東京レイヴンズ~二天龍を従えし者~【本編完結】   作:眠らずの夜想曲

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第18話~・・・闇夜~

―――川岸。

 

 

とりあえず、地面に降りる。

そして、翼をしまう。

マットを創造してそこに夏目を寝かせる。

 

改めて、すべてを試す。

 

『フェニックスの涙』

反応がない。

『フェニックスの涙”極”』

反応がない。

『エリクサー』

反応がない。

『時間を操る程度の能力』

反応がない。

 

手が、尽きたわけだではない。

だが、これはさすがにおかしい。

いくら世界最強の修正力、原作が働いたとしてもここまでは強いはずがない。

誰かが介入したか?

ありえない話ではない。

 

 

「刃!!」

 

 

冬児が声をかけてきた。

そしてこちらに寄ってくるが、俺が羽織っていた烏羽織が寄せ付けない。

冬児に攻撃を仕掛けたのだ。

すぐに烏羽織を脱ぐ。

すると、ものすごい脱力感に襲われる―――が、一瞬で元に戻る。

 

 

「刃……!?」

 

 

冬児が夏目の様子を確認し、静かに俺に呼びかける。

だが、その声には驚愕の色も取れた。

どうしたんだ?

 

 

「おまえ、髪が真っ白だぞ!?」

「え?……あぁ、そうか」

 

 

封印が解けてるんだな。

だから元の髪の色、白銀になったんだろう。

 

次に来たのは、鈴鹿だ。

そして、式神の雪風が来る。

雪風は、悲しそうに鳴く。

鈴鹿はそんな雪風を優しくなでていた。

また気配が増えた……

この気は……あぁ、天馬と京子か。

 

 

「なぁ、冬児」

「なんだ?」

 

 

俺は冬児に声をかける。

 

 

「夏目、どうなってた?おまえの目から見て」

「……死んでるよ」

「そうか……」

 

 

やっぱり死んじまったか……

うーん……こんな気分になるのはいつぶりだ?

あぁ、思い出した。

なじみの分身が死んだのに、本物のなじみが死んだと思い込んでた時以来か。

 

その時だった。

 

けたたましいジープの駆動音が近づいてくる。

それが到達する。

 

 

『陰陽庁祓魔局の霊災修祓部隊だ!!君たちを捕縛する!!』

「刃!!大人しくしてろ!!」

 

 

冬児が大人しくしろと促してくる。

おいおい、馬鹿言っちゃいけないぜ。

 

 

「大人しくするわけないだろ。馬鹿が!!」

 

 

一気に魔力を開放して、ジープを吹き飛ばす。

そして、烏羽織が俺にまとわりつく。

ほぅ、おまえも一緒に来るか。

 

 

「モード、天使」

 

 

背中から翼が噴出される。

その翼を羽ばたかせ、空に飛びあがる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――上空。

 

 

「刃!!落ち着け!!一度下に降りるんだ!!」」

 

 

雪風に乗って追いかけてきた冬児に言われる。

 

 

「刃!!」

 

 

鳥型の式神に乗っている鈴鹿も呼びかけてくる。

そして、前から燕の式神が来た。

名前なんだっけ?

 

 

「呪捜官がいるのか!?」

 

 

冬児が叫ぶ。

呪捜官も行動が遅いからこうなるんだっての。

能力を創造する。

『命令する程度の能力』を創造。

 

 

「邪魔をするなよ」

 

 

この一言で、式神が全て消える。

だが、冬児たちには効果がないことから、冬児たちは邪魔をする気はないようだ。

 

高度を下げて、廃ビルに入る。

しばらくたつと、冬児と鈴鹿が入ってきた。

 

 

「はぁ……なんでついてきちゃうかな」

「今のままおまえを一人にできねぇだろ」

「ハハハ、せっかく世界に全力であらがってやろうと思ったのにな」

「おまえまさか!?」

「ん?あぁ、安心しろよ。泰山府君祭なんてクソみたいな術は使わねぇ」

 

 

この一言に、冬児は驚愕、鈴鹿は何やら思い出すような表情になった。

 

 

「お取込み中失礼するよ」

 

 

急に現れた男が声をかけてきた。

 

 

「うそぉ……お父さん!?」

 

 

絶望したような顔で鈴鹿は呟く。

へぇ……こいつが鈴鹿の親父か。

 

 

「元気そうじゃないか。鈴鹿……ただし、お父さんはいただけないな。自分に対しても、そう安易に呪いをかけるもんじゃない。厳しく言ってきたつもりだが、まだ乙種に対する配慮が拙劣なままだね。気をつけなさい」

