑音混じりの会話が聞こえてきた。
『あ、あのっ、土屋君っ。
明久君のセーラー服姿の写真を持っているって噂は本当ですかっ?』
この声は・・・姫路・・・だな。
『……一枚一〇〇円。二次配布は禁止。』
この会話なんで録音してんだ?
いや、もしもの時に録音しているのかもしれない。
『二次配布は禁止ですか・・・。
残念です・・・。でも、私個人で楽しむだけでも充分に。』
――プツッ
ムッツリーニ「……再生するファイルを間違えた。」
・・・
明久「ねぇ何!?今の会話何!?
僕にとっては今の会話こそが十二分に良くない情報なんだけど!」
雄二「うるさいぞ明久。つまらんことでガタガタ喚くな。」
明久「全然つまらないことじゃないよ!
どうして僕の女装写真が秀吉の写真と同じように裏で取引されてるの!?」
英俊「ちょっと待つのじゃ明久!
今のお主の台詞の方がワシにとっては余程良くない情報なのじゃが!?」
みゆき「まあ、まあ、落ち着いて二人とも、話が進まないから。」
明久「畜生誰だ!今僕の写真を買ったヤツは誰なんだ!」
みゆき「(姫路さんだよね。)」
康介「(いや、どう見ても姫路だろ。)」
ムツイリーニ「……こっちが本物。」
ポケットから同型の機械を取り出すムッツリーニ。
一体いくつ持っているんだろう。
『Fクラスの様子はどうだ?』
『何かまたバカなことをやっていたようで午前中は点数補充もやっていないみたいだ。
あの様子だと、こっちの意図にも気付くこともないだろうな。』
『そうか。それならいい。当面は俺たちも点数補充をして、
向こうにこちらの動きが気取られたら即座に宣戦布告を行おう。』
『了解。』
盗聴用の為か、さっき以上に音質が悪くて誰の声かはわからないが、
男子生徒同士の会話だというのはわかる。
明久「これってDクラス?だとすると、まだ誤解が解けてないんじゃないの?」
ムッツリーニ「……(フルフル)」
明久の質問にムッツリーニは首を振って答えた。
ふむ、となるとまずは代表が男子のクラス・・・B、D、Fとなると
康介「Bクラスか?」
ムッツリーニ「……(コクリ)Bクラスの会話。」
明久「Bクラス!?どうして!?」
うん。どうして?
雄二「Bクラスって言うと、根本の野郎か。
あのゲス野郎め、随分と姑息なことを考えてくれたもんだ。」
雄二が苛立たしげに舌打ちをした。
明久「まったくだね。いくら僕らに仕返しがしたいからって、
BクラスがFクラスに試召戦争を申し込むなんてあんまりだよ。」
雄二「いや、根本の狙いは恐らく仕返しだけじゃない。」
明久「え?違うの?」
雄二「違うとは言わない。
実際にアイツは俺たちを恨むには充分すぎるほどの理由がある。
ただ、目的はそれだけじゃないってことだ。」
みゆき「どういうこと?」
雄二「自分への非難を抑えるためだ。」
秀吉「どういう意味じゃ?」
雄二「根本は元々人望が皆無だったが、
四月の試召戦争では卑怯な手を使っても俺たちに勝てなかったことで
更にクラスの中での地位は厳しいものになった。
更に先週の覗き騒ぎの件もある。
今や根本はBクラス内で居場所なんかないだろう。」
明久「うん、それはわかっている。」
エイミー「あ、あのネモトってダレですか?」
申し訳なさそうに聞いてくるエイミー。
そうか、エイミーは知らないのか。
雄二「Bクラス、すなわち上から二番目のクラスの代表だ。」
エイミー「それナラ偉いンですネ。」
秀吉「根元を偉いとは思わんの。」
康介「むしろ軽蔑するな。」
ムッツリーニ「……卑怯者として有名。」
明久「外道だね。」
みゆき「評判はわるいわね。」
エイミー「・・・よ、よくナインデスネ。」
わかってもらえて何よりだ。
ムッツリーニ「……奴には絶対に近づくな。」
エイミー「ハイ!」
・・・
雄二「さて、話を戻すぞ。ここで問題だが、国情の不安が顕著になった場合、
為政者はどういった対応をすると手っ取り早く大衆の不満を抑えられると思う?」
雄二が明久に顔を向けて話した。
