ちなみに、この作品は風都探偵並みに残酷な描写が有りますので、注意です!!
19時30分 風都都市銀行
多くの人が利用し、昼間は賑わいを見せていた店内は今、地獄と化している。
『ハハハハ!』
警報音が鳴り響く店内。
狂気的な笑い声と共に、金庫の中にある現金を鞄に詰める”髑髏顔の怪人“
辺りに血の臭いが充満し、彼が背負っている巨大な大剣の刃は、人間の血液で赤黒く染まっていた。
『さぁ、俺の名前を言ってみな?』
腕をマシンガンに変え、人質である男性職員の頬に銃口を当てる。
「か、かかか、仮面ライダー……?」
銃口の冷たい感触が、死への恐怖をさらに加速させ、男性の顔は真っ青になる。
『ん〜Exactly!この名前を覚えてくれれば、お前は生かしてやるよ…他の奴は……。』
怯える男性職員の頭を撫でながら、紐で縛られている、残りの3人の職員達を見る。
「「「ひぃ……!」」」
生かす人間を決めた髑髏顔は、彼らに銃口を向けた。
『あばよ!!』
『待て!!』
仮面ライダースカルが店内に現れ、すぐさまスカルマグナムWでマシンガンを撃ち、射線を逸らす。
銀行内の状況に思わず息を飲んだスカル。
あちこちに他の職員や警備員達の無残な死体が転がっており、床には赤黒い血の海が広がっていた。
この悲惨な現場を目の当たりしたスカルは、胸にグツグツと怒りが沸き起こるのを感じながら、強い眼差しを髑髏顔に向ける。
『…貴様!』
『ふん、待てと言って……待つかよ!』
『な、よせ!!』
しかし髑髏顔は、縛られた職員達に再び銃口を向けると、今回は躊躇なく無慈悲に引き金を引いた。
彼らは悲鳴を上げる暇もなく、銃弾の雨の餌食となってしまい、彼らはぐしゃりと倒れる。
あちこちに返り血が付着し、スカルの白い顔にも鮮血が付く。
『……なんてことを!!』
『あぁ〜……スッキリした。』
ゴキゴキと音を鳴らしながら、首を回す髑髏顔。
“髑髏”と“生きる屍”の記憶を持ったスカルでも、人を惨たらしく殺した相手には素直に怒りを感じる。
そして、それを止められなかった自分に対しても、同様の感情が込み上げてくる。
(鳴海荘吉だったら止められてただろうか…)
そんな疑問を抱えつつ、スカルマグナムWを持つ手をさらに力強く握りしめ、自分と似た髑髏顔の怪人に銃口を向ける。
『悪いが、あんたはお呼びではないんだよ。』
腕を元に戻し、髑髏顔は血に染まった大剣を取り出し構えた。
スカルは弱点を探るために、彼の容姿をくまなく観察すると、腰に装着されている黒いロストドライバーの存在に気がつく。
『そのドライバー…お前は何者だ?』
スカルの脳裏に自分のドライバーを開発した、流牙の顔がよぎる。
___嫌な予感がする。
『さぁ?俺の名前を言い当てな?』
『なに?』
『ひゃっはー!』
質問の意図を理解する前に、髑髏顔は素早く左腕をライフルに変形させると、特殊な弾丸をスカル目掛けて撃つ。
『っが!!』
炸裂音と共に、弾丸が命中したスカルは勢いよく体が吹き飛び、テーブルの上に転がり落ちる。
高い防御力を持つスカルゾンビであっても、彼の放った“大口径弾“をモロに受ければダメージは入る。
『正解は仮面ライダーでした!』
髑髏顔の怪人……”ドーパントライダー・アームズ“は再び大口径弾をスカルに向けて撃つ。
スカルは転がってテーブルから降り、弾丸を躱すとそのままテーブルをアームズ目掛けて投げつけた。
アームズはそれを大剣で真っ二つに切り裂き、スカルに再び狙いを定めるが、スカルの早打ちでアームズは大きくたじろぐ。
『……っぐ。はは、まずいまずい。まぁ目的は達成したし、ここは逃げるか!』
アームズは腰から手榴弾を取り出し、ピンを抜くと生き残った男性職員の近くにそれを放り投げる。
『まずい!!』
スカルは咄嗟に、男性職員に覆いかぶさると、自らの体を盾とし、手榴弾の爆発から彼を守った。
『奴は!?』
アームズがいた場所を見るも、もう既に奴の姿はない。
ひとまず腕の中で震えている男性職員に声をかける。
『おい、大丈夫か。しっかりしろ』
「うわぁーーー!!来るな!化け物!!」
スカルもアームズと同様、髑髏の顔。
目を合わせた途端、職員はスカルを突き飛ばし、恐怖に歪んだ表情で、スカルを見た。
『……。』
助けたいが、下手に彼を刺激するわけにもいかない……。
丁度よく、パトカーのサイレンが聞こえると、後のことを警察に任せ、スカルは消えたアームズの足取りを追った。
次の日
「コレも該当なし……か。」
鳴海探偵事務所のガレージ
そこでフィリップは『地球の本棚』を使い、ある人物について検索をかけていた。
(彼が組織の人間であるのかは
それは、未だに謎が多い戦士『コブラ』についてだった。
_戦うつもりは無い仮面ライダーW。…むしろ俺は君たちの大ファンだ。_
_ヒーローの手助け、世界平和…なんて言っても信じないだろ?_
胡散臭い言葉を思い返し、あくまでも彼は裏方であると語っている。
(世界平和…もしかして本当に?)
