繋ぐ少女が頑張るというお話   作:色龍一刻

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どうも、黒龍一刻です。

思い付いたので投稿します。
書きたいけど負担が増えていく...
しょうがないよね書きたくなっちゃったんだもんね。

続くかどうかは未定。



01・逃げる少女は対峙する

風切り音の中に異音が通る、咄嗟に手近のマンションに"接続"。

 

そこからぐるりと周囲を見渡し、遠くのビルを捕捉。

 

大雑把にガラス窓を避けて"接続"。

吸着作用の衝撃に備えながら、

ちらりと先ほど着壁したマンションを見る...あ、爆発した。

 

危なかった。

 

 

さっきから立ち上げっぱなしのスマートフォンの電話口に叫ぶ。

 

「警備隊はまだなんですか!?そろそろスタミナ切れるんですけど!」

 

『あーうん、準備はできた。そのまま南東へ1370mほど連れてこれる?』

 

「ただの一般市民を囮に使ってんですかこの鬼畜!物理的に助けに来いや!」

 

未だビルに向けて吸引飛行中だが、ビルとの"接続"を解除。南東方向に急ぐために遠目の電柱に"接続"する。

カクンと吸引力はビル方向から電柱方向へと変わり、加速を再開する。

 

そのすぐ横を、爆発音が連続して響き、通りすぎていく。

爆風での飛行...スピードでは負けるけど方向転換では勝てる...か?

 

『亜音速で移動してる奴等を一般的な警備隊が簡単に捕捉できるか!っていうか何が一般市民だ、"マルチホルダー"なんだったら自力で対処してみせろや!』

 

「非公式"マルチホルダー"ですぅー。あんなカチコチの研究施設にぶちこまれちゃあ生きた心地せんのじゃよ!しかも両方ギリギリRank5!《身体強化》にしても肉体負荷を考えたら今の状態でももう少しで挽き肉になりそうなんですよ!?自滅で!」

 

...もう追い付いて来たか...仕方ない、奴の爆裂予想射程ギリギリで...一瞬強化倍率を上げ、急上昇。

空気を"接続"、脚部の収束強化を施し空間を音速蹴り。

無理矢理かつ一時的な加速だがこれで余裕を作る。

...足と三半規管がヤバイな死にそう。

 

『チッ...めんどくせえなあ...で、ストーカー野郎はどんなレベルだ?下手したら応援呼ばんといけない可能性もあるからな。』

 

「超ショートレンジ。爆発を発生。予想射程は10m程度。爆発を利用して飛行。速度は音速レベル。スピードは負けてる、でも方向転換と身体強化でなんとか引き離してる状態。だからそっち着くのに時間かかるよ!」

 

『強力な干渉・発生系、更に爆発か...Rank6以上は堅いな。よし応援呼ぶぞ俺達だけじゃあ無理だな解散!』

 

「テメーふざけんな死ねと申すか!?」

 

『あー、危なくなったらビースト使いな。睡眠弾はたんまり用意してあるぜ。』

 

「あ、前使ってくれやがった薬はもう効かんぞ。耐性付いた。」

 

『あ"ぁ?』

 

「いや、能力的に起こりうることでしょ予想しててよ。」

 

『チッ...仕方ねえビーストは使うな、最低限ヒーラーは数人呼んでやる。』

 

「りょーかい。そろそろ逃げてるだけじゃあ腹の虫がおさまらなくてねぇ...。」

 

『D_367警備隊副隊長権限による許可。「殺傷に値する可能性の高い能力の使用方及び発動を禁ずる。」を限定解除。絶対殺すんじゃねえぞ!楽にふん縛れるよう半殺しまでだ!』

 

「えー、爆発タイプは相性が悪いよ!直接的な殺傷すら相手は高速だから無理だって!」

 

『いーや、できるね。おめえLvいくつだ?』

 

「........あ、あぶなーい爆撃がすぐそこにもう連絡するひまないなーじゃあねー。」

 

『おい逃げるな弱い弱い詐欺。おい、おいって!...ハァ...気を付けろよ。』

 

 

電話を切る。厳重にコートのポケットにしまいこむ。

 

「勿論。」

 

 

さて、時間稼ぎをしてる内に、周辺の住民の避難も終了。

副隊長から許可も降りた。

海辺まで来たから周辺の被害も最低限に抑えられそうだし_____

 

 

 

「一暴れ、始めますか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紙同士が擦れ会う音とインクの匂いが仄かに鼻を擽る。

 

冷や汗を拭いつつ、前を向けば、青筋が立った隊長様の顔が。

 

「何か弁明はありますか?」

 

「えっと、そのー、久しぶりのことでハッスルしちゃって...ずっと追いかけられてイラついてたし...いろいろ前にもあったのがつもり積もって...です。」

 

「なるほど。」

 

カリカリとペンが滑る音が流れていく。

 

「あっと、そのー、あのー、...すいませんでした。」

 

 

静寂。

 

 

「ハァ...」

 

 

糞デカため息!?

