以下の英文を正しい日本語に訳しなさい。
『Die Musik gefallt Leuten und bereichert auch den Verstand.』
《解答》
坂本雄二の答え
『出題が英語ではなくドイツ語になっている為に解答不可』
教師のコメント
申し訳ありません。先生のミスで違う問題が混入してしまいました。
島田美波の答え
『音楽は人々を楽しませる上に心を豊かにします。
※これは英語ではなくドイツ語だと思います。』
教師のコメント
正解です。
ただ、今回はこちらの手落ちなので無記入の人も含め、
全員正解にしたいと・・・
土屋康太の答え
『 ←あぶりだし』
吉井明久の答え
『 ←バカには見えない答え』
教師のコメント
・・・思っていたのですが、
君たち二人だけは例外として無得点にしておきます。
☆明久SIDE
『吉井。保健室に行ってきなさい』
この台詞を、午前中の授業で七回も言われた。
そんなに僕が真面目にノートを取っていたらおかしいんだろうか。
まったく失礼だな・・・。
今度の期末試験では最低でも中間試験より20点多く点数を取らないと。
あの危険な姉が居座ることになってしまう。
それだけは防がないと、といつもより頑張ってはいるけど・・・、
そこまで驚かなくてもいいのに。
と思いつつ、四時限目の授業道具をしまう。
替わりにお昼ご飯の用意をしていると、そこに美波がやって来た。
美波「アキ、何かあったの?朝から様子が変みたいだけど。」
あの美波が心配そうに声をかけてくる。
明久「別になんでもないよ。
ちょっと真面目に勉強に取り組んでみようと思っただけで。」
美波「アキ。おでこ出しなさい。今熱を測るから。」
明久「だからどうして皆似たようなリアクションを取るんだろう・・・?」
呆れている僕に、美波が手を伸ばしてくる。
・・・
明久「って、これはダメだっ!」
美波「きゃっ」
僕が突然飛び退いたせいで美波が小さく悲鳴をあげていた。
美波「こらっ!何よそのリアクションは!
人が折角心配して熱を測ってあげてようとしたのに!」
明久「ご、ごめん!色々と事情があるんだ!」
危なかった。
美波は葉月ちゃんに接するような感じで他意は無かったのかもしれないけど、
姉さんの価値観でいけば今のは完全に不純異性交遊に該当するだろう。
何点減点されるかはわからないけど、かなり多く点数を持っていかれる事だろう。
もしもそれが知られてしまったら、僕の幸せで平穏な一人暮らしは遠ざかっていく。
美波「事情?何よそれ?」
そんな僕の思惑を知るわけもなく、美波は僕に疑わしげな視線を向けている。
困ったな・・・。説明するとなると姉さんの存在がバレちゃうし・・・。
ここは話題を逸らすことが賢明だろう。
明久「う・・・。えっと・・・。そ、それより、まずはお昼にしようよ!
昼休みなんて短いんだからさ!」
とにかく、話を別の方向にもっていく。
卓袱台に昼食を広げる。こうすれば、美波もお昼にするだろう。
が・・・、
美波「あれ?このお弁当箱・・・。」
瑞希「今まで持ってきていたのと違いますね。」
いつの間にか姫路さんまで驚いた顔をしてこっちにやってきてしまった。
美波「・・・朝の話・・・まさか、坂本の手作り弁当!?」
瑞希「えぇっ!?」
ちょっ、どうしてそんな話に!?
F「おい、マジかよ・・・。」
F「まさかな・・・。」
F「いや。残念ながらホンモノだ。」
雄二「おいっ!島田に姫路!俺を勝手に巻き込むな!」
むっ、雄二に何か文句を言おうとしていたら、
美波「坂本じゃないとすると・・・。」
瑞希「随分と上手なお弁当ですね・・・。
明久君の周りでこんなに上手にお弁当を作れる人っていうと。」
美波「土屋ね。」
話の方向性が見えなくなっていた。
くそう、雄二の始末は後でするとして、今こっちをどうにか片付けないと。
何も言っていないのに、なんだか会話がどんどんおかしな方向に行っている。
ムッツリーニ「……俺を巻き込まないでほしい。迷惑。」
明久「全くだよ。僕にそんな趣味は無いよ!」
ムッツリーニの言葉に乗って僕も反論する。
そういうとグッと顔をこちらに向けてくる美波と姫路さん。
え、ええっと・・・。
瑞希「そ、それじゃあ、誰が作ったんですか?」
へ?