組織と繋がっている時点で警戒するべき人物で間違いないが、もしかしたら信用していい人物かもしれない。
実際、彼が開発したルパンやスカルは、見事に組織の脅威になっており、風都の平和に貢献している。
__それに不思議と、自分の
(勘……か、まるで翔太郎だな。)
信用できる要素は少ない。
だが、以前からコブラについて考察していると、心の何処かで引っ掛かりを感じ、それが検索意欲へと繋がった。
唯一分かった事は、コブラメモリに関することだけで、変身者を特定するには決定的なキーワードが無い。
何かヒントは無いかと、再び考え始めるフィリップ。
「まーだコブラについて検索していたのか。」
相棒の左翔太郎が現れ、ずっとガレージに篭っていたフィリップを心配する。
「ああ。どうしても気になって。」
「知識の暴走特急だな……それに飯、まだ手をつけてねえじゃねーか。食わないと、そのうち死んじまうぞ。」
翔太郎は隠し扉の前に置いてあった亜樹子の手料理をフィリップに渡す。
「そんで……何か分かったか?」
「コブラメモリの性質だけだ。彼の正体や目的を探るには、まだキーワードが足りない。」
「直接会ったのはたったの3回……分かってるのは組織の人間で、ルパンの協力者で、おやっさんを生き返らせた事。世界平和のためだって奴は言ってたけど、どうも胡散臭いんだよなー。組織と繋がってるなら尚更だ……。それにルパンやおやっさんの噂は度々耳に入ってくるが、コブラについてはなーんも無しだ。」
翔太郎が持つ情報網でも、コブラについての噂や情報は何一つ引っかかってない。
2人で悩んでいると、事務所のチャイムが鳴り響く。
「そう言えば今日依頼主が来るんだった……ちゃんと飯食えよフィリップ!!」
そう言い残すと翔太郎は足早にガレージから出るのだった。
「コブラ……君は一体何者なんだ。」
1人ガレージに残されたフィリップ。
ホワイトボード書き込んだ、動物のコブラに関する情報を見つめながら、そう呟くと……。
『ガウー!』
(!?)
ホワイトボードの上にファングメモリの姿が見える。
(まさか、そんな……。)
思わず目線を逸らしたフィリップ。
そしてもう一度ホワイトボードの上を確認すると、既にファングメモリの姿は無くなっていた。
(きっと空腹のせいだ……そうに違いない。)
「風都都市銀行窓口勤務の麻生冬美さん」
亜樹子は依頼主の情報を確認する。
「はい」
「で、ご依頼は?」
事務所を訪れたのは1人の若い女性であった。
翔太郎と亜樹子の2人は彼女を接客席に座らせ、依頼内容を聞く。
「仮面ライダーを探して欲しいんです!」
「「仮面ライダーを?」」
その依頼は人探し……しかも相手は仮面ライダーであった。
「((ふふ))」
すぐ解決出来そうな依頼に2人は密かにニヤける。
「(ちょー簡単な依頼だね。だってここに居るんだもん!)」
「(結構有名になったもんだよなー……俺たちも)」
依頼主の冬美に聞こえないよう小声で話す2人。
どうやって仮面ライダーと引き合わせるのか、段取りを考えようとするも冬美の口から衝撃的な言葉が発せられる。
「仮面ライダーはこの街の敵!憎むべき犯罪者です!!」
「「えぇ!!?」」
2人は思わず声を上げる。
より詳しい内容を冬美に聞く。
昨夜、都市銀行にバイクに乗った強盗が押し入り、現金を盗み出した後、銀行員を殺害し、生き残った者に自らを”仮面ライダー“と名乗った。自分は幸運にも生き残り、この事実を明るみにしたく、探偵に依頼したとのこと。
「……あのクソ野郎。」
小声で仮面ライダーを罵倒する冬美。
亜樹子はその様子を不思議そうに見ていた。
「私告発したいんです……悪の権化『仮面ライダー』を!」
「俺たちの……偽物」
もちろん自分達では無い。
まず初めに怪盗ライダー”ルパン“を思い浮かべるが。
彼はそもそも現金に興味はなく、盗むのは貴重な宝かガイアメモリだけ。何より一般人を殺害するなど彼の行動理念に反する。
その日、翔太郎は直ぐに調査を開始した。
こういった強盗殺人は風都署の刑事である刃野幹夫に聞くのが1番であった。
連絡を入れ、偶然にも今日、銀行強盗があったと言う事で翔太郎もその現場に足を踏み入れることが出来た。
そして実際の犯行現場を目の当たりにした翔太郎は驚愕するしかなかった。
「これが……仮面ライダーの仕業ってのか?!」
支店の銀行だった場所が、もはやそこが銀行だと解らないぐらいにボロボロに破壊されており、もう既に遺体は片付けられているが辺りには血痕などが色濃く残っていた。
「三件だ。生き残ったのは今回もたったの1人。髑髏の仮面ライダーが職員を皆殺しにしたんだとよ。」
髑髏の仮面ライダー……思い当たる人物は1人しかいない。
(おやっさん?!……いや絶対に違う。)
翔太郎はすぐに仮面ライダースカルを容疑者から外す。
「正義の味方気取りがとうとう本性を表したな。髑髏の仮面ライダーがこんなんだから他の仮面ライダーもきっと……」
「犯人は仮面ライダーなんかじゃねー。」
「なに?いいか翔太郎!知り合いだからって隠し立てするなよ。今度あったらタダじゃおかねー。俺がギッタンギッタンにしてからな、逮捕だ!!」
「いや、俺が無実を晴らしてやる……。」
