バトル・ロワイアル 誰が為の戦場か・・・   作:しきん

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どうも、しきんです。

皆様、お久しぶりです。

8ヶ月以上も待たせてしまい、大変申し訳ありませんでした。

モチベーションが上がらなかったり、他の作品を優先していた事が原因ですね。なので当分の間、こちらの投稿ペースは遅くなってしまいます・・・。


第8話

島の上空を飛ぶ1機のヘリコプター。

 

そのコックピットで、女子35番、真希波・マリ・イラストリアスは操縦桿を握っていた。

 

これは良い物を引いたにゃ~。剣や槍といった近接武器は勿論当たらない。例え、銃火器で攻撃されたとしても、ロケットランチャーでもない限りは大して脅威にはならないし、寧ろ、応戦するには過剰なレベルの武装が付いているから、少なくとも、支給武器においてはかなり優位に立てるし。

 

マリが操縦しているのはAH-64D(アパッチ・ロングボウ)。アメリカで開発された有名な攻撃ヘリだ。アメリカ陸軍の他、陸上自衛隊等で運用されている。

 

唯一の弱点は島の外に出ると首輪共々、自爆装置が作動するっていう点―――それでも、空を飛べるっていうのは、戦術的優位に立てるという意味を持つっていう事にもなるから。でも、島からの脱出を目的とするとなると、何人も乗せられないこのアパッチじゃ、微妙なところなんだよね―――。

 

マリがそう思っていると、一瞬、空で何かが光った。

 

・・・?何か飛んでいる?いや、飛んでいたとしても、この島じゃ・・・私のアパッチを除いて鳥ぐらい―――

 

―――いや、違う?あれは・・・ま、まさか!?

 

マリは迫りくる何かを回避すべく、操縦桿を右に倒す。

 

だが、時既に遅し。その瞬間に凄まじい衝撃がアパッチを襲った。

 

相当大きなダメージも喰らったのか、アパッチは大きく揺れ始め、コックピットの彼方此方から異常を知らせる警告音も同時に鳴り響く。

 

―――えっ?

 

余りの事態に、マリは思考停止に陥った。

 

仮にこの時、マリが思考停止に陥っていなかったとしても、マリ自身が迎える結末は変わらなかっただろう。

 

何れにせよ、この場において確かな事は―――マリは何かを確認した時点で詰んでいた、という事だ。

 

[女子35番 真希波・マリ・イラストリアス 死亡]

 

 

アパッチは墜落し、ただ大きいだけの鉄屑と化した。

 

それに背を向けて着地したのは、生え際が後退しつつある髪、インテリ感を醸し出す眼鏡、そして着ている制服がはち切れんばかりの逞しい肉体が特徴的な中年男性。

 

彼の姿を初めて見たなら、きっと某アメコミに出て来るような怪物の類と勘違いするだろう。

 

そんなスポーツマン系アメリカ合衆国上院議員、男子23番、スティーヴン・アームストロングが目指すのは真の自由。

 

その為ならば、大統領だってぶん殴ってみせるし、大統領になった暁には着飾った気に入らない者達や訳の分からない者達を皆ぶん殴る。

 

それ故、このテストは正しく理想に近いもの・・・であるように見えるが、アームストロングにとっては不満に感じるものだった。

 

あの言峰とかいう奴の説明を聞く限り、このテストとやらはApertureScienceとやらが運営しているらしい。恐らく、これが関わっているギャンブルか何かで利益を出しているのだろう。全く、気に入らねえ奴らだ―――俺に首輪を付けて良い気でいられるのも今のうちだ!

 

アームストロングにとって、ApertureScienceはぶん殴る対象であると言えよう。何故なら、アームストロングは、ビジネスとしての戦争や暴力、そして、信念無き闘争は唾棄すべきものであると考えているのだから。

 

アームストロングは歩き出す。

 

気に入らない奴らをぶん殴る為に。

 

真の自由の実現の為に。

 

[男子23番 スティーヴン・アームストロング]

身体能力:S

頭脳:A

武器:無し

スタンス:ApertureScienceはぶん殴る

思考:さて、先ずは首輪を外す方法を見つけるか

身体状態:正常

精神状態:正常

 

 

その一部始終を少し離れた所の茂みから見ていた者がいた。

 

な―――何者だ、アイツ!?相当な高さから落ちて無事、というならまだ解るが、その途中でヘリコプターを撃墜するとは・・・!

 

男子17番、高橋涼介。

 

高橋啓介の兄である彼は、アームストロングの力に戦慄を覚えていた。

 

見たところ、アイツは武器を持っているようには見えなかった。ハズレだった可能性も否定できないが・・・何れにせよ、奴は自らの身体能力だけでヘリコプターを撃墜したのは間違い無い!

