弦十郎が、司令室に居るオペレーター二人、否。ほぼ全員が和真の言葉を聞いていた。
未確認の戦士が、一見すると自分らと変わらない人間であることに驚いている者もいる。
「そこの二人にも言いましたが敵対する心算はありません。知りうる限り、答えられる限りはお答えします。」
「そうか、ならば単刀直入に言おう。君の
来るであろう質問。
「一言で言うなら
「そうか。それは誰にでも扱える物なのか?」
それは、戦う術を持たない者の質問。
「ライブメタルに認められた適合者でないと使えません。一つよろしいでしょうか?」
「何だ?」
「“レプリロイド”をご存知ですか?」
レプリロイド。
それは、青のロックマン・・・・ライブメタル・モデルXに戦闘データを記録された英雄、オールドロボット・エックスを解析・元に開発された人間に最も近いロボットの総称だ。
シンフォギアの世界には存在しない、存在しない筈の代物だ。
「レプリロイド?」
「何だそりゃ?」
弦十郎が首を捻ると一人の少女が同じく呟いた。
すると一人の少女(?)が、ライブメタル二つの入ったケースを持って入ってきた。
「すみません、お取り込み中でしたか?」
「エルフナイン君、大丈夫だ。申し訳ないが君が使用していて一番怪しい物をスキャンさせてもらった。」
弦十郞が言う。
確かに変身解除時に両手に持っていた物はライブメタル、怪しいと睨んで当然だろう。と言うか、解析できたのだろうか?
「いえ、構いません。それじゃ、俺がライブメタルを何故扱えが、心当たりのある事柄を説明します。レプリロイドについても知る限り説明しましょう」
そう言って和真は可能な限り平常心で語り始める。勿論、覚えている範囲でだ。
「先ずお聞きしたいのですが、ライブメタルをスキャンして何か分かったことはありますか?」
「あ、はい。結論だけ言えばただの鉄片です。」
「ただの鉄・・・だと・・・!?」
弦十郎の驚き方がハンパない。そうだよね、現物を見た後だとそうなるよね。
「ちょっと待てよ!それだとお前は鉄を使ってシンフォギア顔負けの力をだしてたってのか!?」
噛み付いてくる少女。
「まあまあ、クリスちゃん。」
「バカ!お前だって目の前で見たんだろ!?落ち着いてなんて居られるかよ!」
少女、クリスの言い分も分かる。正体の分からない者は怖いよね。
「ライブメタルは製造当時、後世で脅威となる物が存在していました。開発主は特殊な金属に各英雄のデータを入力、後世の人間に託した。それがライブメタル。六つのモデルが存在し、今手元にあるのはモデルXとモデルZ。で、ここからは話すのもアレですが・・・俺自身、信じられる内容ではないので・・・」
と前置きをして、和真は女神・スミアとのやり取りを話していく。
「これが、先ほど、ロックマンとして戦いだすまでの全てです。」
話しきるとやはりと言うか、予想できる反応だった。
クリスを始め、少女達は「コイツ、何言ってんの?」と言った表情だし、弦十郎は腕を組んで唸っていた。弦十郎とマリア、翼の三人は思い当たる節があるようでマリアと翼は互いにハッと顔を見合わせる。
「司令、まさかとは思うけれど“ギャラルホルン”が起動した可能性は?」
「俺もマリア君と同じことを考えていた。しかし、聖遺物でもないライブメタルを扱っている彼が何故?と言う疑問が残る。それに彼の立場もよろしくない」
弦十郎がそう言って、続ける。
「君はノイズと戦う力を持っている。このままでは他国からのエージェントに拐われかねない」
ですよねー!と和真は内心叫んでいた。
シンフォギア以外でノイズ・アルカノイズと戦えるという人材は他国からすれば喉から手が出るほど欲しい存在だろう。そのくらいの予想は付く。
「今回の件は俺達に非がある。知らずな事とはいえ君をこちらの世界に巻き込んでしまっているしな。君が元の世界に戻れるように尽力させてもらう」
と弦十郎が真剣な眼差しを向けてきた。
和真自身としてもライブメタル達が選んでくれた手前、全てを投げ出して帰れるその日を待つなんて出来ない。
「そして・・・君が良ければだが、ウチの装者達と共に戦ってほしい。年端もいかない君にこんな事を頼むのは大人として申し訳ないのだが・・・」
助けられるかもしれない。そう思ったらあの時、身体は動いていた。
ライブメタル達が応えた和真の動機、和真がこの世界で始めに抱いた思い。
「それは願ってもない、こちらからお願いしたいくらいです。」
弦十郎と和真は強く握手を交わした。