仮面ライダーの名をこんな形で汚した犯人は絶対に許せない。
ぐつぐつと怒りが込み上げ、いち早く犯人を捕まえようと現場を後にしようとする翔太郎。
すると偶然、立入禁止のテープの前で揉めている2人を見つける。
「これはこれは……やはりこの町は刺激に満ち溢れている。」
「ここからは立ち入り禁止ですって!」
「分かっている!だからここからスケッチさせて貰うぞ。あと取材もさせてくれ!」
「いえ、だから困りますよ!」
それは真倉刑事と、初めて見る、スケッチブックを持ったハンチング帽の男だった。
「おいおい、またお前か!不謹慎にも程があるぞ!」
刃野刑事は男の存在に気づくと、呆れながら彼を説得する。
「それは重々理解しているさ。だがこの胸から湧き上がる創作意欲を、自分でも抑えることが出来ないんだよ!」
「刃さん、彼は?」
「あぁ、最近風都に引っ越してきた自称漫画家の……。」
「自称ではない!正真正銘の漫画家『岸野一誠』だ。それにしても流石は風都。少し出歩くだけで、何かしらの事件に遭遇する……ここはネタの宝庫だ、ゾクゾクするね」
年齢は自分と同い年か上くらい、なんだかフィリップみたいな性格だなと翔太郎は素直に思う。
確実に変人であるが事件には関係なさそうだと考え、彼の横を通ろうとすると、岸野は振り向き翔太郎を呼び止めた。
「左翔太郎」
「え、どうして俺の名前を?」
彼とは初対面で、名乗った覚えはない。
だが知ってて当然みたいな態度をとった岸野はスケッチブックを閉じ、それをショルダーバッグにしまうと、胸ポケットから革の手帳を取り出した。
「そんな事はどうでもいい。奴を追うなら工場地帯辺りを調べてみるといい。奴が次現れるとしたらその付近さ。」
「……何故そう言い切れる?」
何にも知らない筈の男から語られる敵の情報。
翔太郎の警戒心が一気に上がる。
「簡単な推測さ。奴の真の目的は金じゃない……前回、前々回と、人殺の快楽に浸りながらも1人は必ず見逃し、自分の名前を覚えさせる。何故そうするか……答えは簡単、『仮面ライダー』の悪評を広め、彼らを誘き出す為さ。」
「何だって?」
「そして次襲うとしたらまた別の銀行……とはならず、これだけ騒がれては警察の巡回も増え、銀行も警備を固めるだろう……次襲うとしたらまだ襲っていない銀行の現金輸送車。……もうすぐその車は工場地帯付近を通る予定だから、狙うとしたらそこの可能性が高い。」
手帳に書かれているのかスラスラと自分の推測を語る岸野。
「……!」
怪しさ満点の男だが、いち早く偽物を捕まえたかった翔太郎は、駆け足でバイクに跨り、工場地帯へ向かう。
それを見送った岸野は自分の手帳に目線を向ける。
(左翔太郎……鳴海探偵事務所に所属する私立探偵。そして風の町『風都』を守る仮面ライダーWの片割れか。)
「やはりこの町は面白い……スケッチはまぁいいだろう。刑事さんまた来ます」
「お、おう……って、もう二度と来るな!!次は公務執行妨害で逮捕だぞ!!」
真倉刑事の騒がしい声を背に、岸野は
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おまけ
ドーパントライダー・アームズ イメージイラスト
岸野のモチーフは分かる人には分かります!
アンケート結果でファング編突入!!
ついでにアームズ描きました!
何故、仮面ライダー名じゃないのか、それは後半で!
だいぶライダーや設定が増えてきました。
設定集(ネタバレ無し)的なものが欲しいかどうか一週間ほど(7/14まで)アンケート取ります。
登場してほしい平成2期、令和ライダー(外伝執筆の参考にします)
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オーズ
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フォーゼ
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ウィザード
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鎧武
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ドライブ
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ゴースト
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エグゼイド
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ビルド
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ジオウ
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01
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セイバー
-
リバイス