Cの陰謀   作:ワタリ3@ぼちぼち浮上

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おもたせしました!
通信制限食らってなかなかなに作業が進まなかったです!


EP20 Fの残光/相棒をとりもどせ! Part1

 

都心から離れた山奥、誰も立ち入る事のない険しい森の中にある鍛錬場で、園咲霧彦は時間の合間を縫い、鍛錬の日々を送っていた。

 

日に日に冷たくなっていく愛妻の視線。

幾度なく仮面ライダーに敗れ、彼女の期待を裏切ってしまった自分を恥じ、名誉を挽回するべく、自分を追い込んでいた。

 

道中様々な障害物やトラップを設置した10キロ程の険しいコース。

静かな風が吹くなか、霧彦はスタートラインに立ち、ナスカ・ドーパントに変身し、本日10回目の道のりを走る。

 

『はぁ…はぁ…超高速!!』

 

森を抜け、より多くのトラップが設置された地点へ近づくと、ナスカ・ドーパントは『超高速』を発動し、疾風のごとくトラップや障害物を巧みに躱す。

 

襲ってくる丸太をブレードで切り裂き、水面を歩き、滝を駆け上がる。

 

謎の戦士『コブラ』によって見破られしまったこの『超高速』

園咲家の一員として。冴子の夫として、より高みを目指さなければならない。

 

全ては最愛の妻のため……と()()()()()()()()()

 

『warning!warning!』

 

しかし、霧彦の思いとは裏腹に、ガイアドライバーから警告音が鳴り響く。

 

『っく!!』

 

流牙が開発したガイアドライバー2には変身者を守るセーフティ機能が搭載されており、この警告音はメモリによる肉体への負荷が、限界値まで達した事を意味する。

 

『うっ!』

 

ちょうどコースの中間地点。

身体に激痛が駆け巡り、思わず足を止めてしまったナスカ・ドーパント。根性で前へ進もうと歩み出すも、変身者を守るべく、ドライバーはナスカメモリを強制排出した。

 

「っが!!」

 

運悪く罠が発動し、ロープが括り付けられた大きな丸太がブランコの様に降ってくると、霧彦の体に激突し、彼は数メートル吹き飛んでしまう。

 

幸い、落ち葉がクッションとなり軽傷で済むも、悔しさで腕を振り上げ、落ち葉を巻き上げる。

 

(超高速を使うたびに時間が短くなっていく。あの仮面ライダー(コブラ)が言ってた様に、私の体もメモリの毒素に蝕まれているのか!?)

 

最初は容易に完走できたコースも、今では中間地点を超えると体が動かなくなる。

コブラの警告が徐々に信憑性を帯びてきている事に、霧彦は顔を顰める。

 

ーーーそう、お前も含めて園咲琉兵衛の餌食になっているんだよ。

 

(私も所詮、園咲家のモルモットに過ぎないのか?)

 

身体中の痛みに耐えながら起き上がると、排出されたナスカメモリを拾い上げ、じっとメモリのイニシャルを眺める。

 

(園咲家に婿入りし、自分の実力がついに認められたと思っていたが……全てはこのナスカメモリの実験の為だったのか?)

 

だが、その証拠は現段階では無い。

むしろ自分を惑わす為にコブラが吐いた嘘では無いのか?

 

蛇は人を惑わすと言う。

 

ここまでくると誰を信じて良いか分からなくなる…。

園咲家で1番仲が良い義理の弟の流牙さえも、疑いの目で見てしまう。

 

(そろそろ冴子が帰る時間だ。せめて私生活は良い夫である様に心がけよう。)

 

ナスカメモリを懐にしまい、帰路に着こうとした時、一匹の()()()()()()が現れ、霧彦の周囲を飛ぶ。

 

見慣れないその小鳥は、妙にも人懐っこく、数秒間飛ぶと休憩する様に彼の肩に止まった。

 

何度も通っているこの鍛錬場だが、一度も見たことのない種類の鳥だった。

 

「やぁ、見ない顔だね?新入りかい?」

 

なんとなく話しかけ、親指で小鳥の頭を撫でようとする霧彦。

しかし、触れた瞬間、親指が小鳥の体をすり抜ける。

 

「!?」

 

霧彦は驚愕し、肩をびくつかせると、小鳥も驚いたのか飛び立ち、光の粒子となって風の中に消えていった。

 

「今のは……いや、疲れているのかな」

 

鍛錬による疲労が見せた幻か、はたまたガイアメモリの毒素の影響か。

 

霧彦は考えるのをやめ、愛する妻の元へ向かう。

 

 

_

___________

 

 

 

ロッドを通してファングメモリの力を全身に宿したコブラ。

 

『うぉぉぉおおお!!』

 

雄叫びと共に、紫だった体色が()()変色し、顔のバイザーには『F』の文字が浮かび上がると赤く発光した。

 

本来はルパン同様、メモリの能力だけを発動するシステムだったが、強力なガイアメモリである『ファング』と流牙の高い適性によってコブラの体にも『牙の記憶』が宿る。

 

 

 

『行きなさい!』

 

 

タブー・ドーパントの号令で襲いかかるマスカレイド・ドーパントの集団。

コブラロッド改め、大鎌のコブラシザースを構えたコブラは、フィリップを守る様に次々とマスカレイド・ドーパントを切り裂いていく。

 

(あのファングを使いこなしている!?)

