ネコ耳ステラのGBN探訪!(仮)   作:しろくないくま

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ガンダムシリーズで一番可愛いキャラクターは、『ステラちゃん』だよね?


第1話 GBNに行こう!

アメリカ、深夜1時……

少女が一人、作業台でガンプラを弄っている。

彼女の傍らにはそのガンプラの入っていた箱が……

そのガンプラの名前は『ZGMF-X88Sガイアガンダム』。

テレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する可変MSである。

 

「…………だいたい出来た。あとはパパがプレゼントしてくれた塗装材で………」

 

ガンプラを仕上げようとエアブラシを手に取った時だった。

ノックの後、彼女の部屋の扉が開く。

 

「ステラ。まだ起きてたの?」

 

部屋に入って来たのは彼女の母親。

 

「うん………」

 

母親の言葉にステラは一言うなずくだけ。

 

「明日から日本に行くのよ?早く寝なさい。良いわね?」

 

「うん………」

 

「まったく、この子ったら……はぁ~」

 

彼女の母親は呆れながらもステラを注意すると部屋を後にした。

 

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夜が明けた。

ステラは結局一睡もしなかった。

 

「出来た………」

 

作業台のガイアガンダムは朝日に照らされており、メタリックブラックのガンプラが艶かしく輝いている。

ステラが満足そうに眺めていると、ダイニングから彼女を呼ぶ母親の声が聞こえた。

 

「ステラ~ッ!何してるのッ!!?早く起きて朝ごはん食べちゃいなさい~ッ!」

 

ステラは自室を出てダイニングへ……

ダイニングでは彼女の父親と祖父母が朝食を取っている。

母親は世話しなく動いていた。

 

「おはよう、ステラ。」

 

父親が挨拶する。

 

「おはよう……」

 

ステラはボソッと挨拶を返したかと思うと、大きなあくびをした。

 

「おやおや、ステラちゃんはまだお眠みたいじゃの~」

 

「うーーん」

 

ステラは眠気まなこを擦りながら、定位置に座る。

 

「だから、言ったじゃない!早く寝なさいって……!」

 

母親は手早く彼女の前に朝食を並べた。

今日のメニューはエッグベネディクト、ステラの大好物だ。

 

「ほら、早く食べて!今日の朝10時半の便には乗るんだから!」

 

どこまでもマイペースな娘を急かせる母親、平和的な朝である。

その後、出発の準備を済ませた父と母、そして娘のステラは空港にてチェックインをして飛行機に搭乗すると日本へ向かった。

 

約13時間後……

ステラたちを乗せた飛行機が搭乗する。

日本着いた時には、すでに夜中の1時を回っていた。

ルーシェ家一家はヘトヘトになりながらも新しい家にたどり着く。

 

「疲れた……」

 

「今日はもう休もう……」

 

三人は移動の疲れで、死んだように眠った。

 

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日本に来てから一週間が経った。

ステラは近くの高校に転入し、数人の友達も出来た。

特に同じクラスの女子の『ムカイ・ヒナタ』はいつも世話を焼いてくれる。

 

彼女いわく、ステラは自身の幼なじみと同じ感じがするという。

そして日本に来て最初の日曜日、ステラはお気に入りの青いカジュアルドレスを着て、東京都お台場にある『THE GUNDAM BASE TOKYO』に向かっていた。

 

しかし、日本に不馴れな彼女は絶賛迷子中である。

右へウロウロ、左へウロウロ……『THE GUNDAM BASE』のシンボル『エールストライクガンダム』の等身大オブジェクトが見えるのになぜかそこにたどり着くことが出来ない。

 

「ステラ~ッ!!!」

 

彼女を呼ぶ声がする。

声が聞こえる方にステラが目をやると親友のヒナタが笑顔で手を振っていた。

 

「ヒナタ……」

 

引っ込み思案でマイペース、おとなしい性格のステラは、彼女ほど大きな反応をしない。

 

「ステラ、奇遇だね?こんな所で何してるの?」

 

「ステラ……迷子なの。あそこ行きたい………」

 

ステラは目的地の方向を指差す。

 

「あっち?」

 

「うん!」

 

一回頷く。

 

「もしかして、ステラもガンプラしてるの?」

 

「うん。うん。」

 

