Infinite Stratos For Answer   作:鳴神

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何故かこっちばかり筆が進む。

はよWG出したい。ネクストがIS世界を蹂躙していくのを見たいでござる。

そんなわけで二話、どうぞ


二話 歪んだ少年

 HRも終わり午前授業を過ごした感想だが、案外何とかなりそうだ。一般教養の方面はあくまで単位修得に重点にしているせいかペースに幾分か余裕があるし、ISの教養方面はホワイトグリントの製作中にモノホンの天才から教わってたからな。当然ちゃ当然か。

 

 兄さんの部下、IS開発陣営のメンバーって全員が全員ぶっ飛んだ天才ばかりだったからな。方向性が束さんと違うだけで何かしら異常だったけど、能力だけは確かだった。教えるのも無茶苦茶美味かったし。そのおかげか教養方面はノー勉でも満点を取れそうである。一先ず安心といったところか。

 

「にしても流石はIS学園、見渡すだけでも国際色豊かなだな」

 

 クラスメイト30人の内で他国籍の人間は凡そ半分、イギリス、アメリカを始めとしたISを配備されている先進国家の留学生が日本語で会話し合っているのは一般的に考えると中々にシュールな光景かもしれない。

 

 兄さん曰くIS産業は開発者の束さんが日本人でマニュアルの類を日本語オンリーしか書かなかったことと、メーカーとしての先導者であるアーマードコアが日本企業なのが主な原因らしい。あとはIS学園を日本に設立させたからだな。つまりIS業界での公用語が日本語である理由は最先端の技術に追いつくために行った他国が選んだ苦肉の策というらしい。

 

 実際、日本のIS技術は他国から頭二つ分抜けている。ネクストは元より、光学兵装の正式採用、第三世代兵装の量産化、そしてブラックボックスの解析とそれを利用した技術の開発。

 

 流石にコアを作るのは無理らしいが、それぞれの機能を搭載した代替品と呼ぶべきものを試作はしているらしい。流石は兄さん率いるチートエンジニア集団。色々とバグってやがる。

 

 そのため教室でスラブ系の女子が流暢な日本語を喋っていてもおかしくは無いのだ。

 

 まぁ、俺の場合は日本育ちの外国人という友達や外国人のIS操縦の師匠が居たからこの風景を受け入れるのにもそう時間はかからなかった。

 

 ウィン姉とジナ姉。俺のIS操作に関しての師匠。ど素人だった俺を一端のIS操縦者にまで育て上げてくれた恩師だ。

 

 兄さん曰く元アメリカの国家代表候補であり、実力だけなら国家代表に遜色なかったそうな。政治や外部からの影響で道を閉ざされたところを兄さんがヘドハンして現在はウチの代表として第三回モンドグロッソでそれぞれ優勝した。実力が本物なのは第三世代の機体でネクストに乗った俺をボコボコにしまくったことからも確かだ。

 

 ……マジで強すぎるんですけどあの二人、同条件で戦ったら勝てるビジョンが思い浮かばない。

 

 後は外国出身の親友の影響か。中国出身の元気が取り柄という普通の女子、彼女も外国人でありながら日本人顔負けの日本語を使っていたからな。考えてみれば俺の周り、外国人が結構な割合でいる。

 

 ……元気にしてっかな。鈴の奴。

 

「……なんでだろうな。なんでこんなこと気にしてんだろ?」

 

「ねぇ~ねぇ~お喋りしてもいい~?」

 

「? ああ、別に構わないけど……向こうに行かなくてもいいのか? 俺なんかより退屈しないだろうに」

 

 話しかけてきたのはダボダボの改造制服を着たぬいぐるみの様な印象を受ける少女。ニコニコと笑みを浮かべているその姿は小動物を思わせる可愛らしさがあるが、何処か不気味なものを感じた。

 

 友人を作るのも大事だが、下手に懐に入られるのもマズイと思い五人ほどの女子と談笑している織斑を指さしながらやんわりと断りの返事を返したが、

 

