問 以下のの問いに答えなさい。
『【つるつるの床でタイヤ付の椅子に座り、重たい物前に放ると体は逆方向に進む。】
この現象を何というか答えなさい。』
《解答》
音羽康介の答え
『作用反作用の法則』
教師のコメント
よく出来ました
スペースシャトルなどのロケットエンジンも同じ原理で、
大量の燃料ガスを放出しその反作用で機体を逆方向に進めています。
吉井明久の答え
『逆噴射』
教師のコメント
それは答えになってません!
木下秀吉の答え
『逆進』
教師のコメント
精一杯頑張ったようですが・・・間違いです。
新校舎三階についた俺らは壁の陰に隠れいた。
明久「(こないよ。)」
雄二「(もう少し待て。あ、ほら。)」
雄二が指差す。
明久「(わ。本当に出てきた。)」
雄二「(そのようだな。とりあえず俺の読みは当たっていたか。)」
相手に見つからないように階段の近くで隠れながらBクラスの様子を見ていると、
教室から男子生徒が一人出てくるのが見えた。
みゆき「(相手が一人っていうのも予想通りなの?)」
雄二「(まぁな。
Bクラスは点数補充に忙しくて使者に人数を割けるわけがないからな。
立場の無さも考慮すると、男子が一人で向かうのは予想通りだ。)」
Bクラスの男子はDクラスへ向かって歩き始めている。
周囲には大勢というわけじゃないけど人影が少し見える。
康介「(暗殺はうまくいくと思うか?)」
エイミー「(師匠なら絶対ニうまクイキます。)」
康介「(そうだな。)」
だが、どうやって目立たないように暗殺を実行するんだろう?
BクラスとDクラスの間の短い道のりを使者が歩く。
あと三十秒もしないうちにDクラスの扉を叩くことになる。
ムッツリーニがどういう手を使って暗殺する過去の目で見なければ・・・
もし俺が暗殺対象にされた時の対処法を見つけておかなくては。
使者がDクラスにつくまであと五メートル。
明久「(雄二、本当に大丈夫なの?)」
後三メートル
雄二「(大丈夫だ。ムッツリーニを信じろ。)」
後二メートル
明久「(けど、もう距離が・・・!)」
後一メートルというところで何かが視界を横切った。
カッ
何かの音が使者から少し離れた場所の廊下の壁から響く。なんだ?
目を凝らすと壁に何かが刺さっているのが見える。
『なんだ、アレ・・・?』
『先に何か貼ってあるな。』
『何かの写真、か・・・?』
ハッ、そうかこれは注意を逸らすためのもの。
壁に刺さったものを見ようと集まりに居た人たちが集まり出す。
使者もそれを見ようと、集まった人たちの最後尾についた。
ムッツリーニ『……(ススッ)』
音も無くその背後に迫るムッツリーニ。
今は周囲の視線は全てカッターと写真に集まっている。
誰もその様子には気付いていない。
ムッツリーニ『…………(ガッ)』
Bクラスの使者『──っっっ!?!?』
暢気に写真を見ようと背伸びをしていた使者を
ムッツリーニが後ろから羽交い絞めにして口を押さえる。
使者は目を白黒させて突然の事態に驚いていた。
そして、ムッツリーニの手に凶器が見えた。
間違いない。あれは姫路の作ったゼリーだ。
ムッツリーニ『……(グッ)』
Bクラスの使者『──っ!──っ!』
指の隙間からパックの先を押し込み、ムッツリーニが中身を押し出す。
相手はそれを必死になって阻止しようとしていた。
他の生徒たちが写真に注目している背後で命を懸けた攻防が繰り広げられる。
そして俺らが息を呑んで見守る中、その戦いはついに決着を迎えた。
ゴクリッ
遂に飲み込んでしまった。まあ、一応手を合わせる。
Bクラスの使者『か・・・は・・・っ!!
き・・・さま・・・ムッツリー・・・』
ムッツリーニ『……(ググッ)』
みゆき「(気の毒・・・。)」
末期の寸前に憎しみの籠った視線を向けてくる使者に対して、
ムッツリーニは情け容赦なく更にパックの中身を押し込んだ。
使者の手が一瞬ビクンッと跳ね上がる。
そしてそのまま──男は動かなくなった。
再び手を合わせる。
動かなくなったBクラスの使者を手際よく抱え、
Dクラスからの死角になり、Bクラスから見える場所におく。
いや、捨てると言った表現の方が正しいんじゃないだろうか?