次は二回頷き、手に持っていたガンプラケースをヒナタに見せた。

 

「でも、ステラ?ここからならすぐに着くのに迷う必要ってあるの?」

 

当然のことを聞く。

それもそうだ。今いる場所から目的地までは200mもない。

 

「分からない……」

 

ステラの繰り出すマイペースな感じな返しに戸惑うヒナタ。

 

「まあ、良いっか♪私が案内して挙げる♪実を言うと私、あそこでバイトしてるの。」

 

ヒナタは彼女の手を取り、THE GUNDAM BASEへと向かう。

その途中、ステラがヒナタに聞いた。

 

「ヒナタ、ガンプラ、しないの?」

 

「私?私不器用だし、ほら部活やバイトがあるから……でも、ヒロトがやってるよ。」

 

「ヒロト………ヒナタの言ってた。ヒナタのボーイフレンド。」

 

「ボ、ボーイフレンドッ!!?ち、違うよ!ヒロトは幼なじみなだけ!ほら、弟みたいなッ////」

 

ヒナタは否定するが、顔は赤くなってあたふたしている。

その表情をじぃーッと見つめるステラ。

 

「……………そぅ。」

 

納得したようだ。多分………

そうこうしているうちに目的地の『THE GUNDAM BASE』に到着した。

 

「おぉ~ッ!」

 

今までで一番テンションを上げるステラ。

目を輝かせてあちこちを見ている。

 

「じゃあ、私、行くね?GBNのログインする部屋は向こうだから。」

 

「うん……ありがと、ヒナタ。」

 

「他にも分からないことがあったら、いつでも聞いてね~?」

 

ステラと別れたヒナタはバイトへと向かった。

 

「ワクワク、ワクワク……♪」

 

ステラは意気揚々とログインルームへと向かうが、なんとまた迷子になったのだ。

あり得ない。ログインルームは目と鼻の先だというのに……

彼女の方向音痴は病的だった。

 

辺りをウロウロしていると再び声を掛けられた。

 

「ステラ・ルーシェ……」

 

振り向くとそこには、同級生の『クガ・ヒロト』が立っていた。

 

「クガ・ヒロト……」

 

見つめ合う二人。

変な間が空く。

その間を区切るようにヒロトが話しかけた。

 

「こんな所で何やってる?」

 

「ステラ、GBNしたい。あそこ行きたい。」

 

「じゃあ行けば良いじゃないか……」

 

フルフルと首を横に振るステラ。

 

「行けない。どうしても、あそこにたどり着いけない……」

 

「も、もしかして迷子になっているのか?この距離で……?」

 

「うん………」と頷いた。

 

「はあ~あり得ないだろう。まあ良い、じゃあ連れて行ってやるよ。」

 

ヒロトはステラの手を引いてログインルームへと案内した。

 

「ヒロト、ありがとう、ヒロト、意外と優しい……」

 

「意外は余計だ。」

 

部屋に入るとログインするための機材が設置されている。

ステラは適当な所に座り準備を始めた。

ガンプラケースからガイアガンダムのプラモを取り出す。

 

「ステラはガイアガンダムベースのオリジナルなんだな。」

 

「うん、ステラ、ガイア、好き……ヒロトもガンプラしてる。ヒナタから聞いた。」

 

「ん?ああ、俺のはコレ……コアガンダム。」

 

ステラは彼のガンプラを眺める。

 

「ヒロトのガンプラ、オリジナル?」

 

「ああ、コアドッキングシステムを組み込んで状況に応じて戦術を変えるようにしたんだ。」

 

「すごい、良く出来てる……」

 

棒読みだが、ステラはヒロトのガンプラを褒めた。

 

「ステラこそ。手の入れ方が絶妙だ。この塗装、キラキラしていてキレイだ……何の塗料を使ったんだ?見たことない。」

 

「コレの塗装材、パパがプレゼントしてくれた。新型戦闘機用のステルスコーティング材……ステラのパパ、アメリカ軍の技術大尉……」

 

ステラは無表情のまま淡々と説明した。

 

「良いのか?そんなことして……」

 

ヒロトは恐る恐る聞く。

 

「しぃーッてしとけば大丈夫。パパ言ってた。だから、ヒロトもしぃーッ!。」

 

「お、おぅ……」

 