明久「? え、えっと・・・。」
雄二「明久、わかるか?」
明久「ごめん。もう一回言って貰える?」
雄二「やれやれ・・・。ちゃんと聞いておけよ。」
呆れ顔の雄二。
雄二「だから、『大衆の不満を抑える為にはどういった行動が適切か』ということだ。」
明久「香水をつける。」
誰もが言葉を失った。
雄二「恐ろしいほど奇抜な回答だな。」
ムッツリーニ「……度肝を抜かれた。」
康介「大衆と体臭を間違えたのか・・・。」
みゆき「なるほど・・・。」
エイミー「?」
まあ、外国人にはわからないか・・・
明久「え!?だって、TVで『体臭を抑える為に香水をつける』って
ヨーロッパの人たちが言ってたよ!?」
秀吉「いや、そう言う意味ではないのじゃ明久。
不満一杯の国民をなだめるにはどうしたら
手っ取り早いかと言う話なのじゃが・・・そうじゃな。
恐怖で抑える、とかはどうじゃろうか?」
雄二「それも一つの手段ではあるが、あまり手っ取り早いとは言えない。
恐怖政治にはまずそれを行うだけの圧倒的な力が必要だからな。」
みゆき「それじゃあ、
不満を言ってられない状況を作り出すということ?」
雄二「う~ん、まあそうだな。正解だ。答えは『外部に共通の敵を作ること』だ。
俺たちの日常生活でもそうだが、
同じ敵を持つ人間というものは若干の不和があったところで結束し易い。
歴史上でもそういた手法を取っていたヤツは大勢いるしな。」
雄二が好みそうな作戦だ。
康介「甲相駿三国同盟とか?」
雄二「そうだ。」
みゆき「呉越同舟もそうね。」
秀吉「なるほどのう。
覗きを先導したFクラスを討つという大義名分でクラスを結束させるわけじゃな。」
雄二「ああ、自分へ向けられた怒りや不満を俺たちに肩代わりさせて、自分の恨みも晴らす。
あわよくばFクラスを完全に打倒することで発言力も取り戻したい。
根本の狙いはそんなところだろう。」
ムッツリーニ「……根本にとってまたとないチャンス。」
みゆき「そうなるとちょっとやそっとの理由で戦争は回避できないわね。」
康介「今の俺らは点数補充が出来ていない。根本がこんな好機を逃すわけないしな。」
状況は絶望的と言っていいだろう。首を落とされるのを黙って待つしかないのだから・・・
雄二「その通りだ。
Dクラスならまだしも、Bクラス相手に今の状態じゃ万に一つも勝ち目はない。」
明久「これならDクラスに狙われてる方がマシだったね。」
今からでもテストの申請をして午後は点数補充に費やす?」
雄二「お前の耳は飾り物か?さっきのムッツリーニの情報を思い出せ。」
しばらくして、
明久「ムッツリーニ!一枚100円は安過ぎるよ!秀吉は500円なのに!」
いや、まあ、それも明久本人にとっちゃあ、重要だろうけどもさ。
論点が外れている気もするけど。
秀吉「ほほぅ、500円か・・・。
二人とも、ワシの写真について少々話を聞かせてもらえんかの?」
ムッツリーニ「……全て秘書がやったこと。」
明久「そんな政治家みたいな!」
危機迫ったこの状況でこういう光景を見ると酷く落ち着く。
雄二「お前ら全然危機感抱いてないだろ。」
雄二が頭に手を当てて呆れている。
雄二「さっきの情報で、
根本は『こちらの動きを気取られたら即座に宣戦布告を行う』って言っただろう?」
明久「ああ、そっちね。うん。確かに言っていた。」
雄二「つまり向こうは俺たちが向こうの動きに気がつくまでは点数補充を続けるつもりだ。
これは逆に言うと、連中の点数補充が終わるか俺たちが向こうの動きに気づくまでは
宣戦布告をしてこないということになる。
だから、時間を稼ぐ。Bクラスに宣戦布告されるまでの時間を。」
明久「時間稼ぎ?そんなことをして何か意味があるの?」
雄二「いいか、Bクラスに宣戦布告をされたら、俺たちはBクラスと戦うしかなくなる。
そうなると俺たちは一〇〇パーセント負ける。
だが、今はまだ宣戦布告を受けていない。
つまり、まだ戦争を回避できる可能性があるってことだ。」
なるほど、そういうことか!
