本部では、解析と奏者の招集が指示されていた。
「周辺数キロ圏内の封鎖!奏者の状況はどうなっている?」
「最速で迎える者は立花響、風鳴翼、雪音クリスです!」
藤尭が叫ぶ。友里はヘリの手配と奏者への連絡を行い、平行してモニターに監視カメラの映像を出した。
「確かに和真さんが戦う姿に酷似していますね」
「アルカノイズまで出て来たら彼らだけじゃ荷が重い、どうする!?」
緒川に同意する弦十郎、彼は司令官として次の一手を考える。
「行くわよ!」
マリアはギアペンダントを手に取り、聖詠を唱える。
「Seilien coffin airget-lamh tron…」
即座に白銀のギアを纏うマリア。
「ダブル・ロックオン!」
右手にモデルX、左手にモデルZを持ち、両手をクロスさせて前に突き出す。
それが和真の変身スタイルだ。
因みに基本的にはモデルXを基礎にしている、モデルXで既に変身済みであれば左手に各モデルを握り、前方に突き出す形で「ロックオン!」と叫んで
ZXコンポジットをバスターモードで握り締め、ファントムと対峙する。
「敵対する者に死をっ!」
一瞬だった。マリアと和真は視線を外していないにも関わらず、ファントムは二人の間にいた。
「きゃっ!?」
マリアを蹴り飛ばすと背から忍者刀のようなビームサーベルを抜いて和真に斬りかかる。
(早ッ!?)
反射的にバックステップを踏んで直撃を避ける。
ジャケットアーマーに一閃の傷が残っていた。
「マリアっ!」
「他人を心配する余裕があるか!」
ファントムの猛攻は続いた。十字手裏剣を投擲してからのライドオン、はっきり言って物理法則どうなっているのか。
普通乗れないよね!?
更にクナイの記録的集中豪雨。
「やらせないっ!」
【INFINITE†CRIME】
マリアが左腕部ユニットからアームドギアである短剣を引き抜き、それに連なって引き出された無数の短剣を周囲の空中に展開、一斉に投擲することで一時的にクナイを遮断。和真はその間に射線上から退避する。
「ムッ!面妖な技を使う」
対するファントムは、シンフォギアを知らないようだ。
安心しろ、お前の戦法も大概だぞ。
「助かった、マリア。」
「ええ、直ぐに皆が来る筈よ。耐え凌げば・・・」
マリアの言う通り、もう少しでシンフォギア奏者全員集合。
ファントムが不利になる。それは彼が一人で
「このままなら凌げるとは思っていなかろうな?S.O.N.G.のロックマン」
「安心しろ、思っちゃいない。後な?俺には武藤和真と言う名がある。」
「ちょっと!?」
マリアが耳打ちするすると余裕の態度を見せるファントムがあっさりとそれを見破った。聞こえていたのかもしれないが、ファントムはまだ全力ではないだろう。
と言うかだ、和真の予想通り彼がレプリロイドなら疲れを知らない。スタミナ面でもこちらが不利なのは必死。
名を明かしたことに驚くマリア、目配らせで察してもらえると助かるが和真とマリアが供に戦うのは初めてだ。
「ファントム、一つ聞かせろ。」
「何故、拙者の名を!?」
こちらが自分達の情報を持っているとは思っていなかった様で驚くファントム。マリアは何か考えがあるのかと何時でも動けるよう、アームドギアを展開している。
流石は最年長奏者、察しが良くて助かる。
「お前はレプリロイドか?」
「愚問っ!」
吐き捨ているように言うと頭上からサーベルを突きたてて落ちてきた。さらには十字手裏剣のオマケつきである。
「頼んだ、マリア!」
「いけぇ!!」
和真がダッシュで姿勢を低くすると閃光が迸った。
【HORIZON†CANNON】