「うふふ~、それって私のことを警戒してるってことかな~?」

 

 笑みの方向性が変化したと思った時にはもう遅かった。彼女の表情はまるで夜行性の肉食獣のモノとなっている。それは少女がただの一般学生でないという確信に至るには十分だった。

 

「アンタ、何者だ? 少なくとも堅気じゃないだろ」

 

「うん、その通りだよ。流石に全部バラす気はないけど、とーみーを監視するために学園にいるって言えば分かるかな?」

 

「国かよ。各国の干渉を受けないって規則を律儀に守ってるようなのがいるとは思ってなかったが、本当にいるとはな……」

 

「……私が政府側の人間だって決めつけないでほし~な~」

 

「そう言ってる時点で認めてるようなもんだろうが」

 

 日本政府の回し者……大方、俺の護衛と監視という題目で作った政府側の端末だろう。

 

 IS学園という組織自体に直接影響を与えるのは禁じられているが、人員を経由した間接影響はその例には含まれない……否、含めるのが事実上不可能だからだろう。こういう手はよく使われるものだと兄さんも言っていた。

 

「親玉に言っておけ。俺は俺の決めた相手の言うことしか聞かない。何かしたいなら直接出向いて来い。ってな」

 

「ありゃりゃ~、残念。じゃあ、伝えておくね」

 

 ダボついた袖を器用に扱いながら手を振る少女に素っ気なく返事を返してから食堂へ向かうことにした。

 

 あ、相手の名前聞くの忘れてた……まぁ、授業で分かるだろうし今は問題ないか。

 

「食堂ってウチの系列だったよな。味には期待していいのかな」

 

 券売機に辿り着いて早速品定めを始める。魚の煮付けに刺身定食、天麩羅御膳といった和食から酢豚、エビチリ、八宝菜などの中華、家庭料理の定番洋食、おまけにソテーやらボルシチやら各国の名物料理をこれでもかと言わんばかりに取り揃えているな。材料費もただじゃないだろうに……え?

 

「……業火野菜炒め定食……って、これ弾の家のメニューじゃねえか!?」

 

 なんでここにあるんだよ。兄さん、まさか無許可で販売してるわけじゃないだろうな!?

 

「著作権とかバレたらどうするんだよ。いや、親父さんがその程度のことを気にするとは思わないけど……ん? 『アーマードコア社員食堂【ORCA】の新料理長【五反田厳】のオリジナルメニュー。ORCA売上一位の賞品をIS学園でも』って、ハァァァッ!?」

 

 何で親父さんが社食の料理長やってんだよ意味分かんねえ!! 中学卒業から研究室に籠ってる間に何がどうなったんだよ!!

 

「と、取りあえず業火野菜炒めの大盛り頼むか……あと、小鉢を二個ほど……これで500円って、おかしくね? 弾の家で普通に食ったら定食だけで600円だってのに」

 

 学食になるとコスト周りが良くなるから値段も下がるのかな。一定の客が毎日いるわけだろうが、何か釈然としない。

 

 納得できないものを抱えながら食券を渡してレーンに並ぶ。にしても、周りを見る限り結構不健康そうな食生活してる奴が多いな。野菜ばっかり+パンとかデザート山盛りとか、蕎麦やうどんだけとか、ああ栄養バランスの数字が帳尻合っているからと滅茶苦茶な食べ合わせしているのとかもいる。

 

 肉を食わなきゃ太ると思って野菜ばかり食べていると免疫が低下するし、炭水化物オンリーだとそれこそ太る。あと数字が正しくても食べ合わせ間違えると正しく消化吸収されないって知らないのか?