 

多少気性は荒くなっているが、ビギンズナイトでの自分の様に暴走している様子は無い。

 

『なにぼーっとしてる?時間を稼いでいるから来人は早くリボルギャリーを呼べ!』

 

「……!!」

 

コブラの言葉にハッとしたフィリップは急いで懐からスタッグフォンを取り出し、地下駐車場に停車しているリボルギャリーを操作する。

 

『させないわ!』

 

タブードーパントが妨害しようとエネルギー弾を放つもコブラが壁となりエネルギー刃でタブー・ドーパントの攻撃を相殺する。

 

マスカレイド・ドーパントはまだ数体残っている…。

横目でフィリップの安否を確認しながらコブラはファングメモリのレバーを3回倒した。

 

『ファング!マキシマムドライブ!』

 

『来人……君がファングメモリを使わないのは勝手だ……。だが、そうした場合、誰が犠牲になると思う?』

 

「……」

 

『左翔太郎と鳴海亜樹子だ。君の相棒は逃げろと言ったが……彼らを仲間と思うのなら助け出して見せろ!!ファングならそれが可能だ。』

 

「き、君は知らないんだ!ファングの恐ろしさを!!」

 

『そうか?俺はこうして使いこなしている!!!』

 

エネルギーの蓄えられたコブラシザースを勢いよく横に振るうと、巨大なエネルギー刃が発生し残りのマスカレイド・ドーパントをまとめて切り裂く。

 

『暴走など恐れるな!!何も君1人で変身する訳ではない。何の為のダブルドライバーだと思っている?』

 

「…でも、僕は!!」

 

未だにファングのトラウマを乗り越えられないフィリップ。

その様子にため息をつきながらも、リボルギャリーが向かって来ているのを目視すると、タブー・ドーパントを腕から放つエネルギー弾で牽制し、一本のガイアメモリを取り出す。

 

『世話の掛かる子だ!』『ゾーン!』

 

V2メモリ仕様のゾーンメモリを起動し、腰のマキシマムスロットに挿す。

 

『ゾーン!マキシマムドライブ』

『さて、鳴海荘吉は……見つけた!』

 

 

鳴海荘吉が使用しているダブルドライバーとガイアメモリには発信機が付いており、コブラバイザーでその位置を確認すると、ゾーンメモリの力で、彼の遺体をリボルギャリーの車内へ転送する。

 

 

「お父さんが消えた!?」

 

荘吉の体が消え、それを目撃した亜樹子が驚きの声を上げる。

 

 

 

『いくぞ来人!』

 

『待ちなさい!!』

 

未だに怯えているフィリップを無理やり担いだ瞬間、タブー・エネルギー弾が襲いかかる。

 

しかしその攻撃は、タイミング良く現れたリボルギャリーによって防がれ、2人は乗り込むと急発進し、その場を離脱した

 

目的の人物を取り逃したタブー・ドーパントは変身を解き、悔しそうな声を漏らしながらも、冷静に状況を見極める。

 

「まぁ良いわ。こっちには人質もいる……シャワーでも浴びて待ってましょう。」

 

(さっきの仮面ライダーのドライバーにはコブラメモリが挿さっていた。……これは後で問い詰める必要があるみたいね……()())

 

 

 

 

 

 

 

 

リボルギャリーに揺られ、ロッドからファングメモリを抜き取ると、通常状態に戻ったコブラ。

鳴海荘吉の状態を確認し、目立った損傷が無い事を確認するも、自分の研究室で精密検査しない事には蘇生出来ない。

 

フィリップはコブラがファングを使用した影響か、ビギンズナイトで暴走した記憶が呼び起こされ、相変わらず怯えながら、隅っこで縮こまっていた。

 

 

 

『……。』

「……」

 

 

 

しばらく沈黙が続くも、意を決したのかフィリップが震えた声で言葉を発する。

 

「さっき、君は……僕のことを来人と呼んだ。」

 

