Cの陰謀   作:ワタリ3@ぼちぼち浮上

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めちゃ伸びてびっくりした!評価と誤字報告ありがとうございます!
今回はオリキャラが登場します!苦手な方はバックをお願いしましょう!


EP6 Lが予告/夜風の如く怪盗ライダー Part2

園咲家の一室。

あまり使われていない流牙の部屋に上半身を脱いだ霧彦と、呆れ顔の流牙がいた。

 

「これでよし」

「痛い!?」

 

霧彦の怪我の処置を終え、流牙はあえて怪我の箇所を平手打ちする。

タブードーパントの攻撃(妻のDV)でできた傷を、まともに治療していなかった霧彦に対し、半強引に治療を施した流牙。

包帯や湿布を片づけ、ため息をつきながら自分のベットに座る。

 

「冴子姉様も酷いよね。自分だって逃したくせに、旦那に当たるとは。」

「い、いや。私が不甲斐ないせいだ…冴子は悪くない。」

 

霧彦は叩かれた箇所をさすりながら、脱いでいた上着を着る。

 

暴力を振るわれてもなお(冴子)を庇う霧彦

そんな彼のお人好しさに流牙は再び呆れ「一途だね」と言いながらナスカメモリを見る。

 

「まぁ…確かに、義兄さんはナスカメモリを完全に使いこなせていないのが現状だ。ドライバーの調子はどう?」

 

「いや、全く問題ない。以前のドライバーと比べて体が軽くなる。」

 

「その軽さが問題だけどね。」

 

「え?」

 

「正直、義兄さんとナスカメモリの相性はそんなに高くない。このまま使い続けても精々レベル2止まりだろ。」

 

「な、まさか。そんな事はない!私なら上手く使え…っく」

 

霧彦が咄嗟に反論するも、急に体を動かした事により怪我が痛む。

 

「安心してください。それを何とかするのが僕の役割です。」

 

ナスカメモリを霧彦に投げ渡し、自分の荷物からタブレットPCを取り出す。

 

「ガイアメモリには記憶が内包されているのは知っていますか?」

「あぁ、そんなのは常識だ。」

「その記憶を直接刻むんですよ…脳に」

 

タブレットに保存しているあるデータを霧彦に見せる。

そこに書かれていたのはガイアメモリの記憶を人間の脳に移植するというものだった。

 

「記憶を刻む?」

「人間の脳にメモリの記憶を直接埋め込む事によって、相性とは関係なしに、これまで以上の力を発揮させるというものです。通常の変身方法では比べ物にならないスピードでレベル1レベル2、レベル3…いやそれ以上のレベルまで到達し、ドーパントを超える存在を生み出すことができる…と言う仮説です。」

 

流牙の瞳が霧彦の顔を捉える。

 

「ただドーピングするのでは無い。メモリに内包されている記憶を巡り、感じ、真に理解する事で、ガイアメモリ本来の力が引き出せるのでは無いかと僕は信じてるのです。」

 

「そ、それは危険ではないか?肉体が持たない。」

 

霧彦の反応は最もだ。

つまりはドーパントとは違う、ガイアメモリとの一体化。

膨大なデータ量を生身の人間の脳に刻むのは、どんな悪影響が出るのか分からない。

 

「確かに通常のドーパントメモリだったらそのデータ量と毒素で耐えられないでしょう……この研究で()()()()()は生まれましたが、専用のガイアメモリとガジェットのプロトタイプは完成済み、今は生きのいいモルモット1号が順調にデータを採ってくれてます。」

 

 

流牙の口角が上がる。その表情は新しいおもちゃが手に入った子供の様な無邪気さを感じる。

 

「流牙君?」

 

どこか()()()()()()()()彼に対し、霧彦は心配そうに彼の名前を呼ぶ。

 

「おっとそうでした。今から博物館に行かなければ。」

 

急いでタブレットPCをカバンに戻し、ハンガーにかけていたお気に入りの青紫のネクタイを巻き始める。

 

「あぁ、そういえば風都を賑わせている怪盗から犯行予告が来たんだって?手伝おうか?」

 

「大丈夫ですよ、怪我人は大人しくしてなさいってね。でもありがとうございます。」

「この程度擦り傷てい…おっとと!!」

 

さぁ怪我人は帰った帰ったと言い、そのまま霧彦を部屋から追い出す流牙。

そして完全に霧彦の気配がなくなった事を確認すると、カバンからある物を取り出す。

 

(俺が初めて作った仮面ライダー…君はどこまで戦ってくれるかな?)