無表情だが、ステラからの無言の圧に押されぎみのヒロトであった。

二人は準備を済ませ、ヘッドギアを装着し、台座の上にステラが組んだ自身のガンプラをセッティングする。

それと同時にシステムが起動し始め、ガンプラをスキャンし登録を始める。

 

ステラがダイブする機材の操縦桿を握る。

すると『Are you ready to dive…………GO!』と電子音声と共に彼女はGBNの世界へとダイブした。

 

『GBN(ガンプラバトル・ネクサスオンライン)』。

ここは、電脳世界内で、ガンプラバトルや各種のイベントに参加できる体感型オンラインゲームの一種で、GBNのユーザーは「ダイバー」と呼ばれ、自身の使用ガンプラのデータを登録した小型端末「ダイバーギア」を用いてログインし、各種のアバターの姿で活動することが出来る。 

 

簡単に言うなら『VRMMO』であり、複数のダイバーで結成されるチームは『フォース』と呼ばれ、またフォース同士による団体戦やイベントも豊富に用意されている。

 

また今は、ディメンションや各種コンテンツの規模を拡大した。『Ver.1.78』への大型アップデートが実施され、さらにダイバーがプレイ中に受けた感覚を現実の肉体にもフィードバックすることで、より臨場感のあるプレイが楽しめるようになっている。

なお、ダイバーにとって苦痛となる感覚は事前にカットされるなど、安全性を考慮した調整が施されている。

 

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ステラが気づくとそこは夢まで見たGBNの世界だった。

先程以上に興奮している。

そんな彼女を電子音声が案内する。

 

『ダイバールックでアバター設定をしてください。』

 

案内通りにステラはタッチパネルを操作する。

 

「名前はス、テ、ラ………性別……女、の子。登録、ガン、プラ名は……『ZGMF/ASW-G-08Xs ガイアガンダム・ルプスレクス』。あとはステラのアバターの、設、定……っと……」

 

登録の終わったステラが本格的にGBNの電脳世界へと降り立った。

この世界での彼女のアバターは、アニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の『ステラ・ルーシェ』に似せた連合の軍服姿だった。

それに自然な感じでネコ耳とモフモフしっぽを追加した。

 

メインフロアにはたくさんのダイバーたちがいる。

ヒロトは残念ながらここには居ない。

すでに別の場所に行ったようだ。

アメリカにもログイン施設はあったが、以前は利用する機会がなかった。

ここでもどこに行こうか迷ってしまうステラ。

自身のガンプラも見たいが、他も見たい。

辺りをキョロキョロしていると、またまた声を掛けられる。

 

「あら~?可愛いケモナーさん見っけ♪もしかしてGBNは初めてかしら?」

 

親切だが、怪しいおネエ口調。

振り替えると、そこにはガタイの良いおネエが立っていた。

 

「うん……」

 

怪しいが、一応は自己紹介でもしとこう。

ステラが自身のダイバー画面を見せた。

 

「私、ステラ……今日、初めて……」

 

「私の名前は『マギー』、アナタのようなGBN初心者をサポートするおせっかいな………」

 

「おっさん………」

 

「ちがァーーう!ステラちゃん!私は乙女……お姉さんよ♪」 

 

そう言って自分のダイバー画面を見せてくる。

 

「ね?」

 

「…………………………………分かった。」

 

ステラは致し方なく納得して上げることにした。

 

「なんか腑に落ちないけど……まあ、良いわ。ここで会ったのも何かの縁、私が色々と案内してあげる♪」

 

そう言って、マギーは彼女にウインクをする。

少し関わりづらいけど、頼りになるのは確かなので、彼?の親切にステラは、甘えることにした。

 

「マギー、よろしく………」

 

ステラはマギーの案内で機体の格納庫やフィールドへの移動方法、ガンプラの説明などを詳しく教えてもらう。

 

「大体分かった。ありがと、マギー。」

 

「ねぇ、ステラちゃん?私とフレンド登録しない?また分からないことがあったらメッセージ送ってくれれば、色々教えてあげれるから……♪」

 

「…………良いよ。」

 

そう言ってマギーとのフレンド登録を終わった。

マギーと別れ、ステラは格納庫フロアに向かった。

そこには、自身が作成したガンプラが…………!!!

 

次回に続く。




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