ネコ耳ステラのGBN探訪!(仮) 作:しろくないくま
週末、ステラは一人でGBNへとやって来ていた。
何度かヒロトやヒナタと通っているうちに、一人で迷わず来れるまでには彼女も成長している。
メインフロアをウロウロしていると、見知った顔をステラは見つけた。
中性的な顔立ち、褐色の肌、華奢な体躯、蒼毛のモフモフにダボダボの衣装……
ステラの戦利品第一号、『パルヴィーズ』だ。
「あ、アレは……!」
獲物を見つけた猛獣のように彼女の瞳が怪しく光る。
そんなステラのことなど知るよしもないパルヴィーズは、上機嫌にモニターを見ていた。
「みんな上手だな……♪」
パルヴィーズに気付かれないようステラは、そっと近づきガバッと襲い掛かった。
「パル………ッ!!!」
「うわぁッ!!?」
ステラが抱きついた勢いで、パルヴィーズは床に倒れた。
「パル、モフモフ~♪」
「ス、ステラさん……ッ!!?」
二人はそのまま床の上で組んず解れずの態勢に……
「ちょ、ちょっと、何してるんですかッ!!?離れて下さい!」
「いや、パル、ステラのモノ……誰にもあげない。」
その時だった。
突然に空間転移が始まる。
二人は再びフレディーと初めて出会った石の神殿にやって来た。
「こ、ここは……ッ!!?」
ステラとパルの他に、ヒロト、メイ、カザミの姿が……
「ヤッホ……ヒロト、メイ……あと、カザミ。」
「ステラ、パル……な、何をしてるんだ?」
召喚用の台座の上で、あり得ないほどに恥ずかしい姿の二人。
「ふぁッ////えっ、えっと………」
「ただのスキンシップ……みんな、気にしない。」
頬を赤らめ手櫛で髪を整える、ステラとパルヴィーズ。
「いや、気にするだろ……」
「おぉ……二人がこの短期間でここまで仲が進展してたなんて////」
クールビューティーなメイも頬を赤らめ、目線を逸らしている。
「ステラ、パル、ラブラブ……パル、誰にも上げない!」
メンバーでやいのやいのしていると、ステラたちを呼び出した張本人である犬っぽい生き物『フレディ』が涙目で助けを求めて来た。
「お、お助け下さ~い!創造主さ~ま!」
その時だった。
「おーーッ!お前ェェーーッ!!!」
カザミは声を荒らげながら、台座から降りフレディのもとへ向かう。
「この間のミッションの報酬、称号!いつ貰えるんだよッ!!?」
開口一番にフレディを怒鳴り、睨み付けた。
そんな彼にフレディは、ビクッと体を震わせる。
「フレディ、イジメる、ダメ……ッ!」
パルヴィーズを左脇腹に抱えたステラが、カザミに渾身の飛び蹴りをお見舞いした。
「ぶへぁ……ッ!」
ステラに蹴られたカザミは、2m弱ほど吹っ飛び顔面から砂の中に突っ込む。
「ぎゃふん……ッ!!?」
「カザミ、お仕置き、大丈夫?フレディ?」
「あ、はい!あの……実は、創造主さまにお願いが……ッ!」
「フレディ、ステラたち創造主じゃない、ビルダー……」
ステラがフレディに訂正を求めた。
未だにパルヴィーズは放さない。
「あ、そうでした!ビルダーさま!」
とフレディが話しを進めようとするとカザミが話に水を差そうとする。
「んなことより!報酬をだn((どわぁ………ッ!!?」
「だから、フレディをイジメる、ダメ!」
再びカザミはステラに蹴られ、砂に頭を突っ込む。
まるでコントのようだ。
「全く、お前と言うヤツは……」
メイは呆れている。
「NPDに文句を言っても仕方ないだろ……多少の汎用性はあっても基本はスプリクトだ。システム上、NPDが直接、報酬を付与する訳でもあるまい。」
メイの分かりにくい表現にフレディは困惑していた。
「だからって、何もねェのはあり得ないだろ!」
カザミが二度目の復活を果たす。
皆のやり取りを聞きながら、ヒロトは空間モニターを操作した。
データ履歴の中にある報酬欄には、非開示の文字が映し出されている。
「おそらく、ストーリーミッションか何かでしょう……」
パルヴィーズが考察する。
「ストーリーミッション?」
「ええ。長大なストーリーを順々にクリアしていくことで、カザミさんが言っていたようなデータの開示がされて行くのではないでしょうか?」
「パルの言うとおりだとすれば、全てのつじつまが合うな。」
メイもパルヴィーズの考察に納得した。
「つまり、私たちはストーリーミッションのファーストステージをクリアしたと言うことか……」
「たぶん………」
「クゥーーッ!だったら、それらしいフラグを建てとけってェの!」
「ここまで、分かりづらいと言うことは、まだ試作段階の先行配信と言うことか。」
「ステラたちのチームが『ビルド・ダイバーズ』だったのも、そのせい?」
「あり得ない話ではない。」
「と言うことは何だ?早くしねェと、他のビルド・ダイバーズに先を越されてしまうのか……」
五人の会話について行けないフレディは困惑する。
「あ、あの!本当にあなた方はビルド・ダイバーズなんですよね……ッ!!?」
