戦姫絶唱シンフォギア~魂を纏う者~   作:難波01

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お偉方はいつも無茶を仰る1

特に戦力差はなく、アルカディアとS.O.N.G.の小競り合いは続いた。

 

シアールもシンフォギアの性能を完全に把握したいがためにアルカノイズでS.O.N.G.の出方を伺い、S.O.N.G.も既に知られているであろう戦力でコレを対処する。

 

イグナイトと言う切り札は未だ知られていないのが幸いか。

 

「・・・・何が狙いだ?シアール」

 

答えは返ってこない。

 

「アルカノイズは特別住宅密集地や主要施設に現れるわけでもない・・・」

 

「戦力調査ってんならもっとやり方あるだろうに・・・犠牲者が出ないことには越した事ないけどさ」

 

今回出現したアルカノイズは、港の倉庫エリアだった。

 

タンカーに乗せるためのコンテナが幾つか破壊されただけで、大した被害にはなっていない。

 

流石に顎に手を当てて考える翼と不貞腐れたように言う奏。

 

「二人、共おつかれさん。それじゃ帰ろうか?」

 

そんな彼女達に言いながら、和真はダブル・ロックオンを解いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

S.O.N.G.に問題が舞い込んだ。

 

いや、問題自体はいつも舞い込む。途切れる事無く流れ込んできているらしいが優先度の違いで表立たないだけで。

 

唐突に招集を掛けられて集まった奏者達はニコニコしている緒川に学生組は首をかし

げ、翼とマリアは苦笑し、和真はあからさまに嫌な表情を浮かべる。

 

「和真さん、そう嫌な顔をしないでください」

 

「いや、新手のパターンだけど資料見たからね?」

 

和真がそう言うと「なら話は早いですね」と緒川が笑う。

 

「司令、一体何があったのかしら?」

 

「まぁ、予想はつくのだけれど」

 

マリアが尋ねると翼が呟いた。

 

「うむ、国連からプロパガンダ要請で体育系バラエティ番組のへ奏者の出演が決まっ

た」

 

「はぁ!?」

 

弦十郎が言うとクリスが素っ頓狂な声を発する。

 

気持ちは分からんでもない。実際、和真も声を漏らした側の人間である。

 

「となると翼さんかマリア、奏さんが出るの?」

 

調が二人を見て言う。

 

「ところが翼さんとマリアさんはそれぞれ予定が重なっており、収録には参加できないのです。そこで奏者と言う曖昧な括りから皆さんに参加協力を要請するという形になりました」

 

「アタシは出ても良いんだけど、未だそういう体当たり系は止めておけって言われちまったんだ。企画の内容面白そうなんだけどな」

 

緒川が答えて、奏が補足する。

 

奏さん、既にシンフォギアで現場でてるじゃんと言うのは言いっこなしだ。

 

「どんな内容なんデスか?」

 

切歌が質問。

 

ちらりと緒川が持っている資料を見た響が「その番組見た事ある」と呟いた。

 

「確かアスレチックみたいなコースを男女コンビで走破するんだよ。障害物競走の豪華版ってイメージしやすいと思うよ。」

 

「あれ?そうなるとコイツは強制参加になるのか?」

 

響のざっくりとした説明を受けてクリスが和真を見て言う。

 

「・・・・俺はバラエティに出るためにロックマンしてる訳じゃないぞ」

 

「ですが、現在奏者と供に現場を駆けている男性は和真さんのみですので」

 

「そう言うな、任務扱いにしといてやる」

 

「と言うか任務だよね?」

 

最近定番になりつつある弦十郎と緒川、和真のやり取りに一同は安心感を覚えつつも誰が出る?と顔を見合わせた。

 

「わ、私はパスだ!生身であんなの出来る気がしねぇ!」

 

最初に切歌と調、二人に釣られてクリスを見た響にわたわたと手を振って無理だと答えるクリス。

 

