東京レイヴンズ~二天龍を従えし者~【本編完結】 作:眠らずの夜想曲
―――階段。
「はぁ……しっかりしてくれまったく」
なんなんだこの式神は。
全く持って面倒だ。
勝手に服を脱いでいくし。
「――――――」
「~~~~~~」
二人の女の声がする。
まずいな。
面倒なことになる前に転移しよう。
俺と式神は俺の部屋に転移した。
―――食堂。
「夏目の作った浴室用の簡易式が誤作動して、それを刃が捕まえた。そして人が来た、ね。チツ!!もう少しで面白いことになりそうだったのにな」
「まぁ、そんなかとになったら全員の記憶を消せばいいんだけどね」
「「おいおい……」」
だってそうだろ。
証拠がなければいいんだから。
「つーかさ、部屋に浴室創ったんだからさ、部屋で入ればいいじゃん」
「あぁ……」
「忘れてたんかい!!」
夏目ってなんか抜けてるよな。
「そうだ、久しぶりに遊びに行こう。そろそろ息抜きしないと大変なことになる」
「すまんな、明日は無理だ」
「いや、もともと夏目と行くつもりだったし。デートだし」
「だとよ」
冬児はニヤニヤしながら夏目のほうを見る。
「デ、デート。刃とデート」
―――翌日、俺の部屋。
「夏目、制服はやめようぜ」
「しょ、しょうがないじゃないか!!これしか持っていないんだから!!」
仕方ない、創るか。
今の季節はまだ暑いからな……
白のチノパンに白のシャツ。そして黒の細ネクタイ。
こんなもんだろ。
「ほれ、これを着ろ。制服よりはマシだ」
「あ、ありがと……///」
「俺も向こうで着替えてくるから」
そう言って俺は夏目から離れた。
ちなみに俺の服は夏目の色違いだ。
黒のチノパンに黒のシャツ。そして白の細ネクタイ。
ペアルックとも言えなくもない。
「や、刃?もういい?」
「あぁ、いい……ぞ?」
「ど、どうかな?」
「めっちゃかわいい」
「ふぇ///あ、ありがと///」
最高だ。
もう……最高だ!!
「それじゃあ、行こうか」
「はい♪」
―――東京駅。
「それで?夏目は東京に詳しいのか?」
「え?い、いや……僕はそんなに」
「そうか」
「うん」
どこがいいかな?
服の件は俺がいくらでどうにかできる。
なら今日は楽しんだ方がいいよな。
「なぁ、どこか行きたい所とかあるか?どんな感じのところがいいかとか」
「う~ん……特にないかな」
「そうか、なら秋葉原にでも行くか」
「いいよ」
いいの!?
確かに電気街って認識もあるかもしれないけどさ、オタクの聖地と言っても過言じゃない。
まぁ、俺が用があるのはゲーセンだけど。
―――秋葉原。
「やっとついた~……と言っても数分か」
「あはは……それにしてもすごい人の数だね」
「そうだな、よし。はぐれないように手をつなごう。ほら」
「う、うん!!」
顔を真っ赤にしながら俺の手を握る夏目。
いいねぇ……
「とりあえず、SE○Aに行くか」
「え?それってどこ?」
「こっちだよ~」
―――ゲーセン。
「プリクラでも撮るか」
「プリクラ?なにそれ?」
こいつ……プリクラを知らないだと!?
まぁ、そりゃそうか。
陰陽塾に入ってからろくに遊んでないって言ったもんな。
なら仕方ないか。
「とりあえず、ここに入って~」
「え?え?え?」
有無を言わさず、中に入れる。
そして俺は流れる動作で100円を入れる。
始まった。
背景、フレームを選択する。
光の加減なども。
つうか、機能多すぎだ。
やっと撮影か。
『いくよ~、3、2、1』
カシャ!!
一枚目を取る。
これは普通に二人が並んでいる。
二枚目。
今度は正面から抱き合う。
最後。
キスをしながらだ。
もう夏目の顔は真っ赤だ。
仕方がないので、落書きは全部俺がやった。
丁寧にハサミで切って二等分する。
そしてそれをみてニヤつく夏目。
ま、まぁいいんじゃないか。
そのあとも色々なゲームで遊んだ。
そして昼食を適当なところでとる。
さて、次はどこに行こうか。
―――???。
「ここ……どこだ?」
「ご、ごめん……僕のせいで……」
泣きながら俺に言う。
俺は夏目を抱きしめて、ポンポンと背中をたたく。
「大丈夫だ、安心しろ」
「で、でも……」
まったく、心配性だなぁ……
しかも雨が降ってきがった。
「亜子、みつかった?」
この声は!?
陰陽塾の先生だな?
