感想もらえて気力が回復したのでちゃちゃっと書きました。ありがとうございます。
別作品が煮詰まっちゃてたので気晴らしに書きました。
数十メートルほど歩きながら話を聞く。やっぱりここ滅茶苦茶広い。
「ああ、私の超能力を言って無かったな。《超人化》というものだ。強化・改造系 Rank.9 Lv.8 だ。簡単に言うと、君が持つ《身体強化》の強化版だと思ってくれ。よろしく頼む。」
「...わかりました。よろしくお願いします。」
一礼。数メートル下がり、構え。
先生は露骨に棒立ちのまま。まあ、誘ってるのだろう。
少ない情報だが、先生の能力は純粋な身体強化。ある程度予測できる。
懸念すべきはその速度怪力反射神経等々。
普通なら超遠距離から隠れながらチマチマ削るのが鉄板だがそれはできない。
真っ正面からの激突であれば能力の性能負けで一発KOは確実。
だから、とにかく速さと馬力を削り、同じ土俵まで引きずり落とせ...られないんだよな絶対に。
今この状況では相性最悪。
むりむり場を整える必要がある。
全力で行こう。
_______『開始。』_________
僕と先生の延長線上の壁に"接続"、同時に《身体強化Ⅱ》発動、《接続操作》による"接続"した壁に向かっての吸引力により瞬時に亜音速を突破。
強化してもなお空気抵抗で体が悲鳴をあげるがいつもの事。
拳を握り、腕のみに《
ついでに脚にも《
ギンッっと腕がたんぱく質らしくない軋みを奏でるのを聞きながらの加原先生への全力顔面パンチを放っ______
ザシュッ
つが勿論捌かれるので"接続"を"切断"し、右斜め後ろの壁へ"接続"回避。
なんちゅう腕だ。どっかの戦闘民族みたいな筋肉の塊だ。
..."切断"。天井"接続"。脚を《
「おおっと、驚いたよ真街。ここまで速いとは...Rank.5とは言えない出力だ。」
「皮肉ですかもう...わざと攻撃に対して回避しかしてこないなんて。」
"切断"。足を天井と"接続"。跳躍してくる先生の頭部との延長線上を計算、片足の"接続"を"切断"、同時に床と"接続"し、吸引力で蹴っ飛ばす!
「手加減というやつだね。真街は基本的に超接近型のヒットアンドアウェイ戦法だろう。一瞬のインファイト。覇天とかのとにかく丈夫な奴とは違うのだから、威力の手加減ではなくこっちの方が良いと思ったのだが。」
が、弾かれるのでもう片足の"接続"を"切断"、天井を蹴り、片足の吸引力に身を任せて落下する。
「...とても配慮してるくれているようでありがたい限りです。」
先生も同じように落下してきているようなので地面スレスレで壁を"接続"、脚力を強化し、速度にブーストをかけながら床天井壁と四方八方逃げ回る。
数百メートルの広さも吸着加速+ブーストでは一瞬だ。
「まあ、今は君の本気が見たいだけさ。最初に生徒が何がどこまでできるのか知れなければ意味がないからね。」
できるだけ脚の負担を最小限に抑えながら、機動力を維持しながら殴り蹴りを繰り返すが、ほぼ避けられガードされ、有効打になり得ない。
《超人化》固すぎるし一瞬の加速が速すぎる...
「わかっています。...頑張りますよ。」
だから、今回は____
全ての"接続"の状況確認。
「ふむ。チェックメイトか。」
「ええ、そうですね。」
蹴りに対する横っ腹に回避からのカウンターが決まり、墜落。
直前に天井に"接続"したのでダメージはほぼ無いが、ジーン...と、体全体に痺れるような負荷が残っていた。
もう時間が無い。接続量は心もとないが...仕方がない。
決める。
一拍の呼吸。
先生は未だ空中。
チャンスは今まさに。
《身体強化Ⅴ》発動。
踏み込む脚に《
負担で脚がバラバラにならないよう"接続"で細胞レベルで繋ぎ止める。
踏み込んだ瞬間骨にヒビが入る音がするが、
"接続"で繋ぎ、無理矢理強化された自己再生能力で治癒。
そのまま跳び、腕にも《
接続地点は先生の訓練着。それは両者共に回避不可能を意味する。
腕からは多大な負荷による悲鳴と、代謝による水蒸気が舞う上がる。
「行きます。」
「来い。」
《身体強化Ⅴ》で耐えられる"接続"の出力。
推定マッハ1.6。
音速を越え、ソニックブームと摩擦熱と共に、
秒速500mの拳が先生に突き刺さる!