ムッツリーニ「(……任務完了。)」
ムッツリーニが戻ってきた。
雄二(流石だ、ムッツリーニ。惚れ惚れするような手際だった。)」
ムッツリーニ「(……この程度、何の自慢にもならない。)」
雄二の賞賛に対して眉ひとつ動かさなかったが、
エイミー「(仕置き人みタイデカッコ良かったデス。)」
ムッツリーニ「(……それほどでもない。)」
て、照れてる。あのムッツリーニが!
雄二「(よし。ならもうここに用はない。教室に戻るぞ。)」
明久「(そうだね。次の手を考えないとね。)」
『この写真に写ってるメイド服の子、結構可愛いな。』
『ああ。でもなんかFクラスにいるバカに似ている気がしないか?』
『まぁ、私はそれならそれでもいいと思うわ。可愛いし。』
皆が集まって見ている写真を気になったが、
みゆき「(帰ろ?)」
康介「(ああ。)」
俺らはFクラスの教室に戻った。
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六時間目の途中くらいになると、
Bクラスはこちらに思惑通りに疑心暗鬼に陥っているらしいという情報がって入ってきた。
明久「これで時間稼ぎは成功したかな?」
雄二の席に集まった俺ら、
雄二「ああ、長い時間は無理だが、明日までなら何とかなるだろ。」
あの【化学ゼリー】の持続時間はそんなにあるのか・・・。
雄二「秀吉、例のDクラスとの交渉は大丈夫か?」
秀吉「うむ。清水を引っ張り出す事には成功した。
放課後に旧校舎二階の空き教室で待ち合わせという手はずになっておる。」
康介「一応、舞台は整ったということか。」
みゆき「あとはDクラスを挑発するだけね。」
雄二「それについてはとっておきの作戦がある。」
口の両端を上げる雄二、挑発や罵倒はコイツの十八番だ。
雄二「但し、明久は余計な口を挟むなよ。
一応お前と島田がいないと挑発にならないから連れて行くが、
下手なことを言われると取り返しのつかないことになるからな。」
明久「了解。その辺は全部雄二に任せるよ。」
ムッツリーニ「……一つ、気になることがある。」
何かの機械を操作していた康太が口を開きました。
雄二「どうしたムッツローリ、何かあったのか?」
ムッツリーニ「……根本がAクラスに何かの情報を流していた。」
すると雄二が考え出した。
康介「少し警戒していた方が良くないか?」
雄二「そうだな。ムッツリーニ、その情報の――」
――バンッ!
大きな音を立てて教室の扉が開け放たれた。
翔子「……雄二・・・っ!」
その向こうから現れたのはAクラス代表の霧島。
いつもはクールで落ち着いた人が、今は焦っているように見える。
みゆき「何かあったの?」
雄二「そんなに慌ててどうした?」
翔子「……どうした、じゃない。雄二こそ、どうしてまだ学校にいるの・・・!」
雄二「?お前は何を言っているんだ?」
翔子「……お義母さんが倒れたっていうのに、どうして様子を見に行かないの・・・!?」
霧島が怒っている。雄二の母さんが倒れた?
雄二「はぁ?あのおふくろが?風邪すら引かない全身健康体だぞ?」
雄二が信じられないように言う。
翔子「……とにかく、早く家に・・・!」
業を煮やしたように雄二の手を取って強引に連れ出そうとする霧島。
雄二「お、おいっ!ちょっと待て!俺は今から大事な作戦が――」
あ、そうか。根本がAクラスに流した情報って
康介「ちょっと待つんだ霧し(グフッ)」
雄二「康介!」
ば、バカな。鳩尾に綺麗に入った一撃、重くはないが体に響く・・・。
みゆき「康介!」
明久「大丈夫?」
マズい。このままだと雄二が・・・
翔子「今はそんな事言ってる場合じゃない!」
聞いたことのない霧島さんの怒声、
Fクラスにいる皆がその様子を唖然として見ていた。
雄二「だから待て翔子!何かおかしい!どうして俺より先にお前が・・・」
翔子「いいからっ!」
雄二「翔子、落ち着――」
抵抗虚しく、雄二は霧島さんにあっという間に連れ去られてしまった。
「「「「「・・・。」」」」」
ムッツリーニ「……今の話はおかしい。」
エイミー「オカシイってどウイう事デスカ?」
ムッツリーニ「……まず初めに身内に不幸があった場合、最初に連絡が来るのは雄二のはず。」
明久「そういえばそうだね。」
秀吉「雄二に連絡がつかんかったのじゃろうか?」
明久「いや、それも変だよ。ずっと校内に居たんだから。」
はあ、はあ、
康介「ちがう。」
明久「え?」
みゆき「大丈夫?」
康介「ああ。」
ようやく立ち上がって、
康介「これは学校側から知らされた情報じゃないからだ。」
秀吉「どういうこと・・・もしや!」
康介「ああ、これは根本の情報だからだ。」
!?
