それでは本編です。
話は少し戻る……
地球連邦政府司令長官室
山南修…ガトランティス戦役でヤマト救出の立役者となった男である。そんな彼は長期療養をしていたのだが、この度完治したため軍籍に復帰した。そんな彼の元に呼び出しがあった。
「山南君、もう体調は大丈夫かね」
「もう万全ですよ。藤堂司令長官。この通り、ピンピンしております」
そう言って、山南は肩を竦める。
「それは良かった。君は無茶をするからな」
ハハッと苦笑いをして、本題へと切り込む。
「長官、本日の用件とは一体何でしょうか?」
「ヤマトが宇宙訓練学校卒業生を連れて訓練航海に行くことは知っているだろう?」
「はい、知っています」
「なら話は早い。ヤマトが訓練航海から帰ってきたらヤマト新艦長に就任して欲しい」
「はっ? 私がヤマトの艦長に?」
「ヤマトは、ガミラスとの戦いやガトランティス戦の功績から、独立部隊としての行動が許されている。自分たちの判断で行動する事も可能だ。しかし、乗組員はまだ若い。特に艦長代理の古代は悩みも色々と抱えているだろう。そこで、君にヤマトクルーを引っ張っていって欲しい」
藤堂長官から言われた言葉に思わず はっ? と返してしまう。
「君にヤマトクルーを引っ張っていって欲しい」と言われ正直頭が混乱していた。
(私が沖田さんや土方さんのあとを継いでもいいのだろうか? 確かに、艦長代理の古代はまだ若く皆を引っ張っていくには幼い。しかし、だからといって艦長は私でいいのだろうか?)
「少し考えさせてください」
山南は俯いた。直ぐに答えを出せるような軽い案件でない。
英雄の丘
(沖田さん、あなたが命を吹き込んだ艦を私は継いでもいいのでしょうか?土方さん、あなたが命をかけた艦を継いでもいいのでしょうか?)
その時、「山南、あいつらを頼む。古代の面倒を見てくれ」そんな声が聞こえた気がして山南はフッと笑った。
次の日、山南の姿は再び司令長官室にあった。
「長官、昨日の件ですが引き受けたいと思います」
「そうか、ありがとう」
「見たくなってしまったのです。私も、あの二人が命をかけた舟の生き様を」
山南は心の底から笑った。その笑みはかつて沖田、土方など皆で撮った写真とそっくりだった。
地球上空・第二艦隊
「宇宙空間に到着」
「これより連続ワープを行う。全艦ワープ準備」
大気圏を離脱した第二艦隊は新型エンジンの特徴である連続ワープを試すところだった。
「全艦ワープ準備完了しました」
「ワープ五秒前、四、三、二、一、ワープ!」
彼らはワープホールへと突入していく。その先に待っているものを知らずに…
火星後方の何もない空間からいきなり艦艇が現れる。
「ワープ終了。現在地火星後方、二十万宇宙キロ。続いて後続艦のワープアウト反応観測。全艦、艦に異常なし」
「了解した。続いて二回目のワープに入る。全艦ワープ」
再び、何もない空間からいきなり艦艇が現れる。
「ワープ終了。現在地、木星後方二十五万宇宙キロ。続いて後続艦のワープアウト反応を観測。全艦に異常なし」
「ふぅ、とりあえず初めての連続ワープは成功か。各艦、エンジンに異常がないかよく確認しておけ!」
「了解」
「二十四時間後に再度連続ワープを行う」
さらに時は進み 月軌道・ヤマト
「こちら月面基地航空隊所属山本。これよりヤマトに
着艦し、アステロイドベルト宙域での訓練に参加する」
「了解着艦を許可する」
ヤマト内第二格納庫
「山本、元気だったか?」
「おかげさまで。古代さんこそお元気そうで良かった」
「またよろしく頼むぞ」
「ご期待に添えるように頑張ります!」
第一艦橋内
「ヤマトはこれよりアステロイドベルトでの訓練に向かう。ヤマト発進!」
「了解。ヤマト発進します」
ヤマトは新人教育のためにアステロイドベルト周辺での訓練を予定していた。
地球
「翼、とうちゃんの墓参りにいこうか」
「うん」
元ヤマト乗組員、加藤三郎の息子翼は加藤の裏切りの対価としてもたらされた薬によって完全に回復していた。そして加藤の妻である真琴には、ガトランティスとの戦時中に加藤が裏切ったことは知らされていた。しかし最後はヤマトのために死んでいった加藤に涙が溢れていたという。
「翼、父ちゃんは偉くてすごいんだぞ。最後までヤマトを思って戦っていたんだから」
ガトランティス戦のあと、爆発に巻き込まれていたとされていた加藤三郎の機体は密かに回収されていた。コックピット内には笑ったまま息絶えていた加藤の死体があった。
加藤は今も、英雄の丘で安らかに眠っている。
ガミラス本星
「ディッツ君、君には、射手座矮小ダエン銀河にあるガルマン星に向かって欲しい。」
射手座矮小ダエン銀河とは天の川銀河から7光年離れている銀河である。その射手座矮小ダエン銀河の惑星ガルマンは今のガミラス本星と酷似している環境を持っているそのため、デスラーは、艦隊を派遣し調査して安全性が認められれば、すぐにでも移住を開始しようと考えていた。
「わかりました。すぐに艦隊に発進準備をさせます。」
ディッツは艦隊派遣準備のために去っていった。
デスラーは空に浮かぶ惑星に目を向けた。
「ヒス君、イスカンダルのスターシャ王女に繋いでくれ。」
「承知いたしました。」
パネルにスターシャが表示される。
「アベルト、貴方から通信なんていつ以来?」
「私も忙しい身なのでね。単刀直入に言う。今すぐイスカンダルを脱出しガミラスに来るんだ。もうすぐ惑星調査のための艦隊が出撃する。次期に、調査結果が届く。すぐにでも移住を開始するだろう。君たちにも同行して欲しい。」
「それは出来ないわ。アベルト。私はここに残らなくてはならないの。イスカンダル最後の民として惑星の最後を見届けるわ。」
「しかし、」
「でも、ユリーシャは脱出させるつもりよ。面倒を見てくれる?」
「もちろんだとも。」
「ありがとう。」
ピコンという音と共に通信が終了する
「スターシャ、私は君に生きていてほしいのだよ…」
誤字や脱字等があったら感想欄にて教えて下さい。