ネコ耳ステラのGBN探訪!(仮)   作:しろくないくま

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第11話 EDI-SYSTEM

ビルド・ダイバーズのメンバーたちから離脱したステラは、荒野を愛機のガイアと共に走っていた。

あの時、なぜ暴走したのか、どうして仲間に矛先を向けてしまったのか考えている。

 

「ステラ、みんなを襲った……あの時のシステムは……ガイア、答えて……」

 

独り言のようにガイアに語り掛ける。

その時だった。

ガイアのコックピットの内装が深紅に輝き出す。

 

「これは……EDI-SYSTEMッ!!?」

 

次の瞬間、ガイアは大推力で加速し始めた。

凄まじい加速度がステラをシートに押し付ける。

 

「ぐぅ………………ッ!」

 

しばらく走ったところで、ガイアは急に跳躍すると変形し、その場に着地して止まった。

 

『やっぱり、この子は最高ね……♪』

 

メインモニターに一人の少女が映し出される。

ステラ自身の深層心理の世界で出会ったもう一人の自分……

その少女は自身よりも好戦的な目つきをしている。

 

「エディ……」

 

『はーい♪ステラ♪どうしたの私を呼び出して……?』

 

「ステラ、エディとお話し……」

 

『お話し……?あぁ、私のことが知りたいのね?』

 

「うん……」

 

ステラは一度頷いた。

 

「あなたは何者?」

 

『私?私は“EDI-SYSTEM”……超深度人格干渉システムって言うAI……人工知能の一種だね。アナタの心の中にある理性と呼ばれる精神の箍たがを外して、闘争心・破壊衝動などの原始的欲求を優先させるの。』

 

「だからステラは、あの時……」

 

『その通り♪アナタを覚醒させ、それによってガイアの戦闘力を極限まで引き出すんだよ♪まあ、システムの副作用として操縦者が凶暴化しちゃうのが、玉に瑕なんだけど……♪』

 

「誰がそんな事を……?ステラ、そんなのガイアに組み込んだ覚えは………」

 

『確かにアナタの言う通り、私はガンプラじゃなくて“ダイバーギア”に直接組み込まれているの……アナタのお父さんによってね!』

 

エディの衝撃的な発言に、ステラはショックを隠せない。

 

「パパがッ!!?どうして………ッ!!?」

 

『米軍空軍の技術者であるアナタのお父さんは、新型戦闘機の開発にハード面で関わっているの。今の戦争のトレンドは無人機による物が主流だけど、空中戦はそう簡単にはいかない。結局のところは経験差がモノを言うと、アナタのお父さんは考えているの……』

 

「機体とパイロットを機械的に繋げるのが、エディの仕事ってこと?」

 

『モノ分かりが良いじゃない。アナタとは仲良くやって行けそうね……♪』

 

「ビルド・ダイバーズのみんな、キズつける、エディ、信用できない………」

 

『まあ、ステラはすぐに私を頼ることになるから……それまでお休みでもしとこうかしら……?』

 

「ステラ、別に気にしない。勝手にして……」

 

『なんか、連れないな~♪』

 

エディは不満そうな表情を浮かべると、モニターから消えた。

それと同時に、EDI-SYSTEMが解除される。

 

「ふぅ……」

 

肩の荷が降りたのか、ステラはため息を着いた。

 

「エディのこと、システムのこと、パパに聞かなくちゃ」

 

ステラはログアウトした。

 

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GBNから現実世界に戻って来たステラ……

彼女はヘッドギアを外し、持っていた携帯端末で今の時間を確認する。

 

「……………まだ帰ってくる時間じゃない。」

 

どうやら、ステラの父親が帰って来るまでには、まだまだ時間があるようだ。

 

「ダイバーカフェで時間を潰そう……」

 

彼女は専用ガンプラケースに、ガンプラとダイバーギアを収納すると、ログインルーム出る。

その足でカフェに向かうと、バイト中のヒナタがいた。

 

「いらっしゃいませー!」

 

快活な笑顔で、ヒナタがステラを迎える。

彼女の案内で、ステラは席に着く。

 

「いらっしゃい♪ステラ♪さっきまで、ヒロトが居たんだけど……?」

 

「ステラ、途中で抜けた。だから、ヒロト、入れ違い……」

 

「そうなんだ……それで、ご注文は何に致しましょうか?」

 

「………………コレ、ケーキセット。」

 

「ケーキセットですね?かしこまりました!タムラさん!ケーキセット、一つオーダー入りました。」

 

「あいよ~!」

 

「ちょっと、待っててネ☆」

 

「うん!」

 

注文が来るまでしばらく時間がある。

それまでの時間、彼女はガンプラの手入れをすることに……

ケースからガンプラを取り出し、手入れを始めた。

パーツ一つ一つに丁寧にヤスリを掛ける。

 

しばらくして、注文していたケーキセットが来た。

 

「お待たせしました。ご注文したケーキセットです。」

 

ヒナタがステラの席に注文品をテーブルに並べる。

 

「ありがとう………」

 

届いたケーキを頬張り、紅茶を一口すする。

 

「美味しい………」

 

「ありがとう。ステラ♪ところでそれがステラのガンプラ?」

 

「うん……!ステラのガンプラ、“ガイアガンダム・ルプスレクス”」

 