康介「Aクラスに頼んでBクラスを落としてもらうんだな!さすが雄二。」
霧島が雄二の頼みを聞かないわけないだろうし、
Fクラスと関係があるのは霧島だけじゃない、悠斗やさくら、久保、生野、木下、工藤
これならAクラスを動かすことも夢じゃない。
雄二「いや、違う。その手は使かわない。」
明久「どうして?これ以上にない作戦なのに!」
全くだ。理由を聞きたい。
雄二「そんなことしたら見返りに俺は翔子に何を要求されるかわからないだろ!」
その理由は酷く利己的な理由だった。
明久「じゃあ、どうするのさ!」
雄二「他のクラスと俺らが戦うんだ。」
みゆき「そっか!召喚戦争のルールね!」
雄二「おお、その通りだ!」
なるほど、
試召戦争の細かなルールの一つとして、一つの戦争が終わった後の点数補充というものがある。
連戦になるとしても、一つの戦争を終える度に消耗した点数を補充する期間をもらえる。
このルールがないとどんなクラスでも簡単にやられてしまうからだ。
雄二「しっかり点数補充をして俺たちにBクラスと戦うに足る力があれば、
向こうだって戦いを挑んできたりはしないだろうからな。」
秀吉「じゃが、その相手はどうするのじゃ?
ワシらからは例のペナルティで試召戦争を仕掛けることはできん。
どこかのクラスに攻め込まれるしかないはずじゃが。」
雄二「Dクラスだ。ヤツらに宣戦布告をさせて、その戦争をやり過ごして点数補充を済ませる。
Bクラス相手なら危険だが、
Dクラス相手なら勝つとまではいかなくても負けない程度の勝負は不可能じゃない。
幸いにも、アイツらも開戦派と非開戦派の論争で点数補充を終えていないからな。」
みゆき「でも、どうやってDクラスから宣戦布告を受けるの?
美波と吉井の関係は勘違いだったってわかったわけでしょ。」
雄二「ああ、だから、もう一度、明久と島田をくっつけさせて清水を炊き付けるんだ。
要は、清水の怒らせればいいんだからな。簡単だろ。」
明久「え?でも、あの話は誤解だって」
雄二「この際、事実は置いていこう。
明久と島田はこのクラスの仲睦まじい恋人同士を演じるんだ。
清水が嫉妬に狂うほどにな。」
・・・雄二は刺されても良いようなことをしている気がする。
明久「えぇぇっ!?そんなの無理だよ!
美波はあの話で思いっきりヘソ曲げちゃってるんだよ!?」
雄二「それでも何とかするんだ。
それが出来なければ俺たちはみかん箱とござの教室に逆戻りになる。」
明久「それは困る!」
雄二「今からDクラスからの宣戦布告を受ける為に工作を始める。
期限は今日一杯、演技に関しては秀吉に任せる。
台本とかも用意出来るようなら頼む。」
秀吉「了解じゃ。」
雄二「さて、そうと決まれば暢気に飯を食っている暇なんて無いぞ。
姫路と島田が教室に戻ってき次第行動開始だ。ムッツリーニ。
この教室の盗聴器は無効化されているんだよな?」
ムッツリーニ「……大丈夫。」
明久「な、なんてことに・・・。」
今回の作戦は外交戦と情報戦になりそうだ。
康介「雄二が霧島を拝み倒した方が簡単なような気がするんだが?」
一番シンプルで簡単だと思うんだが・・・
雄二「それは絶っ対にしねぇええ!!」
声を張り上げて拒否する雄二、
雄二「大体、このバカの所為でこういう事になったんだろうが!
どうして俺がその尻拭いをしないといけないんだ?」
明久「うぅぅ・・・。」