 

その手に持っているのは、以前ルパンが手に入れた物と同じBのイニシャルのガイアメモリ。紫色の端子をしているが見た目はWが持つT 1メモリと同じ外見をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

左翔太郎は町中を駆け巡っていた。

仮面ライダールパンに助けられた、もしくは被害に遭ったという人物を伝を頼りに1人ずつ聞き込みを行っていた。

 

そして話を聞けば聞くほど、ルパンに対し嫌な感情が湧いてくる。

 

 

「怪物に襲われたところを助けてくれたのよ!お姫様抱っこされちゃったしかっこよかったなぁ」

 

「とても紳士的だったわぁ、中身は絶対ナイスガイね。」

 

「大きくなったらルパンと結婚するんだー。」

 

「真っ赤な薔薇貰ったの…とても情熱的な夜だった。」

 

「私は彼以上のヒーローを知らないわ!エレガントでゴージャス!私だけのヒーローにしたい!」

 

 

 

 

 

 

「なんてキザったらしい野郎なんだ!」

 

ルパンが現れるのは殆ど夜であり、助けられたという人物は男性に比べ女性の方が圧倒位的に多い。

ついでにその殆どがルパンにハートを奪われていた。

 

園咲若菜が言っていたように乙女のハートも奪っていく罪深い大怪盗だ。

 

彼に対する不満がより一層強くなる。

 

逆に盗難被害に関する情報は少ない。

被害が少ない…と言うよりかは、あまり目立ちたくない裏世界の人間がターゲットにされている事が多く、なかなかに情報が集まらない。

 

そしてようやく1人、ルパンの被害にあったという人物とコンタクトを取る事に成功し、最近オープンした喫茶店で待ち合わせをする事になった。

 

予定より1時間早く到着した翔太郎は、空いた時間を使い、新しくできた喫茶店を知る為にメニューを開く。

 

「いらっしゃいませ。ご注文は?」

 

背の高い青年店員がオーダーをとりにくる。

 

「コーヒー1つ」

「かしこまりました…って翔太郎?」

 

店員は翔太郎の顔を見て驚いた表情をする。

 

「あ?」

「お前、左翔太郎だよな?」

 

タメ口で話している事から自分の知り合いだと考えるが、翔太郎は彼の顔を思い出せないでいた。

 

「悪いが…どちら様で?」

「俺だ。小中一緒だった。海戸透(かいととおる)だよ!」

「海戸…え、あの海戸透か!!?」

 

海戸透…名前を聞いて小、中学校が一緒だった友人と彼の顔が重なり

ようやく思い出すことが出来た翔太郎。

 

「久しぶりだな…マスター、知り合いと話したいから休憩とります!」

 

「いいよぉ。」

 

黒服を来た若い喫茶店の店長は短く承諾する。

 

翔太郎が注文したコーヒーと自分用のカフェオレを置きながら、翔太郎の正面に座った透は翔太郎との再会を喜んだ。

 

「いやーまさかこんな所で再会できるなんて。」

「お前が風都を出て以来だな…いつ帰ってきた?」

「2ヶ月ほど前、本当に最近さぁ」

 

爽やかな笑顔を浮かべたままカフェオレを飲む透。

翔太郎はそんな透を不思議そうに見ていた。

 

「最初見た時全然分からなかったぜ。こう言っちゃ悪いが…昔のお前はもっと暗いイメージがあったが…。」

 

翔太郎が思い浮かべるのは、前髪が長く猫背、いつもおどおどとしていた弱気な少年。しかし目の前にいるには背がすらっと高く、清潔感のある爽やかな好青年であり、昔とは比べ物にもならない程別人になっていた。

 

「あぁ、あの頃の俺は…色々と余裕がなかった。」

昔を思い出し。何処か遠くを見る透

その反応を見て翔太郎は「やべっ」っと言いながら口元を抑える。

 

