バカな親友らとテストと召喚獣   作:音羽2600

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第3問:国語

 問 『小田原熱海間に、軽便鉄道敷設の工事が始まったのは、良平の八つの年だった。
    良平は毎日村外れへ、その工事を見物に行った。』
    この冒頭から始まる作品名と著者を答えなさい。
   
《解答》

 秋月さくらの答え
  作品名 トロッコ
  著者  芥川龍之介

  教師のコメント
   正解です。


 吉井明久の答え
  作品名 工事
  著者  良平

  教師のコメント
   あなたは私の授業で何を学んでいるんですか?


第3話バカテスト国語:休日3

明久「因みに、点数をプラスにするにはどうしたらいいの?」

 

玲「規則正しい生活や良好な学習成績などを提示してください。」

 

ぅぐ・・・!食事は皐月荘に依存しているし、成績は地を這うが如し、

 

何てことがバレたら完全にアウトだ・・・。

 

玲「そこまで絶望的な顔をしなくても大丈夫ですよ。

  アキくんの学力が一般基準に対して著しく劣っていることは姉さんも母さんもよく知っています。

  要は、それがどの程度改善されているか、ということです。」

 

明久「え?それじゃ、頑張っていたら許してくれるの?」

 

玲「はい、中間テストと今度の期末テストとの差をそのまま評価の対象にします。」

 

ええっと・・・中間試験の点は確か800点くらいだったから、

 

期末試験で820点くらい取れば良いってことか。

 

それなら、今から頑張れば何とかなりそうだ。

 

玲「さて、それで、もう一つの約束は守れていますか?」

 

明久「もう一つの約束て、不純異性交遊の禁止ってやつ?」

 

玲「はい。貴方のように情けない上に生活力も無く、

  頭も悪くてブサイクな男の子を相手にしてくれるような女の人は

  姉さんや母さんしかいないですから。

  ですが、念のために確認しておきます。不純異性交遊はしていませんよね?」

 

じろり、と鋭い視線が突き刺さる。

 

不純異性交遊、不純異性交遊・・・。

 

つまり女の子や秀吉といやらしいことをしていないか、ということなんだろうけど・・・、

 

それって、具体的にどんなことをさしているのだろう?

 

誤解だったとはいえ、美波とのアレは不純異性交遊になるんだろうか?

 

明久「あのさ、姉さん。不純異性交遊って、何をするとどれくらいの減点なの?」

 

玲「異性と手を繋いだら100点になります。」

 

バレたら即死だ。

 

明久「・・・・・・。」

 

玲「どうしましたアキくん。顔色が悪いですよ?」

 

明久「あ、あはは・・・。気のせいだよ?」

 

玲「怪しいですね。何か、隠し事をしているわけではありませんよね?」

 

トーンを落として聞いて来る姉さん。

 

どうやら、僕の態度から不審な気配を感じ取ったみたいだ。

 

くぅう・・・。どうして秀吉といい、雄二といい、姉さんといい、

 

どうして僕の周りの人は嘘を見にぬくのが上手いんだ。

 

明久「もちろんだよ。姉さん。」

 

玲「そうですか、何かあったようですね。詳しく話してください。」

 

明久「だから何もないってば!!」

 

必死に否定すると姉さんは疑いのまなざしを向け続けている。く、苦しい・・・。

 

玲「アキくん、きちんと答えてくれないと・・・

  姉さんはアキくんに酷い事をしなくてはなりません?」

 

そう言って、姉さんは握った拳に『はぁー』と息をかける。

 

言っちゃ悪いけど、さっきのような脅迫ならともかく、

 

この程度の脅しだったら何の恐怖も感じない。

 

明久「酷い事って、どんなこと?」

 

動じない僕に困ったのか、

 

姉さんは僕に向けていた視線を宙にさまよわせながら言った。

 

玲「そうですね・・・。とにかく酷いことです。」

 

やれやれ、ヌルいもんだ。

 

明久「やれるもんならやってみてよ。」

 

さっきまでの仕返し―――

 

 

ガッ(脚払いの音)

 

 

ドスッ(姉さんが僕のマウントを取る音)

 

 

ゴッ ゴッ ゴッ ゴッ(姉さんがひたすら拳を振り下ろす音)

 

 

玲「どうですか?」

 

