バカな親友らとテストと召喚獣   作:音羽2600

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第5問:現代社会


 問 バブル崩壊後に日銀がとった短期金融市場の利子率を0%に近づける政策とは何か答えなさい。


《解答》
 姫路瑞希の答え
  『ゼロ金利政策』

  教師のコメント
   正解です。
   ゼロ金利政策は金融市場の一時的混乱により、
   優良な銀行や企業までも資金が借りられないこと
   によって倒産してしまう事態を避けるため行った非常手段であることも覚えておいてください。

 吉井明久の答え
  『借りたい放題政策』

  教師のコメント
   そんな政策有りません。



第5話バカテスト現代社会:戦争前事5

美波「それで、ウチにどうしろって?」

 

教室に戻ってきた島田と姫路に事情を話すと、島田は半眼で明久を見ていた。

 

・・・どうしたらいいんだろうこの二人

 

雄二「明久と付き合っている演技をしてもらいたい。」

 

島田が信じられないって顔をする。

 

雄二「それも周りで見ているヤツがムカついて血管が

   切れそうになるくらいベタベタな感じでな。」

 

しかし、雄二はそんな島田の態度を見てもこちらの要求を告げる。

 

美波「絶対にイヤ。」

 

予想通り断る島田。

 

やっぱり雄二が霧島に頭下げる方が良いんじゃないだろうか?

 

この作戦は明久と島田の仲が取り返しのつかないことになるかもしれない。

 

秀吉「そこを曲げてなんとか協力して欲しいのじゃ。島田だけでなく姫路にも。」

 

雄二「え?わ、私ですか?」

 

秀吉「うむ。明久と島田の演技だけでは現実味に欠けるからの。

   お主には二人の仲を妬む役を頼みたいのじゃ。」

 

これは、ホントにヤバいんじゃ・・・。

 

瑞希「明久君と美波ちゃんの仲を妬む役、ですが・・・。」

 

美波「ウチは何と言われてもイヤ。

   こんなバカと恋人同士なんて、冗談じゃないもの。」

 

秀吉「島田よ、冷静になって考えるのじゃ。

   確かに色々と思うことはあるじゃろうが、これはお主にしかできんことなのじゃぞ。

   それなのに静観を決め込むなぞすれば、後々必ず悔やむ時がくる。

   例えば――姫路が転校してしまう。

   なんてことになった時、お主は自分を責めずにいられるかの?」

 

秀吉の言葉に島田は「うっ」と息を詰まらせていた。

 

クラスの設備がAクラスに敗けた時になれば、姫路の親が転校を考えるかもしれない。

 

しかし、だからと言って半ば強制するようなやり方は・・・

 

明久「あのさ、それなら相手が僕じゃなければいいんじゃないかな?」

 

明久がそんなことを言った。

 

瑞希「え?それって、他の誰かが美波ちゃんの恋人役になるってことですよね?

   それはいい考えかもしれませんけど・・・誰がやるんですか?」

 

明久「誰って、例えば雄二とか?」

 

雄二「ほほぅ。お前は俺に死ねと言うのか?」

 

霧島に始末されるだろう。

 

明久「それじゃ、ムッツリーニは?」

 

エイミーがムッツリーニの手を握り、明久を睨む。

 

ムッツリーニ「……盗聴器の操作がある。」

 

明久「そ、そうだね。そしたら・・・康介。」

 

秀吉を見て俺を見る。

 

秀吉「明久よ。ワシを飛ばしたのに他意はないのじゃろう?」

 

明久「まさか、秀吉には無理だっていう事ぐらいわかってるよ。」

 

秀吉「それはどういう意味じゃ?」

 

・・・

 

明久「どういう意味って秀吉は女の子じゃないか。」

 

秀吉「ワシは男じゃぞ!」

 

雄二「というか代役は無理だ。

   今朝あんなことを公衆の面前でやっておきながら

   他のヤツと付き合っているなんて誰が信じる?

