ムゲン牢獄   作:遙方

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いやー、バトル描写って難しい

透明文字って楽しい

因みにこれ時系列は飛び飛びになってます

最終的な時代設定は15年後で、ホップとソニアの息子が10才になってジムチャレンジに挑戦してきたタイミング




――これは夢だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フィールドでダイマックスしてるのは、私のインテレオンとホップのエースバーン。先にバトルに出たのはインテレオンだったから、相性がいいとはいっても不利なのはこっちだ。ただ、二連続でダイストリームを決めれば負けるのはホップ。それは当然ホップも分かっているだろうし、かといってこの作戦以外に打つ手は私にも無い

 

 

「ダイストリーム!」

「ダイサンダー!」

 

 

驚いた。覚えるわけが無いと思って、実際にここまで一回も使ってこなかったでんき技。でもそれより驚いたのは、()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「流石はユウリ、タイプ相性はバッチリだ!…でも、オレは、…今日こそ勝つ!もう一度ダイサンダー!」

「…ダイウォール」

 

 

分かってる。これはただの逃げ。たった1ターンだけ負けを引き伸ばす。勿論、禁忌に近い二連続ダイウォールをするのも手だけど、今は成功するビジョンが湧かなかった。…何より、最後はちゃんとぶつかって勝負を終わらせたい

 

 

「お願い、インテレオン。ダイストリーム」

「決めるぞエースバーン!ダイサンダー!」

 

 

たった3ターンで私の自信は打ち砕かれた。さっきの甘い考えが凄く恥ずかしい。きっとホップは、エース同士の一対一を想定して、考え抜いたんだろう。それに対して私は、ホップに一度も負けたことがないことに驕って、対策を怠った。だからこそ――

 

 

「インテレオン戦闘不能!エースバーンの勝ち!よって勝者、ハロンタウンのホップ!」

 

 

 

「「「「「ワーーー!」」」」」

 

 

 

「ユウリ!」

 

 

バトルに負けて呆然としてる私に、ホップは話しかけてきた

 

 

「初めて、初めてだぞ!ユウリに勝ったのは!」

「…うん、負けたよ。完敗だった」

 

 

私の前で笑顔を見せるホップに、私は涙を見せないように必死でこらえる

 

 

「オレがここまで強くなれたのは、ユウリのお陰だ!ありがとう!」

 

 

そうやって差し出された右手。ずるいよ、そんな言い方されたら、もう涙は止められない

 

 

「ううん、ホップこそ、頑張ってチャンピオンになってね!」

 

 

上手く笑えているだろうか。泣き笑いでひどい顔になっているかもしれない。それでも、ホップの右手を握ろうとして――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――私の右手は虚空を掴んだ

 

 

 

分かっていた、今のは夢だ。今の私はセミファイナルで戦ったスタジアムじゃなくて、自室のベッドに横たわっている。当然、あのとき私のインテレオンは先制されることもダイサンダーを打たれることもなく、二連続ダイストリームでエースバーンを下した。…今の夢は、私が私であるままに負ける為に考え抜いたただの妄想、現実逃避。実際に、ミントとインドメタシンさえ使えば私の控えめインテレオンをエースバーンは抜くことができる。性格補正がなくてもキトサンを使えばダイストリームを耐えることすらできる。ダイサンダーだって技レコードでエレキボールを覚えたら使える。そうやって、やっと考え付いたこじつけに近い理論

 

 

 

「ねえホップ、今年も来ないの?」

 

 

 

ジムチャレンジ挑戦者リストに、今年もホップの名前はない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「約束だぞ!どっちかがチャンピオンになったら、初防衛戦はチャンピオンになれなかった方が相手だ!」

 

「うん!約束!」

 

「…オレはもう、チャンピオンを目指さない。…分からなくなったんだ、チャンピオンを目指す理由が」

 

「そっか。…でも、待ってるからね!」

 

「研究者を目指すことにしたんだ」

 

「ねえ、チャンピオンは?私たちの、約束は?」

 

「ソニアの作るカレーは美味しいんだぞ!一番好きな味だ!ユウリのカレーはなんというか、うーん…」

 

「…私のカレーは苦手だったんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そっか」

 

 

ホップとソニアから届いたのは結婚式の招待状。果たして何才年の差があるか分かってるのかな?正直この紙はビリビリに破り捨てたい。ソニアに向かって泥棒猫って叫びたい。…でも、出来ない。ジムチャレンジ中は凄くお世話になった。お祖母ちゃんの跡を継ぐんだって私たちよりも頑張ってた。尊敬してる。それは今でも。今すぐソニアを殺して、ホップを奪い返したい。でも、ソニアを尊敬している私がそれを赦さない。ずるいよ。もしソニアが顔がいいだけの女だったら私は遠慮なく、躊躇なく、残虐に、痛めつけてやるのに。ソニアへの憎悪と尊敬と嫉妬と羨望と感謝が入り交じって、結局私は動けない。気が付けば私がチャンピオンになってから3年も過ぎているというのに

 

 

「…流石に、参加しないとダメだよね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お久し振りですね。ナックルシティ地下以来ですから、…15年振りでしょうか」

「こちらこそお久し振りです、ローズさん」

 

 

思いもよらない訪問だった。15年前にあの大事件を起こした張本人。少し前に刑期を終えて釈放され、謝罪に来ていたとダンデさんが話していたのを思い出す

 

 

「まず最初に言っておくことですが、私はあの混乱を引き起こしたこと自体は反省しています。ですが、そこへ至った私なりの考えを改める気はありません。今でも諦めていませんよ。無限のエネルギー、いい響きじゃありませんか」

「…わざわざそれを?」

「まさか、それだけじゃありませんよ。…それにしても、貴女の姿は15年前からほとんど変わっていない。まるで15年前で時間が止まったままのようだ」

「…」

 

 

その自覚は当然ある。私は、15年前――正確にはホップに研究員になると告げられた時からほとんど変わっていない。25才と言われればそう見えるし、童顔なのも相まって8才に見えることすらある。マリィにはその秘訣を何度も聞かれたけど、流石に説明は出来ない

 

 

「失恋したからそのまま成長していない、なんて誰が信じるんでしょうね」

「…話はそれだけですか?だとしたら帰ってください」

「これは手厳しい。では本題に入りましょうか。…過去に戻る方法があると言ったら、貴女はこの手を取りますか?」

 

 

浮かしかけた腰を下ろす。ローズさんの提案は、正直言って魅力的だ

 

 

「時空を歪めるほどのムゲンダイナのエネルギー。なればこそ、世界を過去に巻き戻すことすら可能でしょう。勿論、私の協力が不可欠ですが」

 

 

その日、ムゲンコーポレーションは設立された。社長をローズさんが務めることで物議を醸したけれど、監視者として私が責任を取ると言ったことで皆は納得した。勿論これは表向きでローズさんには自由に行動してもらう予定だ




ムゲン団は、ある人にはストライクゾーンど真ん中。ある人には大暴投。まあ人を選ぶってことです
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