誰が止める事が出来るのか…。
『これは…ガイアメモリ用の強化アダプター!?何処で手に入れた?』
透はコブラの研究所で例のアダプターを
「昨晩襲ったガイアメモリ製造工場のトラックからだ。」
『……そうか、完成してしまったのだな。』
(俺がミュージアムに関わったばかりに、こんなに早く完成してしまうとは。)
原作では外伝作品に出るアイテムであり、本編序盤で登場するような代物では無かった。自分がミュージアムに関わってしまった影響で、開発時期が早まったと流牙は考える。
こうなると、原作にはない事態が発生することはほぼ確実であり、
この先自分の知らない展開が繰り広げられると思うと楽しみ半分、不安半分であった。
(
コブラが思い浮かべるのは一人の若い女性。
この女性の所為で自分が窮地に陥ることは今の彼には知る由もなかった。
『これはガイアメモリの能力を3倍に強化するものだ…他に三つ有ると言ってたな?』
「あぁ、一個はそれ。残りは全部
親の仇を見つけ復讐心を燃やす透。
しかし次の言葉でそれは無意味だと知らしめられる。
『そのスパイダー・ドーパントは偽物だ。』
「は?」
『ダミー・ドーパントだ。いま噂になってる死人帰りの正体は奴だ。お前の父親を殺したスパイダー・ドーパントは過去に仮面ライダースカルに倒され死亡している。』
そのスパイダードーパントが“鳴海荘吉”を知っていたのなら十中八九ダミードーパントだ。スカル自身は覚えていなくても鳴海荘吉の脳にはしっかりと過去の記憶が刻まれており、それを読み取ったダミー・ドーパントがスパイダードーパントに姿を変えたのだろう。
「……そうなのか。なんなんだよ!!」
それを聞いた透は、コンクリートの壁を殴りつけ舌打ちをする。
「っち、気に入らねぇ…アイツのせいで嫌な記憶を思い出しちまった。」
過去のトラウマを刺激したダミー・ドーパントに再び怒りが込み上げた透。バージョンアップの済んだV2ラビットメモリを装置から外し、そのまま出口に向かった。
『行くのか?』
「あぁ、そのトミーだがダニーだか知らないが。俺を怒らせたことを後悔させてやる。」
『ダミーだ。』
流牙は透が研究所から出た事を監視カメラで確認すると
正体を隠すために被っていたヘルメットを外し、ハンガーにかかっているタキシードに手を伸ばす。
「さて俺も行こうかな。悪役達のパーティーへ。」
同日の19時…園咲家では様々な風都の名家や権力者、著名人(殆どはガイアメモリ関係者)などを招待し、聖なる夜を祝っていた。
「風都を震撼させる死者蘇生の噂か。私がプレゼントしたメモリの所為で面白い事になってるなぁ」
「(にゃご〜)」
ダミー・ドーパントが活躍していると知った琉兵衛は上機嫌にミックを撫でながら家族との団欒を楽しんでいた(霧彦をはぶいて)
「今度様子を見に行こうと思いますわ。」
「私も行こうかなー。興味ありますわそのメモリ。流牙もそう思わない…ってあら?」
「?」
自分達の側にいた流牙がいつの間に居なくなり、辺りを見渡す若菜と冴子。
すると窓際で複数の女性に囲まれながら会話を楽しんでいる流牙を発見する。
皆それぞれ色目を使い、一種のハーレム状態になっていた。
爽やかな笑顔を振り撒いている流牙…だが内心はかなり面倒臭そうにしている。
「あらあら、随分モテモテですわね?」
「ふん、園咲家に相応しい人間がそう簡単に見つかるわけないわ。」
流牙を口説いている女性はどいつもこいつも玉の輿狙い。
地球に選ばれた家族の一員になる資格を持つ者はそうはいない。
「ははは、その心配はない。」
琉兵衛は若菜の方に手を置く。
「え?」
「もう既に、流牙に相応しい女性は決めてある。お互い了承済みだ。」
衝撃の事実に二人は驚く。
「流牙の婚約者!?それは初耳ですわお父様?!」
「私からの二人へのサプライズだ。今宵のパーティーに呼んである。」
父が嫁入りを認めた女性とは一体何者なのか、冴子と若菜は興味が湧く。
「ねぇ、流牙様、今度私と一緒にディナーでもいかがですか…勿論二人きりで。」
「いえいえ、私と行きましょう。いいお店知っているの!」
「っちょっとやめてくださる?私が口説いてるのよ?」
「やめなさいアンタ達、流牙が困ってるでしょう?」
「あ、あはは。」
風都を裏で牛耳り、表でも名家として知られている『園咲家』の長男“園咲流牙”
資産目当てか、コネ目当てか、こうして彼を口説いてくる女性は後を立たない。