まぁ、訓練でよくやる走りこみでも下から数えた方が早いくらいだし、シンフォギアの身体能力強化が合って初めてあの立ち回りは成立するわけで。

 

「私も無理」「同じくデス」

 

じゃあ?と響が視線を向けるとやっぱりかザババコンビは無理だという。

 

「うぇ!?そうなると私しか居ないじゃないですか!」

 

削除法とはよく言ったものだ。

 

弦十郎と緒川がにこやかに笑っている中で響は「私にも無理ですよぅ」と弱弱しく抗議する。

 

「大丈夫だ、和真君がどうにかしてくれる。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時に職権乱用っていけないと思う。

 

「何だ、ナオとセツナも居るんじゃないか」

 

「何で奏が居るんですかね?」

 

「ほら、アタシはS.O.N.G.側の解説さ。」

 

「そんなの・・・あ、番宣も兼ねてか」

 

「そゆこと。本当なら響の位置狙ってたんだからな?」

 

橙色系のコンサート衣装で登場した奏に和真は格好から推測し、それは当たりだった様だ。

 

「和真君!あっちに凄い一杯お店出てたよ!」

 

「既に買い込んでるよね!?」

 

両手にビニール袋を引っさげて、クレープを頬張る響につっこむ和真。

 

今回はちょっとしたお祭り騒ぎになっている撮影会場、普段から盛っているアスレチックらしく広い駐車場にはキッチンカーがずらりと並んで甘味から郷土料理まであらゆる料理が揃っている。

 

「お、奏じゃないか」

 

一人の青年が歩み寄ってくる。

 

「よ、三年ぶり。相変らず行動派みたいだな」

 

奏がとげとげした短髪の黒髪の青年に言うと青年は苦笑した。

 

「この程度じゃ勤まらないからな。回復したって噂は本当だったのか、アンタが奏のパートナー?」

 

「奏は復帰後で“未だ”激しい運動はご法度、何で俺のパートナーはこっちだ」

 

「ふぇ?」

 

青年の相方だろう女性とから揚げを摘む響に視線を投げる。

 

「そちらの相方も大分フレンドリーなんだな?」

 

「何だ、女子高生の次は優男か。ナオ、コレは勝ったな。今夜は焼肉よ」

 

長い髪、翼から左側で結わえたサイドポニーを取っ払ったような女性が言う。

 

うん、随分と強気だな。

 

「ははは、他人と壁を作ってると私立探偵なんて務まらないからな。柊ナオだ。」

 

「武藤和真だ。よろしく」

 

青年、ナオと握手をして女性に向き直ると女性はふんっ!と鼻を鳴らした。

 

「セツナ・・・馴れ合わないわよ?」

 

「そりゃどうも」

 

睨まれ、両手を挙げてまいったというようなポーズを取ってみせる和真。

 

「凄いよね、セツナさん!探偵でアクション俳優なんだって!」

 

「因みにあの二人は夫婦だ。三年前は付き合ってたんだけど・・・今のお前等みたいだな!」

 

「奏さん!?」

 

「頼むから、解説の席で変なこと言うなよ?」

 

離れていく二人の後姿を見ていたら響が若干興奮気味に言ってきて奏が補足する。言葉の端々に悪戯っ気を感じさせる奏だが、響は赤くなってしまった。

 

「随分と可愛い好敵手も居たもんだ」

 

今度は、筋肉質・・・と言うか腕丸太だよね?と言いたい男性が現れた。

 

三組、合計六人の出場選手、一般的(・・・)に見て化け物なのはこの二人。

 

アメリカのとある企業町の警察署代表、ハンドルネームはルワン。

 

「・・・ナイス筋肉!」

 

アーミーベストを着て現れた彼に思わず和真は口走ってしまった。

 

てか、まんまなのよ。あれ、BOWと殺す殺されしてそうな顔してんの。

 

「ルワン、あまり驚かしては可哀想よ」

 