「ガイアガンダム・ルプスレクス……なんか長い名前だね……」

 

「そうかな?」

 

「でも、キレイ……黒っていうか、紫っていうか、緑色っていうか……なんて言えば良いのかな?」

 

「パパ、教えてくれた……構造色って言う……難しいこと、ステラ、分からない。」

 

「そうなんだ……それで、どうなの?GBN?ヒロトとは上手くやれてるの?」

 

「うん、まあまあ……」

 

「まあまあって………」

 

ステラの素っ気ない返事に、ヒナタは思わず苦笑い。

 

「ヒナタって、ステラのお姉ちゃんみたい………」

 

「お姉ちゃん……ッ!!?」

 

「うん……優しいところ、世話好きなところ……ステラ、ヒナタのこと、大好き……」

 

「えぇッ!!?いきなりそんなこと……////」

 

気恥ずかしさから、ヒナタは顔を真っ赤にしている。

 

「ヒナタはどうなの?バイト、慣れた?」

 

「えッ!!?あ、うん……ッ!だいぶ慣れたよ。ヒロトから色々教えてもらったよ♪常連さんとの掛け合いとか……“塩が足らんのです”♪」

 

ヒナタは笑顔でファーストガンダムの某名台詞を言う。

 

「ヒナタちゃーん!次、七番テーブルね!」

 

厨房から声が掛かり、彼女は返事をすると仕事に戻っていく。

 

「じゃあね、ステラ!」

 

「うん………!」

 

ステラはケーキを頬張りながら、去って行くヒナタに手を振っていた。

 

「お待たせ致しました!スターダストプレートです!」

 

ヒナタは注文の料理を、七番テーブルのお客に届ける。

その置かれた料理を見てメガネをかけた男性が、ヒナタに向かってこんなことを言った。

 

「ニンジン!いらないよ!」

 

これまた、ガンダムでは有名な台詞だ。

 

「えッ!!?要らないんですかッ!!?抜いてもらいましょうか!!?」

 

どうやらヒナタにとって、この掛け合いは知らなかったようだ。

お客の迫真の言い回しを鵜呑みしている。

 

「何やってんのォォォー!」

 

男性の連れがすかさず、フォローを入れていた。

 

「ヒナタ、まだまだ、勉強、足りない……ガンバ……!」

 

ステラは戸惑うヒナタに、エールを贈るのだった。

 

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その後、帰宅したステラはキッチンで料理を作っていた母親のもとに向かう。

 

「ただいま。ママ……」

 

「おかえりー」

 

「ねぇ、パパは?まだ帰って来てないの?」

 

「今日はあの人は、向こうでお泊まりなんだって……」

 

「えッ?」

 

「お仕事が終わらないーって、さっき電話があったの……もう少し早く連絡してくれたら良かったのに……夕飯、三人分作っちゃった!もう……ッ!」

 

ステラの母親は、ちょっと不機嫌そうだ。

 

「そう、なんだ……」

 

「ステラもパパに何か用事があったんじゃないの?」

 

「べ、別に……ご飯の前にステラ、お風呂、入って来る……」

 

「そう……分かったわ。もうすぐ出来るからね?」

 

「うん……」

 

ステラは自室に行き、ガンプラを勉強兼作業用の机に置くと、着替えを揃え、お風呂場に向かった。

体を洗い、湯船に浸かり、ボーっと天井を見上げながら例のシステムについて考える。

 

「パパにあのシステムについて聞きたかったのに……」

 

その後ステラは、母親と二人っきりの夕食を取り、自室で自由時間を過ごしていると、ヒロトから彼女の携帯端末にメッセージが入った。

明日の予行練習ついて再度の誘いだったが、ステラはその誘いを断る。

 

「一人になりたい」……と、、、

但し、エルドラのミッションには、必ず参加すると付け加えて……

 

ヒロトにメールを返したステラは、そのままベッドに入り休むのだった。

 

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次の日、ステラは一人っきりでGBNにログインをする。

彼女は新ステージ『ディメンション・マーズ』に移動してきた。

荒野一帯を見渡せる高い崖に立つステラ……

彼女傍らには、構造色により漆黒に輝くガイアガンダム・ルプスレクスがいる。

 

ステラは空間モニターを操作すると、ガイアのコックピットハッチが開き、搭乗用ワイヤーが彼女の前に降ろされた。

ステラはそれに捕まるとハッチまで上昇し、複座式コックピットの後ろ側に座る。

 

乗り込んだ彼女が、コックピットにあるスイッチ類を扱うと、ハッチが閉じ機体のジェネレータに火が入った。

各種センサー、武器管制システム、モニターもそれぞれ起動する。

 

「行こう、ガイア……」

 

ステラは出力レバーを全開にし、フットペダルを踏み込むと、ガイアは背中の『ウイングスラスター』と『ロングテール・スタビライザー』を使い大空に舞う。

 

ステラはガイアを操り、青空の中をしばらく飛んでいると、レーダーに反応が……

 

「レーダーに反応……距離にして、25000……数は15……」

 

ステラはすぐに荒野に降り、四足歩行型モビルアーマーに変形、スラスター全開で大地を掛ける。

 

「目標との会敵まで、あと180秒……!」

 

次回に続く。

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