ハッ、美波の目がスッと細くなった。これはいけない。戦闘態勢だ。
すぐさま弁解をする。
明久「僕が作ったんだけど。」
美波「嘘ね。」
瑞希「嘘ですね。」
あれ?信用されていない。
明久「そ、そんな・・・。」
美波「だって、前に一人分だと作るより買った方が安いって言っていたじゃない。」
いやそれは・・・
どうすればいいんだ。どう言えば信じてもらえる?
周囲を見渡して使えそうなものがないか確認する。
みゆき「・・・それで――」
エイミー「・・・ハイ!」
教室から出ていくみんな・・・
なっ・・・ご飯を食べに屋上に・・・何て冷たい連中なんだ。
僕にも声をかけてくれれば・・・
美波「アキ!」
明久「あ、うん。」
再び美波の声で意識が引き戻された。
美波「どっちなのアキ!」
明久「へ?何が?」
瑞希「坂本君と土屋君どっちなんですか?」
明久「その二択!?確定なの?」
美波「どっちがその弁当を作ったの?」
・・・やれやれ
明久「二人の想像に任せるよ。」
美波「想像通りって・・・アキはもうそんなに汚れちゃってるの!?」
明久「え!?待って!美波は何を想像したの!?
あと、どうして姫路さんは一瞬で顔が真っ赤になっていの!?」
美波「そう言えば、今朝も坂本に『今夜は帰りたくない』
なんてメールを送ってたわよね。」
瑞希「そうですね。そうなると、やっぱり明久君と坂本君は・・・。」
なんだろうおかしな方向に話が(バンッ)
ん?障子が勢いよく開く音がした。
全く駄目じゃないか。そんなことしたら壊れちゃうのに・・・
明久「って霧島さん?」
翔子「……やっぱり、雄二の浮気相手は吉井だった。」
・・・かの状は何を言っているのだろう。
雄二の浮気相手が僕?吐き気がしてきた。
翔子「……雄二はどこ?」
明久「たぶん屋上じゃないかな?」
そう言うとすごい勢いで飛び出していった。
暫く教室の出口を眺めていると
瑞希「あの、明久君?」
明久「ん?何、姫路さん?」
瑞希「そのお弁当食べるんですか?」
明久「うん。そりゃまぁ、折角用意したんだし。」
ああ、僕のコレンション達・・・
瑞希「そうですか・・・、わかりました。それなら、食べ比べてみて下さい。」
明久「食べ比べ?」
瑞希「はい。実は・・・昨日作った特性クッキーが・・・」
ダッ(僕、猛ダッシュ)
美波「ああっ!こら、アキ!きちんと坂本との関係について説明しなさいっ!」
瑞希「明久君!どうして食べないで走り出すんですか!
坂本君のお弁当よりもきっと栄養豊富でですから食べ比べて下さいっ!」
△雄二SIDE
姫路と島田に捕まっている明久は置いてきた。
俺らは昼飯を食うために屋上に向かっている。
秀吉「明久らは置いてきても良かったのかの?」
雄二「当たり前だ。奴と一緒に居てまた変な噂が出ても困る。」
そう言いながら屋上の扉を開ける。
ムッツリーニ「……眩しい。」
雄二「少し熱いか・・・。」
英イー「ハイ。」
みゆき「向こうの日陰ならいいんじゃない?」
雄二「だな。」
・・・・・・・
秀吉「ではお主は全く意味が分からんと?」
雄二「ああ、おまけに翔子にズボンを奪われ、
ホモだと噂され、まったくいい迷惑だ。」
ムッツリーニ「……でも二人の並びの写真は一部のマニアには人気。」
聞き捨てならない言葉が聞こえたがそれに反論する前に――
(バンッ)
――屋上の扉が勢いよく開く音がした。
秀吉「なんごとじゃ?」
みゆき「どうしたのそんなに急いで?」
翔子「……雄二。」
俺のズボンを片手に持ってこちらにやって来る。
雄二「ん?翔子か?そうか。やっと制服を返す気になったんだな。」
ズボンを受け取りにこちらから翔子の前に立つ。
雄二「やれやれ。これでやっとまともな服装に――ん?
なぜズボンを離さないんだ翔子?」
途中で止まって動かなくなった。
翔子「ズボンを返すつもりだった。」
またコイツは・・・
雄二「はあ?何を言って・・・。」
翔子「……雄二。」
雄二「なんだ?」
翔子「……私は雄二に酷いことをしたくない。」
雄二「酷いことをしたくない?