「お父さんってのは、ニックネームか何かか?」

 

 

冬児が訊く。

ニックネームではないだろ……

 

 

「ハハハハハ、愉快な発想だが、字通りの意味だよ。自己紹介するよ、私の名前は夜叉丸。生前の名は大連寺至道」

 

 

瞬間、冬児の表情が強張る。

まぁ、生成りにした張本人だしね。

 

 

「まぁ、そう睨まないでよ。私たちは同種の眷属になったわけだし」

「どういうことだ?」

「同じ加護を得たってことさ。さて、北辰王。いや、率直に夜光殿とお呼びしたほうがいいかい?」

「何言ってんだお前。俺は神浄刃だけど」

「では、神浄刃くん。実のところ、君に手を差し伸べるのはもう少し先送りになると思ってたんだけど……」

 

 

何の話をしているんだか……

 

 

「や、刃!!こいつの話、聞くんじゃないわよ!!あいつは双角会の親玉だったんだから!!」

 

 

夜叉丸を指さしながら訴えてくる鈴鹿。

 

 

「鈴鹿、刃くんとは仲がいいんじゃなかったのかい?一緒にいたいのなら、むしろこっちに誘ってくれないと」

「確認したい点が二つある。さっきの式神、お前だな」

 

 

式神……あぁ、燕のやつか。

 

 

「私の仕業だ。こいつで一部始終を見たからね」

「目的は?」

「一番の目的は、ちょっかいを出してみたかったからかな。まぁ、結果は圧倒的だったけどね。しかも本来の力を使わずに」

 

 

……それは夜光の力のことか?それとも神としての力か?

 

 

「わかった……次の質問だ。実は俺たち、蜘蛛丸って式神の名の主とひと悶着あったばかりでよぉ。あんたまさか関係者かい?」

「いかにも。同じ主を抱くものだ。その者は相馬多斬子―――」

「ファーストシール、パージ!!」

 

 

冬児が夜叉丸に特攻する。

だがそれは簡単に止められてしまう。

 

 

「へぇ……おまえの主って多斬子だったんだ。―――死ね」

 

 

瞬時に踏み込み、『念』を発動し、『硬』で拳を最大まで強化して叩き込む。

あっけなく吹っ飛んでいくが、すぐに立ち上がる。

おぉ……すごい耐久力だ。

 

 

「土御門夏目は何の準備もなく死んだ。泰山府君祭をするにせよ、期限はかなり限られていると心得てほしい」

 

 

それだけ言って、夜叉丸は消えて行った。

 

すると、こんどは陰陽庁のヘリがやってきた。

 

 

『祓魔局、第五小隊だ!!土御門刃ならびに阿刀冬児、大連寺鈴鹿!!大人しく投降しろ!!』

 

 

これを聞いて冬児が拳を地面に殴りつける。

違うか?さっきの夜叉丸とのやり取りのせいか?

鈴鹿は頭を抱えて怯えている。

 

そんな鈴鹿に俺は近づき、頭を軽くなでる。

 

 

「ぁぁ……」

 

 

少し声を漏らす。

さて、やりますか。

このまま大人しく掴まってやるのも癪だからな……

 

 

「約束された勝利の剣(エクスカリバー)」

 

 

こいつを思いっきり振ってみますか。

今まで思いっきり振ったことがなかったし、いい機会だろ。

夏目が死んだのに祓魔局の奴らは関係なく突っかかてきやがるし。

このくらいはしてもいいだろ?

ヘリは一機残しておけば十分だ。

 

 

「約束された(エクス)―――」

 

 

腰に構えて、思いっきり力を注ぎこみ、溜める。

そして―――

 

 

「勝利の剣( カリバー)―――!!」

 

 

全力で横なぎに振り向く。

もちろん、鈴鹿や冬児には当たらないようにな。

 

瞬間、ビルが吹き飛ぶ。

俺たちのいたフロアから上が全て消滅したのだ。

 

 

「うひゃー、すげぇ破壊力だ」

「すごすぎだろ!!」

「何そのデタラメな武器」

 

 

冬児も鈴鹿も驚いています。

その後は、大人しくヘリに乗り込んだ。

 

そして、俺は鈴鹿と冬児とは違う場所に連れて行かれた。

まぁ、取り調べって言ってたし。

もちろん、黙秘権を行使させてもらおう(笑)

 

そういえば、夏目はどうなるんだろう。

それに、この世界に明らかに他の奴の介入がされている。

それも気になるな……

まさか爺さんの介入ではないだろうし。

『箱庭』の時は仕方がなかったが……

 

何はどうあれ、問題が山積みだ。

 

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