「ッ!」
凄まじい衝撃波に体が翻弄されるが、音速の吸着作用は的確に先生へと向かう。
"今より見せるは一点突破の瞬間全力"
《
《超拳・護砲》
「迎え撃たせてもらうぞ。」
衝突。
腕がそのまま潰れそうな程の反作用。
なにかが折れる音がする。
大きく弾かれそうな勢いを"接続"で拳を押し込み続ける。
が、
「へ?」
「素晴らしい。だが、
墜落。
視界が歪む、肺から無理矢理空気が漏れる。
真っ直ぐな拳。
第二の正拳突き。
一発は《弾撃》で相殺、そのまま無理矢理押し込んだ。
でも、
「連続パンチは聞いてないですよ...。」
「一発限りの必殺技が普通あるか?」
「あ...無いですね。」
訓練場の床が、いや壁が、天井が揺れる。
未だ先生の訓練着の"接続"は健在。
それは、結の拳だけじゃなく、
「うお...これは...成る程。」
「数の暴力を食らいやがれ。」
およそ3000以上の大小の瓦礫。
先生からは突然全ての壁が雪崩のように押し寄せて来たように見えただろう。
まあ、先生のことだから瓦礫は全て砕かれ僕の敗けは確実だ。
それでも手加減には勝った。それで良しとしようじゃないか。
「おみごと。」
強烈な拳風。
吸着され球状になった瓦礫が爆散する。
この数千にも及ぶ瓦礫の制御上で可能だった、最大出力での"接続"。
音速越えの圧縮攻撃。
それも、全てが砕かれた。
瓦礫が更なる塵と化す。
この状態でも塵には吸着作用が残っているが、数十万の塵の制御をしようとしたら頭が沸騰するので全部"切断"。ドサッと塵というより砂が落ちてくる。
「あー...ありがとうございました。」
墜落時に作った大きなクレーターから這い出ようとするが上手く体が動かない。
「ああ、素晴らしかった。"接続"による吸着作用を利用した加速。足場を砕いて作った瓦礫を使った圧縮攻撃とは...広大とはいえ、この正方形の密室を使った良い攻撃方法だった。途中まで気づかなかったしな。流石はLv.9、戦いながらも数千の瓦礫を怪しくない程度に崩れないよう吸着固定しておくとは...。」
先生がひょいと拾い上げてくれた。片腕で背負われる。
うわ、すごい先生砂々しい...瓦礫まみれにしちゃったもんな...
「...ちょっとばかし演算処理が得意なだけです。その攻撃さえも意味があったかどうか...。」
ボコボコになった床壁天井を見る。ちょっとやり過ぎた。
「いや、今回は相性が悪かった。あとはRank、制御というよりは出力の差だな。これは仕方がない点だ。特に真街は攻撃手段が乏しいからな。そこは武術や道具で補っていっても良いかもしれない。」
「一応考えてはいたんですが、教わったり、超能力専用アイテムの開発の機会に恵まれなくて...ここでも可能なんですね。」
「ああ、ここでは創造系や改造系が多い技術科が存在する。そこで正式とは言えないし、道具の性能も一般的に売り出されているものよりは低い可能性が高いが、無料で道具を作って貰える。あちらさんは発明、制作、改良が授業だからな。性能は技術科の受付で担当と要相談、装着時の情報提供や、希少素材が必要であれば担任とあちらの責任者に許可と少し面倒だが...後々必要になってくるだろう。」
「...ええ、空いた時間に訪問してみます。」
「それが良いだろう。...ああ、訓練着もそこで直して貰えるぞ。勿論無料だ。専門がいるからすぐとはいかないが。」
あー、まあ怪我を防止するための服だからか、一介の生徒がホイホイ直しちゃ駄目か。
「了解です。」
「よし、保険科に向かうぞ。色々負荷が大きいようだからな。」
「結構疲れました。もう今日は動きたくないです。」
「真街の場合、怪我というかより負荷やエネルギー消費の問題のようだから直ぐ回復できると思うぞ。しかしまあ、軽くとは言え何発か入れたが、目立つ損傷が無いな...なにかしらでガードでもしたのか?」
「...防御力強化と同方向の吸着作用による衝撃緩和ですよ。」
「なるほどな...」
次の投稿は別作品が落ち着いた頃になりそうですごめんなさい。
主人公って細胞単位で接続して強化するんなら肉体強化要らなくね?とふと思ったのですが。、
昔の自分が肉体の細胞一つ一つ接続しても細胞自体が潰れちゃ意味ないと書いてあってなるほどーって思いました昔の自分の方が賢いという...