前世ではモテなかった流牙…立場が違うとこうも女性の態度が変わるのかと、女性不信に陥ってしまう。
それが風都の女なら尚更だ。
「もう、貴方はもっとハッキリ言わないと、いろいろ後悔するわよ?」
「肝に銘じておきます美咲」
母親の様に説教する彼女は幼馴染の
彼女の父親は数多くのガイアメモリ製造工場を牛耳っており、ミュージアム内でもそれなりの地位を持っている人物だ。
彼女自身も幼稚園からの付き合いであり、流牙もそれなりに信頼を置いている人物である。
かなり強気な性格で、小学生の時から流牙の露払いを自発的に行っていた。
だが、流牙も立派な大人となり、玉の輿を狙ってくる女性は日に日に増えていく。今日のクリスマスパーティーも大勢の女性が彼を口説くため、美咲を無視しながら婚活に勤しむ。
「あらあらあら…ワタクシの未来の
会場に圧倒的な存在感を放つ女性が入場する。
その女性の登場に会場はざわめき始める。
「彼女は確か。」
「ああ、園咲家に並ぶ名家“風神家”現風都市長の一人娘である“
「おお、なんともお美しい。」
「へー。風神家の…お父様、あの人が?」
「ああそうだ。」
「あら、見た目は可愛らしいわね。」
ウェーブのかかった綺麗な金髪を靡かせ、高価な黒いドレスを纏った彼女は黒服で強靭な肉体を持つボディーガードを連れ、笑顔を崩さないまま流牙の周りにいる女性達に強い殺気を向ける。
彼女の殺気を感じ取った女性達は顔色青くし流牙の側を離れる。
「蜜葉様…お久しぶりです。」
彼女と目が合い丁寧に頭を下げる流牙。
彼を見た蜜葉は殺気立った雰囲気が嘘のように、明るい笑顔で彼の元へ駆け寄る。
「流牙様!すーごくお久しぶりですわね。最近会いに来てくださらないからとーても寂しかったですわ。」
「研究が忙しかったので。」
「研究熱心の貴方も素敵ですけど、たまには婚約者であるワタクシに構ってくださらないと、イジケテしまいますわ。」
とても親しそうに会話する2人。それを面白くなさそうに見つめる美咲は
「…風神蜜葉」
思わず殺意を蜜葉に向けてしまう。
二人は同級生で親友と呼べる仲だったが…。
「あら、美咲さん。まだいらっしゃったの?夫婦の時間を邪魔するなんて、躾がなってませんこと?」
「夫婦って…貴女いつの間に流牙と…!!」
「ずっと前からですわ。ワタクシが今年で18になったので正式に婚約を認めてくださいましたわ。」
「なんですって!?…私の気持ちを知っていながら…どう言うつもりで私と!」
「…流牙は渡さない!」
美咲は白いガイアメモリを取り出す。
『キャット』
「流牙と私は幼馴染よ!貴女なんかには渡さない!」
メモリを起動すると首筋に生体コネクタが現れ、そこにキャットメモリを挿す。
美咲の体はみるみる怪人の姿となり、三毛猫模様が特徴的なキャット・ドーパントに変身する。
会場にいた招待客はドーパントの登場に一瞬どよめくも、何かのエンターテイメントだと思い、それぞれ観戦し始める。
開催主の園咲琉兵衛も特に止めようとはしなかった。
キャット・ドーパントは爪を立て、殺気を放ちながら蜜葉を睨み付ける。背後に控えていたボディーガードが蜜葉を守るため前に出るが蜜葉は「手出し無用」と彼を引かせる。彼女は怯えるどころか、そんな強硬手段をとった美咲を憐れむ。
「貴女はた・だ・の・幼馴染ですわよね?身の程知らずにも程がありますわー?わたくしは園咲琉兵衛様から直々に園咲家の嫁入りに指名されましたの。貴女とは違い、認められた存在ですのよ?……加賀?」
名前を呼ばれたボディーガードは懐からガイアドライバーとガイアメモリ、そして
流牙は、蜜葉が受け取ったガイアメモリとアダプターを見て眉を顰めた。
(あのガイアメモリは…それに
ドライバーを腰に巻き、ガイアメモリに強化アダプターを装着する。
『
ドライバーにガイアメモリを挿すと、蜜葉の体は電撃を走らせながら黄色いハニカム構造のドレスを着た蜂女_クイーンビードーパントに変身する。
(小説版に登場したクイーンビーのメモリ…それに加えただのドーパントメモリではなくランクの高い
通常のドーパントとは比べ物にならない圧倒的なエネルギーとオーラを放ち、その場にいる誰もが彼女の力を肌で感じた。
「ほぉ、もう既にレベル3に覚醒していたか…。」
その圧倒的な力の前に園咲琉兵衛は愉快そうに感心する。
『はい、お義父様。流牙様に相応しい妻になれる様、花嫁修行は欠かせませんでしたわ。』