 

とんでもない奴がこの殺し合いに参加させられていたとはな―――奴を味方に付けたいが、如何せん、殺気が強すぎる・・・どうしたものか・・・。

 

現在、涼介は支給武器であるフレズヴェルク=アーテルのボディスーツとアーマーユニットを身に纏っている。仮に戦いを挑んだとすれば、運が良ければ倒せるかもしれないだろう。

 

『挑む』か、『やり過ごす』か。

 

涼介が選んだのは―――『やり過ごす』という選択肢だった。

 

念の為、奴から離れておくか。今はリスクを避ける。啓介や藤原と合流しておきたい。

 

アームストロングが立ち去った事を確認した涼介は、茂みから出て移動を開始する。

 

さて、2人が無事だと良いんだが―――ん?

 

ふと、涼介の視界に、異物が入る。

 

地面には草が生い茂り、周りには木が幾つか存在する自然の空気の中では、自然物とは思えないようなそれは、確かに異物である。

 

涼介はそれを拾い上げる。

 

「これは、一体・・・?」

 

それは、怪しい液体の入った金の杯だった。液体は人が飲む物とは思えないような不気味なもので、飲むには勇気がいるだろう。

 

だが・・・

 

「一応・・・持っておくか―――?」

 

何かに使えるかもしれないと考えた涼介は、バッグにそれを入れた。

 

この杯が何なのかも分からぬまま。

 

涼介は前方に視線を向け、再び移動を開始した。

 

[男子17番 高橋涼介]

身体能力:C

頭脳:A

武器:フレズヴェルク=アーテルのアーマーユニット

   赤黒い液体が入った金の杯

スタンス:島からの脱出

思考:啓介と藤原を捜す

身体状態:正常

精神状態:正常

 

 

レグはアスファルトの道路に沿って歩いている。

 

途中、勾配がやや水平になったところで分かれ道があったのだが、東へと続く道はくねくねと曲がった下り坂になっており、北へと続く道は今までと同様の上り坂となっていた。レグは上り坂となっている、北へと続く道を通る事を選んだ。

 

この判断は正解だった。

 

レグは何かに気付き、足を止める。

 

見上げると、建造物のようなものが視界に入る。頂上まで後もう少しの所まで来ていたのだ。

 

あれは・・・家?誰かいるのだろうか?

 

・・・あそこを訪ねるとしよう。もしかしたら、リコを見た人がいるかもしれない。

 

レグは再び歩を進める。

 

果たして、その先にレグの望むものはあるのだろうか。

 

 

白銀武と鑑純夏は山頂の民家に身を隠す事にした。

 

山頂故に見晴らしが良く、接近して来る外部の者をすぐに察知出来る。

 

更に、裏手に井戸がある事から、この民家は拠点にするには最も環境が整った所と言えるだろう。

 

武は今、窓から外を見張っている。殺し合いに乗っている者の接近に備える為である。

 

「タケルちゃん!お水汲んで来―――」

 

と、そこに純夏が井戸から汲んだ水の入ったバケツを持って武の元へと駆け寄る。

 

その時。

 

―――!あれは・・・

 

「純夏、静かに!」

「わわわっ!?ど、どうしたの!?」

 

武のその言葉に、純夏は驚く。

 

「今、こっちに誰か近付いて来てる。背の低い男の子が1人、着けているのは・・・あれは眼鏡、いや、モノクルか何かか?俺達がここにいる事に気付いているかもしれない」

 

2人は窓から人影を見る。

 

バイキングがよく被ってそうな特徴的な形の帽子を被っており、何処か近未来的なデザインのモノクルを身に着けているのが見て取れる。

 

「本当だ・・・」

「もしかしたら協力してくれるかもしれないし、情報も欲しいところだしな」

「協力してくれるかな・・・?」

「様子を見る。乗っているようなら、中には入れない」

 

もうすぐそこまで近付いて来たので、扉の前にスタンバイすると、ノックを叩く音がした。どうやら、相手はここに人がいる可能性も考えていたようだ。

 

扉越しにやり取りをしたところ、特に怪しい言動は無かった。動きも不審な点は無かったので、武達は中に入れる事にした。

 

レグは軽く自己紹介をすると、続けてこう言った。

 

「僕は、友達を捜しているんだ。リコという名前の女の子なのだが・・・2人は、何処かで見てはいないだろうか」

「リコ?・・・いや、知らないな。純夏は知ってるか?」

「私も知らないかな・・・そうだ!写真とかは持ってないかな?」

「・・・すまない、そういうのは持っていないんだ」

 

仮に持っていたとしても、眠っている間に持ち物ごと奪われたか・・・。

 

「そうなんだ・・・ごめんね、力になれなくて」

 

レグが残念そうな表情を浮かべるのを見て、武は口を開いた。

 

