ネコ耳ステラのGBN探訪!(仮)   作:しろくないくま

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第10話 スレ違う者たち

ここは、『GBNハードディメンション ヴァルガ』。

 

「何ィィッ!!?俺たちが迷惑だぁッ!!?」

 

「我々に説教ですかァッ!!?」

 

「笑わせてくれるなッ!」

 

それぞれが、ガザシリーズのガンプラをカスタマイズした機体を使っている。

 

「まあまあ、落ち着け……それで?俺たち、GBN最古参“ガザ四兄弟”をどうするつもりなんだ?……キャプテン・ジオン!」

 

四人の悪質ダイバーたちが、それぞれ悪態をつく。

そう彼らが対峙しているのは、GBNでのマナー改善を目的として活動するヒーロー兼動画配信者『キャプテン・ジオン』だ。

 

『Z』の一字を胸に刻み、鍛え上げられた筋骨粒々な肉体に真っ赤な全身スーツを纏い、青いマントをはためかせる。

アメコミにでも登場しそうな出で立ちのGBNダイバー。

 

ちなみに人相に関しては、口を露出タイプのマスクを被っているため不明だ。

 

誰よりもGBNで熱く、誰よりもGBNを愛する心を持ち、ヒーローデザインのアバターに相応しく強い正義感の下に悪質ダイバーたちを討伐して回るなど、日頃からGBNにおけるマナー改善に全力を尽くしている。

 

「何者でもあろうとGBNでのマナー違反は見過ごせない!」

 

高い所に立ち、悪質ダイバーであるのガザ四兄弟を見下ろすキャプテン。

 

「GBNの守護者!マナーの伝道師!キャプテン・ジオンのあるかぎり!」

 

キャプテンは声高らかに名乗りを上げて、ポーズを決めた。

 

「だったら、今すぐくたばりやがれェェェーッ!」

 

敵がキャプテンに先制を掛ける。

四機のガザシリーズの砲塔から、一斉にビームやらミサイル群が発射され、それらは一直線にキャプテンに吸い込まれるように向かい、着弾……大爆発を起こした。

 

巻き上がる粉塵、ガザ四兄弟のメンバーたちは勝ちを確信する。

しかし、爆発の中から無傷の赤いモビルスーツが現れた。

 

「迷惑行為を省みず、その態度と開き直り、ならば受けて立とう!礼節とマナーを持って!」

 

「何だッ!!?あれは……ッ!」

 

「キャプテン・ジオンの名の元に!」

 

華麗な手付きでパーソナルマークの『Z』の文字を書く。

 

「“ジオニック・ジェネレーション”!“アナハイム・ヒュージョン”!」

 

キャプテンは光に包まれ、自身の愛機に搭乗した。

彼の搭乗を確認した機体は、額部のモノアイが光り起動する。

 

「ジオンと連邦の混じったガンダム……ッ!!?」

 

「何なのよッ!!?アレは!」

 

「あ、アニキ!」

 

「ああ!ゴチャゴチャうるせぇ!とにかく奴を潰せ!そしたら、何も問題ねぇだろうが!」

 

「「「応よッ!」」」

 

敵が再び砲撃を開始する。

だがキャプテンは、その攻撃をかわすとガザCの前に立つ。

 

「まずはキミ!」

 

「ヒッ!!?」

 

「何も知らない初心者相手に無料で手に入るパーツを、高額で売りつける……迷惑だ!」

 

キャプテンは機体が持っている大剣でガザCを一閃。

 

「ぎゃあァァッ!」

 

「次はキミ!」

 

襲い掛かるミサイル群を物ともせず、ガザDに迫る。

 

「後ろに並ぶ人たちを無視して、カタパルト前での違法駐機と趣味の悪い自撮り……かなり迷惑だ!」

 

「趣味の悪い自撮りは余計でしょッ!……きゃあ!!?」

 

ガザDはキャプテンのファンネル前に中破され、行動不能に……

 

「そしてキミ!」

 

三機目、ガザEに目を着けたキャプテン。

大剣を変形させ、ボウガンモードにする。

 

「仲間と徒党を組んで、うら若き乙女の駆る黒いガンプラを襲っていたな?……しかも、完敗。情けない!」

 

キャプテン・ジオンは見ていたのだ。

ステラと戦い負ける彼らの姿を……

 

「情けないとは何だァァァ……ァッ!!?」

 

ボウガンから放たれた一筋のビームが、ガザEの装甲を貫く。

 

「チビ!デク!ノッポ!くそォォッ!」

 

「最後にキミだ!」

 

「ぐ………ッ!!?」

 

「一般ビルダーも参加するレイドバトルで、功績と称号欲しさに味方もろとも吹き飛ばす!とても……迷惑だ!」

 

「言わせて置けば……おッ!!?」

 

「迷惑行為は私が修正する!」

 

ガザ四兄弟の機体にキャプテン・ジオンの『Z』の文字が輝く。

大剣を空に掲げ、ビームが空を貫き、暗雲が晴れた。

そして、天に現れるは巨大な資源衛星『アクシズ』……!