よくわからんが、それは良い心がけだな。」
長い付き合いになるがコイツの考えていることは未だにわからないことがある。
翔子「……だから、先に警告する。」
雄二「何を?」
翔子「……おとなしく、私にトランクスを頂戴。」
ダッ(俺、猛ダッシュ)
翔子「……逃げないで雄二。」
雄二「言っていることの意味が分からん!」
翔子「……浮気にはお仕置きが必要。」
雄二「俺がいつ浮気したんだ!」
翔子「……吉井と同棲は許さない。」
雄二「明久と!? んなわけないだろう!」
翔子「……言い訳は跡から聞く。」
雄二「畜生!」
☆明久SIDE
教室から飛び出してすぐ、雄二が階段を駆け降りて来た。
明久「雄二、何してんの!?」
雄二「汁かボケェ!お前の所為で翔子にトランクスを奪われそうなんだ。」
明久「どうして僕の所為なのさ!雄二の日頃の行いの所為だろ!」
雄二「キサマが変なメールをよこし・・・。」
美波「待ちなさい、アキ!」
瑞希「やっぱり明久君は坂本君の方がいいんですか?」
翔子「……雄二。二人で逃避行なんて、絶対に許さない。」
背中の方から殺気をまとった足音がついてくる。
さらに、
鉄人「またお前らか。吉井、坂本。今度は何の騒ぎだ!」
明久・雄二「「げっ!?鉄人!?」」
なんと、前方に現代に生まれた筋骨隆々の鬼、西村宗一こと鉄人。
僕らの天敵が立ちふさがる。
ふと雄二を横目で見ると雄二も僕の方をしっかり横目で僕を見ていた。
明久・雄二「・・・・・・(コイツを生贄にしたら少しは時間が稼げるか?)」
しかし、敵は鉄人だけじゃない。鉄人と同じく後から迫りくる追っ手も脅威だ。
つまり、ここでコイツを差し出したところで生き延びられないという事だ。
雄二「しかねぇ!ここは協力するぞ明久!」
明久「オーケー!今は命を優先しよう。」
雄二「起動(アウェイクン)!」
召喚フィールドが展開される。
明久「試喚召喚(サモン)!」
召喚獣が姿を現す。
明久「くたばれ、鉄じーん・・・あれ?」
立ちふさがる敵に攻撃を加えようとしたところで召喚獣が希薄になり消滅した。
どうたんだろう。もしかして雄二の腕輪がこわ・・・
雄二「バカ!ボケっとするな!」
明久「へ? ・・・うぉわっ!?」
髪の毛が逆立ちするほどの風が僕の顔面すれすれを通過する。
これって・・・鉄人の拳!?
殺す気!?
鉄人「貴様ら、何の騒ぎか知らんが召喚システムを悪用するとは・・・
あれほど指導したというのに・・・
その腐った性根、叩き直してくれる。覚悟しろ!」
うげっ、何てことだ。逆効果じゃないか!
瑞希「待ってください明久君!クッキーでも食べてお話を!」
美波「アキっ!話を聞かせなさい!」
翔子「……雄二、これ以上抵抗を抵抗を続けるのならTシャツも没収する。」
どうしてのどかなはずの昼休みがこんなことに!
攻撃を外し体勢を崩した鉄人から全速力で逃げる。
雄二「こっちだ明久!」
雄二が階段に向かう。
明久「了解!」
それに続いて僕も良く。
雄二「よし明久、階段を降り切ったら二手に分かれるぞ!
俺が先行しておとりになるから、お前は柱の陰に隠れてやり過ごすんだ。」
明久「ダメだよ、そんな雄二を犠牲にするようなやり方!
僕がおとっりになるから雄二の方が隠れてやり過ごすんだ!」
雄二「そんな事言っている場合じゃないだろ!
どちらか一人でも生き延びるべきなんだ!」
明久「だから雄二が!」
雄二「いいや、明久!お前が隠れるべきだ!」
お互いに安全を考えて一歩も譲らない。
コイツは自分が生き延びる以外の事を考えていない。
つまり、ここで譲れば僕がいけにえにされてしまう。
が、階段は終わり下の階についてしまった。
雄二「こうなりゃ無理やりにでも!(ドンッ)」
明久「あっ!何を!?」
しまった。僕は押されたせいで体制を崩し、柱の陰に吸い込まれていく。
雄二は全速力で廊下を走っていく。
そして、
雄二「鉄人、島田、姫路!明久なら柱の陰に隠れているぞ!」
くぅ・・・あの野郎
明久「霧島さん!階段を降りている途中で雄二が女子のパンツを覗いてた!」
ダッ(僕、猛ダッシュ)
せめてもの報復だ。願わくば雄二は捕獲されることを祈って・・・。