戦姫絶唱シンフォギア~魂を纏う者~   作:難波01

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病室リターン

和真は、あの白い空間で目が覚めた。

 

「うん?」

 

最後の記憶は本部に帰還するヘリで意識が飛んで・・・・。

 

「・・・むにゃむにゃ、これ以上食べられないよ。未来~」

最後の記憶を探るとそんな声が胸元から聞こえて、視線だけ動かしてみれば響が居た。

 

どうやら病室らしい、と言うかこの病室は見覚えがある。

 

(響が何で同じベッドにもぐりこんでいるかは後にしよう。モデルH、ダメージは?)

 

声に出さず、脇のテーブルにおいてあったライブメタル達に語りかける和真。

 

記憶にあるライブメタル、六つのモデルは手元に揃った。そして、前回の戦闘で一番ダメージが蓄積しているのは間違いなくモデルHだ。

 

『問題ない、三週間もすれば全機能は使えるようになる』

 

『モデルX様が力を貸していると言う事は、また厄介ごとですか?』

 

(成る程、今は問題ありか。モデルP、あの譲ちゃん見たでしょうよ。殺意剝き出しのあの顔)

 

『分かっている。忍者ジョークと言う奴だ』

 

モデルHの状態を理解し、モデルPに嘆息して言うと冗談だという。

 

『和真、僕の知る限り彼女の情報を話そう。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女の名はシアール。

 

エックスがサイバーエルフになる前、つまりは妖精戦争終結直後に生まれたとある天才少女のクローンなのだそうだ。

 

うん、それ聞いて思い出したんだけどDr.シエルに外見ソックリなんだよ。

 

瓜二つ、クローンねぇ・・・それ隠して双子って言われたらしっくり来すぎて納得してしまう。

 

因みにシエルとシアールの見分けは目元がきついかそうでないかである。

 

シエルが居ない今ではどうでも良い話だ。

 

さて、ライブメタルは最初から管制人格を搭載する予定はなく、“能力の完全再現”を目指して開発が進んでいた。

 

武力にステータスを全振りしてたんだね。

 

Dr.シエル本人はオリジナル・エックスと会ったこともあるし、エックスが保存していたアーマーの現物も見た事あるらしい。

 

エックス曰く「破損していたフォースアーマーを修復したのは若干四歳のシエル」だっ

たそうだ。

 

まさに恐るべき子供たち!

 

そんな天才が開発チームの筆頭を勤めていたんだ。搭載されていても不思議じゃない。

 

しかし、問題が発生。

 

この試作品、使い手は基本体力次第。

 

ぶっちゃけ負担に耐えられる身体さえあればOKなんてアバウトなぶっ飛び仕様に仕上がったわけだ。

 

開発当時、事故かなんかで冷凍睡眠(コールドスリープ)にて延命されていたシアールの存在を発見した一部の人間たちによってアルカディア跡地と言う遺跡から発掘されて薬品投与や肉体の一部を機械に置き換えてプロトライブメタルが使えるように仕上げられてしまったとか。

 

Dr.シエルはこの時点で後の害悪・モデルVをベースにして現在の完成形・ライブメタル

を完成させ、ライブメタルが管理する六つパスコードで加工前・・・巨大な状態のモデルVを封印。

 

自身は行方不明となったとか。

 

後半はスミアから知らされた事らしいが、エックス=モデルXにとって負い目を感じる人物と出会ったことになる。

 

自分が死した後のこととは言え、関係して一人の少女の人生を狂わせてしまったと。

 

『彼女を止めてほしい、お願いだ』

 

モデルXの懇願を和真は頷いて疑問を投げかける。

 

(因みに、俺の記憶違いじゃなければアレはアルティメットアーマーで、ノヴァストライクはトンでもない負担がかかる奥の手って思っていたんだけど?)

 

『ああ、間違いじゃない。だから、彼女はもう・・・人を止めてしまったのかも』

 

(後で直接に本人に聞いてみよう、モデルXが全面に出たいというなら身体(ボディ)くらい貸してやる)

 

モデルXに確認すると肯定して、悲しそうに呟いた。なので和真は次に対峙した際に確認すればよいと言ってモデルXに提案した。

 

『なら、僕も封印していた力を託すよ』

 

モデルXの言葉を聞きながら、和真は再び眠気に身を任せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良いか?響。俺も男だ、もしもがあってからじゃ遅いんだぞ?」

 

翌日、やっぱり腕枕で寝ていた響を起して注意する和真が居た。

 

「和真君なら私は良いんだよ?」

 

「そういう問題じゃないだろ・・・・」

 

若干頬を赤らめて小首を傾げる響が可愛い・・・ではなく、何でこんなに無防備なのだ

ろうか、アレか?女子高の天然娘ってこんな感じなのだろうか。

 

「そうだね、響。和真さんの言う通りだよ?」

 

ベッドに正座する響と胡坐をかいている和真、因みに扉は和真の後ろ側なので音が聞こ

えれば気がつくはずなのだが・・・。

 

「ごほんっ!元気そうで何よりだ、和真君」

 

わざとらしい咳払いで空気を換えようと試みる弦十郎。

 

悲しきかな、その程度では暴走しだした女子高生を止めること敵わず。

 

「響はまだ清い体でいないと! まだ高校生なんだよ!? もし妊娠したらどうするつもり? もしそうなったら私は響のご家族になんて説明すればいいの!?このろくでなしが響の身も心も奪って孕ませました、私は響を止めることができませんでした、でも響と生まれてくる赤ちゃんには罪はありませんって言えばいいの!?」

 

「に、妊娠!? い、いいいくらなんでも話飛躍させすぎだよ未来!!」

 

暴走する未来と驚きながらも弁解する響。

 

弦十郎の後ろから、赤くなった奏者達が入ってくる。

 

「た、立花響・・・恐ろしい子!」

 

「何ていうか、割と早く祝えそうだな」

 

マリアが戦慄を覚えたのか軽く身震いして、奏が苦笑しながらそう言った。

 

「むぅ、響さんが一歩先をいくデス」

 

「大丈夫、マリアにはお酒と言う武器がある」

 

「何を言っているんだお前等!?」

 

的外れなことを言っている(あながち当たっている)切調コンビにつっこみを入れるクリス。

 

「ち、因みに武藤。その、女性から、ね、閨を共にと求められた場合、ど、どど、どう

するの?」

 

「・・・・据え膳喰わぬはなんとやだろ?って時と場合な!?」

 

何か勘違いをして、赤くなって尋ねてくる翼にどっと疲れを覚えた和真だった。

 

「悪いな、響君に付き添いを任せたのが失敗だったかも知れん」

 

「響だって今日は・・・・日曜か。弦十郎さん。未成年に付き添わせて良いの?」

 

「言ったんだが、聞く耳を持たなくてな。余程キミが大切だと見える」

 

響が頑なに付き添うといったと聞いて良いのかと尋ねれば、弦十郎が一人納得していた。

 

「さて、和真君。ここからが本題だ」

 

やいのやいのと騒がしかった病室が一気に静まり返えり、未来は「今日は帰ってきてね?」と響に言って病室を後にしている。

 

「あの黒い鎧の少女、モデルXにソックリの姿をしていたが何も知らないか?」

 

弦十郎が尋ねてくる。

 

「ああ、それについては話しておかないと・・・・良い話じゃないけどな」

 

モデルXから聞いた話を和真は語っていく。

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