   お前と島田しかできないことなんだよ。」

 

雄二が間に入って明久を説得する。

 

康介「そうだな。あんなことの後で実は他の人と付き合っています。

   なんて明らかに嘘くさいしな。」

 

明久「そうだね・・・。」

 

瑞希「あの、美波ちゃん、明久君。気が乗らないかもしれませんけど、お願いしますっ。」

 

急に姫路が明久と島田に頭を下げる。

 

さっきまでは姫路もあまり乗り気ではなさそうに見えたけど、気のせいだったのかな?

 

瑞希「凄く個人的な理由で申し訳ないんですけど、私やっぱり転校したくないんです。

   だから、協力してくださいっ!」

 

アキ時差「え、あ、いや。僕は勿論協力するけど。」

 

美波「う・・・。わ、わかったわよ!

   とりあえず形だけでもやればいいんでしょ!

   けど、演技の内容次第じゃ、どうするかは知らないからね!」

 

瑞希「美波ちゃん、明久君・・・ありがとうございますっ。」

 

そんな島田の返事を聞いて、姫路はもう一度深く頭を下げた。

 

美波「ま、まぁ、確かに畳や卓袱台もこの前買ったばかりだから結構使い易いし・・・。

   瑞希の為だけじゃないんだから、そこまで気にすることも・・・。」

 

ツンデレか!しかし、どうしようか。

 

秀吉「そうと決まれば、早速演技開始じゃな。三人とも、これを受け取るのじゃ。」

 

心なしか秀吉が生き生きしているように見える。

 

秀吉が明久、島田、姫路にそれぞれ一部ずつホチキスでとめられた冊子を手渡す。

 

明久「手書きで名前とその下に台詞が書いてある。

   台本?もう書き終えたの?いつのまに?」

 

秀吉「殆どはワシが持っておった台本からの引用じゃからな。」

 

康介「それにしても作戦が決まってから島田と姫路が帰って来るまでそんなに無かっただろ。

   よくそんなに書けるな。」

 

秀吉「そうかのう?」

 

照れる秀吉

 

雄二「じゃあ、お前らはそいつを持って屋上で演技開始だ。

   ムッツリーニ、清水の盗聴器はどうなっている?」

 

ムッツリーニ「……さっきは接触不良を装っただけだから、今はまた動くようにしてある。」

 

 

雄二「そうか。だとしたら、演技以外の会話は一切しないようにするんだ。

   清水にバレたら元も子もないからな。」

 

明久「ちょっと待ってよ。まだ台本を覚えるどころか目を通してもいないのに。」

 

ムッツリーニ「……大丈夫。屋上のカメラには死角がある。

       台本を読みながらの演技でいい。」

 

ムッツリーニは紙を取り出すと、

 

簡単な屋上の見取り図を書いてその上に死角となるポイントを描き加えていった。

 

瑞希「そうですか。読みながらでいいのならなんとかなりそうですね、美波ちゃん。」

 

美波「そうね。それは助かるけど、でもせめて内容を確認させてくれない?

   変なシーンがあるかどうか気になるもの。その・・・キスシーンとか・・・。」

 

明久が困惑した表情を見せる。

 

秀吉「安心せい。そのようなシーンは入れておらん。

   まぁ、たとえ入れたとしても、カメラの死角におるのじゃから、

   音だけで事は足りるしの。

   それよりも、時間がないから急ぐのじゃ。」

 

明久と島田と姫路は取り付く島もなく、秀吉に背中を押されて教室から追い出す。

 

 

屋上に向かう三人の後ろ姿を見て、

 

みゆき「大丈夫かな?」

 

康介「なあ、一回やってから行かせ方が良かったんじゃないか?」

 

どうもぶっつけ本番というのは・・・

 

雄二「時間がないんだ。」

 

いや、そうかもしれないけど、

 