 

「マナー違反にアクシズ落とし!抱け!心の南極条約!」

 

その凄まじい光景に言葉を失うガザ四兄弟のメンバーたち。

 

「みんなで守ろうGィ!Bィ!N……ッ!」

 

次の瞬間、巨大なアクシズが大気を切り裂き、ガザ四兄弟目掛けて落下する。

 

「き、来たァァァーーーーッ!!!!!!」

 

蜘蛛の子を散らすようにバラバラに逃げ出すが、アクシズ落としから逃れることは不可能であり、ガザ四兄弟の機体は蒸発した。

 

「「「「ごめんなさァァァーーーーい!!!!!!」」」」

 

アクシズは大地を抉り、超高温の熱と衝撃波は半径数十kmにある如何なる物も破壊した。

 

『番組を気に入ってくれたら、チャンネル登録よろしくネ!』

 

そうこれはキャプテン・ジオンの配信した動画である。

 

「うおおォォォォーーーーッ!やっぱり、キャプテンは最高だぜぇッ!」

 

動画を見るカザミは、興奮し雄叫びを上げる。

彼はキャプテンに憧れ持つファンで、この動画のヘビーユーザーでもある。

 

「動画を見ながら、作戦会議とは結構なご身分だな?」

 

呆れるメイ。

 

「ただ単に見てるんじゃねぇ……これは俺のモチベとテンションを爆上げするためにも必要なんだよ!」

 

「だが、今見る必要はないだろ。」

 

至極当然、正論を突きつけるメイの言葉に、カザミはぐうの音も出ない。

そんなカザミの肩をステラがつつく。

 

「ねぇ、カザミ……カザミ……」

 

「うお?ど、どうした?ステラ……?」

 

「キャプテン・ジオンって、そんなに面白いの?」

 

「あったり前じゃねぇか!俺が招待してやる!この動画を見てステラも立派なリーダーを目指すんだぞ!」

 

「うん……!分かった!」

 

マイペースのステラは、カザミに流され呆気なくチャンネル登録をした。

今、ビルド・ダイバーズたちは、次のストーリーミッションについての話し合いをしている。

 

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フレディーたちの世界ことエルドラにて……

村を襲うデビルガンダム・ヘッドを倒し、ステラが暴走状態に陥った日。

 

長い夜が開けた時に村を訪れる者たちがいた。

 

「いったい、これはどういうことだ………」

 

その人物は村やモビルスーツの状態を見て、言葉を失っている。

 

「兄さん?ジェド兄さーん!」

 

「「「「……………………兄さんッ!!?」」」」

 

一行はフレディーの自宅に向かった。

ステラは肉体的・精神的に疲労しており、気を失っている。

気を失っている彼女はヒロトが、責任を持って抱えていった。

そして一段落ついた面々は、互いに自己紹介をして、次のミッションについて話し合いを始める。

 

「現在、我々はヒトツメの基地に対する反攻作戦を実施中です。中でも砂漠にある奴らの前線基地では、新型のヒトツメたちが日々作られています。」

 

第8小隊を率いる隊長のジェドは、地図を広げこと細かく説明する。

 

「奴らの生産を止め、周辺の村々を守るためにも、この基地の破壊は必須です。」

 

「話しは分かった。ならば、善は急げだ!早速……」

 

「それがムリなんです。」

 

「何でだよ……?」

 

「基地には見えない壁のような物が張ってあって、いかなる攻撃も防いでしまうのです。」

 

「見えない、壁……バリアってことか……」

 

「なんじゃそりゃ?そんな設定ガンダムにはないだろ?」

 

「Iフィールドやビームシールドならまだしも……」

 

「バリアなんて聞いたこともないですね………」

 

「「「「うーーーん…………」」」」

 

ジェドの話しを聞いて、四人は頭をひねるばかりである。

 

「でも、どちらにしろ、守備隊を引き付けつつバリアを突破しなければならない。」

 

「残念ながら、我々の持っている武器でもあの壁は破ることができなかった……ですが、ここに一ヶ所だけ物資を搬入するための入り口があります。」

 

「なるほど……俺たちが敵を引き付けている間に、基地内部に潜入……内部から攻撃すると言うわけだな?」

 

「その通りです!」

 

「陽動か……」

 

「その引き付け役を俺たちが引き受けるってヤツが、今回のミッションってわけだな!」

 

「はい。よろしくお願いします!」

 

「それで作戦決行の日取りは?」

 

「予定は三日後です!」

 

「三日後ーーーーッ!!?今からじゃねえのかよ!」

 

「私たちレジスタンスは、他の部隊との連動を基本としています。敵が増援を送ることを互いに防ぐためにも、個々の突出はしません。」

 

「それにしても、決行日まで時間もあるしどうするかだな?ずっとログインしっぱなしって訳にもいかねぇし……」

 

「一度、解散しよう。機体のメンテナンスをして、そしてまた三日後に………」

 