 

 親父さんの料理はそういうのもしっかり考えられてるからな。そう言った意味での栄養バランスもいいから適当に頼んでも間違えは無い。あとはちゃんと動けばエネルギーも消費して完璧。うむ、これぞ本当に正しい食生活だな。

 

 序に言えば、親父さんの料理はそこらの高級レストラン()なんかよりもランク一つ上で美味いからその点も万全だ。まぁ、完璧に再現していればの話だが、

 

「はい、業火野菜炒め定食大盛りに肉じゃがときんぴら牛蒡だよ」

 

「ありがとうございます。……ふんふん、香りと見た目の再現率は90%ってところだな。見よう見まねで作ったレプリカ版よか完成度は高そうだ」

 

 あとは味さえ違わなければいう事なしだが果たしてどうやら、

 

「あ、東宮君よ!!」

 

「わわ、ホントだ~!!」

 

「一緒にお昼とか出来たらいいけど……夢の話だよね~」

 

 ……ふむ、カウンター席でボッチになってやろうと思っていたが、御希望の人がいるなら是非もない。見た目日本人ばかりだし警戒はそれまでしなくても大丈夫そうだな。

 

 なら、御相伴に預からせて貰おう。

 

「う~っす、ちょっと相席してもいいかな?」

 

「と、東宮君!?」

 

「え、嘘!? 夢じゃないよね。夢なら冷めないで!!」

 

「やった東宮君が話しかけてくれた!! これで一か月は戦える!!」

 

 ただ話しかけただけなのにこの反応、最近の女子は何考えているのか良く分からんな。

 

「と、取りあえず相席はしていいってことか?」

 

「うんうん!! 寧ろ私達からお願いしたいくらいよ!!」

 

「色々教えてくれると嬉しいなっ!!」

 

「ふひひひっ……東宮君キタコレ!!」

 

 ……IS学園入試課の皆さん。一部人格的に危ない人間がいると思うんですが、至急メンタル適正も入試要項に入れるようにお願いしてもいいですか?

 

 とまぁ、三割冗談はさておき8人掛けの席に混ぜて貰おう。真ん中にいれて貰い、席に腰掛ける。ふむ、いいものつかってるなオイ。

 

「で……自己紹介した方が良いかな? 東宮錬、アーマードコア社所属のテストパイロットで世界初の男性操縦者です。……なんてのは皆知ってるか」

 

 出来るだけ親しまれやすいように笑顔を浮かべて自己紹介。ここらへんは兄さんに仕込まれた社交辞令心得の成果がしっかり出せたのか周りも笑顔で「よろしく」と言ってもらえた。

 

 他の皆の自己紹介を聞いてそれぞれとサービスの意味で握手、これで困った時に助けを求める先を手に入れることが出来た。よきかなよきかな。

 

「んじゃ、飯食べながら色々話とかしようか。あ、だけど言えないようなもんは流石に口を紡がせて貰うからな。俺、一応企業でも重要な位置にいるからさ」

 

「へ~、やっぱり企業のテストパイロットってそんな感じで真面目な所があるんだ~。イメージしかなかったけど、そういうのってあるんだね」

 

 ふむふむと納得してくれる彩橋さん(2組所属の一年生)や戸塚さん(3組所属の一年生)が納得した風に首肯しているのを笑顔で肯定しながら業火野菜炒めを一口。むむ、これは確かに親父さんの味……隠し味のオイスターソースとレモン果汁もしっかり入ってる。となるとレシピも同じそうだな。流石に味の質は親父さんのが上だけど……再現率は90%ってとこだな。本物が教えなきゃ出せない味だぞこれは、

 

「あ、じゃあ質問~? ぶっちゃけ、アーマードコアのテストパイロットってどんな感じなの? 仕事とかやっぱりあるの?」

 

「仕事って言えば幾らでもあるな。機体のデータ取るために一日中ライフルを撃ちまくったり、ブレード振り回したりとか、あと設定されたルート通りに飛ぶとかな。はっきり言って、幾ら体があっても足りないよ」

 

「うわぁ~、結構辛そうだね」

 

「慣れればなんてこと無いけどな。新しい武器とか使ってると結構楽しかったりするし、何より給料も貰えるしね」

 

