アサシンクリード×コードギアス(仮題) 作:ランドール閣下
リリィの朝は早い。
宛がわれている無駄に広い自室のベッドから起き、欠伸をしながら起きる。
鏡の前で髪を整え、寝巻きを脱いでアサシンの衣装ではなく、アッシュフォード学園の制服に着替え、部屋を出て家族と朝食を共にする。
そんな日常を日々飽きもせずに行うリリィ。
一つ、不満を挙げるとするならば。
「・・・」
「・・・」
「(気まずい・・・)」
母親のミール・シュタットフェルトと姉であるカレン・シュタットフェルトの無言の威圧のぶつかり合いによる朝食のみだ。
ミールはリリィの実母だが、カレンは母親違いで、日本人のハーフだ。
カレンの母親と当主であり、リリィの父親であるアルトンの浮気の末に産まれ、カレンの母親は追い出され、暫くして母方の経済的な理由でカレンはシュタットフェルト家にリリィの双子の姉として引き取られた。
故にカレンが引き取られて家族とありながらミールにとって、浮気相手の子供として憎らしく思われ、カレンも無理矢理引き取られた事と日本よりの考えでとても親子仲が悪く、姉妹であるリリィとも何処か冷たい関係になっている。
「ね、ねぇ・・・お母様、お姉さま。お願いだから少しだけ威圧を下げて貰えませんか?流石に居心地が」
「居心地が悪のだったら早く食べて出なさい」
「そうよ。何で私が貴方に合わせないといけないのよ」
二人はこんなに仲が悪い癖にリリィが何か言えば息を合わせた様な威圧を二人同時にリリィに向けて来る。
昼食や夕食は良い。
全員で揃う事はそうそう無いからだ。
だが、朝食のみ父親のアルトン以外は全員揃う。
悲しい事にどうやってもシュタットフェルト家の令嬢リリィではそれが変えようがないのだ・・・全員、学校や仕事の都合で同じ時間帯で起きるので。
だから、リリィは使うのだ浸け刃の苦肉の策として。
「(早く食べよ・・・)」
朝食を早く食べて早く学園に行く。
それがリリィの残された浸け刃の苦肉の策だった。
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リリィは朝食を済ませていつも通りに学園に通うと、リリィはアッシュフォード学園の生徒会の各部に割り当てる予算審査の予算表を纏めていた。
リリィは黙々と与えられた仕事に打ち込む中、居眠りをするルルーシュが生徒会長で学園長ルーベン・K・アッシュフォードの孫であるミレイ・アッシュフォードから丸められた資料で頭を叩かれた。
「こらぁルルーシュ!貴方寝てたでしょ?」
「だからって頭を叩かないでくださいよ」
ルルーシュがミレイに対して文句を言うと生徒会メンバーの一人であるリヴァル・ガラデモンドからルルーシュを笑いながら指摘する。
「俺を置いていった罰だって」
リヴァルがそう指摘すると、続いて同じ生徒会メンバーの一人であるシャーリー・フェネットからも指摘された。
「そうそう。何やってたのよ昨日。リリィも休んでた訳じゃないのにいなかったし」
「あぁ・・・いや」
「そ、それは・・・」
ルルーシュとリリィはシャーリーからの指摘に言い訳が思い浮かばずにいた。
「はいはい。話を脱線させないの。今は部活の予算審査。とっとと済ませないと何処も予算が降りないでしょ?」
ミレイの言葉に奥でパソコンを操作している生徒会メンバーの一人のニーナ・アインシュタインが反応する。
「そんな事になったら」
「馬術部なんかマジ怒り!まーた此処に突入してきてリリィの怒りを買ったりして」
ミレイはリヴァルの言葉に顔をひきつらせた。
前の予算審査は間に合わず馬術部が馬で駆けて生徒会室に突入してくる事件があった。
生徒会馬術部突入事件と後世に伝わりかねない事件となり、突入と同時に窓を壊した馬術部の部長に対してキレたリリィの容赦ないコブラツイストを食らわせて更に修羅場になり、事件と同時に生徒会で怒らせてはいけない人物としてリリィが挙げられたのは言うまでもない。
「リヴァル・・・あんたも一様生徒会メンバーなんだからぁ」
「せめてもう一日早く思い出して良かったんですよ」
ミレイに対してシャーリーは文句を言うとリヴァルは茶化す様に言う。
「もう一日遅くが正解。諦めがつく」
「良い考えだ。今からでも」
リヴァルの茶化しにルルーシュが乗ると、ミレイが急に声を張り上げた。
「ガァーーーツ!」
ミレイのガッツの張り上げに全員が煩いと思える程の声を受け、一番近くにいたリリィは文句を言いたくなる。
「またガッツの魔法ですか?」
