A級1位になればモテるって聞いた   作:あたらんて

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新人に先輩風吹かすのは楽しい

 

太刀川隊が今遠征に行っているが、めちゃくちゃ暇である。

いや仕事中毒とかそういうことは全くないと断言するのだが確かにやることが無いとソワソワする。

隊としてではなく自分個人の仕事もあるのはあるのだがすぐに終わらせてしまった。

ランク戦なんかもやったりしているものの一日中やっているとマンネリ化する。

 

 

「という訳で遊びに来ました玉狛支部」

 

「おお、木村くん。どうしたの~?あ、おまんじゅう出すね」

 

 

宇佐美栞が出迎えてくれた。玉狛第一のオペレーターでメガネ好き女子である。

 

 

「今日は餅を持って来たぞ」

 

「おー、それは嬉しいね~」

 

「うさみ先輩、その人は誰だ?」

 

 

宇佐美と話していると、白髪の謎の少年が建物の中から首を出してきた。

 

 

「あ、そう言えば木村くんには言ってなかったね。紹介するから中に入ってよ。ウチに新しく隊員が入ったのだよ」

 

 

宇佐美がメガネを持ち上げながらアピールする。隊員が入ったとは知らなかった。まだ本部で正式に入隊は済ませてはないのだろうがこれから共に戦う仲間である。

いつB級に上がって来るかはわからないが挨拶をしておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それではよろしく。俺は木村祐作。フリーのA級隊員で、高2だ」

 

「A級…!」

 

 

小っちゃい女の子と白髪の少年とメガネ君の3人と対面する。メガネ君は俺のA級という発言に驚いている。気分が良いが、どうせなら女の子に持ち上げられたい。

 

 

「おれは空閑遊真。中学3年生ってヤツだな。よろしく、きむら先輩」

 

「ぼくは三雲修です。ぼくも空閑と同い年でその…一応、B級隊員です」

 

 

空閑は完全に初対面だが三雲という名は聞き覚えがある。確かイレギュラー(ゲート)の解決に一役買った功労者だとか…。

 

 

「そうか、お前があのイレギュラー(ゲート)を何とかしてくれた隊員か!本当に、ありがとう…!」

 

「あ、いえ、あれは全然ぼくの力じゃなくって迅さんとこの空閑が全部やってくれたことでして…」

 

 

誰がやったとかはよくわからんが本当にありがたい。あの時の忙しさは普段と比べても酷かった。太刀川隊の仕事が無いにも関わらず、だ。思わず眼頭が熱くなる。

 

 

「そうなのか、空閑君も本当にありがとう…!」

 

「なあオサム、この人はあれか?頭がおかしいのか?」

 

「いや、よくわからない…」

 

 

おっと。つい感極まってしまったが自己紹介の途中だった。佇まいを直して次の女の子の言葉を待つ。

 

 

「わたしは雨取千佳、中学2年です」

 

 

中2か。残念ながらアウトである。大人しそうでかわいい子ではあるがこの子を口説くのはやめておこう。

残念に思っていると、奥から誰かが出て来る。

 

 

「…あら?木村じゃない。ちょっと何よ、あたし達の弟子に興味あるの?言っとくけど、あたしの遊真はすぐにアンタの弟子なんかぶっ飛ばすぐらい成長するんだからね!」

 

 

何か奥から出てきた小南に弟子で喧嘩を売られた。ぶっちゃけ空閑の実力を知らんから何とも言えないが勉強と違って戦闘を小南が教えられるとは思えん。

 

 

「ふむ。そう言われるのはありがたいのだが…この人の実力がわからんからな。こなみ先輩とどっちが強いんだ?」

 

 

空閑から素朴な疑問が飛び出る。師匠の実力がわからなければ弟子の実力もわからないということだろう。

 

 

「そりゃもちろん俺だ」

「それはもちろんあたしよ」

 

「「……」」

 

 

大きく息を吸って呼吸を整える。頭の中で覚悟を決める。いつでもトリガーを起動できるように腰に手を添えておく。

 

 

「はあああああ!?有り得ないんですけどおお!?ちょっと弟子の前で見栄張りたいからって嘘吐くの辞めてもらっていいですかああ!?」

 

「アンタこそよくそんなことが言えるわね!あたしとどっちがランキング高いのか忘れたのかしら!?」

 

「太刀川さんがいない時に稼いだポイントでよく言うな!俺は今でも毎日太刀川さんとバトってんだよ!」

 

「そうやって太刀川のことを言い訳にするからいつまでたっても4位なのよ!」

 

「はいいい!?大体俺は攻撃手(アタッカー)だけじゃないんだが!?」

 

「それを言うならあたしもメテオラ使ってるわよ!」

 

「お前たち、その辺にしておけ」

 

「…!木崎さん!」

 

 

小南と口論をしていると玉狛の頼れるお兄さんである木崎さんがやって来た。

 

 

「この前ここで10本やったんだろ?その結果でとりあえず決めればいいじゃないか」

 

「「うっ…」」

 

「えーと、前回の木村君対小南ちゃんは…おお!5-5で引き分けだね」

 

「…勘違いしないでくださいよ、こいつと互角とか全くそんなことないですからね?」

 

「は?こっちのセリフよ。次やったら10-0で勝つわ」

 

 

ふざけているのだろうか。何だか周りから生暖かい目線を向けられながらもトリオン体で小南と取っ組み合う。

 

 

「しかしきむら先輩はこなみ先輩と引き分ける程の実力があるのか…」

 

「俺の方が上な」

「私の方が上ね」

 

 

「うむ、少々戦ってみたいものだな…」

 

 

空閑がそんなことを呟くと、小南は苦々しそうな顔をする。

 

 

「…やめておきなさい。せめて、もっとボーダーのトリガーに慣れてからよ」

 

「安心しろよ小南、俺もボーダーに入ったばかりの新人にマウント取るつもりは無いぜ?」

 

 

少し変な言い方だが、恐らく新人が俺と戦って自信を無くすのを防ぐための言葉だろう。流石に俺もA級と新人では力量差があるということを理解している。

 

 

「あんたにウチの弟子が負けるのは納得いかないのよ…あ、そうだ。なら縛りをつけてやりましょうよ。ほら、あんたは何かトリガー1つだけで遊真とやるの。遊真は何でもアリね」

 

 

確かにそれならそこそこ相手になるだろう。新人がトリガーのことをまともに知っているとは思えないが、こちらのトリガー次第じゃ良い相手になりそうだ。

 

 

「よし、何のトリガーを使おうかな…。じゃ、双月貸してくれよ。あれ使ってみたかったんだよ」

 

「へえ、弧月じゃなくて良いの?いや、アンタが良いなら全然いいのよ」

 

 

何か小南がものすごいニヤニヤしながらトリガーを手渡してくる。

 

 

「よし、じゃあきむら先輩よろしくね」

 

「一本勝負よ。それで木村が負けたらしばらくパシるから」

 

「はは、上等だよ。流石にハンデ有りとはいえ新人にゃ負けないな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう一本!もう一本だ小南ィ!新人の癖にあんな強いとか聞いてねえぞ!」

 

「調子乗ってサイドエフェクトまで使わないからそうなるのよ!明日から毎日あたしのところにお菓子を献上しに来なさい!」

 

「なあうさみ先輩、結局きむら先輩はどんな人なんだ?」

 

「ちょっとおバカさんと思っておけば後は小南ちゃんと同じ扱いでいいよ~」

 

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