 因みに俺の給料、基本給だけでも時給換算で4000円。大体、平日4時間、休みは10時間動かしてるから40万は軽く行く。ここに技能給とかも入れて大体が月80万位か。更にここに俺の生活費が別に支払われているので(兄さんのポケットマネー。扶養主の義務って言ってるけど、ここも計算に入れさせてもらう。)俺の維持費は大体月100万、ボーナス含めれば大体年で2400万ってところだ。

 

 社会を舐めてるとしか思えないな。何時思ってもさ。

 

「やっぱりプロというか本職ってことなんだね~。凄いな~、もう自分で食べて生きていけるんでしょ?」

 

「んなことないって……兄さんいなかったら俺なんて体の良いモルモットだぞ。世界最強のISメーカーで且つ世界規模の複合企業体ってバックボーンあるから平穏無事に生きれるだけだって、『俺に手を出したら組織の三族皆殺しにするけど、覚悟有るなら来いよ!!』って兄さんや養父さんが言ってなかったらどうなってたことか」

 

「「「……まじで?」」」

 

「マジです。混じりっ気ゼロの完全本気モード。実際、手を出してきたテロ組織を金銭的、政治的、社会的、軍事力的、生命的に根絶やしにしたからねウチの家族」

 

 諜報部で集めた情報からバックにあった企業とか国への全資金供給をストップさせて、各国の上層部を札束で叩いて言いなりにして、子飼いの報道機関で全世界に情報を流し、鎮圧という名目で潰しに掛かり、枯草一つ残らない結果を見せつけたんだから。

 

 一罰百戒って意味でやったらしいけど、少しばっかりやり過ぎじゃね? とは片隅で思った。いや、狙われてたの俺だから止める立場じゃないんだけどさ。

 

 確か何だったか……亡国機業とか言ってたな。アイツ等も気の毒なことだ。俺のバックボーンに気付かずに手出ししたせいで地獄を見る羽目になるとは、

 

 来世からは是非、今世の経験を生かして【綺麗な薔薇には棘がある】【無料より高いものはない】という言葉に気を付けてください。

 

「ぶっちゃけ、自業自得だからどうでもいいけどな。我欲で人に襲い掛かったんだから自分も地獄見る覚悟位あるだろ多分」

 

「さ、流石世界規模の大企業。結構、エグイこともあるのね」

 

「まぁ、公然の秘密ってやつだから隠しても今更過ぎるからな。そんなわけで俺に害意を以てことを為すならバック含めて全滅する覚悟した方がいいぞ。ウチの兄さん、そういうとこの手加減が全くできない人だから」

 

「「「わ、わかりました……」」」

 

 はて、少し脅し過ぎたか。まぁ、普通の女子高生には酷すぎる話だからな。フォローしとかないとウチのイメージが悪くなりかねん。

 

「でも、敵以外には存外に甘い人だから安心しなって、何もしなかったらただの道楽のままに生きるアンちゃんだからさ」

 

「そ、そうなんだ」

 

「まぁ、さっきの話を聞いたら信じにくいだろうけど、この学園の結構な設備を社会奉仕の一環で賄ったりしてるんだよ。この食堂だってウチの資本で提供されてるんだぜ」

 

「ええっ!? でもIS学園って外部の干渉を受け付けないって要項があるけど……」

 

「国連と委員会だけで維持できるわけないだろ。教育機関である学園以外の設備は全部外部の協力無しでは立ちいかないくらいだ。特に日本なんて、土地提供の事情から大半の資本拠出してるくらいだからな。兄さんに経団連が土下座して資本提供を願い出たなんてかなり有名な話だぜ」

 

 実際はISコアを国家クラスの量で保有している兄さんへの嫌がらせとして他国の政府が回したらしいけどな。それに、資本提供の理由だって社会奉仕というよりもIS学園卒業生の囲い込みや訓練機による実働データの収集って意味合いが大きいし、

 

「へぇ~、だったら東宮君のお兄さんに感謝しないとね。こんなに美味しいものを毎日食べられるようにしてくれているんだし、」

 

「感謝してくれるなら、代表候補や専用機持ちになった際にはぜひアーマードコアをスポンサーに選んでくれ。兄さんが喜ぶからな」

 