明久「じゃあまさか、さっきの根本君の話って!」
ムッツリーニ「……多分、雄二の母親が倒れたという偽情報。」
康介「やられた。完璧にやられた。」
ガタンっと卓袱台に手をつく。
アキ久「これはかなりマズい・・・。
清水さんを挑発する為の作戦は、全部雄二任せだったっていうのに・・・!」
みゆき「だれか作戦を聞いていないの?」
秀吉「ワシも聞いておらん。」
ムッツリーニ「……(フルフル)」
エイミー「聞いテナいデス。」
空気が沈んでいく。
ムッツリーニ「……多分、雄二は盗聴を警戒していたから。」
秀吉「そうなると、同じように情報の洩れる恐れのある書置きなども期待できんの。」
ムッツリーニ「……(コクリ)」
康介「畜生、こんなことなら、さっきまでの空き時間に作戦を聞いておけばよかった。」
秀吉「雄二に携帯電話で連絡は取れぬのか?」
康介「さっきの権幕だと電話すらさせてもらえそうにない。」
秀吉「そうじゃな。」
康介「さて、どうする?
雄二の家から学校までかなりあったよな。」
明久「そうだね。すぐに戻って来たとしても間に合わない・・・ね。」
みゆき「交渉の時間って遅らせることはできないの?」
秀吉「取り合ってもらうにも大夫苦労したからの。無理じゃと思うが・・・。」
エイミー「日本人ナラ遅れるノハモッテノ他ですね。」
結果、雄二が解放されるまで待ってられない。俺らでどうにかするしかないのか・・・。
明久「くそ・・・っ! やってくれたな、根本君・・・!」
秀吉「全くじゃな。
当人にしてみればDクラスを警戒している間の時間稼ぎ程度のつもりかもしれんが、
今のワシらにはこの上ない痛手じゃ。」
明久「何か良いアイデアはない? こう、清水さんをうまく挑発できるような。」
秀吉「なんとも難しいのう・・・。
平常時ならいざ知らず、今日のワシらは色々と動きすぎて警戒されておるじゃろうからな。
それこそ、こんな状態では雄二くらいしか挑発なぞ成功させられんじゃろう。」
ムッツリーニ「……お手上げ。」
康介「何も浮かばない。」
みゆき「そうね。」
エイミー「私もデス。」
マズい。本当にマズい。
何も思い浮かばない。
時間だけがいたずらに過ぎていく・・・。
ムッツリーニ「……そろそろ、時間。」
明久「え!?」
ムッツリーニの言葉で時計を確認すると、六時間目終了時刻を表していた。
ムッツリーニ「……どうする?」
康介「どうするも何も、俺らで何とかする他ないだろ。」
秀吉「そうじゃな。」
みゆき「やるしかないね。」
エイミー「もう後ニハ退けマセん。」
明久「うん。そうだね。それじゃあ、僕と美波に他の参加メンバーはどうしようか?」
秀吉「うむ、ワシに任せて貰えんかの。」
秀吉が立候補する。
明久「もちろんだよ秀吉!あとは・・・。」
秀吉「そのことなんじゃがあまり大人数で行くにはまずいのじゃ。」
康介「どうしてだ?」
秀吉「向こうには『先日ののぞきの一件について』といってあるからの。
向こうは代表の平賀と清水くらいじゃろう。
じゃから、こちらも人数を絞るべきなのじゃ。」
明久「それじゃあ、僕と美波、秀吉で行こう。」
秀吉「うむ。」
すると島田がやって来た。
美波「・・・行くんでしょ。」
そう言って教室を出ていく島田。
あわててついて行く明久と秀吉。
俺らは教室を出ていく三人を無言で送る。
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☆明久SIDE
放課後
待ち合わせの空き教室に入ると、
中ではDクラス代表の平賀君と清水さんがそれぞれ椅子に座って僕らを待っていた。
明久「待たせたね。」
大して悪びれた様子もないように、口だけの謝罪を述べてみせる。
あくまでも謝罪というのは名目で僕らの目的は挑発だ。相手を怒らせないと意味がない。
出来る限りの無礼な態度を取るつもりで来たけど―――
