アサシンクリード×コードギアス(仮題) 作:ランドール閣下
ミールからリフレインの製造施設に来たリリィは廃ビルの上に立ち、廃工場を見渡していた。
「始めましょうか・・・」
リリィはそう呟いて目をゆっくりと閉じ、見開いて鷹ノ目を発動する。
景色は変わり、廃工場には赤い光が多く集まっており、敵だらけと言うのが嫌でも分かった。
リリィは鷹ノ目の使用を止めると、廃ビルから器用に出っ張りを掴んで降りて行くと、廃工場への潜入を開始する。
リリィは巡回する密造者を瓦礫だらけの地形を利用して上手く潜り込み、時としてアサシンブレードで排除しつつ、中へと潜り込んだ。
廃工場の通路は当然ボロボロではあるが、広い空間のあるこの場所なら密造に確かに打ってつけだった。
リリィは廃工場の奥へと入り込む中、光が見え、リリィはそこに向かうと何人かの密造者がリフレインと思われる薬を箱詰めしていた。
「全く何がノルマだよ。早く帰らせて貰いたいもんだぜ」
「良いじゃねぇか。製造してるのが何なのか知っててやってるが金は弾んでくれんだ。これくらいやってやろうぜ」
「そうだがよ~。此処、最近になって残業続きだしよ。はぁ・・・」
密造者二人は口々にそう言いながら箱詰めを終えて持ち上げようとした瞬間を狙ってリリィは走りだし、密造者の一人をアサシンブレードで突き刺し、更に右腕にも取り付けられたアサシンブレードでもう一人を突く。
密造者二人を倒したリリィはそのまま進み、奥の事務所まで歩こうとしたその時、足音が響き、リリィは咄嗟に隠れると現れたのはテンプル騎士団の一人、ディアロだった。
そしてディアロの後ろから着いて来るように現れたのはフードを深く被った黒い外衣の人物だ。
「ディアロ。首尾はどうだ?予定通り枢木スザクを捕らえ、皇子暗殺の首謀者に仕立てたか?」
「勿論でこざいます副支部長。ジェレミア卿は私が渡した偽の証拠を持って悠々と軍事法廷に掛けるつもりですよ。勿論、偽の証拠だけでは確実とは言えないので検察に判事そして、弁護人も買収する予定です」
「成る程。抜け目無いな」
外衣も人物はそう言うと笑い、ディアロも釣られて笑った。
「枢木スザク・・・?まさか・・・!」
リリィはスザクの名前を聞いて過去の事を思い出した。
スザクはルルーシュ達が日本に来る時に友人となった日本人の少年だった。
終戦の後、ルルーシュ達と別れてからは行方が知れてなかったが、まさかこの場でスザクが出てくるとは思わなかった。
「しかし、宜しかったので?彼は中々に才能がある。騎士団に加えて戦力増強をしても良かったのでは?」
「致し方あるまい。イレヴンいや、日本人のブリタニア兵の中で最もクロヴィスに近づいたのは奴だったんだ。それに日本最後の総理大臣である枢木ゲンブの息子と言う都合の良い出生だった。惜しいが我らの目的の為に死んでもらう・・・時間だ。そろそろ騎士団の集会に行くぞ」
外衣の人物はそう言うとディアロを連れて立ち去って行った。
リリィは隠れ場所から出ると、スザクが何らかの形でクロヴィス暗殺の犯人として巻き込まれてしまった事を悔いていた。
「まさかスザクが・・・でも、今は・・・」
リリィは今は自身に与えられた任務をこなす為に工場の事務所へと立ち入ると、そこには不用心に置かれた書類が置かれており、リリィは書類を手にするとそこからディアロが関わっている案件のみ選別して回収すると事務所から出て、廃工場からの脱出を図る。
リリィが事務所から出て、歩いているといつの間に潜んでいたのか数名の密造者達がパイプやナイフ、銃を手にして現れたのだ。
リリィはこれが罠だと悟ると、サーベルを抜き、身構えた時、何処からかディアロの声が響いた。
「これはこれは・・・アサシンではないか?まさかこんな見え透いた罠に飛び込んでくるとはな?」
「ディアロ!何処にいるの!」
リリィが叫ぶと、ディアロが護衛と共に影から現れた。
「出てきてやったぞアサシン。それで?この状況で私を暗殺するのか?その古臭い仕込み武器で?」
「今回は暗殺が目的ではないけどお望みならその首をかっ切ってあげるわよ?」
「それは遠慮しよう。さて、何処まで聞いていた?アサシンの事だ私と副支部長が来る前にいたのであろう?」
「枢木スザク。貴方達、騎士団が無罪の日本人に暗殺の容疑を掛けようとしているのは聞いたわね」
リリィはそう言うとディアロはやはりかと呟いてリリィの前にやって来た。
今ならアサシンブレードで突き殺せる位置だがその前にリリィを射殺しようとする密造者達がいる。
「取引をしないか?」
「取引?」
「そうだ取引だ。アサシン教団とテンプル騎士団は常に暗闘する宿敵同士。だが、常に殺し合うだけではない、時として手を組む時はあるだろ?」
「確かにアサシンと騎士団の中でそんな事態になった事はある。でもだからと言って貴方と手を組む理由は」
「枢木スザク」
リリィは言い掛けた時、ディアロからスザクの名前を出されて黙った。
「奴をジェレミアから解放しろ。そしたら騎士団の一人の情報を渡そう」
「ディアロ。貴方は騎士団の一人の筈よね?方針に逆らうの?」
リリィはディアロの取引内容に疑問と疑いを持って言う。
「枢木スザク。彼は中々の逸材でな。身体能力と共にナイトメアの操縦も大幅に性能を発揮させて乗りこなした。そんな逸材が死ぬのは少々、勿体ない。それだけだ」
「純血派の癖に日本人を欲しがるのね?」
「純血派に属する事など目的達成の為の土台に過ぎん。我らは目的の為ならどんな手段を使っても、達成する。それだけだ。さぁ、どうする?オマケにお前の持つ証拠もくれてやる。もうそんな物は無意味な物だからな」
ディアロの取引にリリィは暫く考えた後、此処は自身が生き残る為にもディアロの取引に応じる事にした。
「分かった。でも、信用はしていないしこれでアサシンから追われないなんて思わないで」
「分かっているさ・・・さぁ、行け」
ディアロに促されてリリィは立ち去る。
この悪魔の様な取引がどんな事になるのかと不安を抱きつつリリィはミールの元に向かう。