王騎 ストラグル   作:ミートソースカブトムシ

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長らくお待たせして申し訳ありませんでした。
ゲームしてましt(蹴り


第9話

カードを行使している。

目を背けたくなる状況に嫌気が差す。

 

「やっぱり使えるんだ…」

 

言葉が漏れた、まだ気持ちが引き締まってない証拠だ。

 

「やっぱり…て、コレの事知ってるのか?」

 

「知ってる。物凄くってわけじゃ無いけどね」

 

「なら、教えてくれ!このカードはなんだ。これを使ってから出てきたこの記憶は何なんだ!」

 

何か言っていたが、聞こえないフリをした。

耳を傾けては全力で戦えない、情が邪魔して倒せない。

なんて甘いのだろうか、ただ拘束するだけでも躊躇してしまう。

情は置いて駆け出した。

今だけはこの情が邪魔だ。

情をかき消す為に思考する。

頭を、脳を戦闘の為だけに使おう。

 

目標は対象の戦闘不能。

 

こちらの攻撃は突き、対象の行動は回避。

────修正

斬撃に派生。

 

一、剣に弾かれる。

 

二、容易く受け流される。

 

三、甲冑に歯が立たず。

 

四、またもや剣で防がれる。

 

四回繰り出した斬撃は尽く防がれた。

対象の防御は貫通不可能。

結果から次の最適解を算出。

 

「対象の拘束を実行。空間固定、開始」

 

魔術行使、対象の体を空間に固定する。

 

─────不発。否、防がれた。

 

対象の動きは停止しない。

対魔力の存在を失念していた。

対象が動くよりも速く思考する。

頭が熱い。

対象の能力を再分析。

そこから目標達成への道筋を算出。

───────失敗。

何度繰り返しても答えは目標の失敗。

魔力切れを待つのは有効ではない、竜の炉心が正常に稼働している。

倒しに行くのも有効ではない、対象は既に私の力を超えている。

何度繰り返そうと、何度手段を変えても、全て組み伏せられる。

残された手段は─────討伐。

 

「はあああああああぁぁぁ!」

 

風が吹き荒れる。

 

「きゃっ!?」

 

魔力放出だ。

風に押され、体が浮かぶ。

薙刀を地面に刺し自らを固定しようとするが、抵抗虚しく、容赦なく壁に叩きつけられ、その場にへたりこんでしまった。

騎士はこちらに剣を向けている。

 

「…今の状況が俺にはこれっぽっちも分からないんだ。詳しく説明してくれ、姉さん」

 

いつもと同じ雰囲気で、こちらに剣を向けながら弟はそう言った。

 

「こんな事をしても、まだ姉さんって呼んでくれるんだね」

 

弟は首を傾げて

 

「何言ってるんだよ」

 

それが当然だと言ってくれた。

 

 

 

 

♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢

 

 

 

 

「外だと誰が聞いてるか分からないから」と家に到着してから姉さんは俺の置かれてる状況を話してくれた。

親父達は俺の体を元の状態に戻すためにその方法を探してること、そして今の状態だとこの国を丸ごと消すレベルの災害を引き起こす可能性があるということを教えてくれた。

 

「王騎の体に入ってるカードの名前はクラスカードって言って、サーヴァントっていう使い魔の力を宿したカードなの」

 

「クラスカード…そうか、あれってそういう名前だったんだ」

 

「それとカードを使った時に出てきた記憶についてなんだけど、それについては私も知らない」

 

一番気になっていた物はどうやらここでも手に入らないらしい。

 

「───これは憶測だけど。その記憶は王騎がカードを埋め込まれる前の記憶なんじゃないかって思うの。

父さんとまた連絡できるようになったら確認してみるね」

 

それから暫し、沈黙が続いた。

思い返せば、昨日から精霊とかASTとかで意味の分からないことが起こっていた。

しかし、今日の事も含めて、どれもすんなりと受け入れられた。

自分が人以上の存在から力を借りる事ができるからか、それとももっと前からこんな物を相手にしていたのか。

そういえば、と美桜が話し始める。

 

「王騎、もうクラスカードは余程の事がない限りは使わないでね」

 

「え」

 

唐突にそんな事を言ってきた。

 

「今回は私が人避けをしてたから良かったけど、他人に見られてその情報が拡散されでもしたら大変な事になるんだよ?」

 

「た、大変な事ってなんだよ」

 

魔術師の事はよく分からないので聞いた。

 

「うーん…ホルマリン漬けとかかなぁ。とりあえず今の王騎は一部の魔術師からしたら喉から手が出る程欲しいだろうし」

 

「何だそれ…魔術師ってそんなヤツらばっかなのか?…その、姉さんとかも」

 

魔術師のイメージが自分の中で恐ろしい事になっている中、ふとした疑問が出た。

現在の両親や目の前にいる美桜はそんな気がしない。

 

「一緒にしないで欲しいな、私達は魔術で根源に至ろうだなんて考えてないし、父さんも母さんも一緒」

 

「なるほどわからん。つまりどういうこと?」

 

「つまり私達は魔術師じゃない、私達みたいに根源に至る以外の目的で魔術を使う人間を魔術使いって言うの」

 

魔術師以外にもまた単語が出てきた。

それよりもだ。カードを使うなと言われても既に使う用事が出来てしまってる。

 

(ASTとラタトスクが魔術協会とかいうのと繋がってませんように…)

 

そう祈るしかなかった。

 

 




今回は美桜と王騎が戦いましたが今の状態の王騎はまだクラスカードの力を引き出し切れていないので、美桜が最初から殺すつもりで戦っていたら王騎が6割くらいの確率で負けてました。

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