「―――レグ、お前はそのリコって人を捜しているんだろ?もし良かったら、俺達と組まないか?」

「君達と・・・?」

 

武は一呼吸置いて、話を続ける。

 

「2人共、よく聞いてくれ。俺はこんなテスト、殺し合いなんか糞くらえだ。だから、テストを潰そうと思う。AS社の奴等と戦ってでも、皆と一緒にこの島から脱出するんだ」

 

武は自分の意志を純夏とレグに告げる。その目は、本物だ。

 

「タケルちゃん・・・」

 

純夏は武の顔を見つめる。武の言葉に感銘を受けたようだ。

 

「・・・分かった!私、タケルちゃんを信じる!」

「僕も同意見だ。恐らく、僕達以外にも殺し合いを望まない人達がいる筈だろう。その人達を集められれば、もしかしたら出来るかもしれない」

 

純夏とレグは武の意志に賛同した。

 

[男子33番 白銀武]

身体能力:A

頭脳:B

武器:デスノート

スタンス:純夏や他の参加者達と共に島からの脱出

思考:これからどうするか・・・

身体状態:正常

精神状態:正常

 

[男子27番 レグ]

身体能力:A

頭脳:C

武器:スカウター

スタンス:島からの脱出

思考:仲間が出来て良かった

身体状態:正常

精神状態:正常

 

[女子18番 鑑純夏]

身体能力:B

頭脳:C

武器:メタルキングの剣

スタンス:島からの脱出

思考:タケルちゃんと生きて帰りたい

身体状態:正常

精神状態:正常

 

 

「轟雷~!バトルしよ~!」

 

女子12番、フレズヴェルクは大声で叫びながら歩いている。

 

しかし、フレズの言葉に対する返事は来ない。恐らく、フレズの周囲に誰もいないのだろう。

 

今、フレズは右手に銃を持っている。それはまるで玩具のような見た目で、とても使えそうには見えない。

 

退屈で仕方が無いフレズは辺りを見回す。すると、目に映ったとある木の陰に何かが存在する事に気付いた。

 

その木の陰には、人の姿があった。ツインテールに纏められたボサボサな銀髪、ウサギのように赤い瞳。眠そうな目つきからはとても闘志を感じられない。

 

木陰に潜むウサ耳のカチューシャの少女・・・女子14番、ラフィーは眠っている。

 

「zzz・・・うん?」

 

ラフィーは目を覚ます。フレズが近付いてきた事に気付いたようだ。

 

ラフィーは立ち上がると、フレズの方を向く。

 

「・・・誰・・・?」

「ちぇっ、轟雷じゃないのか・・・。しょうがないから、轟雷の前に先ずお前に勝ってやる!」

 

そう言うと、フレズはいきなり銃口をラフィーに向け、引き金を引いた。

 

対するラフィーは咄嗟に身構えるが―――

 

「・・・音が、出ない?」

 

―――銃声は鳴らなかった。

 

ラフィーは首を傾げた。

 

もしかして、壊れている・・・?でも、慌ててないみたい。

 

それとも・・・何か、別の武器を持っている?もし、そうだとしたら―――

 

ラフィーが警戒を強め、フレズの考えを読もうとしたその刹那。

 

ふと、空で何かが光る。

 

光・・・いや、正確には空から降ってきた一条のビームは、まるで吸い込まれるようにラフィーの頭上に落ちた。

 

「あ―――」

 

気付いた頃には、時既に遅し。ラフィーは成す術無くビームと爆炎に飲み込まれ、煙が立ち込めた。

 

煙が収まった時には、ラフィーの姿は何処にも無かった。

 

[女子14番 ラフィー 死亡]

 

 

ラフィーが塵一つ残らず消し飛んだ事を確認したフレズは、不敵な笑みを浮かべた。

 

「へっへーん!そんな所で棒立ちしてるから簡単にやられるんだよーだ!」

 

フレズはそう言って、銃に目を移す。

 

「まさか、空からビームが降ってくるなんて思わないだろーな!今さっきのヤツだって、死ぬ直前になるまで気付かなかったんだもん!」

 

そう、玩具の銃のように見えるこの武器はドーンハンマー。

 

これを使ってレーザーを照射すると、衛星軌道上に存在する衛星砲が、照射されたポイントに向けてビームを放つ。

 

相手が動いていなければ確実に当たるという訳だ。

 

だが、使用出来るのはドーンハンマー自体が屋外に存在する上で衛星砲が直上にある時のみである為、そういう意味では使い勝手が悪い武器とも言える。

 

[女子12番 フレズヴェルク]

身体能力:A

頭脳:D

武器:ドーンハンマー

スタンス:優勝して最強のフレームアームズ・ガールになる

思考:次の相手を探す

身体状態:正常

精神状態:正常

 

