戦姫絶唱シンフォギア~魂を纏う者~   作:難波01

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敵のボスはロックマン!?

戦闘が一段落して冷静になった板場、安藤、寺島の三人は天羽奏の登場に驚いた。

 

それもそのはず、週刊誌などではもう取り上げられることのない話題となっていた彼女は目が覚めて直ぐに記者が押し寄せる、何て事態はなかった。

 

S.O.N.G.の情報操作はお手の物だ。

 

「まぁ、こんな風に人助けをしているわけさ」

 

そんな風におどける奏に苦笑する安藤。

 

「そう言えばお前、あの啖呵は・・・」

 

「以前のお相手はアレで押し通せたので、どうにかなるかなって」

 

クリスがさっきの寺島の言葉を尋ねれば、どうにかなった経験があると聞いて「マジか

よ」と肩を落とした。

 

「それにしても、何でアンタの周りはアニメみたいな展開ばかりな訳?」

 

「さ、さぁ?」

 

翼に抱えられる板場が響に言うと響は首を傾げるしかなかった。

 

因みに響は未来を抱えている。

 

「そう言ってやるな、確かにシンフォギアとロックマンは現実味を欠いているが」

 

フォローを始める翼だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本部では、新たな問題が観測された。

 

イレギュラーの反応の消失、それ自体は今回の襲撃を捌いたことなので驚く事じゃない。問題はロックマンの反応が二つ(・・)あることだ。

 

「むぅ、あの黒い少女は!」

 

モニターに映る映像に弦十郎が唸る。

 

先の負傷も相俟って動きにキレのない和真をバスターとソードを巧みに使って追いつめる少女。

 

「アガートラム、イガリマ、シュルシャガナ状況終了」

 

『直ぐに和真さんの援護に向かうデス!』

 

友里が報告すれば、スピーカーから切歌の声が聞こえて三人の反応は高速で移動を始めた。

 

「響君達も援護に回せ!粘れよ、和真君!」

 

弦十郎が拳を握り締めていた。

 

 

 

 

 

 

 

真下からの不意打ちで体制を崩された和真に受ける以外の選択肢はなかった。

 

上段から振り下ろされる剣を和真はダブルセイバーを交差させて受け止めると少女の空いていた右手がバスターに転換し、エネルギーを迸らせる。

 

(やばっ!)

 

とっさに蹴りを入れて少女の体制を崩す。

 

「グッ・・・でも避けられない!」

 

身体をくの字曲げながら少女はバスターを放った。

 

それは、和真も知っている形状のエネルギー弾。

 

「がっ!?」

 

正面からモロに受けて吹き飛ばされる和真。

 

「ライブメタルに選ばれたのなら、これが何か知っているだろう?」

 

少女の追撃が続く。展望デッキから弾き出された和真を追うように背のバインダーを展開して上空へ飛び出す。

 

モデルHXは機動力・空戦を意識したモデルである為、エアダッシュとホバーが出来る。和真はホバーでゆっくり滑空している。が、少女は違う。

 

全身に着込んだ追加アーマーのバーニアが滞空を可能にしていた。

 

「ライブメタル?それじゃ、その姿は!?」

 

避けることが儘ならない和真を砲撃し続ける少女。

 

ダブルセイバーで弾き、受け、防ぎながら反撃の機会をうかがう和真。

 

貴方(・・)のライブメタルにはない究極!」

 

金色の光を纏った少女が、脚と背のバーニアを一気に噴かして加速した。

 

和真の予想通りなら、アレは喰らってはいけない!

 

「つまり!英雄の後継者は私だっ!」

 

放たれたバスターの内一発が、モデルHXの背にある大型バーニアを撃ち抜いた。

 

「しまっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「後はお任せください!」

 

タワー入り口には、緒川が車をスタンバイさせていた。

 

未来たち四人が乗り込むと一気にスピードを上げて発進する乗用車を見送り、上を見た奏が叫んだ。

 

「みんな、散開!」

 

突然の轟音と舞い上がる粉塵で視界が奪われ、何が起きたのかと確認することが出来ない。

 

「一体何か・・がっ!?」

 

最初に少女が爪を立てたのは翼だった。

 

粉塵が煙幕の役割を果し、ダッシュからの肘うちに対応が遅れた翼は殴り飛ばされて転がってしまう。

 

「先輩!?この野郎っ!」

 

 

 

 

【MEGA DETH PARTY】

 

 

 

 

クリスが左右の腰部アーマーを展開し、内蔵の多連装射出器から追尾式小型ミサイルを一斉に発射。

 

動く気配のない少女に命中し、連鎖爆発を起す。煙が晴れるとそこには一つの氷塊があった。

 

刺刺した氷塊の中、少女を中心に発生したソレで防いだのだ。

 

「“フロストタワー”、特殊武器(ヴァリアブルウェポン)もS.O.N.G.のロックマンにはない物だな」

 