女幹部が言っていた自分の本名『来人』

組織と繋がっているコブラが知っていてもおかしくは無いが、彼女とは違い、何処か親しみを込めて名を呼んでいた気がした。

 

「一体君は何者なんだ!!あんな物を作って!君は何がしたいんだ!!」

 

それでもコブラがアームズを強化したことが原因で、翔太郎達に危険が及んだ事に怒り、彼に怒鳴る。

 

コブラは肩をすくめ、申し訳なさそうな声で答えた。

 

『……全ては研究の為だ。』

 

「君も所詮、組織と同じか。」

 

失望という感想が真っ先に思い浮かぶ。

もしかして本当に味方ではないかと、特別な感情を抱いていたフィリップだが、今回の件で落胆する。

 

しかし、コブラは首を振りながら否定し、自分と目線を合わせると、両肩を掴んだ。

 

『違う、俺はいずれ、その罪を精算する覚悟がある。最高の物を作り上げる為に……。』

 

「君のせいで翔太郎達が捕まった!」

 

『それは君達の実力不足だと言わせてもらおう。普通のドーパントであろうとなかろうと、左翔太郎は怒りの感情で冷静さを失っていた。罠である事は、少し考えれば分かる事……どっちにしろ結末は同じだ。……君もそう思うだろ?』

 

確かに自分は相棒(翔太郎)に対し忠告はしていた。

それでも彼は“仮面ライダー”に付けられた汚名を晴らそうと、焦り、敵の魔の手に落ちた。

 

コブラの言い分も分かる。

 

「……。」

 

『武器のエキスパートである『アームズ』に勝つには、巧みな戦略か、()()()()()()()だけ……もう一度言うが、君が迷わずファングを使えていれば今頃彼らを救えてただろう。』

 

そう言いながらコブラは手のひらにライブモードになったファングメモリ乗せる。

 

『……僕には、無理だ。』

 

『君1人ではな……君はもう少し相棒を信じるべきだ。』

 

「……。」

 

(翔太郎を信じろ……という事か?)

 

まだ腰に巻かれているダブルドライバーを通し、意識を送るも、気絶しているだろうか、翔太郎からの返事は無い。

 

『仲間達の“記憶”を思い出せ、自分を見失っても、それが道標になる。』

 

コブラは優しい声をかけながら、フィリップの頭を撫でた。

 

(なんだろう…とても懐かしく思えてくる。)

 

『疲れただろう……今は休め』

 

記憶は無いはずなのに、何処か安心感を覚えるコブラの手のひら。

いつもガレージに篭り、体力があまり無かったフィリップは、ついに力尽き、眠りに落ちた。

 

 

 

 

 

 

フィリップが眠りから覚めると、既にリボルギャリーは事務所のガレージに収容されていた。

 

コブラ達の姿は既に無く、恐らく道中に降りただろうと考えた。

立ちあがろうとすると、スタッグフォンに着信が入る。

 

相手の名は『鳴海亜樹子』

 

「亜樹ちゃん無事かい!?」

 

急いで電話に出ると、彼女は震えた声でフィリップの名を呼んだ。

 

『フィリップ君……全然無事じゃないよー』

『戻ってきなボウヤ』

 

聞き覚えのある男性に変わり、眉を顰める。

 

「……倉田剣児!」

 

『場所は翼町の廃工場……急いだ方がいいぜ?もうすぐお前のお仲間が参加の特別残酷なゲームを始め……『く、来るな!!』』

 

翔太郎の声が割って入る。

 

「翔太郎!!」

 

『絶対に……来るなよフィリップ……俺の事は忘れろ……これも、相棒の忠告を聞かなかった罰だ……っぐ、もし来やがったら、俺たちの仲もそこまでだと……『うるせえな!!!』

 

剣児の声が聞こえた瞬間、翔太郎の痛みにもがく悲鳴がスピーカーから流れる。

 

「翔太郎!!」

 

『死んだら絶交もクソもねーよな?ハハハ……じゃ、あ・と・で♡』

 

さらに強くなる翔太郎の悲鳴。

 

「翔太郎!!翔太郎!!!」

 

フィリップの呼びかけも虚しく、通話は一方的に切られる。

息切れや声の具合から、翔太郎はかなり重症だと分かる。

 

時間がない……だがこれは明らかに罠だ。確実に助け出す有効手段が思いつかないフィリップは途方に暮れるしか無かった。

 

 

 




原作と比べて、翔太郎がかなり重症です!!

登場してほしい平成2期、令和ライダー(外伝執筆の参考にします)

  • オーズ
  • フォーゼ
  • ウィザード
  • 鎧武
  • ドライブ
  • ゴースト
  • エグゼイド
  • ビルド
  • ジオウ
  • 01
  • セイバー
  • リバイス
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