東京レイヴンズ~二天龍を従えし者~【本編完結】   作:眠らずの夜想曲

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第10話~法師、それは・・・~

―――鍛練場。

 

 

「このスワローウィップはキミらの霊気を感知すると捕縛するようにできてる。うまく穏行できんと、からめ捕られるでぇ」

 

 

大友……

ぼけー穏行をしていたせいか、スワローウィップに捕まった。

 

 

「はぁ~い、刃くん残念。まだ三分m「ふん!!」…嘘やろ……」

 

 

俺はうっとおしいので力技で拘束を引き千切った。

そしてすぐに穏行をする。

そのまま『絶』を行い、気配も消す。

 

 

「ありえへん……あの拘束を力技で抜け出すなんて……一体どんな体のつくりしとんねん……」

 

 

ありえるんだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――広場。

 

 

「あーいたいた、見てたわよ、ダーリン」

「ん?あぁいたなそういえば」

 

 

やっぱりいたのか。

なんか視線を感じたんだよな。

 

 

「やっぱりばれてたかー。でもあんた以外誰も気づかなかったわねぇ」

 

 

へへへ、なんか恥ずかしいな///

 

 

「穏行の術か……さすが十二神将」

「こんなの基礎中の基礎よ。そんなこともできないなんて、本当に大丈夫なんですかーせんぱーい」

「大丈夫だ、問題ない」

 

 

本当に問題ない。

だって『絶』で完全に気配消せるし。

まぁ『円』を使われるとバレるけど。

この世界は使える人間はいないだろうけど。

 

 

「おまたせ!!」

 

 

京子がやっと来た。

 

 

「随分かかったな」

「女の子は身だしなみに時間がかかるの!!デリカシーゼロ男には分からないでしょうけど。あぁ!!鈴鹿ちゃんじゃなーい!!」

 

 

そう言って鈴鹿に抱き着く。

嫌がってる嫌がってる。

 

 

「にゅ~放せ~!!」

 

 

……かわいい。

 

 

「あれ?天馬は?」

「先に帰ったぜ」

「えぇ?そう言えば元気なかったわよね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――下校。

 

 

「天馬、家の人に何か言われたのかしら?」

「家の人?」

 

 

なぜに家の人が?

 

 

「百枝の家も、陰陽道の旧家で天馬もその跡継ぎだからいろいろとね」

 

 

いろいろとか……

しっかしこの世界も家柄があって面倒だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――俺の部屋。

 

 

!?

なんだこの気配は……かなり……つーかこの気配は蘆屋道満だ。

なぜ?

陰陽塾にいるわけではないな……

でも近くだな。

確認しとくか。

 

 

「夏目、今いいか?」

「何かな?」

「前に渡した指輪とネックレス……ちゃんとつけてるか?」

「う、うん。毎日肌身離さず」

「そうか……」

 

 

なら大丈夫……と言えるか?

ATフィールドは絶対と言っていい程の防御力はある。

それに歩く教会もある。

……それでもこの心配がぬぐいきれないのはなぜだ?

考えても仕方ないか。

 

 

「それならいいんだ」

「どうかしたの?」

 

 

夏目は少し心配そうに俺に訊く。

ここは本当のことを話すべきなのか?

否、話したらまた無茶をする。

話さないほうがいいな。

 

 

「いや、ちゃんと持っててくれているかが心配でな」

「持ってるよ!!だって刃がくれたんだもん」

「そうか……うれしいよ」

「あ……///」

 

 

俺は夏目の頭を撫でる。

夏目は恥ずかしそうに顔をうつむかせた。

 

蘆屋道満……どうしようか?

確かに殺すだけなら簡単だ。

まわりの被害を一切考えなければな。

考えないと、街一つは何もなくなるし……

力がありすぎるのも考え物だな。

 

むーん……

どんどん考えがまとまらなくなっていくな。

 

 

「刃……」

「どうした?」

「い、一緒に寝よ?」

 

 

おっふ……

小首を傾げながら、なおかつ上目遣いは卑怯だ!!

そこまでされて断れるわけがない!!

 

 

「よし、行こう。今すぐに」

「え!?う、うん……」

 

 

俺は夏目と一緒にベットに入る。

 

 

「あのさ、刃」

「なんだ?」

「一人で抱え込まないでさ、僕のことも頼ってよ」

「!?」

「全部一人で抱え込まないでよ。僕だって力になれる。だからさ、もう少し頼ってよ」

 

 

初めてかもしれない。

こんなこと言われたの。

いつも勝手に俺が終わらせてただけかもしれないけど……

ずいぶんと人に頼ることを忘れていたかもしれない。

頼ったとしても圧倒的な力があるレティシアや紅、オーフィスにペストぐらいだ。

その四人が一番付き合いが長いし。

 

もう少し、人を頼ってみるか。

俺はそこまで考えて寝ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――翌日、登校。

 

「こうやって二人で登校するのは初めてかもな」

「そ、そうだね……」

 

 

いやぁ、たまにはこうやって二人きりで登校もいいな。

……視線を感じる。

 

 

「誰だ?って……幼女先輩」

「幼女先輩?」

 

 

夏目は首をかしげた。

 

 

「幼女を愛する者は、永遠の時に生きるの」

「はい?」

 

 

夏目は何を言っているかわからないようだ。

俺はもちろんわかる。

 

 

「この人は幼女好きの幼女先輩だ」

「光栄ね」

 

 

少しだけ頬が赤く染まった。

照れたのか?照れちまったのか?

 

 

「あなたは土御門夏目ね」

「は、はじめまして」

「私は涼。幼女先輩と呼んで」

 

 

それで本当にいいのか!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――教室。

 

 

「大友先生は急用で来られない。いいから席に着きなさい」

 

 

何があった?

あの先生が呼び出されるって……余程のことがないと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――昼休み。

 

 

「え、おまえのとこも先生こなかったの?」

「うん、急用ができたからって……」

 

 

どこからかそんな声が聞こえた。

 

 

「なんか妙じゃない?」

 

 

鈴鹿が切り出してくる。

 

 

「あぁ……」

 

 

冬児も同意見のようだ。

 

 

「ちょっと小耳にはさんだんだけど……実技系教師の授業が、軒並み変更になってるわ。これって……もしかして……」

 

 

もしかするんじゃないか?

そんなことを考えているときだった。

 

 

「おい!!なんだよそれ!!」

 

 

急に騒がしくなったのだ。

 

 

『繰り返し、ただ今入ったニュースをお伝えいたします。本日正午、東京都台東区秋葉原にある陰陽庁庁舎が、何者かによって襲撃を受けました。これは現在の陰陽庁の映像です』

 

 

そこに映し出されたのは、土蜘蛛で攻撃を受けているものだった。

 

 

「嘘……装甲鬼兵が……あんなに!?」

 

 

鈴鹿でも驚きのようだ。

!?

きやがった……

 

 

「やつだ……やつがきたぞ」

「誰だ?やつって」

 

 

冬児が俺に訊いてくる。

俺は答える。

 

 

「蘆屋……道満!!」

「「「「「!?!?!?」」」」」

 

 

全員がその一言に驚く。

始まるのか……

させねぇ……おまえの好きにはさせねぇぞ!!

蘆屋道満!!

 

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