明久「あ、クッ、やま、グフッ、る、フッハッ、から、ガッ、やめ、アッ、て。」

 

笑顔で拳を振り下ろされながら必死に許しを請う。

 

玲「わかればいいのです。」

 

ようやく拳が終わった。

 

はあ、はあ、はあ・・・。

 

打撲の痛みに涙を流しながら体を起こす。

 

玲「いいですか、アキくん。

  以前から言っていることですが、貴方は決して異性の目に魅力的に映る事はありません。

  女である姉さんが言うのだから間違いありません。

  そんな貴方に近づいて来る子がいるとしたら、貴方を騙そうとしている悪い人だけです。

  姉さんは弟が騙されて悲しい思いをしないように、と心配して不純異性交遊を禁止したのですよ。」

 

明久「あ、うん。心配してくれてありがとう。

   でも、少し心配し過ぎじゃないかな?

   手をつなぐのもダメだなんて、それだったらフォークダンスにも参加できないよ。」

 

玲「そうですね。

  アキくんも十六歳の立派な男の子ですし、色々な感情や若い肉体を持て余すという気持ちもわかります。」

 

いや、そこまで言っていないんだけど・・・。

 

玲「そこで、姉さんとしても最大限の譲歩をするつもりです。」

 

明久「え?譲歩?」

 

玲「はい。不純異性交遊は禁止していますが――」

 

明久「うん。」

 

玲「――不純な同性との交遊は認めてもいいと思っています。」

 

明久「な、何があったのさ!?海外生活で姉さんの価値観に何が起こったの!?」

 

昔はもうちょっと、そう・・・もうちょっと、・・・だけ、まともだったのに・・・。

 

玲「さてアキくん、少し話して疲れたでしょうから珈琲を呑みませんか?」

 

そう言いながら姉さんはボトルコーヒーを取り出した。

 

なんだか胸騒ぎがする・・・気がする。

 

姉さんはグラスを取り出してきて、ボトルコーヒーのふたを開ける。

 

玲「おっと、手が・・・。」

 

明久「ほいっと!」

 

わざとらしく、ふたの空いたボトルコーヒーをぶちまけようとしたので回避行動を取る。

 

余裕よゆ――

 

 

ガッ(脚払いの音)

 

 

ドスッ(姉さんが倒れた僕のマウントを奪う音)

 

 

ダパダパダパ(姉さんが僕の全身にコーヒーをこぼす音)

 

 

玲「すいません、手が滑ってしまいました。」

 

コーヒーでベトベトになった体を起こしながら

 

明久「ここまでやって言い訳なんているの?」

 

玲「すみません。姉さんの不注意です。

  とりあえずシャワーでも浴びてくるといいでしょう。」

 

どうしても事故にしたいらしい。それにしても、他人事のような言葉が気になる。

 

けど、ベトベトで気持ちが悪いし。

 

明久「わかったよ。

   けど、その前に一つだけ言っておくけど、絶っっっ対に、

   僕の部屋を荒らしたりとかしないように!」

 

玲「勿論です。」

 

明久「あれ?」

 

玲「どうかしましたか?」

 

明久「あ、いや、そうしてくれるとありがたいよ。」

 

予想とは違った返事で拍子抜けしてしまった。

 

明久「それじゃ、ちょっとシャワーを浴びてくるよ。」

 

玲「はい、ゆっくりしてください。」

 

明久「あ、うん。」

 

脱衣所に入る前に行った姉さんの言葉が少し気になったけど、

 

それは僕が急がなくても良いようにとの心遣いだろう。

 

脱衣所の扉を忌めて、体に張り付く服を脱いで、

 

シミになりそうな部分を軽く水で流してから洗濯機の中に放り込み、洗濯する。

 

さてと、う~ん。お湯が出るお風呂か・・・。

 

ささやかな幸せに心を躍らせながら浴室に向かう。

 

赤いマークの付いた取っ手を捻ると温かいお湯が出てきた。

 

明久「生き返る~♪」

 

頭からお湯をかぶる。

 

シャンプーを手に取ってふと気づいた。

 

明久「あ、着替え持ってくるのを忘れた・・・。」

 

いつもなら僕一人だから気にしないんだけど、今は姉さんが居る。

 

姉さんはこういうことにはうるさいからな。

 

タオルを腰に巻いてうろついたりすると怒られてしまう。

 

どうしよう・・・。

 