アームドギアである短剣を左腕部ユニットの肘部側から装甲内部に再び納刀するように接続し、左腕部ユニットが多数の光り輝くフィンを有する射撃形態へと変形。掌部を変形させ形成した砲身から高出力のエネルギー光波を迸らせたのだ。
「翼さん、クリスちゃん、急ごう!」
「ああ、心得ている!」
「たくっ!派手にやってやがる!!」
僅かに離れたビル屋上に着地した三人、ギアを纏っていなければ死んでいたかもしれない。
ヘリから飛び降りた矢先に先の閃光、三人は見知った攻撃なのだが流石に宙でその余波をモロに受けてしまったからだ。
ぶっちゃけ、発射角度が不味かった。
ボンッ!と空気が抜けるような音が響いた。
「
一人のファントムが、和真を賞賛した。
「だが、甘いな。その砲撃、当たればいくら拙者と言えど損傷は避けられん」
また一人のファントムが、
「為れば、砲手を叩くは必定。その有様ではセイバーもまともに振ることは敵うまい」
乗ってきた車の上に乗った最後のファントムが言った。
「貴方、何て無茶を!」
「大丈夫、右手は無事だ」
「そういう問題じゃないっ!」
有体に言うとマリアを庇って和真はクナイを受けた。
ファントムも二本程度で仕留められると思ったわけじゃないだろうが、マリアの顔を目掛けて投げられたクナイを文字通りダッシュで踵を返し、突き出した左腕で受けたのである。
ファントムA・B・Cとでもしよう。
「そんな事ないさ、右手が残っている。」
和真はファントムAに向かってダッシュジャンプ、ZXセイバーを振り被りながら言う。
「それに、俺の仲間はマリアだけじゃないぞ?」
橙色の弾丸が、ファントムBの腰を捕らえた。
「うおおおっ!?」
ポンッ!とコミカルな音を立てて丸太に戻るファントムB。
「「何者!?」」
見事にシンクロするファントムズ。
ファントムAはカズマと鍔競り合って、その光景を視界の隅で捉えている程度、ファントムCはその飛来物以外に襲われていた。
【天ノ逆鱗】
巨大な刃に両断され、こちらもボンッ!とゴミ箱になった。
「む、緒川さんのような相手だな。マリア、武藤、無事か?」
巨大な剣から降りてきた翼が呟くとマリアは頷いて「それよりも」と二人は和真に駆け寄る。
鍔競り合いから一転、互いに距離をとった和真とファントム。少女達が駆け寄ってくる。
「和真さんって!怪我してるじゃないですかっ!?」
「武藤、大丈夫か?」
「敵を目の前にして・・・「挨拶代わりのガトリングッ!」ッ!?」
ファントムの頭上から、銃弾の嵐が襲いかかった。
回避に専念したファントム、先ほど居た場所はクレーターになっていた。
「個人に向ける火力じゃないだろ!?」
「アホか!敵に情けなんてくれてやるかよ。それより、大丈夫か?」
赤い少女が合流、誰が見てもファントムが不利だ。
何故か怒られ、心配されている和真。
ファントムは眼前の敵を見渡して決断する。
「武藤和真!その命、一端預けっ!?」
「逃がすかっ!」
翼が両脚部のブレードに備えられたバーニアの機動力を活かして既に射程圏内に捕らえていた。
アームドギアは確かにファントムを切裂いた、そう見えた。
「御免ッ!」
ファントムがそう叫ぶと翼の前には、切断されたポストが。
「逃げられたか。司令、武藤が負傷しています。医療班の手配を」
通信機を起動して、和真に視線を向ける翼。
響があたふたとして、クリスとマリアが和真を叱っている光景に安堵して自分も向かう。
一端危機は乗り切ったようである。
尚、現段階では四天王サイドはシンフォギアの性能を把握しておりません。
コミックじゃ、ファントムは油断からシールドブーメラン喰らってたしね!
アルカノイズを出さなかったのはファントムさんのポリシーです。