「もちろんだぜ!安心しな!」
「それで、フレディ?ステラたち呼んだ理由、教えて?」
「あ、はい!本日は僕たちの村までお越しいただきたく……」
ステラたち『ビルド・ダイバーズ(仮)』は、一路フレディの暮らす村へと向かうのだった。
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「うわぁー!凄いです!僕、空なんて初めて飛びました!」
フレディは初めての空に感動していた。
サブフライトシステムしても使える『アースアーマー』の上にヒロトの操るコアガンダムが乗り、その手のひらにフレディとメイ、カザミが乗っている。
一方のステラは自分の機体『ガイアガンダム・ルプスレクス』を使っており、パルヴィーズも彼女の機体に座っていた。
ステラの機体も改造で飛行性能を持たせているので、戦闘・自由飛行はどちらも可能である。
『ステラ、そっちの調子はどうだ?』
ヒロトから通信が入って来た。
「ステラは順調……パルは……………大丈夫。」
ちょっと、間に変な間があった気がしたが、一応は大丈夫のようだ。
ヒロトからの通信が切れると、ステラはすぐに前席に座るパルヴィーズを覗き込み声をかける。
パルヴィーズは座っている席で小さくなり、自身のモフモフのしっぽを抱えて怯えていた。
顔からも血の気が引いている。
「パル……空、怖い?」
「えええ、えッ!!?だだ、大丈夫です………ッ!!?」
「無理なら下、降りる……?」
「いえ、きき気にしないで下さい。」
強がるパルヴィーズ。
そんな彼をジィーっと見つめるステラは、おもむろに自身の座る
席から前席に移動する。
そして、縮こまっているパルヴィーズをお姫さま抱っこするように一緒に座った。
「えっと………こ、コレは………////」
「パル、ステラと一緒。これなら怖くない。」
ステラはパルヴィーズに優しく微笑み、頭を撫でる。
それに安心したのか、彼からも空に対する恐怖心が気持ち減ったような気がした。
ステラが機体を操縦しながら、しばらく景色を見ていると、あちらこちらで黒煙が上がっている場所がある。
「フレディ、アレ、何?」
「僕がみなさんに聞いてもらいたいのも、この事なんです。」
つい今まではしゃいでいたフレディーの表情が一気に悲しい感じになった。
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場所は変わり、とある集落………
ここには、フレディの暮らす家もある。
「「「マイヤお姉ちゃ~ん!」」」と元気に呼ぶ声が……
その声を聞いて、家から出て来たのは獣人の女性。
外から彼女の事を呼んでいたのは、彼女を慕う同じ種族の子供たちだった。
「あら、アナタたち。」
「野菜」、「持って」、「来たよ」とリレー方式で気桶いっぱいの取れたて野菜を見せる。
「ありがとう。アシャ、トアナ、フルン♪」
マイヤに褒められた子供たちは、とても嬉しそうだ。
他にも子供たちの保護者として屈強な体つきをした老獣人もいる。
「ジリコのじっちゃんもお疲れ様♪野菜、みんなに配っているの?」
「ああ、困ったときはお互いさまだからな。」
「うん。そうだね。私もこれからキャンプにお手伝いに行こうかなって思ってたの……♪だから、じっちゃんも一緒に……あッ!!?」
その時だった。
彼女らの頭上に見知らぬ飛行物体が二つ現れた。
ゆっくりとマイヤたちの所に降りる。
「何、アレ……」
子供の一人、ぽっちゃり系のフルンが言葉をこぼした。
彼女たちの前に降りて来たのは、ヒロトのコアガンダムを載せたアースアーマーと、ステラのガイアだった。
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フレディの案内で一件の家の中に入るビルド・ダイバーズの面々……
家の外にはモノ珍しい代物に多くの人だかりが出来ている。
「ようこそ。私がこの村の長をしています。名前はトモイと申します。」
丁重にステラたちをもてなす。
「この方たちが創造しゅさ……じゃなくて、ビルド・ダイバーズのみなさんです!」
フレディによって、ステラたちは紹介された。
「へぇ~何だ?フレディは村長の息子って設定かぁ………」
「先日は息子が危ない所を助けていただいたと言うことで……誠にありがとうございました。」
村長のトモイが頭を深々と下げる。
「良いってことよ!俺はカザミ!人呼んでジャスティス・ナイト!キャプテン!もしくはヒーローと呼んでくれ!」
「おほぉ~////」
精神年齢が近いせいか、フレディは尊敬の眼差しでカザミを見つめていた。
一方の村長トモイは困惑し、フレディの姉マイヤにいたっては、胡散臭げな眼差しを堂々と恥ずかし気もないカザミに送っている。
「早速、セカンドミッションについて話してもらおうか……?」
次回に続く。