A級1位になればモテるって聞いた   作:あたらんて

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クイズの答えは那須さんです(BBF調べ)。


モテなかったので部隊抜けました

 

懐かしい記憶を思い出す。

2年程前、ボーダーの廊下にて太刀川さんと俺は向かい合っていた。

 

 

「…木村、本当に抜けちまうのか?」

 

「すいません、太刀川さん。でも俺が太刀川隊にいなくたって1位は維持できると思うんです」

 

「そりゃまあできると思うが…お前は普通に強えぞ。もし俺たちに付いていけないとか思ってんなら全然…」

 

「違うんです、太刀川さん」

 

 

違うのだ。そんな理由で俺、木村祐作は現A級1位太刀川隊を抜けるんじゃない。

俺は、ボーダーにモテたくて入ったのだから―――!

 

 

「俺、もっと強くなって太刀川隊に帰って来ます!」

 

「そうか…!」

 

 

でもそんなことを人前で言える程メンタルは強くないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺、木村祐作はかつて同じクラスで同じくボーダー隊員の出水公平に「A級1位の部隊に所属してるとモテるらしいぜ」などということをほざかれて、当時というか今も彼女居ない歴=年齢である俺はものすごい勢いで太刀川さんに土下座し当時有望株であった太刀川隊に所属した。

そもそも入隊時期は俺の方が早いのに何故嘘だとわからなかったのだろうか。全く意味が分からない。過去の俺は直ちに反省して欲しい。

 

まあそれはおいといて出水と俺が入り結成された太刀川隊は当時絶対的な力で君臨していた東隊と覇を競い、1位になることも経験した。

しかしそこで俺を待っていたのは女子からのラブレターと歓声ではなく仕事オンリーであった。

 

俺以外の太刀川隊を整理してみよう。

隊長、太刀川さん。20歳で個人(ソロ)総合ランキング1位の名実共に最強の攻撃手(アタッカー)。が、仕事をしない。まあそれは百歩譲って良い。年上に仕事を押し付けちゃいけないだろう。

 

次、出水公平。俺と同い年で17歳。合成弾を編み出した天才射手(シューター)である。が、何故仕事をしない。同期というか最早入隊時期で言うなら俺の方が先輩なのにこいつの分の事務も全て回ってくる。

 

最後、国近先輩。俺の一つ上の18歳で能力も高くいつも後方支援をしてくれる頼れる先輩である。が、あなたオペレーターでしょ。本来国近先輩がやるべき仕事を片付けている最中にマ○オカートに誘われた時は一瞬殺意が湧いた。

 

このように周りが仕事をしない人材で溢れているため俺は日々仕事に追われていた。仕事、仕事、任務、仕事、太刀川さんのレポートの手伝い、任務、仕事といった具合で回って来る。

当然こんな状態では例えモテていたとして女の子との時間は作れない。

そんな訳で俺は太刀川隊を抜けた。女の子とイチャイチャできないんだったら所属している意味が無い。

 

 

「なのに何故俺は今でも太刀川隊の事務をこなしているんだ…?」

 

「木村先輩!ボクも頑張りますから!まだ1時ですよ!」

 

 

当然の如く午前である。新しくコネで太刀川隊に入った唯我という後輩と共に何故か俺は太刀川隊の隊室で書類の整理をしていた。

 

 

「ちょっと、これ有効急所でしょ!?も~~!」

 

「あの人は…!」

 

「抑えて下さい、木村先輩!あとちょっと、あとちょっとで終わりますから!」

 

 

当てつけのように隣でゲームをやっている国近先輩にキレそうになるが、鋼の心で押さえつける。大体明日というかもう今日は学校が俺も唯我も国近先輩もあるんだが…?

 

 

「もーいい、寝るもんね~。木村、後は頼んだよー」

 

 

は?ちょっとトリガー起動(オン)していいか?

 

 

「ダメです、木村先輩!気持ちはわかりますけど落ち着いて下さいー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局国近先輩も一緒に仕事をやることになり、割とすぐに終わった。その後俺は太刀川隊の隊室で寝て、朝起きて備え付けのシャワーを浴び、学校へ向かう。

 

 

「お、木村じゃん。おはよ」

 

「ファルコンパーンチ!」

 

「ぐべらっ!?」

 

 

つい怒りの拳が出水に炸裂してしまった。

 

 

「じゃあな、出水…お前との学校生活、中々楽しかったぜ…」

 

「いやいや、ちょま!?確かに仕事押し付けたのは悪かったけど柚宇さんいただろ!?」

 

「あの人が手伝うとでも思ったか!いや、最後はちょっと手伝ってくれたけども!」

 

「ほらあー!てかそもそもあの仕事の8割太刀川さんのだから!」

 

 

なるほど。そう言われると出水の罪はそんなに重くないように感じられる。出水を殴りながら頭の中で裁判を起こす。

 

 

「ちょ…そろそろ、殴るの、やめて、もらえると…」

 

「…まあ、こんなもんで許してやるか」

 

 

十分気も晴れたので出水を解放する。

 

 

「いやー、でも木村は仕事が無いと逆にもう辛くなってるだろ?俺は覚えてるぜ?太刀川隊抜けてすぐの変な挙動」

 

 

は?人をワーカーホリックみたいに言わないで欲しい。太刀川隊を抜けた直後はようやくモテると思って毎朝6時に登校して下駄箱と机の中を雑巾で綺麗に掃除していたが別に変な挙動と言う程でもないだろう。

ただ1回もラブレターが入っていたことは無かった。まあ授業終わったら、なんなら授業中から学校を飛び出して近界民(ネイバー)退治に向かっていたら仲良くなる女子なんているわけないのだが。

 

 

「まあA級1位になったらモテるってのはマジだって!お前のことカッコいい~なんて言ってた女子いたぞ?」

 

「マジで!?どのクラス!?B組!?」

 

「食いつきヤバ…」

 

 

今すぐその情報を教えて欲しい。さりげなく近寄って物を落としたり拾ったりして接触を図る。

俺は女子と仲良くなるための作戦を108式用意してあるのだ。まあ一つも実践したことは無いが。

 

 

「まあまた今度な!早く教室行こうぜ!」

 

「おい、ちょ、待てよ!今すぐその女子について詳しく!」

 

 

俺は今すぐその子と仲を深めなくてはいけないんだ!

 

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