東京レイヴンズ~二天龍を従えし者~【本編完結】 作:眠らずの夜想曲
―――神界。
毎度おなじみのこの世界。
何回も……と言っても、まだ数回だ。片手で数えられる。
ちなみに、ここに来ると俺は創造神の姿に戻る。
「久しぶりじゃのぅ」
「あぁ、数万年ぶりか?」
「うむ、そのくらいたったじゃろう」
前回ここに来たのは『D×D』の世界に行く前だったからな。
そのくらいは余裕で経っただろう。
あそこは『箱庭』と同じで悪魔、天使、堕天使みたいな人外がたくさんいたからな。
俺も長くいたな。
「それで?今回はどうするんだ?」
また前回のように世界を決められていて転生か?
「今回はのぅ、お主に世界を創ってもらってのぅ、その世界に行ってもらおうとおもっているのじゃ」
「ふぅん……え?マジで?」
「うむ、大マジじゃ」
創造神になってかなりの時が過ぎて行ったけど……やっとか。やっと世界の創造か。確かに、小さい世界なら今まで何度も創造してきたけどさ、ちゃんとした世界を創造するのは今回が初めてだ。
「どんな世界がいいかな~♪ど~しよっかな~♪」
「うかれとるところ悪いんじゃがのぅ……創る世界はお主にもわからんよ」
「ほおぇ?」
え?なんで?だって俺が創るんだよ?なんで俺が決められないんだよ。
「実はのぅ、世界の創ることはお主がするんじゃがどのような世界になるかはわしにもわからないのじゃ。今までは世界を創造してからお主を飛ばしておったから、事前に説明できたんじゃが……」
「そうか……」
なるほどね。
自分の好きな世界が創造できない。
でも……
「しょうがないよな。じゃあ、爺さん。早速始めようぜ」
「そうじゃのぅ。ほれ、この球体に手をかざして創造神の力を開放せい」
「あいよ~……ハァァァァァァァァ!!」
力を一気に開放する。
「馬鹿者!!そんなに一気に解放s―――」
最後に爺さんの声が聞こえた。
ここで俺の意識はなくなった。
―――神界、数千年後。
「あ゛ー……なんかすんげぇ寝てたな」
「やっと目を覚ましたか馬鹿者」
目を覚ました?やっと?
「なぁ……俺どのくらい寝てた?」
「ざっと2000年ぐらいかのぅ」
「……そうか」
「そうじゃ。一気に力を開放しすぎじゃ、そのせいでこの世界も少し影響を受けたんじゃぞ」
はぁ……面倒だ。
2000年も寝てるとか……本当に一気に開放しすぎたんだな。
「さて、早速お主をお主が創った世界に送るぞい」
「あぁ、わかった」
「そうじゃった、伝え忘れとったわい。お主の創った世界には『神使』は連れていけないんじゃ。じゃが、月に一度。一人だけ呼び出せる。全員呼び出せるのは一年に一度だけじゃ」
「はいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?!?」
なんだって!?
俺の……俺の希望がッ!!
まぁいい……月に一度だけ会えるならまだましだ。まったく会えないよりだけど。
「それとじゃ、今回はお主の転生する肉体はっもうできあがっとるんじゃ。そしてもう年も取っている。まだまだ子供じゃがな」
「あー……」
容姿に関しては気にしていない。
いくらでも創りかえられるし。
「わかった。そんじゃ、早速頼む」
「うむ……ほれ」
「大丈夫だ、これもいつも通りだ」
爺さんがリモコンのボタンを押す。
すると、いつも通り足元に穴が開く。そして、落ちる。
さて、どんな世界なんだろうか。
―――???。
チリン……チリン……
風鈴の音が聞こえてくる。
まずは自分の姿を確認する。
この手の大きさから……小学生か?
そしてこの格好と風鈴の音、そしてこの暑さから今の季節は夏だな。
今の俺の服はタンクトップに半ズボンだ。
そして……目の前にはかわいい女の子。
これは!?どストライクだ!!
いやぁ、レティシアやペストに初めて会ったときに似ているなぁ。
とりあえず今の状況を整理しよう。
どうやらこの女の子と俺は二人で遊んでいたらしい。
そして、なぜか俺と女の子は向かい合っている。
ふむ、まったくもってわからん。
でも女の子が怯えているのはわかった。
だって、急に俺の後ろに隠れて振るえているんだもん。
女の子は泣きそうな声で俺に声をかけてきた。
「何か、私を見てるの」
何か?
何かってなんだ?
俺は女の子の視線の先を見る。
そこには何もなかった。
いや、何等かの力があるのは感じ取れた。
俺は『写輪眼』を開眼させた。
『写輪眼』力を見ることができるからな。
あらためて見てみると……なんだ?
人のような形だ。
でも……あぁなるほど。
『霊』か。
でもそれを伝えるともっと怯えてしまうだろう。
「そうか……でも大丈夫だ。何があっても俺が守ってやる。怖いものからな」
こう口に出してしまった。
すると女の子はモジモジして、顔を真っ赤にして俺にこう言った。
「私のシキガミになってくれるの?」
「シキガミ?……あぁ式神ね。いいよ、でもキミにも『神使』になってもらいたい」
「シンシ?シキガミと同じ?」
「まぁそうかな」
「ならいいよ。じゃあ、約束だよ?」
女の子は小指を俺に出してきた。
あぁ指切りか。
すごい久しぶりだ。
指切りをするなんて。
そして、答えは決まりきっている。
俺も小指をだして、女の子の小指に絡める。
「あぁ、約束だ」
俺はニカッって笑いながら答えた。
すると女の子も笑顔になった。
そう、この約束がすべての始まりと気づかずに。