まずい、このままだとホモのレッテルを張られる。
とりあえず……しかたない。
入るしかないか。
「とりあえず、入るぞ」
「えぇ!?や、刃がいいなら僕もいいけど……」
はぁ、ヤレヤレだぜ。
―――ホテル、部屋。
「………………………」
「なーに緊張してんだ。べつにヤらないといけないわけじゃないだろ」
「そ、そうだけど……」
なにがっかりしてんだよ。
そんなにヤりたいのか。
俺はうれしいけどね。
「そんなにヤりたいのか?」
「ふぇ///い、いや……そこまでは……でも興味は……」
「なら、今日はやめておこう。そのほうがいい」
「そうだね……そうしよ」
そう言って夏目はゴロンとベットの上に寝っころがる。
俺もつられて寝っころがる。
「夏目……」
「刃……」
俺は夏目を背中から抱きしめる。
だが、夏目はすぐにこっちを向く。
ちょうど向き合うようになる。
なんか落ち着くな。
レティシアと似ている。
「すぅ……すぅ……」
「寝てやがんの……」
俺はホッペをつつく。
もちもちだ。
さすが女の子。
俺も少し寝よう……
zzz
―――数時間後。
「きて……起きて刃!!」
「なんだぁ?」
「もう結構時間経ったよ!!それに雨もやんだし……帰ろう」
「そうだな」
俺と夏目は服装を整えて部屋をでる。
む?
あー……これは探知されたな。
下で待機してるやつが居やがんな。
この気は……京子、天馬、冬児、大友先生にあとさっきの女二人。
ちょくせつ部屋に飛んだ方がいいな。
幸い、このホテルは先払いだったしな。
「夏目、手を」
「う、うん」
夏目が俺の手をしっかりと握る。
「転移するぞ」
「へ?」
魔法陣が俺たちを通す。
そこには俺たちの姿はなかった。
―――俺の部屋。
「よっと、ついた」
「す、すごい……本当に刃って何者?」
「……聞きたいか?」
生半可な気持ちで聞いてもらいたくない。
それが俺の本音だ。
「うん……聞きたいよ。刃のことが好きだから」
ここまでまっすぐに言われたら断れるわけがない。
「俺はな……この世界の人間じゃないんだ。転生者ってやつだ」
「へぇ……ってええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?転生!?で、でもそれって……」
よ、よかった……この部屋に防音の結界張っておいて。
「だが、夜光ではない。まぁ、意識がないだけかもしれないが……今こうしておまえと話しているのは神浄刃だ」
「そ、そうだよね!!それならいいんだ」
まだ納得していないようだが、関係ない。
話を進めよう。
「そんでな、俺は色々な世界を回ってきたんだ。一番初めに言った世界は『箱庭』。神仏、悪魔、精霊、妖。さまざまな種族がいた。なかでも力をもって理不尽に振るう奴は魔王と呼ばれて恐れられていた」
「神仏が普通にいる……とても信じられません。よくそんな世界で生きていけましたね……」
確かに……結構キツイ世界だよな、『箱庭』って。
「二番目の世界は『魔法』がある世界だ。でもレーザーとそう言う魔法な。ファンタジー要素はほとんどない」
「…………………」
あ、夏目が……
でもかまわず続ける。
「そして最後。俺が今までいた世界だ。ほれ、しっかりしろ」
「う、うん……よし!!いいよ」
「この世界も『箱庭』と似ていてな、悪魔、天使、堕天使の三大勢力がひしめき合う世界だった。まぁ、同盟結んだんだけどな。この世界ではたくさんの『神使』が生まれたな……」
「え?『神使』って私だけじゃないの?」
あ……言い忘れてた。
「そうだよ、何十人っている。でも安心しろ、この世界にこれるのは月に一度で、全員一気に来れるのは年に一度だけだ」
「そ、そっか……」
「これで俺から話すことはほとんど話した」
「うん……ありがとう刃」
「んにゃ」
俺はそれだけ言って、風呂に入ることにした。
―――風呂場。
あぁ……生き返る。
今日はいろんなことがあったな……
プリクラとれたのは一番うれしかった。
まぁ、ホテルは予想外だったけど。
しっかしここは広くていいな。
まぁ、魔力で空間を創ったんだけどね。
ガラガラガラ
「お、おじゃましまーす」
「夏目?どうしたんだ?」
「い、いや、背中を流してあげようかなって」
おぉ、それはありがたい。
「早速頼む」
「う、うん……」
タオルを使って丁寧に背中を洗ってくれる夏目。
ムニュン
ん?
背中に素晴らしい感触が……
「どうした?」
「あのね……僕うれしかったんだ……刃が秘密を僕に喋ってくれて……」
「俺もよかったよ、夏目に話せて」
「刃はさ、強いよね」
「いや……俺はまだ弱い。本当の意味で強い奴は、俺は少なくてもひとりだけ知っている」
上条当麻だ。
あいつは力が右手しかないのに、それ一本だけで最強クラスの化け物に挑む。
俺はすげぇと思う。
「そう……でもやっぱり一番は刃だよ」
「……ありがとな」
「……………………」
「さて、そろそろ流して湯船に入ろう」
「そ、そうだね」
二人して泡を流す。
そして湯船へ。
「……刃、好きだよ」
「あぁ、俺も好きだよ。夏目」
こんな風に過ごすのもたまには悪くない。