「和真君!?」

 

「なっ!?」

 

少女が飛び出してきた粉塵が晴れると横たわる和真を抱き起こす響がいた。

 

「テメェ、和真に何しやがった!?」

 

奏がドスの利いた低い声で問いただしながらアームドギアを構えて、腰のバーニアを吹かして突貫。

 

「騒ぐな、シンフォギア。」

 

「なっ!?」

 

シャープなアーマーから、丸みのあるモデルXのようなアーマーの少女が奏の槍を掻い潜って奏の腹へバスターを当てていた。いや、少女が増えていた。

 

「“ソウルボディ”所謂分身だ。」

 

「がっ!?」

 

奏もまた直撃を受けて吹き飛ばされる。

 

「雪音、立花、合わせろ!」「ああっ!行くぜ、先輩!!」「あ、はい!」

 

復帰した翼がホバーの機動力を生かして左へ、和真を一端避難させた響がハンマーパー

ツを引き絞りながら右へ、クリスが【BILLION MAIDEN】を発動して牽制を行う連携。

 

衝撃破に備えて奏は、和真の横たわるベンチの前でアームドギアを盾にして踏ん張っていた。

 

「“ダブルサイクロン”」

 

「「ああああっ!!」」

 

奏とクリスの目の前で、同時に翼と響を捌く少女。両手を左右に突き出してカマイタチ

を発生させたかと思うと二人は苦しみだして倒れた。

 

何時の間に発生させたのかフロストタワーの氷塊が、クリスの弾丸を全て防いでいる。

 

「先輩!」

 

「響!」

 

クリスと奏がそれぞれ叫ぶ。

 

「他人の心配をしている場合か?“ツインスラッシャー”!」

 

ゴミを見るような目つきで少女は新たに技を放つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「一瞬で全滅・・・だと!?」

 

司令部でモニターしていた映像、その光景を信じ難いという表情で弦十郎が、藤尭と友里が、エルフナインが見ていた。

 

「イグナイトを使っていないとは言え、あんなにあっさり!?」

 

驚く藤尭。

 

「マリア君達は未だか!?」

 

「あと少し、五分ほどです!」

 

弦十郎が叫ぶと友里が眼前のモニターに眼を落として報告する。

 

それを聞いて、弦十郎は血が滲むほど拳を握り締め、踵を返す。

 

「司令、どちらへ!?」

 

「決まっている!」

 

『なら、弦十郎さんそこにいてくれ・・・』

 

呼び止める藤尭に即答する弦十郎、スピーカーから聞こえた声に司令部に居た全員が目を見開いた。

 

 

 

 

 

 

 

少女の攻撃力は圧倒的だった。

 

響にしろ、翼にしろ、奏にしろ、クリスにしろ受けたのは一発二発。なのに全員が全員動けずに倒れている。

 

「何で、どうしてこんなことを・・・!?」

 

それでも、と顔を上げる響は目の前の少女に問いただす。

 

「・・・錬金術士に助力する筈だった。が、シンフォギアに敗れた奴らだ。ならば、我らがアルカディアが取って代わり台頭した。世界は否定したようだがな」

 

響にバスターを向けながら言う少女。

 

「私は、プロトモデルXのロックマン。貴様らシンフォギアもロックマンも殺し尽くす存在だ!」

 

身動き取れない響へバスターが放たれた。

 

 

 

「殺させるわけないだろ!」

 

 

 

荒い息を吐いて、立っているのがやっとのはずの青年はチャージセイバーを叩き付けた。

 

逸れたエネルギー弾の軌跡を少女は目で追った。

 

ノヴァ・ストライクの直撃を受けたんだ、死んでいなくとも動けないはずと高を括った

少女の落ち度。

 

「ハァッ!」

 

「っ!?」

 

続けてダッシュ斬りで、少女の胸アーマーに一閃の傷を残す。繰り出した本人は踏ん張りが利かないほど疲弊していたにも関わらず、少女を押し返すだけの気迫がある。

 

「・・・今回は挨拶だ。次は殺す。」

 

そう言って少女はジェムを叩きつけて消える。

 

(見逃された・・・か!)

 

それを見て、翼は悔しさとZXセイバーを杖にして殺されそうだった響へ歩み寄る和真を見る。

 

(武藤が居なければ、今頃、立花は・・・・)

 

「たく、そう言うのは家でやれ・・・」

 

翼が考えていると足を縺れさせて倒れた和真と何とか起き上がった響が抱き合っているのにクリスがツッコミをいれた。

 

「もう、無茶ばっかりするんだからぁ・・・」

 

「好きだと言ってくれた子を見捨てられるか・・・」

 

力なく、お互いにそう言った響と和真。

 

そんな二人を、増援として急行したマリアと切調コンビは見つけて赤面したりしなかったりしたそうな。

 

それはまた別の話。

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