なんて困っていると、

 

玲『アキくん。着替えはここに置いておきますからね。』

 

脱衣所からそんな姉さんの声が聞こえてきた。

 

どうやら僕が着替えを持ってきてないことを気づいてくれたらしい。

 

明久「ありがとう、姉さん。」

 

玲『いえ、どれがいいのかわからなかったので、いくつか持ってきました。

  どれか好きなものを選んできてくださいね。』

 

そう言って姉さんは脱衣所から出ていった。

 

明久「それじゃ、さっさと汗を流して上がろうっと。

   姉さんも汗をかいたみたいだからお風呂に入りたいだろうし。」

 

ささっと頭と体を洗ってから脱衣所に出る。

 

そこには姉さんが準備してくれた着替えが三種類ほど籠に入れておいてあった。

 

まだパジャマになるのは早いし、Tシャツとハーパンがあればいいなぁ。

 

バスタオルを棚から取り出して頭を拭きながら籠の中を覗き込む。

 

さてさて、

 

ええっと、ナース服、エプロン、野球帽・・・あれ?まともな服がない!

 

いやいやちょっと落ち着こう。何か意味があって用意してくれたのかもしれない。

 

 

・①:【ナース服】

 怪我や病気で苦しむ人を救おうとする志の高い人たちが主に着用する服。

 決して一般的な高校生が風呂上がりの着替えとしてたしなむものではない。

 

 

・②:【ナイロン】

 一般家庭によくみられるポピュラーな服飾品。

 性別年齢問わず誰が身に着けていても不自然ではないが、

 これ単体での着用となった瞬間に突如キッチンが別世界と化す。

 男子高校生の装備には若干不向きであると思われる上級者向きの一品

 

・③:【野球帽(ヤンキース)】

 服ではない。

 

 

意味なんてあるのだろうか?

 

考えていると

 

玲『すみませんアキくん。サイズが合わないでしょうけど我慢してください。』

 

明久「ああ、いや・・・。我慢するべきなのはサイズなんかじゃないと思うんだ・・・。」

 

はあ、野球帽はともかく、料理をしない姉さんがエプロンなんて必要ないし、

 

ナース服なんて特に必要ないだろうし、あの人は海外で一体何をやっていたんだろう。

 

当然こんなものを着る気は無いので、

 

僕は体を拭いてからタオルを腰に巻いて、脱衣所のふたを開けた。

 

 

ガチャッ

 

 

玲「こら、アキくん!着替えは用意しておいたでしょう?

  そんな格好でうろうろしないで、服を着てから出てきなさい。」

 

ガチャン

 

閉められた。

 

明久「いや、着ろって言われても女物か帽子しかないんだけど。」

 

玲「大丈夫です。間違いなく似合ってます。」

 

いや、似合ってますって・・・

 

明久「姉さん、それはちっとも褒め言葉になっていないんだけど。」

 

まさかとは思うがあの服を着せるためにコーヒを・・・

 

いや、考え過ぎか。さすがにそれは・・・。

 

明久「それじゃあ、悪いけど僕の部屋から着替えを取ってきてくれないかな?」

 

玲『それは無理です。

  姉さんはアキくんの部屋に勝手に入らないと決めましたから。

  諦めてキレイになって下さい。』

 

明久「キレイにって・・・この変態っ!

   もういいよ!タオルを巻いて出るから!」

 

玲『タオル一枚だなんて、許しません。年頃の男の子がはしたない。』

 

明久「それを姉さんが言うの!?」

 

バスローブ姿で外を歩く人が、

 

どうしてタオル一枚で家の中を歩くことを咎めることができるのだろう・・・。

 

明久「ああもうっ!

   それなら僕の部屋から着替えを取ってきてよ!」

 

玲『ですからそういう分けにはいきません。』

 

明久「どうしてさ!」

 

玲『先ほど、アキくんと約束しましたから。約束を破ることはできません。』

 

明久「約束なんてもういいから!だから着替えを持ってきてください!」

 

玲『・・・わかりました。そこまで言うのなら仕方ありません。

  アキくんの部屋に入らせてもらいましょう。』

 

はあ、やっと承諾してくれた。

 

それにしても、お風呂と着替えだけでこの騒ぎ・・・疲れた。

 

僕の生活は明日からどうなっちゃうんだろう。

 

 

 

 

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