「寧ろ私達の方から頼みたいよ~。アーマードコアがスポンサーで専用機を作るなんて日本のIS操縦者の夢の一つなんだよ~」

 

「そりゃいい、今のウチはネクストの開発で優秀なパイロットが足りない位だからさ。IS学園出身の代表候補になんてなったら俺に連絡宜しくな。口利きしてスポンサーになるからさ」

 

 ぶっちゃけた話、ウチの所属でIS学園出身の日本代表候補って少ないんだよな~。外国の元代表候補を何人も引っ張ってくるくらいだし、

 

 新興企業過ぎて信頼性が少なく、IS開発の黎明期に実力のあるパイロットの大半を倉持と国防軍に引っ張られて優秀な機体を作っても動かせるパイロットがいないという意味不明な事態に陥ってたみたいだそうで。

 

 兄さんが外国から操縦者を引っ張ってきたりして事なきを得たらしいけど、日本出身じゃないせいで出身国の影響を考えないとならないのが辛いんだよな。兄さんの信頼できる操縦者が俺を除けば紛争地帯の戦災孤児で元少女傭兵だったジナ姉と国から暗殺者を出されたウィン姉と他数名だけってヤバすぎる。

 

 せめて国内なら日本政府の思惑にある程度干渉できるけど、他国だとそうはいかないからな。

 

「よ~し、だったら是が非でも代表候補になってアーマードコアの機体に乗せて貰うからね!! 約束だよ!!」

 

「ああ、流石にネクストは難しいかもしれないけど、そこは了承しといてくれよ」

 

「そこは分かってるけど、従来型でもアーマードコアの機体のレベルは桁違いでしょ。それに最新のブリュンヒルデ【ラストレイヴン】とヴァルキリー【ブラスメイデン】を排出してる名門IS企業だからね。紹介状を貰えるだけでも最高だよ!!」

 

 ……この通り内情に目をつぶれば外面は立派なんだよなウチ、機体シェアトップで現在の世界チャンプを擁してバックにTOMIYAがあって天才的なデザイナーで科学者でエンジニアの兄さんとその同類をを山ほど抱え込んでる企業。

 

 その内情が規格外さから他社と国家から目を付けられて色々邪魔され、兄さん以下開発陣の鬼開発能力に他部門が追い付かずにブラック寸前に陥ってるなんて知る由もないだろう。

 

 IS操縦者として優秀且つ警戒する程のレベルでないと理解されれば血走った眼をした現場組に地獄の労働環境に引き摺りこまれるな。南無南無、

 

 まぁ、ある程度は兄さんのキチガイスカウティングとカリスマ交渉術で何とかなるだろう。開発組の人格以外は破格の天才集団と師匠達を引っ張ってきた兄さんだし、本人が一番現状の危うさを理解しているからな。

 

 ……考えてみれば兄さんって本当にチートだよな。出来ないことってマジで見つからないんだけど、本人の戦闘能力も箆棒に高いせいで護衛を雇う意味がない位だし、

 

「なら代表候補になった暁には是非、我が社にスポンサー契約を宜しくお願いします。あ、何だったら社員契約でもどうぞ。専用機を任されるようなIS操縦者なら福利厚生、給与体系どれを取っても他社なんか目じゃないレベルで厚遇しますからね我が社は。一般的なIS操縦者レベルでも十二分な待遇は用意しているしね」

 

「ふふふ、言質は貰ったからね東宮君!! あとで嘘って言っても認めないからね!!」

 

「やった~、絶対の絶対だからね東宮君!!」

 

 キャイキャイ喜ぶ皆を見て一言、俺詐欺師の才能あるんじゃないかな。

 

 いや、嘘は言ってないけど、隠してること全然話してないし、開発陣に配属されるレベルのIS操縦者(つまり俺のような特別かジナ姉達のような世界トップクラスレベルの事)でもない限り下手したら1日中試作武器の実働データ取らされかねないとか、寝る場所が社内に既に用意されているとか、残業代はしっかり払うけど残業が3桁普通にあるとか……