「ははははは、流牙は幸せ者だな。」
『っち、なんなのアンタは!!』
キャット・ドーパントはテーブルに置かれた料理を撒き散らしながらクイーンビー・ドーパントに飛びかかる。
『シャァーーーーーーーーー!!』
鋭い爪を使い、黄色のドレスを引き裂かんばかりに切りつける。
『無駄よ?今のワタクシは誰にも傷つける事はできない。」
しかしハニカム構造より強固になった彼女の体を傷つける事はできない…握り拳を作りクイーン・ビードーパントは反撃を始める。
お淑やかさの欠片もない強烈なエルボーを繰り出し、顔面に強烈な一撃を喰らったキャット・ドーパント。
それに追い討ちをかける様に腰につけられた蜂の巣から無数の小蜂が飛び出しキャット・ドーパント襲う。
『っく、がぁーーーーーー!!』
小蜂は鋭い針で彼女の全身を無残に突き刺し、最後は小型爆弾のように自爆し、衝撃によってキャット・ドーパントは会場の窓ガラスを突き破り一階の中庭まで吹き飛ばされる。
『っぐ、っが!!』
小蜂の針は毒針であり全身に毒が回ったキャット・ドーパントは苦しみ出す。
それを嘲笑いながら、クイーンビードーパントは彼女の目の前に降り立った。
『さぁ、これで止めですわね?』
左腕に備え付けられた巨大な針に禍々しいエネルギーを蓄えながら、キャット・ドーパントに止めを刺そうとするクイーンビー・ドーパント。
「これはこれは…なんとも賑やかなクリスマスパーティーですこと。」
「あの娘結構強いわね。私、ちょっとだけ気にいっちゃたかも。」
「でも、これはいくらなんでもやりすぎですよ!」
冴子は皮肉を込め鼻で笑い、若菜は面白そうに観戦する。
対し争いの原因となった流牙は、風都の女達が繰り広げる乱闘にドン引きしながらも「戦いを止めなければ」と、ベランダに出る。
「…修羅場だね?まさか君に婚約者がいたとは。」
すれ違いざま流牙を少し揶揄う霧彦。
「やめてくださいよ義兄さん…まったく。」
ガイアドライバー2を装着しコブラメモリ(ドーパントメモリ)を取り出す。
『コブラ』
ドライバーにメモリを刺し、中庭までジャンプした流牙は
姿をコブラ・ドーパントに変え、クイーンビー・ドーパントの必殺の一撃をコブラロッドで受け止める。
『流牙様!?』
『…流牙?』
『今宵は折角のクリスマスパーティー…皆が楽しむ祝いの場で乱闘騒動とは、いささか品性に欠けませんか?』
『……そうですわね。すみませんでした流牙様…ワタクシ少しばかりはしたなかったですわ。』
(いや結構はしたないぞ!?)
ロッドで針をいなすと、クイーンビー・ドーパントは元の蜜葉の姿に戻る。
そして流牙は毒に犯されている、キャット・ドーパントの額に手をかざしコブラメモリの能力で毒を中和させ、キャット・ドーパントも元の姿に戻る。
『美咲。僕には婚約者がいます…だから君の気持ちに答える事はできない。』
むしろ自分を嫌って、闇深い園咲家とは今後一切関わらないで欲しい。
その思いを込め、流牙は美咲の思いを突き放す。
「…っ!そう…」
力無く立ち上がり、目元に涙を浮かべながら走り去ってしまう美咲。
幼馴染を泣かせてしまい少し胸を痛める流牙を他所に、蜜葉は彼の腕に抱きつく。
「さぁ、流牙様!せっかくの聖夜、今夜はずーっと私と一緒にいてくださいな。」
「あ、あぁ…そうだな。」
(きっとこれで終わりではないだろう。風都の女に関わるとロクな事はない。)
避ける事ができない現実に頭を悩ませ、そして、原作にはない展開に危機感を覚える流牙だった。
ヒロインにしてこの作品のメインヴィラン登場
作者イメージCV
園咲流牙(コブラ)…福山潤
海戸透(仮面ライダールパン)…三木眞一郎
翔太郎の幼馴染といい 荘吉幼馴染といい
風都の幼馴染って何かと厄介よね。
描き溜め終了…次回の投稿は遅めです
登場してほしい平成2期、令和ライダー(外伝執筆の参考にします)
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ドライブ
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ゴースト
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エグゼイド
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