仮面ライダーが鎮守府に着任しました。これより艦隊の指揮をとります 作:reednaoki
という訳で第5話です。約半年?位時間空いたかな…
「ん?」
お盆を渡されて戦艦寮に入って目的地に向かう最中、後方からじーっと見つめられるような視線を感じ振り返ると少女が居た
「…それ」
「あ、これ?戦艦寮にこれを持って行ってくれって言われたから持って来たんだよ」
優しく微笑みながらそう言ったタケル。それを聞いた少女はぴくりと肩を揺らし恐る恐るという感じでこちらを見ている
「君の名前は?」
「……山城」
「山城ちゃんね。見た感じこのおにぎりを食い入るように見てるけどお腹減ってるの?」
図星をつかれたのか山城は視線をさ迷わせるが最終的に行き着くのはやはりお盆に乗せられた大量のおにぎりで
「食べる?」
「え、いや…そんな勝手なこと…」
「いいよ。俺がいいって言ってるんだから誰も怒らないさ」
そう言ってお盆を持ったまま近づき差し出す。山城は本当にいいの…?と言った感じでこちらを見ている
「大丈夫だよ。」
微笑みを崩さずそう言えば山城はおずおずと1つおにぎりを取り食べ始め、ふるふると震え出す
「美味しい?」
「…う、ん…」
ぼろぼろと泣きながらおにぎりを頬張る山城を見てタケルは少しだけ胸が痛くなる。こんなになるまで追い詰められているなんて自分たちの為に戦う使命を受けてくれているのにこんな事があって許される訳がない
おにぎりを2個ほど食べ終えて山城はタケルに向き直る
「…ねぇ、貴方の名前は?」
「俺?俺は天空寺タケル!士さんとおんなじ、仮面ライダーだよ」
仮面ライダー、という言葉を聞いて山城は何か少し考える素振りをしてまっすぐとタケルの目を見据えた
その目は戦いの中で生きてきた、戦士の目ーーーいや、自分がよく知る初めて会った時の”あの人”に似ていて。タケルは少し体を強ばらせる
「…提督から話は聞いてるわ。仮面ライダーにも色々なタイプが居るって。…その、タケルはなんで仮面ライダーになったの…?」
が、みるみるとしりすぼみになっていく声とまずいことを聞いてしまったのでは、というのが目に見て分かるくらい視線を少しだけ逸らされたのでタケルは少しだけ苦笑いを浮べる。多分、話を聞いたら彼女は聞かなければよかったなんて思うかもしれないけどーー隠し事はしたくない。これから長い事関係が続く可能性があるのならいつかは話さなければならない事なのは間違いない。
それが今になっただけだと考えてタケルはすうっと深呼吸をし、お盆を近くにあったベンチに置いて問いかけてみた
「山城ちゃんはさ…戦わなきゃ生き返れないってなったらどうする?」
「…え…?」
その問いかけを聞いた山城は困惑の表情を浮べる。それも仕方ないかと思いながら再び話を始める
「俺さ、何回か死んでるんだよね。仮面ライダーになる前にも、なってからも。俺が仮面ライダーになった理由は幼馴染を救う為…ってのもあったけど15の眼魂を集めて自分を生き返らせる為だよ」
タケルから告げられた言葉を最初は理解出来なかった山城だったが理解が追いつくに連れてその表情は驚愕に溢れ、そして青ざめていった
「まあ、驚くのも無理はないと思う。誰だってこんな話を聞いたそうなるからさ。…だからこの話は言わないようにしてたんだ」
それでもタケルは笑みを崩してからゆっくりと山城に近づき彼女の手を優しくだが掴んだ。痛みを堪えるように顔を顰めた彼女を見て自分の予想は間違ってないと確信しそのまま抱き寄せる
「……でも、君には言わなきゃいけない気がした。守りたいもの為になら自分の命を投げ捨てようとしている君にはね」
「な、なんで…」
「似てる気がしたんだ。…あの時の”マコト”兄ちゃんに」
”深海マコト”ーーー妹を甦らせる為に1度は非常な行為をとったがタケルがその妹の”カノン”を甦らせた事により和解した”仮面ライダースペクター”。