 

それは、武とレグがこれからの行動について相談していた時の事だった。

 

「タケルちゃん、レグ君、ちょっと来て!」

 

窓際にいる純夏が呼んできた。

 

「どうしたんだ、純夏?」

「誰か来たのだろうか?」

 

武とレグが純夏に聞くと、純夏は続けてこう言った。

 

「何か変な人がこっちに向かって来てるよ!武器は持ってないみたいだけど・・・」

「武器を持っていない・・・?」

 

武とレグが見てみると、確かにその人影は武器と言えるようなものを持っていないようだった。

 

「おかしいな・・・武器は全員に支給されている筈だろ?何も支給されなかったとは思えないし・・・」

 

武はこれに疑問を覚える。

 

もしかして、何か隠し持っている・・・?デスノートが支給されるくらいだから、持っていてもバレないような武器があっても不思議じゃないか。

 

「もしかしたら、誰かが僕をつけていたのかもしれないな・・・」

 

レグもそう予測を立てる。

 

「どうするか・・・もう少し様子を見るか―――」

「武さん、ちょっといいだろうか?」

 

すると、レグが武に声をかけてきた。

 

「どうした、レグ?」

「純夏さんの姿が見当たらないのだが・・・」

「・・・へっ?」

 

 

くっそー、あの金髪女め―――いきなり俺の顔を引っ搔くとは!どうしてくれるのだ!

 

幸い、この山の頂上には小屋がある。あそこで手当てを兼ねて一休みするとしよう。よし、行ってみよー!

 

・・・ん?小屋から誰か出てきたぞ。あの姿は女のようだ―――って、こっちに走って来ている!?

 

「う、うわあああ!?こっちに来るなあああーーーーーっ!!!」

 

 

私立黒須学園 3年B組 名簿

 

 

[男子01番 スティング・オークレー]

 

[男子02番 ディアッカ・エルスマン]

 

[男子03番 金田一一]

 

[男子04番 草加拓海]

 

[男子05番 藤原文太]

 

[男子06番 シン・アスカ]

 

[男子07番 アウル・ニーダ]

 

[男子08番 碇シンジ]

 

[男子09番 泉研]

 

[男子10番 キラ・ヤマト]

 

[男子11番 ジョン・メイトリックス]

 

[男子12番 サイ・アーガイル]

 

[男子13番 ボルガ]

 

[男子14番 遠野志貴]

 

[男子15番 魔王]

 

[男子16番 トール・ケーニヒ]

 

[男子17番 高橋涼介]

 

[男子18番 風間真]

 

[男子19番 アスラン・ザラ]

 

[男子20番 ネコアルク・カオス]

 

[男子21番 パラガス]

 

[男子22番 ボンドルド]

 

[男子23番 スティーヴン・アームストロング]

 

[男子24番 藤原拓海]

 

[男子25番 ラウ・ル・クルーゼ]

 

[男子26番 ミイホン]

 

[男子27番 レグ]

 

[男子28番 スラリン]

 

[男子29番 武内樹]

 

[男子30番 高橋啓介]

 

[男子31番 ハイネ・ヴェステンフルス]

 

[男子32番 ベネット]

 

[男子33番 白銀武]

 

[男子34番 スライバ]

 

 

[女子01番 アルクェイド・ブリュンスタッド]

 

[女子02番 吾妻楓]

 

[女子03番 遠野秋葉]

 

[女子04番 赤城]

 

[女子05番 シエル]

 

[女子06番 ネコアルク]

 

[女子07番 キアナ・カスラナ]

 

[女子08番 比良坂夜露]

 

[女子09番 加賀]

 

[女子10番 兼志谷シタラ]

 

[女子11番 リコ]

 

[女子12番 フレズヴェルク]

 

[女子13番 ステラ・ルーシェ]

 

[女子14番 ラフィー]

 

[女子15番 翡翠]

 

[女子16番 轟雷]

 

[女子17番 ジャベリン]

 

[女子18番 鑑純夏]

 

[女子19番 無量塔姫子]

 

[女子20番 琥珀]

 

[女子21番 オーゼン]

 

[女子22番 ブローニャ・ザイチク]

 

[女子23番 百科文嘉]

 

[女子24番 ヘラルド]

 

[女子25番 スティレット]

 

[女子26番 綾波レイ]

 

[女子27番 式波・アスカ・ラングレー]

 

[女子28番 エンタープライズ]

 

[女子29番 ガスト]

 

[女子30番 雷電芽衣]

 

[女子31番 ベルファスト]

 

[女子32番 源内あお]

 

[女子33番 天城]

 

[女子34番 綾波]

 

[女子35番 真希波・マリ・イラストリアス]

 

[女子36番 バーゼラルド]

 

 

生存者、残り57名

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