逃げながら、ZXバスターでアルカノイズを迎撃すること何分だろう?
住宅街からは離れ、人気のない開発地帯に転がり込むと逃げの一手から、攻めに転じる。
「ここなら人は居ない!」
高速移動術・ダッシュで一気に間合いを詰めてZXセイバーに切り替え一閃。鏃状になって突撃してくるアルカノイズをダッシュジャンプで左に避け、無造作に積まれた岩の山を蹴ってチャージした高威力のセイバーを叩き込む。
追ってきた奴ら事態は雑魚なのか、バスター一発で撃破出来るし、最後の一体も見掛け倒しで大きいだけだ。
「んで、二人は何で俺に力を貸した?」
帰ってくるとは思えないが、和真は呟かずには居られなかった。
これでは、あのスミアとか言う駄女神の思う壺だ。尺だが、あの夢は現実で、この事態も認めざる終えない現実だと、体験が語っている。
『僕はモデルX。人を助けるのに理由が必要かい?』
『俺はモデルZ。言った筈だ。お前が気に入ったと』
返答があったことに驚きつつ、和真は辺りを見回した。
戦闘中は夢中で気が付かなかったが、何台か重機が爆ぜていた。暗闇と相俟って言い目印になっている事だろう、ありていに言うと燃えている。
「っ!?」
「マリア、司令にはすまないと伝えてくれ。」
開発地帯にバイクを滑り込ませた翼はそう腰に手を回したマリアに言うなり、振り払ってシンフォギアを起動する。
「Imyuteus amenohabakiri tron…」
聖詠を歌うと同時に飛び上がり、自身の剣・アームドギアを振り被る。
「ちょっと待ちなさい、翼!!」
マリアが声高に制止しようと叫ぶ。その声で気がつくと馬鹿でかい刃が振り下ろされる瞬間であることも気がついたようだった。
一方、S.O.N.G本部では過去との照合がなされた。
「やはり、翼さんの証言と特徴が一致します。奏さんと響さんを助けたと言うのは」
スーツ姿の青年・緒川慎二と弦十郎が話している。
本部には奏者が三名、雪音クリス、月読 調、暁 切歌の三名が待機。
現在、件の立花響は輸送ヘリにて上空で待機している。
「ああ、彼があの時の“ゼロ”と何か関係があるのなら・・・」
「司令!マリアさんから翼さんが未確認に襲い掛かったと」
「たくっ!何をしているんだ、アイツは!?」
藤尭の報告に弦十郎は悪態をつく。
「何やってんだ?先輩は」
呆れる雪音クリス。
「敵なら先手必勝」
冷静に呟く月読調。
「流石は先輩デース!」
深くは考えていないだろう暁切歌と三者三様の反応だった。
誰が見ても翼の行動は不意打ちである。
幾ら出力を絞ったとは言え、不意打ちの【蒼ノ一閃】を即座に打ち消すだけの斬撃を合わせ放つのは至難の業だ。
(素人、という訳じゃなさそうね・・・)
マリアを含め、そう思っているだろう皆さんには悪いが素人です。
「ビックリした・・・」
ダッシュで避けるのも間に合わない、ZXセイバーを盾に防ぐ?無理だ。ならばと反射的にZXセイバーをチャージし、反射的に蒼い斬撃にチャージセイバーを叩きつける。
反射的に行った行動は後数秒判断が遅れればチャージが間に合わず、痛手を負っていただろう。
「・・・・腕は鈍っていないようだな。すまなかった」
目の前に翼が着地、そう言って頭を下げた。
(え?何、風鳴翼!?・・・・・ああ、ある世界って)
混乱する思考、スミアの言葉を思い出す。
つまり、あの駄女神がポカ(和真はそう思っている)をしてしまった世界とはシンフォギアの世界なのだろう。
「翼の行動は謝罪するわ。私はマリア・カデンツヴァナ・イヴ、貴方にはS.O.N.G.本部までご同行願いたいのだけれど」
新たにそういう女性、マリア。
さて、どうした物かと思案する。
彼女達と敵対する意味もないし、する気もないが彼女たちからすれば異物はこちら。排除しようと動くならそれは自然な流れだ。
『安心しろ。アイツ等は敵じゃない』
(よし、信じるぞ。モデルZ)
力を貸してくれている
「S.O.N.G.・・・“この世界”の防衛組織と合流したか」
三人は一斉に岩山へ視線を投げる。炎に照らされる存在は、和真=モデルZXに類似したヘルメット、装甲服を纏っていて両手にはセイバーを握っている。
「・・・何者だ!?」
翼が刀を構える。
「ハルピュイア!?」
「貴方、知っているの?」
驚く和真に警戒しながら尋ねるマリア。
「ああ、一方的に知っているだけだ。」
「エックスとゼロが選んだ奴の顔を見に来たが、成る程」
そう言うと警戒するこちらを他所にセイバーを太股のラックに戻すとハルヒュイアは飛び去った。
何がしたかったんだろうか?あの賢将・・・。
同行を許諾した和真に待っていたのは手錠と数少ない所持品の没収である。
敵対意識はないとは言え、変身(ロック・オン)を解除した矢先に黒スーツ数人に取り押さえられ、ライブメタル・財布・スマートフォンを没収された。
移動中に翼とマリアが申し訳なさそうに言うに「もしも」の時ようの処置らしい。
うん、分かるよ?そりゃ暴れられたら皆無事じゃすまないしね・・・でもよ?キミらシンフォギアあるじゃん?六対一じゃ流石にモデルZXと言えど討伐される未来しか見えない。
そんなことを思っていると港に停泊する潜水艇に案内された。
うん、テレビで見ていたのと実物は違う。こんなの保有して良いのか?よく政府の石頭が許したな。
確か日本政府の後ろ盾があるんだっけ?シンフォギアは全て見ていたわけではないので分からん。
司令室らしいところに通され、赤いカッターシャツを着たが体の良いオッサンの前に居る。
「初めまして、武藤和真君。国連直轄のSquad of Nexus Guardians、通称S.O.N.G.の司令官を勤めている風鳴弦十郎だ。先程はうちの奏者が悪いことをした」
和真は悩むの馬鹿らしいと思えてきた。だって、シンフォギアの登場人物がいて、シンフォギアの現物見て、何故か四天王がいて・・・マジでこの世界可笑しい。
「どうも、ロックマンを勤めている者です」
言葉を選ばないといけない。もしも知っている通りなら目の前に居るのは人間兵器なのだから。
尚、この作品のライブメタル、特にカズマが初期から所持する二つには本人が宿っております。