「はぁーい。貴方は頑張りたくなります」
「かかりませんよ。そんなインチキ魔法じゃ」
リヴァルは苦笑いを浮かべ、ガッツの魔法の対象となったルルーシュは否定する
「会長!私、かかった事にしまーす!」
「うーん!肉体派は素直で宜しい!」
「鍛えてるって言って頂かないと・・・!」
シャーリーはそう言って軽くガッツポーズを取る。
「そうじゃなくてさ~。立派じゃん」
「え?」
ミレイの言葉と視線に釣られてリリィはそこに注目すると確かにシャーリーは立派だ。
何処がと言えば立派な山としか言えない。
リリィは自分の胸を見てイマイチ大きくない胸を見て少し落ち込む。
「こないだ女子寮のバスルームで確かめた。トップとアンダーのバランスが良いねぇ~」
「ほほぉ・・・!」
「な、何言ってるんですか!?この、変態!」
シャーリーはそう言って赤面すると、生徒会は笑いに包まれた。
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予算表は何とか間に合い授業へ出る為に生徒会室を出たリリィはルルーシュ達とは別のクラスの為、そこで別れた。
リリィは昨日の件でルルーシュに何かしらのアプローチがあると考えていたが何も無い事に拍子抜けしつつ教室に入ると、新宿ゲットーの話題で持ちきりになっていた。
日本人の虐殺の話題ではなく、都合の付きやすい毒ガスによる事件として処理されたらしく生徒は口々に毒ガスの名前を出す。
その話題の中で、リリィが一つ気掛かりなのはクロヴィス暗殺の件が伏せられていると言う事だ。
「(何で伏せられているのかしら・・・落ち着いたら報道するにしてもね)」
リリィは推測を立てる中、席に着き、授業をする。
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放課後、生徒会の仕事も無いのでリリィは真っ直ぐに帰宅し、シュタットフェルト邸に入り、使用人の出迎えを受けた後、廊下の突き当たりまで進んだ所まで来ると、固定式の燭台を下にずらす様に下ろすと、隠し扉が開いた。
リリィは隠し扉を通り、しっかりと閉めた後、繋がっている隠し通路の階段を降りて進むと、そこには大きな空間があり、壁にはアサシン教団の紋章が絵かれた旗が幾つか付けられている。
「やぁ、リリィ。お帰り」
「只今。ヒロトさん。情報は何もなかった?」
「いや、今回はあるぞ。奥で導師が待ってるぞ」
リリィはそう聞いてヒロトに軽く介錯した後、他のアサシンに挨拶しながら進む中、見知った女性が他のアサシンと話していた。
「只今、お母様」
「帰ってたのねリリィ。お帰りなさい」
そこにいたのはミール・シュタットフェルトその人で、その正体は神聖ブリタニア帝国のアサシン教団の導師だ。
ブリタニアが日本に侵攻して占領してからは日本のアサシン教団がテンプル騎士団に追い詰められ、日本のアサシン教団を守る為にブリタニアのアサシンを動かした。
それが仇となり夫共々、本国から日本に飛ばされたが日本のアサシンを守る事ができ、今はこのシュタットフェルト邸の隠し扉に隠されたアサシン教団のアジトでテンプル騎士団の影を追っていた。。
「お母様。テンプル騎士団の情報を掴んだって聞いたけど確かなの?」
「えぇ。念入りに裏取りもしたわ。間違いなく、この男がテンプル騎士団の一人よ」
ミールはそう言って備えられている画面に写したのは一人のブリタニア騎士の男だった。
「この男はディアロ・デルカルノ。純血派の騎士の一人よ。身分は公爵。表向きは日本人に対して多大な援助をする穏健派な男だそうだけど裏ではリフレインの密売、横領、人身売買。挙げたら切りがない程に腐った男よ」
「純血派なのに日本人に援助?」
「あくまで純血派は軍のみをブリタニア人で構成すべしと唱えているだけ、政治的に言っている訳じゃない。だからこそ、面倒なのよ。虐げる一方で、日本人の支持が高い。本当の正体を知らない日本人の元に暗殺しれたなんて知れたら」
「アサシン教団は間違いなく悪とされる。誰がやったなんて掴ませはしないけど」
リリィの言葉にミールは頷くと、画面を切り替える。
「だから、この男の正体を晒すのよ。奴のやっている悪行を知らしめる事から始めましょう。先ずは・・・この廃工場。リフレインの製造施設になっているの。そこに証拠がある筈。探して貰えるかしら?」
「分かったわ、お母様。任せて」
リリィはそう言って早速、自分に与えられた任務を遂行すべく立ち去る。