秀吉「お主らが心配するのもわからんことはないが、まあ、大丈夫じゃろうて。」

 

エイミー「台本モ有りマすし上手く行きマスヨ!」

 

いや、一番心配なのは台本以外の事をすることなんだが・・・

 

ムッツリーニ「……コレで向こうの盗聴器の音を拾える。」

 

ムッツリーニが取り出したのはハンディキャップ、

 

康介「周波数はわかるのか?」

 

ムッツリーニ「……(コクリ)」

 

ザザザという音が聞こえ、

 

ダイヤルを回すとクリアになり聞こえるようになった。

 

 

 『ねえ、見た?』

 

 『何を?』

 

 

女子の声だ。屋上に居るのだろうか?

 

 

 『学園長よ。』

 

 

・・・?明久たちの会話とは違うけど、気になる会話だ。

 

 

 『藤堂先生がどうかしたの?』

 

 『いや、肌を小麦色に焼いてさ、サングラス賭けてたんだよ。」

 

 

みんな顔を合わせる。

 

 

 『うそ!そんなわけないでしょ。』

 

 

俺らの気持ちを代弁してくれた盗聴器の向こうの人、

 

 

 『本当だってば!』

 

 『ひゃっ!!』

 

 『うわぁあ!ちひろ、また大きくなって!うりゃ、うりゃ!』

 

 

ちひろ?この声、もしかして ちひろさん?(=写真部副部長:Fカップ)

 

 

 『あ、あ、cyp、ちょ、や、やめ・・・ゆ、う、・・・な!』

 

 『じゃあ、信じてくれる?』

 

 『し、しん・・・じ、んっ!!』

 

 『ちゃんと言ってくれないとわからないよ?』

 

 『ちょ、ちょっと!あ、そこはだめっ!』

 

 『ふ、ふ、ふ』

 

 『い、いやぁあああ!!』

 

 

ブッ

 

ムッツリーニ「……間違えた。」

 

みゆき「ちょっと、今の会話!」

 

エイミー「師匠!相談がありマス!」

 

ムッツリーニ「……ま、まて!(ジタバタ!!)」

 

女子更衣室の会話だったのか・・・。

 

康介「またないでしょ、普通。」

 

秀吉「自業自得じゃ。」

 

雄二「だな。」

 

 

 

☆明久SIDE

 

 

本当にやるの?っと聞こうとしたところで姫路さんが唇に指を当ててこちらを向いた。

 

ああそっか。廊下も盗聴されている可能性があるのか。

 

これは下手なことはしゃべれないな。

 

仕方なく無言で屋上へと続く階段を上る。

 

ギィ、と立てつけの悪い扉を押し開け、雲一つない青空が広がる。

 

本日二度目の屋上だ。眩しすぎるのか屋上には誰もいない。これは幸いだ。

 

ムッツリーニが教えてくれた死角を伝って屋上の隅へと移動する。

 

そして台本を取り出し、美波に視線を送る。すると、美波は黙って頷いた。

 

いよいよ開始だ。台本の1ページ目を見ると、僕らの名前とセリフが書いてあった。

 

 

 島田『ねぇ、アキ』

 

 吉井『ん?なに、美波?』

 

 島田『今更なんだけど・・・、アキにきちんとウチの気持ちを伝えておこうと思うの。』

 

 吉井『え?そんなの、今更言われなくても・・・』

 

 島田『それでも聞いて欲しいの。

    確かに気持ちが先走ってキスしちゃったけど――

    でも、こういうことはハッキリさせておきたいから。』

 

 吉井『う、うん。わかった。それなら聞かせて欲しい。美波の、本当の気持ち。』

 

 

!?!?!?

 

な、な、何なんだ!?それぞれの台詞を見て血の気が引いて行く。

 

コレは罰ゲームかっ!

 

 

 島田『・・・・・・。』

 

 

隣りでは美波が僕と同じように台本を見たまま固まっていた。

 

美波はこんなセリフ本当に言ってくれるんだろうか?