美春「お姉さまっ! お会いしたかったですっ!」
美波「美春!? ちょっと、暑苦しいからひっつかないでよっ!」
目標は完全に僕らを無視して美波に飛びついていた。
というか、美波以外眼中にない雰囲気だ。
美春「お姉さま・・・。
邪魔者のいない空き教室で放課後に二人きりなんて、やっぱり美春のことが。」
美波「ど、どこ触ってんのよ!?それとアンタ、周りの連中が見えていないの!?」
美春「ああ・・・お姉さまのお胸は最高です・・・。
そう。まるで波の静かな大海原を彷彿とさせるような・・・。」
詩的な表現をしているけど、要約すると『水平線のようにペッタンコ』という意味だ。
美春「お姉さま・・・。美春はお姉さまを心よりお慕いしております・・・。」
美波「や、やめてよっ!ウチにそっちの趣味はないんだから!」
美春「美春はお姉さまのことを、一年三六〇日、常に想い続けているのですよ・・・。」
盆と正月は忘れているらしい。
美波「とにかく離れなさいっ!」
美波がくっついている清水さんを力ずくで引っぺがす。
本当にうまく挑発できるのか不安になる。
秀吉「清水よ、そこまでにしておくのじゃ。
島田は明久の恋人、むやみやたらと手を出すでない。」
良かった。秀吉が切り込んでくれた。
清水さんは始めて美波以外の面子がいることに気がついたかのような態度で答えた。
美春「何を寝ぼけたことを言っているのです?
お姉さまとそこの豚野郎の間にはなんの関係もないことくらい、
お姉さまのお顔を見れば一目瞭然です。」
いかにも全て知っていますと言った口ぶり。
まぁ実際に情報収集で僕と美波が付き合っているという話が
嘘だということは知っているんだろうけど・・・。
美波「・・・それは・・・。」
美波は清水さんの言葉にリアクションを取りあぐねていた。
僕に対しては付き合っていることを否定したい。
でも、クラスの事を想えば付き合っていることを肯定しないといけない。
二つの考えが美波の頭を悩ませているのだろう。
美春「だいたい、そこの豚野郎がお姉さまに相応しいとは思えません。」
言いながら清水さんは僕を指差している。
相応しくない、か・・・。
明久「そりゃ、僕は格好も良くないし勉強も出来ないけど、でも」
美春「格好?部活?違いますね。
美春が言いたいのはそんなことじゃありません。それ以前の問題です。」
僕の口上を遮ると、清水さんは見下すような視線を僕に送りながら言葉を続けた。
美春「美春は前々から二人の関係を見てきましたが、そこの豚野郎の態度は最低です。」
僕の態度が最低だって?
・・・思い当たるフシがたくさんある。
美春「同じクラスの姫路さんに接する態度とお姉さまへの態度があまりに違い過ぎます。」
言われた瞬間、美波がピクンと反応した。
美春「姫路さんには優しく気を遣い、まるでお姫様を相手にするかのような態度。
それに対してお姉さまへの態度はどうです?
全く気遣いも無ければ、異性に対する最低限の優しさすら見られないじゃないですか。」
美波が唇を噛みしめている。
その姿は泣くのを必死に我慢している、か弱い印象を僕に抱かされた。
美春「はっきり言えば、そこの豚野郎はお姉さまの魅力に気付いていないどころか、
何の気も遣わずに男友達に接するような態度でお姉さまに接している大馬鹿野郎です。
そんな男がお姉さまに相応しいかどうかなんて、容姿や学力以前の問題です。
それに――」
トドメを刺すように、清水さんは口の端を少し吊り上げて僕に言い放った。
美春「──それに、演技とは言え『好き』とまで言ってくれたお姉さまを放って
姫路さんを追うなんて、考えられません。
お姉さまのことを男だとでも思っているんじゃないですか?」
美波「──っっ!!」
清水さんの言葉を聞くや否や、美波が教室から走り去っていった。
明久「美波!?」
美春「追ってどうするんです?
