戦姫絶唱シンフォギア~魂を纏う者~   作:難波01

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開戦の火蓋

ハルピュイア達四天王と違い、シアールは合理的に物事を進める。

 

単身で戦いに赴くよりも、底をつき始めたアルカノイズ・ジェムを使った方が敵を分断、各個撃破に持ち込める可能性がある。

 

アルカノイズの反応、それだけに留まらず四天王の反応と黒いロックマン・・・シアールが使うプロトモデルXの反応が検知されたのだ。

 

現状、動ける四天王はファントムとハルピュイアの二人。それだけでも三班に分けて対応する必要があり、以前のように圧倒的な力で一気に蹂躙されては堪らない。

 

奏者は多人数で対応、シアールは和真+奏者。状況次第では遊撃枠を指示するとのこと。

 

この場合、機動力に富んだ奏者を当てるのがベスト。

 

弦十郎が指示を出す中、モニターに表示された地区に和真は唖然とする。

 

「か、川越?攻めるにしても要所なんてないだろうに・・・・まさか、もうその必要はないのか?」

 

「考えるのは後だ!奏者は全員出動、Aチームをマリア君、切歌君、調君達三人は東エリア!Bチームは翼と奏とクリス君、西エリアだ!」

 

東はファントムの反応が出ているエリア、マリアは一度交戦しているため、白羽の矢が立った。

 

西はハルピュイアの反応が出ているエリア、こと接近戦において長らくコンビを組んでいた翼と奏で圧倒し、バックアップにクリスと言う布陣。

 

「和真君と響君は北エリアだ!」

 

オールラウンドに立ち回れる和真と突破力のある響、現状のエース二人を最大の脅威にぶつける心算の弦十郎。

 

戦況は、決戦へと動き出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西の人的被害は拡大する一方で、ハルピュイアは悩んでいた。

 

守るべき対象の人間が炭素に変えられる様を見せ付けられ続け、ハルピュイアは自問する。

 

 

コレは本当に正しいのか?

 

 

答えは返ってこない、一人の男性が胴体をアルカノイズに貫かれ、炭化する。

 

 

シアール様の目指す先は、本当に正当な物か?

 

 

思考にノイズが走る。違うと叫ぶ自分と復元してもらった主に仕えなければと思う自分の板ばさみになって思考回路に走るノイズが次第に増えていく。

 

「た、助け・・て・・・っ!」

 

アルカノイズが破壊し、倒壊した瓦礫の下敷きになった少女がハルピュイアの視界に入る。

 

『ハルピュイア、僕が留守の間は人間たちを頼むよ』

 

酷くなるノイズ、レプリロイドにとって思考回路に走るノイズは人間で言う所の頭痛に近い、痛みを伴うそれに次第に彼は苦しみだす。

 

痛みで一瞬、目を閉じた時に瞼の裏に浮かんだのは遥か昔、復元以前のネオ・アルカディアで強力な機械生命体(イレギュラー)が攻め込もうとした時、人間たちを安心させるために自ら戦地に出て行こうとした優しい主の姿。

 

はっと目を開ける。

 

一体の人型アルカノイズが、先ほどの少女へ触手を伸ばす。

 

「止めろ・・・」

 

口から嗚咽のように漏れだした、上空から一気に急降下して少女に手を伸ばす。

 

「止めろぉぉぉ!!」

 

目の前で少女が炭素に変わった。

 

ヘッドスライディングのように滑り込んだ彼の手は、少女が流していた血だまりで赤く染まっている。

 

 

 

彼の根幹が崩れた。

 

 

 

人間は守るべき存在・・・なのに、俺は!!

 

 

 

「ああ嗚アアAaaッ!!」

 

怒号と供に西エリアを立て続けに雷が襲った。

 

 

 

 

 

 

 

ファントムはただ仕事をこなす。何時もと変わらないはずだった。

 

流儀には反するが、アルカノイズが暴れる様をただ眺める。

 

それでも、心のどこかでシアールに対する忠誠心と「・・・・に」対する忠誠心がぶつかり合っていた。

 

人が一人、炭素に変わる度に増える思考回路のノイズが理解できない。

 

自分の主はシアール、彼女がすると断言すれば、自分が意見を挟む余地はない。

 

『ファントム、君の意見を聞かせて欲しいな』

 

ズキリ!と思わず頭を抑えてしまう程の痛みにファントムが瞼を閉じると浮かんできたのは、優しそうで、何処か悲しげな親も同然の存在だった。

 

(エックス・・・様)

 

ファントムが目開けば、無意識にクナイを投げていた。

 

ありえない行動、しかし彼らにも塗り替えられない思いはあった。

 

「既に引き返せぬ外道まで落ちた身・・・」

 

エックスへの忠義が勝った、ファントムは大量の人間だった炭素の山を眺めながら自嘲するように呟く。

 

「拙者は、あの者達へ後を託すと供に咎を受けましょう・・・・」

 

未だに思考回路に走るノイズはやむ気配が無く、ファントムは上空のヘリを見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北エリア、シアールは炭素の山を一瞥して鼻で笑う。

 

人間は勝手だ、他者を貶めるくせに自分の命が危険に晒されると命乞いをする。

 

炭素の山の中に、死体がある。

 

それはシアール自ら手を下した者達の死体・・・胴を撃ち抜かれた者、部位を欠損した者。

 

「・・・・未だ隠れて生きながらえていたの?」

 

逃げ遅れて隠れていた小さな少女を新しい玩具を見つけたような表情、ソレで居てとても冷たい眼差しで見るシアール。

 

そんな彼女に少女は声にならない悲鳴を上げて後ずさる。

 

「ノイズで死ねたら、こんな怖い思いをしなかったのに・・・自分を恨んで死になさい」

 

静かに向けられたXバスター、少女は必死に逃げようとしているが間に合うわけもない。

 

 

 

「「止めろぉぉぉ!!」」

 

 

 

絶叫が木霊した。

 

明るい、黄色色が強い橙色、黄色に光るマフラーがぐるりと着地した本人と少女を覆うとシアールの放ったXバスターを無力化、盾の役割を果す。

 

続いて、シアールの知らない(・・・・)力を発揮したS.O.N.G.のロックマンがチャージセイバーを叩き付けた。

 

バックステップを踏んで、間合いから離れたシアール。

 

乗用車一台分ほどの間合いは一瞬で縮まった。

 

「ッ!?」

 

慌ててXブレードでZXセイバーの一太刀を防ぐシアール。

 

「響、その子を連れて行け!」

 

「和真君も無理しないでね!」

 

少女を抱いて離脱する響を忌々しげに見ていたシアールが、和真に視線を戻した。

 

「邪魔をするな!S.O.N.G.のロックマン!!」

 

「だが断る!」

 

 

再び、間合いが開く。




・ハルピュイアのイレギュラー化

生真面目で上司の言いつけは守りそうな彼ですが、守る対象が目の前で死に続ければ堪えるでしょうし、復元時の洗脳と自我がせめぎ合った結果、崩壊。


・ファントムの覚醒

復元時の洗脳が本来のエックスに対する忠誠心が凌駕した為、ハルピュイア同様イレギュラー化一歩手前の状態。


尚、ファーブニルとレヴィアタンは基地にて修理中。



エックスのパーツを基にしていても「悩む」ことの出来るロボットはエックスのみ。

イレギュラー化するよね?

え?違ったとしてもオリジナル設定として流して
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