 

 

 島田『・・・ねぇ、アキ。』

 

おぉっ!始まった!美波はちゃんと協力してくれるみたいだ。

 

それなら僕も頑張らないと!

 

 

 吉井『ん?なに、美波?』

 

台本通りの台詞を返す。読みながらだから楽でいい。

 

 島田『今更なんだけど・・・あ、アキにきちんとウチの気持ちを伝えておこうと思うの。』

 

美波は一瞬言葉に詰まりながらも、何とか台本通りに言ってくれた。

 

若干抵抗があるけど、このくらいなら問題ないはずだ。

 

さて、僕は・・・

 

 

 吉井『え?そんなの、今更(いまさら)言われなくても・・・』

 

 

ちなみに今更、の部分に振り仮名が振ってあった。

 

新設設計だけど・・・なんだかバカにされているようで悔しい。

 

 

 島田『それでも聞いて欲しいの。・・・こういうことは、ハッキリさせておきたいから。』

 

 

うん?今何かセリフが飛んだような?って、ああキスの部分か。やっぱり恥ずかしいよね。

 

どうやら美波は自分の意に沿わない部分は若干のアドリブを煎れながらやるようだ。

 

 

 吉井『う、うん。わかった。それなら聞かせて欲しい。美波の、本当の気持ち。』

 

 

セリフを言い終えてから自分の頬が熱くなっていることに気が付く。

 

こ、コレは想像以上に恥ずかしい・・・!

 

とはいえ、ここでためらっている時間は無いので次のページに進む。

 

次は美波の台詞からだけど・・・

 

 

 島田『わざわざこんなところに呼び出してごめんね、

    アキ・・・。あのね、ウチは・・・アキのことが好きなのっ!』

 

 

読んだ瞬間に鼻から胃液が飛び出すかと思った。

 

 

こんなセリフを言われるの!?

 

そりゃあ、清水さんに嫉妬させるための演技だからある程度は覚悟していたけど・・・

 

でも、これはあまりにも恥ずかしすぎる!

 

み、美波はどうするんだろう・・・。

 

様子をうかがうと、美波は台本を引きちぎらんばかりに力を入れながらも口を開いていた。

 

 

 

○康介SIDE

 

 

ボロボロになったムッツリーニがハンディキャップのダイヤルを回す。

 

ムッツリーニ「……今度は大丈夫・・・。」

 

 

 美波『わ、わざわざ――」

 

 

 美波『わざわざこんなところによびだしてごめんね、アキ・・・。」

 

しおらしく、弱弱しく言葉を紡ぐ島田

 

 

康介「心配するほど無かったな。」

 

秀吉「おそらく恥ずかしいのじゃろうが、かえって良いかもしれん。」

 

 

 美波『あのね、ウチは、アキのことが――』

 

 

後ろで聞いている みゆき とエイミーは真っ赤だ。

 

ゴクリ、続きの言葉を待つ。

 

 

 美波『アキのことが――嫌いなのっ!』

 

 

康介「・・・。」

 

みゆき「・・・。」

 

エイミー「・・・。」

 

秀吉「・・・。」

 

雄二「・・・。」

 

 

 明久『み、美波……?』

 

 美波『初めて会ったときからずっとアキのことが嫌い!

    あれから友達として傍にいるのがずっと辛かった!

    本当は友達でいるなんて、我慢できなかったのに!』

 

 

康介「つ、ツンデレだと思えば・・・」

 

考えられなくもない。

 

ムッツリーニ「……だが、清水に通じなければ意味がない。」

 

まあ、そうだ。

 

 

 明久『美波・・・。』

 

 美波『アキ・・・。』

 

 

次の言葉を誰もがかたずをのんで見守る。

 

 

 明久『僕も、ずっと、同じ気持ちだった。』

 

 

作戦は失敗に終わった・・・。

 

 

 

 

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