「わりぃ…そうだったな。」

 

翔太郎は彼の友人だったからこそ、彼の暗い過去を知っている。

父親は死亡し、母親もそれで病んでしまい、透は夢見町に住む親戚に引き取らた。

 

だが透はそんな過去を軽く流せる程に成長している。

 

「なぁにもう昔の事だ気にするな。今は十分充実してる。風都にも帰ってこれたし。友人とも再会できた…今は何をやってんだ翔太郎?」

 

俺は見ての通り喫茶店の店員さ。と付け加えながら翔太郎に質問をする。

 

「あぁ、今は私立探偵だ…っといけね、仕事中だったわ。」

 

翔太郎は店内を見渡し、目的の人物が来ていないかを確認する。

まだ来ていない様だ。

 

「探偵か、そう言えば将来の夢は探偵って言ってた気が…叶ったじゃねーか。調べごとか?」

 

「巷で有名なルパンっつう怪盗ついて、色々聞き込みをしている。」

 

ルパン…その言葉に透は反応する。

 

「ルパン…あぁ仮面ライダールパンね。」

「あぁ、そうだ。何か知ってるか?」

 

透はカフェオレを置き、一呼吸する。

 

「…よく知ってるよ。僕を変えてくれた存在さ。」

「会った事が?」

 

少し間を置いて いいや、と首を振る。

 

「……直接会ったことは無い。なんて言うか…そう、間接的に助けられた。」

「お前もか…全く、そいつのどこが良いんだか。盗人だぞ。」

「そうか?色んな人を助けているみたいだし、正義のアウトローって感じでカッコイイじゃん。」

 

翔太郎は鼻で笑う。

 

「奴のせいで困っている人がいるんだぞ。そんな奴認められるか。」

 

依頼してきた園咲流牙もその1人だ。

仮面ライダーとは人々を助ける存在であり、私利私欲の為に人を困らせるような存在ではない。

翔太郎がルパンを認められない要因の一つである。

 

「そうだ!兄ちゃんの言う通りだ!」

 

突如、一人の強面の大男が翔太郎の背中を叩きながら、翔太郎の意見に同調する。

 

「がははすまんな。話が聞こえてしまって。君が私立探偵の左翔太郎君か!」

「あ、どうも わざわざ来てもらって。」

「なに、ルパンの野郎を捕まえるんだろ?なら喜んで協力するぜ!!」

 

翔太郎が帽子を取り頭を下げる。

 

大男の名は鹿島平助(しかじまへいすけ)。自称不動産業を営んでいる何かと黒い噂が絶えない人物である。あまり表立って行動するような人物ではないが、数日前ルパンの盗難被害にあった事で、逮捕に協力できるなら、と伝を介して翔太郎と会う事になった。

 

透は翔太郎に何か言いたげだったが、仕事の邪魔をしてはいけないと思い休憩を終わらせカウンターに戻る。

 

「問題なければ当時の詳しい状況をお伺いしても?」

 

「詳しいことって言っても、気がついていたら取られてたんだ。」

 

鹿島は当時の事を話す。

 

 

 

 

 

ルパンから予告状が届いてから直ぐに、ターゲットになっている宝を頑丈な隠し金庫に入れ、警備員を倍に増やし、常に厳戒態勢で24時間屋敷を見張った。

 

しかし、犯行当日、世にも奇妙な事が起こった。

 

犯行時刻丁度、奴は屋敷の屋根に現れ

粋にマントを靡かせながら『仮面ライダールパン参上』と高笑いをしていた。

 

警備員が多かった事もあって15分そこらで簡単に捕まえた。

しかし、どうも奴の様子がおかしかった…。

逃げてる最中あんなにおしゃべりだった奴が、捕まった途端一言も喋らなくなったんだ。

 

「何か可笑しい」…そう思った瞬間

ルパンが輝き始め一瞬でウチの警備員に変わったんだ。

まるで初めからそこに居たかのように、一瞬でだ!