 

 ……うん、俺は悪くない。俺は兄さんの苦労を少しでも和らげようと人集めしているだけなのだ。彼女達も念願の職場で働けるしWIN-WINな関係なんだ。そうに決まってる。

 

「っと、話してたら時間過ぎたな。んじゃ、これから3年間よろしく頼むぜ」

 

「こちらこそ宜しくね東宮君!!」

 

「何かあったら力になるからね……あ、でもその分の借りはちゃんと後払いで返してね」

 

 彩橋さんと戸塚さん達に別れの挨拶をして足早に返却口へ向かう。ふむ、初めはどうなることかと戦々恐々としていたが何とかうまくやれそうだ。

 

「……っと!?」

 

 誰かに肩がぶつかった感覚……いや、力の具合を見るにこれはどっちかってとぶつかられたか。誰だよこんな面倒なことしてくる奴は、

 

「ふん、何にぶつかったかと思えばお前か。勝手に逃げて今更のこのこどの面下げているんだ? 恥を感じる心もないみたいだな」

 

「……織斑か。同類に対して随分な言い草だな。初対面だってのによ。それに篠之野だったか、俺に構って来るとは余裕そうだな羨ましい」

 

 ぶつかってきたにも拘らず謝りもしない無頼者とその取り巻きがいた。全くもって最悪だ。さっきまでの気分が一転したのをどうしてくれる。

 

「一春や千冬さんの恥さらしが随分な物言いだな。何故お前がここにいる。落伍者でしかない貴様が」

 

「誰とも知らない初対面の人間に言う台詞じゃないな。人の脚引きする暇があれば次の授業の予習でもした方がいいんじゃないか?  今、余裕ぶっていて後から苦労するはめに成るくらいならな」

 

 まぁ、ウザったい以外は実害はないだけ救いか。それに実害が出れば俺が劣勢になることなどあり得ない。俺の存在価値とバックの強さは目の前の二人なんかよりずっと大きいのだから。

 

「それに、悪いことは言わん。自分の身の振り方を考えておけ。お前達がこの場所で保護されるのはこの三年間だけなんだからな。その先の居場所を作らなければどうなるかを理解していない訳じゃないだろう?」

 

「行き成り偉そうに、専用機持ちってのはそんなに偉いのかよ。俺に何も勝てなかったお前が偉そうになれるくらいによ」

 

「偉いさ。世界で467しかない力を固有するだけの力があるんだからな。それに俺は世界で極稀な男性操縦者であっても東宮って家族がある。例え、国が何を言おうが跳ね返せるだけの力を持った居場所がな。それに対してどうだお前等は、バックにあるのは初代ブリュンヒルデとISの開発者という家族だが、国が引き渡しを強行した場合逆らえるだけの力があるか? 例え、あったとしても命が完全に保証できるか? なぁ、織斑千冬の弟と篠之野束の妹」

 

「貴様ぁ……」

 

 おお、いい感じに怒ってやがる。関係ないけどさ。ま、挑発するのはここまでにするか。流石に自爆で沈没させるのは良心が痛むし、

 

「これでも文句を言うつもりなら何もないけど、俺とお前等の立場の違いを考えておけよ。まぁ、アンタ達が好き好んで姉貴の七光りを使うとは思えないけどな」

 

 それにこいつ等が知らない真実を……俺と束さんと兄さんしか知らない事実を明かす理由もないしな。

 

「それじゃあ、教室に戻らせて貰うな。あと、喧嘩を売りたいなら訓練機の貸出申請が通ったらご自由に、俺は専用機持ちだからな。何時でもISバトルの相手になってやるよ」

 

 お前等に後れを取るつもりは一切合財ないがな。と宣言して食堂を後にした。

 

 ……お前等が何であれ俺には関わり合いのない事なんだよ。それに、関わり合うつもりなら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は一切容赦しない。兄さん達の敵なら、俺にとっての敵なのだから

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