いつもの日常
黄金の剣と光の刃がぶつかり合う。剣が互いに接触する度に辺りが砕ける
「兵装展開、焼き払え、ケテル。」
白い球体が現れ、球体からビームが放たれる。ビームは真っ直ぐ騎士王を焼き払わんと向かう。
「
ビームを避け、騎士王が放ったのは風の鉄槌、それは
「兵装展開、ホド」
球体が橙色に変わり、風の渦を発生させる。生成された風の渦は風の鉄槌を包み込み、風の鉄槌を捻り潰した。
今の彼らには声は届かない
「精霊は星を滅ぼす災厄、生かしてはおけん」
「彼女達を救ってこの星も救う手段があるんだ。だったら皆が幸せになる方を選ぶのは当然だ」
「その要である五河士道は精霊の力を暴走させた事がある。最悪の場合国が1つ消えていた。そのような不安定な手段など、俺は選ばん」
この戦いに正解はあれど間違いは無い、人と精霊、どちらの味方となりどちらを救うか。
二人の違いはそれだけだった。
~四月十日~
「…て…お…て…おき………起きなさい!」
怒鳴り声と同時に被っていた布団が無理やり剥がされる。突然の事により思わず瞼を開けて布団を引き剥がした主の方を見る。そこには王騎の姉、
「いつまで寝てるの!今日は始業式でしょ!」
気だるげに王騎は時計を見る。そこには7:03と表記されていた。
「…まだ7時じゃん」
「もう7時!ほら、今日は始業式でしょ。さっさと起きる」
そう言いながら美桜は部屋を出て階段を降りて行った。先程のやり取りによって完全に眠気が吹っ飛んだ王騎はベッドから降りた。
すぐに着替えを終えた王騎は自室から出て階段を降り、食卓へと向かう。まだ頭が冴えず、夢と現実が曖昧だ。
「セイ、バー…アーチャー…」
無意識にそんな言葉を呟いていた。自分でもどんな意味で言った言葉なのかは分からない。これは相当寝惚けているようだ。
食卓の椅子に座り、朝食を食べ始める。今日のメニューは目玉焼きにサラダ、味噌汁に白米だ。
『今日未明、天宮市近郊の…』
特に意味も無く付けていたテレビから聞き慣れた単語が聞こえてくる。
テレビのモニターには変わり果てた街の様子が映っていた。建築物や道路は瓦礫の山となり、戦争でもあったのかとでも言いたくなる惨状である。
「ここから近いな…」
「空間震、気をつけてね王騎」
美桜がそんな事を言う。
「分かってるよそんな事」
空間震、発生原因不明、発生時期不明、被害規模不確定の爆発、振動、消失、その他諸々の現象の総称だ
30年前に初めて確認された際にはユーラシア大陸の真ん中、当時のロシア、中国、モンゴルが一夜にしてくり抜かれたように消失した。
その後は半年間、それと似たような事が世界各地で確認されたらしい。
王騎達の世代となるとその写真を教科書などで嫌になるほど見せられている。
「最近は全然無かったのにね…て、トマトを残すな」
「えー」
そんな会話をしながら朝食を食べ終えた。
時刻は7:45分を過ぎていた。そろそろ急がなければ遅刻するだろう
「王騎、もう行くよ」
既に靴を履いた美桜が急かす。
…何故だろうか、こんな日常がもうすぐ壊れてしまうのでは無いか、そんな気がした。