「山城ちゃんさ、もしかしなくてもお姉ちゃんいるでしょ。…それが、俺の知ってる兄妹に似てるような気がしたんだ」
もしこの場にマコト兄ちゃんが居たならば、山城ちゃんに少しは共感したかもしれない。だって彼女は大切な姉を守る為ならば前の提督を殺めてしまう可能性だってあっただろうから
ーーそれで、自分が”解体”される事に繋がると知っていても
「…でも自分の命を投げ捨てるような真似は絶対しちゃダメだ。君の命は”君だけの”物じゃない。…そこで隠れてこちらの様子を伺ってる、君のお姉ちゃんの物でもあるんだから」
きっとマコト兄ちゃんも自分と同じ事を言ってくれるだろう。今のマコト兄ちゃんには身を案じてくれ、大切にしてくれる家族や”友”が居るから
ふと視線を逸らし部屋の扉の隙間からこちらを見ている視線にふわりと笑えば今にも泣きそうなーーー扶桑が出てきた
その身体には傷はあるものの山城の傷に比べればまだ軽いもので。しかしそれは、山城が全てを受けてきたというのを知らせるもので
「……今は俺達が…いや俺が提督だ。2人は絶対に俺が守ってみせるからーーーーだから命だけは、投げ捨てないでくれ」
そう告げれば山城はタケルの胸に顔を埋めてわんわん泣き出し、扶桑もふらふらと近づきタケルを後ろから抱きしめ、消え入りそうな声で問いかける
「本当に、守ってくれますか…?」
「守ってみせる…絶対に」
タケルはそう力強く言って、笑ってみせる。お人好しだと笑われようともこの姉妹を必ず守り抜く。
ーーーーそれが本来提督という者の、あるべき姿のはずだから
「…でさ、山城ちゃん…泣き止んだんなら離れてくれないかな…その、色々とやばい…」
泣き止んで数十分が経つが未だに離れる素振りを見せない山城にタケルは苦笑いを浮かべながら懇願する。冷静になって山城の容姿を見てみればスタイルが良くて…そのふくよかな膨らみがモロに胸板に当たっている
「いやよ」
しかもこの一点張りだ。やれやれと思っていると後ろに居た扶桑が山城をタケルから引き剥がした
「何するんですか扶桑お姉様!」
「タケル提督が嫌がっているでしょう……それに」
ふふっと艶やかな笑みを浮かべた扶桑は山城の耳にこう囁いた
「…彼は貴女のものじゃないの。だから独り占めはしないで?」
「…なっ、なな…っ!?」
聞き取れなかったタケルは首を傾げてその光景を眺めているが「タケル提督はお気になさらなずに」と笑い対する山城はわなわなと震えているので更に困惑するタケル
「…た、例え扶桑お姉様が相手でも…負けませんわ…っ!」
「私だって負ける気はないわよ…?」
バチバチと姉妹間で火花が飛び散る中、当のタケルは何事も無いように「まあまあ」と声をかけておにぎりが乗ったお盆を再び持ち差し出す
「折角これだけあるし俺も一緒に食べてもいいかな?なんか話してたらお腹空いちゃってさ〜」
とへらへらと言うものだから
「「……はぁ〜」」
「へっ!?だ、ダメだった?」
「……いえ、一緒に食べましょうか…」
「……そうね…一緒に食べましょう…」
再び視線を交わして立ち上がり部屋へと向かう途中「…かなりの鈍感ですわ」「…確かに、かなりの鈍感ね」と言葉を交わす。普通であれば気づいてもおかしくないシチュエーションだった筈なのに天空寺タケルという男の頭にはおにぎりしか無かったと来た。自分たちはおにぎりに負けたのか…と思うと気が重くなるが、諦めるつもりは無い
ーーー戦も恋も、諦めたらそこで終わりだから
「「絶対に振り向かせますので、覚悟してくださいね、タケル提督!」」
「え?あ、わかった…でいいのかな…?」
僕が小説を書くと男キャラの大半が鈍感属性が付くのなんでなん?ま、まあ仮面ライダーの主人公って鈍感の奴が多いし、まあいいか←
久しぶりだから結構楽しかったんで1ヶ月以内には投稿したい(願望)