脇から現れたS.O.N.G.には居ない系の色白美人、ポニーテールにした金髪が目を引くこの女性、ハンドルネームはブラウニー。

 

なんでもピッキングが得意だそうな、てかこちらもその内ロケラン差し出してきそうだ。走り回るのにベレー帽かぶってるし。

 

「うわぁ、凄い美人!・・・和真君、見惚れてた?」

 

「いや、そんなことはないぞ?」

 

「嘘だよ、絶対見惚れてた!」

 

珍しく噛み付いてくる響。

 

見惚れていたのではなく、驚愕していたのだよ・・・なんて言っても今の響は信じてくれないだろう。

 

だってほら、生身で戦車クラスの化け物と渡り合う二人が揃って参加って何?勝ち目ないじゃん普通。

 

因みにコレを知っているのは和真だけだ。“元の世界”通りの活躍をしていないから常人クラスであることを願おう。

 

「ははは、痴話喧嘩か?本名じゃないが、ルワンだ」

 

「はは、どう見えるんですかね?武藤和真です」

 

「可愛い彼女じゃない、大事にしなきゃ」

 

「え!やっぱりそう見えます!?」

 

笑うルワンとブラウニーに握手を返す和真とまた赤くなる響である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本部では、休憩の肴に当番組は貢献していた。

 

「響ちゃん、最後まで反対してましたよね?」

 

「大丈夫だろう、いざとなったら和真君が抱えてゴールまで突っ走る!」

 

「流石にそれはないかと・・・」

 

出発前の響の様子に不安になったのか藤尭が呟くと弦十郎はどこか確信を持って断言。友里が若干引きつつ言った。

 

「でも、参加するからには勝って貰わないと」

 

「あっちのルワンって人、司令より腕太くないデスか!?」

 

どうにも調は勝って欲しいようで、切歌はルワンの腕を見て驚く。

 

「ま、世界の化け物って言われてるくらいだからな、ルワンとブラウニー。」

 

「詳しいね、こういう番組よく見るの?」

 

「たまにな」

 

解説しだすクリスに未来が小首をかしげながら尋ねてぶっきら棒に返すクリス。

 

「やはり柊夫妻は出ているか」

 

「知り合い?」

 

「ああ、ツヴァイウイングの頃に何度か競演した事がある。」

 

柊探偵事務所の括りで紹介されたナオとセツナに翼は常連を見るような顔で呟き、マリアが尋ねる。

 

奏者一同は非常時に備えて本部待機。

 

え、何で未来が居るかって?いつも通りじゃないかな、違和感ないけど。

 

『特別ゲストはなんと!眠りよりさめた歌姫、天羽奏さん!S.O.N.G.のお二人が大分ぶっ飛んでるそうなのでそちらの解説もしてくださいます!!』

 

『よろしくおねがいしま~す』

 

間延びした奏の声がテレビモニターから響く、と言うか本部のメインモニターはテレビにも代用可能って使用用途は実に広い。

 

「奏はこっちの才能があるのね?」

 

「む?マリア、何が言いたい?」

 

「クイズ番組やコメディ番組向きの先輩とは路線が違うってことじゃないのか?」

 

「雪音まで!?」

 

マリアが含みのある言い方をすれば、翼が反応し、クリスが止めを刺す。

 

 

 

今日もS.O.N.G.は平和だ。




レヴィアタン「作者、私の出番は未だかしら?」

作者「え?出たいの?どうせスプラッター場面連発でしょ?」

レヴィアタン「アンタ、私を何だと思っているの?」

ぶんぶんとハルバートを振り回す。

作者「いや、ヤンデレだし四天王の皆さん周知してるしヤンデレと言ったら・・・ねぇ?」

レヴィアタン「アイツの吟味くらいさせなさい!」

ザク!

作者「アンタも大概・・・・」



響さん、S.O.N.G.でバイトする女子高生と顔われする!
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