 

 

「まあ、結さんのお気持ちもわかっているつもりです。貴重なマルチホルダーのなかでも例外的に分類されているトリプルスキル。今朝のような襲撃事件や誘拐、ストーカーなど、日常でのもマスコミやら研究者やらの応対でストレスがたまってるのもわかります。」

 

「はい...。」

 

「しかしながら、いくら許可が出ててもッ、手加減したとしてもッ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のはいかがなものかと思われますがッ!」

 

「すいませんでしたぁっ!久しぶりに使えると思って舞い上がってしまって...周りが海だったもので...。」

 

「確かに例外的に分類されているRank8 超能力《切断》。その使用は原則的に禁じられていますから、そのような欲求も理解できますが...冷静な貴女でしたならもう少し柔軟な対応が可能でしたでしょうに。」

 

「ちょっとあの時は肉体的にも精神的にもいっぱいいっぱいで余裕が無くて...」

 

「おおざっぱに手早く半殺し、ですか。全く...誰に似たのやら...。加害者が上手く爆風による相殺式爆破装甲を作っていなかったら死んでいましたよ、彼女。」

 

「そこら辺は反応速度と並列処理、演算領域がカバー出来るだろう爆風による衝撃相殺も計算したので問だ「どこがですか!?現に彼女は治療を受けてますよ!」

 

「倒した後の落下を忘れてました...。」

 

「全く、貴女はそう前からおおざっぱで、後先考えず___...だからこそ____...危険性が問われて___...しっかり影響力も考えることも___...やればできるのだから______」

 

 

 

「十分わかりましたからもう許してぇ....。」

 

 

 

 

 

「はぁ...。」

 

「お疲れのようだな。明日から学校だがそんな調子で大丈夫か?」

 

超能力育成機関(学園)という建前の研究機関でしょ?めんどくさそー...。」

 

「こればっかりは俺達でもどうしようもないからな...まあ高校みたいなもんだ、同年代と一人でもいいから友達作ってこいよ。」

 

「...まあ、頑張る。」

 

「結が危惧していることもわかるが、あいつらは警備員や研究者の前に一介の教師だ。愚直に子供達の味方でいようとする人達だ。心を開けとは言わないが、信用ぐらいはしてやれよ。」

 

「先生がそう言うなら...学校と思って行くよ。」

 

「ならいい。楽しんでこい。」

 

「うん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

2010年。

 

この地球という惑星に、謎の光群が飛来した。

その時から世界は大きく変わってしまった。

数々の生物に、後々『超能力』と呼ばれる能力が発現したのだ。

 

世界は混乱した。

超能力を発現した動植物の暴走。

人間によるテロや戦争。

世界は地獄と化した。

 

 

2015年。

 

血と涙、後悔や恨み、怒りの上に、七人の英雄が立ち上がった。

彼らは全てを鎮圧した。

暴走する生物を駆逐し、戦争を両者が続けることができないレベルにまで破壊した。

超能力を研究、超能力を制御する術を開発、伝授し、超能力によって破壊し尽くされた社会を、枷を造ることで再生し始めた。

学園を作り、新たに生まれてくる幼い能力者達を教育、制御し始めた。

時に起こる、凶悪な超能力による事件も、自身の超能力や、対能力犯罪組織によって解決した。

 

 

そして、2020年。

 

世界は超能力の支援もあり、復興が進んでいる。

超能力を視野に入れた様々な事業も発展が進み、文化水準もジリジリと上がってきている。

 

 

そんな世界。

 

とある少女の、

超能力社会での学園生活の幕が、

今開かれようとしていた。




超能力学園ものを初めて知ったのはweb小説だったけど、今はやっぱり「とある」が思い付くよね。

オリジナルといっても、ちょっとぐらいアイデアを使わせてもらう予定。

主人公は強い能力を持ってるけど通常は契約に縛られて使えない設定。
弱そうな能力で、強い能力に勝つというテンプレなお話は僕には書けません。
おつむが弱いからね思い付かないよねしょうがないよね。

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