また男友達に接するように乱暴な言葉でもかけるんですか?
そうやって更にお姉さまを傷つけるんですか?」
清水さんの言葉に思わず足が止まる。
秀吉「明久。島田はワシが追おう。今お主が行っても逆効果じゃろう。」
僕がそう言うと、秀吉は僕の肩をポンと叩いて教室を後にした。
人数が減ってしまった室内には何とも言えない空気が支配している。
平賀「・・・よくわからないけど、俺ももう行っていいんだよな?
こんなんじゃ謝罪どころの話じゃなさそうだからな。」
ずっと無言だったDクラス代表の平賀君が気まずそうに立ち上がり、教室を出て行った。
この空気に耐えられなかったのかもしれない。
空き教室には僕と清水さんだけが残された。
美春「この話し合いに何の目的があったのかは知りませんが、
美春はもう貴方を恋敵として認めるようなことはありません。
お姉さまの魅力に気付かず、同性として扱うだけの豚野郎に嫉妬するなんて、
時間の無駄ですから。・・・お姉さまの魅力がわかるのは美春だけです。」
清水さんが席を立つ。
この話し合いは失敗だ。
Dクラスは僕たちに宣戦布告をしてくるようなことはないだろう。
だけど、今はもうそんなことはどうでも良い。
絶対に譲れない、大事なものがある。
明久「ちょっと待って、清水さん。」
美春「・・・なんです?美春に何か言いたいことでもあるのですか?」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○康介SIDE
明久、秀吉、島田を見送ってしばらく
瑞希「ただいま戻りました。」
姫路が帰って来た。
随分片づけに時間がかかっていたようだけど・・・調理室は大丈夫なのだろうか
みゆき「大丈夫かな?」
康介「秀吉ならうまくやってくれるだろ。」
瑞希「何の話を――」
話していると
バンッ!!
教室の扉が壊れんばかりの勢いで空いた。
俯いた島田が弾丸のように入ってきて自分の鞄をとると弾丸のように教室を後にした。
俺は追いかけようとしたみゆきを、ムッツリーニはエイミーを止める。
康介「追いかけてどうする?今朝からの事もある。今は静かにしてやれ。」
ムッツリーニ「……時間をおいた方が良い。」
瑞希「――み、美波ちゃん・・・。」
俺らはクラスのためとはいえ島田の気持ちを利用したことに違いない。
直後、
秀吉「し、島田を見んかったかの?」
みゆき「美波ならさっき荷物を持って帰ったけど・・・。」
みゆきがそう言うと
秀吉「そうか・・・。」
無言のまま重い時間が流れ、
あれから何分経っただろうか。
明久が戻って来た。
明久「ただいま・・・。」
瑞希「お帰りなさい、明久君。」
秀吉「少し遅かったようじゃが、大丈夫じゃったか?」
明久「うん。まあ・・・。」
教室を見回す明久、
康介「島田なら帰ったぞ。」
明久「・・・そっか。」
ガラッ、
もう片っぽの扉が開いてツンツン赤髪が特徴的な男が息を切らして教室に入って来た。
明久「雄二!」
雄二「やっぱり根本の偽情報だった。おふくろのヤツぴんぴんしてたぜ。」
秀吉「それは何よりじゃった。」
雄二「それで、清水の挑発は?」
秀吉「うむ。失敗じゃ。」
明久「ごめん雄二。」
すると珍しく
雄二「まあ、過ぎたことは仕方ない。」
いつになく明久にやさしい。
康介「何かあったのか?」
雄二「まあ、なんだ。島田とすれ違ってな。」
明久「それで美波は?」
雄二「怒ってたようにも見えたし、泣いていたようにも見えた。」
明久「・・・。」
瑞希「・・・。」
雄二「さてそうなると、Bクラスへの対策を考えないといけないな。」
ムッツリーニ「……まだ気づいてはいない。けど、バレルのも時間の問題。」
雄二「取りあえず、今日は帰るぞ。」
康介「そうだな。」
みゆき「そうね。」
ムッツリーニ「……(コクリ)」
エイミー「帰りマシょウ。」
秀吉「うむ。」
明久「そうだね。」
瑞希「・・・はい。」
ちなみに福原先生は本日出張中とのことで、皐月壮の晩飯は三沢先生を迎えての形になった。