「か、帰るんですか…………?」

 

なぜかパルヴィーズは聞き返す。

上の空でみんなの話しを良く聞いていなかったようだ。

 

「お前……話し、聞いてなかったのか?」

 

「え、あ、はい………」

 

「………………………「「帰るぅぅーーーーッ!!?」」」

 

ヒロトたちの会話を聞いていた、ジェドと仲間の二人は、少しの間が開いたあと盛大に驚いた。

 

「ああ!大丈夫です!三日後の作戦決行の日には、私が責任を持ってコチラにお呼びしますから!」

 

フレディーはジェドに胸を張る。

 

「フレディー、大丈夫なのか?」

 

しかし、ジェドは心配していた。

ビルド・ダイバーズが戻った後、三日後の決行の日にフレディーは彼らたちを、本当にこのエルドラに呼べるのかと……

 

「はい!兄さん!ビルド・ダイバーズを呼べるのは、ぼくだけですッ!」

 

確認するとフレディーは、しっかりとした口調で返事を返した。

その言葉を信じたジェドは、弟のフレディーを見据えて言葉をかける。

 

「分かった。フレディー……ならば、今回の作戦……お前も参加して欲しい!」

 

「えッ!!?」

 

フレディーは耳を疑った。

それは姉のマイヤも同じだった。

 

「ちょっと待ってよ、兄さん!何言ってるのッ!!?まだ、フレディーは子どもなのに……ッ!」

 

まさに寝耳に水……マイヤは思わず立ちあがり、ジェドの肩を掴む。

 

「この方たちのチカラを借りるためにも、この子の経験と知識は必要になる。召喚と連絡、土地の案内……危険ことには会わせない!」

 

マイヤのことを説得するジェド。

 

「だからって……」

 

その時だった。

外から中の様子を覗いていたフレディーの親友ストラが、家の扉を勢い良く開ける。

 

「ジェドさん!何で俺じゃなくてフレディーなんだよ!」

 

「ス、ストラ…………お前には…………」

 

ジェドはストラに理由を説明しようとしたが、それを遮るようにマイヤは外に出ていく。

 

「マイヤ、まだ話しは………」

 

「一人にして………ッ!」

 

マイヤはビルド・ダイバーズのメンバーを一睨みすると自宅をあとにした。

結局、作戦会議は後味の悪い感じに終わってしまった。

 

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そして、エルドラにて作戦会議を終わらせて今に至る。

 

「あービックリしたぁ~!」

 

カザミは肩の荷が降りたのか、思わず気持ちを吐露した。

 

「って言うか、NPCの会話パートが相変わらず長げェ……あれって、本当にいるかァ~?」

 

「ぼ、僕は要ると思います、よッ?だって、物語が淡々と進んだところで面白くありませんから……多少の味付けはあった方が………」

 

パルヴィーズは自身の考えをカザミに伝わる。

 

「それでも、濃すぎじゃね?どちらにしろ、俺たちを囮に使おうなんて、良い根性してるよな。」

 

「ストーリーを進めたければ、レジスタンスの信用を得よ……と言うことだろ。」

 

「レジスタンスと共闘する流れ、何だか08小隊みたいですね!」

 

「ああ!そうだな!やっと、ガンダムらしくなってきたな!」

 

パルヴィーズの言葉に納得するカザミ。

どこまでも単純な男だ……

 

「ならば、予行練習をしておくか?」

 

メイが提案をする。

寄せ集めのフォースである、ビルド・ダイバーズにとって練習は大切なことだ。

 

「また、クリエイトミッションか?別にぶっつけ本番でも良いんじゃねえか?」

 

仮のリーダーであるカザミは、あまり乗り気ではない。

 

「何なら、これならどうだ?通常ミッション………。」

 

カザミはメンバーにミッションデータを配布した。

ミッション名は『キリマンジャロの大地』……

 

「…………確かに、今回のミッションとシチュエーションも似ている。」

 

「成功報酬もあるぜェッ♪」

 

「じゃあ、明日の午前中に……」

 

スケジュールは決まったようだが、ステラが静かに口を開いた。

 

「ステラ、明日の練習、参加しない………」

 

「何ィィーーッ!!?」

 

「そうですよ!ステラさんのチカラは僕たちのフォースに必要です。」

 

「なぜだ?ステラ……理由を教えてくれ?」

 

「………ステラ、みんなのことキズつけた。だから………」

 

「それは………」

 

ステラの能力と機体性能は戦力には欠かせない。

しかし、ミッション中に彼女の暴走を目の当たりにしたメンバーは言葉に詰まる。

 

「それに、ステラのミッション、フレディーの護衛……だから……」

 

ステラは空間モニターを操作し、勝手に四人の前から消えた。

 

「行っちまった……」

 

「仕方ない、ステラには俺から連絡しておく……」

 

「ヒロト。頼んだぞ……」

 

各々解散してログアウトする。

パルヴィーズもログアウトしようとした、不意に回りを見るとヒロトは明後日の方を見ていた。

 

次回に続く。

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