 

捕まった警備員の口にはロープが縛られており、それで喋れない状態になっていた。

 

ルパンの正体が警備員?そんなはずがない。

嫌な予感がし、俺は急いで宝がある隠し金庫に向かった。

 

そこにあったのは気絶した見張りと、開けられた金庫。

 

そして宝があった所には「お宝確かに頂いた」というルパンからのメッセージが入った赤いカード。

 

 

 

 

 

 

 

「完全にしてやられたよ。監視カメラはデータごと破壊されていたし、金庫は物理的に開けられた跡はなく、俺しか知らないはずのパスワードで開けられていた…。結局トリックはわからないまま、俺は奴に負けたんだ。」

 

鹿島はぐったりとし目元に涙を浮かべる。

 

「ちなみに…何を盗まれたんですか?」

「詳しいことは言えないが珍しい石さ…綺麗な石だった…あぁ…アレはママに送る予定だった大切なプレゼントだったのにぃ…ごめんよママァ!!!」

 

「…ご、ご協力に感謝します。」

 

うおんうおんと男泣きを始める鹿島。

一人にしてやろう。そう思った翔太郎は足早に会計を済ませる。

 

「じゃ、俺はもういくわ。もし困った事があったらうちを頼りな」

「あぁ、また会おうぜ翔太郎。」

 

透に鳴海探偵事務所の名刺を渡し、店を出る翔太郎。

そんな後ろ姿を透はじっと見えなくなるまで見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鳴海探偵事務所のガレージ

フィリップの精神は無限のデータベースである『地球の本棚』にあった。

 

「キーワード…『怪盗』『仮面ライダールパン』『正体』」

 

地球上にある様々な記憶が本となっている空間。

フィリップは仮面ライダールパンに関する情報を探ろうとキーワードを口にし検索をする。

 

無数の本棚が高速で移動をし、1つの厚い本がフィリップの前に現れる。

 

「ビンゴ」

 

表紙には『KAMEN RIDER LUPIN』と書かれており、仮面ライダールパン関する情報が載っているだろうとフィリップは期待した。

 

…しかし

 

「これは…。」

 

いざ手に取ってみると、本には頑丈な錠前が付いており閲覧する事ができない。

 

「フィリップ戻った…ってもう調べているのか。」

 

翔太郎がガレージに戻ってくる。

 

「あぁ、僕の方でもルパンの正体を調べようとはしたが…。」

「どした?」

「ヘブンズトルネードの時と同じように閲覧不能になっている。」

“ヘブンズトルネード”とは二人のダンサーが生み出した技であり

ある事情でその技を封印した事により、地球の本棚でも閲覧不能となった事例があった。

 

正にそれと同じ事が起きている。

 

「怪盗の正体は…地球の本棚でも秘密って事か。」

「おそらく、彼が使っているガイアメモリの影響だろう。これでは奴の能力を探る事ができない。」

 

怪盗の正体は秘密。

ごく単純な理由だが、理にかなっている。

 

「仕方がない…ルパンの正体や能力はこの際いい…知りたいのは奴の手口だ。」

 

「分かった…再び検索しよう。」

 

フィリップは地球の本棚に入る。

 

「キーワードを」

 

「『仮面ライダールパン』『トリック』『変わり身』」

 

再び大量の本棚が移動し、『LUPIN TRICK』と書かれた本が現れるが…。

 

「だめだ翔太郎…これも閲覧ができない。」

 

その本にも鍵がかかっていた。

 

「仮面ライダールパン関連の記憶はどれも閲覧不能になっているのか…これは思ったより強敵だ翔太郎。」

 

閲覧ができない状況に頭を悩ます2人

翔太郎は鹿島半助の話を思い返す。

 

「どうやってルパンは隠し倉庫の場所が分かったんだ?」

 

屋敷に居ないはずのルパンが、たった数分で隠し倉庫を見つけ出し

宝を盗んでいった。

 

翔太郎は違和感を感じ、ある推測を立てる。

 

「キーワードを変える。「鹿島平助」「警備」…そして「変装」だ」

 

フィリップは翔太郎のキーワード通りに検索し直すと一冊の本が現れる。

 

「ビンゴだ翔太郎。成程…ルパンではなく鹿島平助の盗難事件にアプローチを変えたんだね。」

 

「あぁ、盗難事件の全貌が分かれば、自ずとルパンの能力について目星がつけられる。」

 

フィリップは白紙の本を開き、事件の真相をホワイトボードに書き連ねる。

そして数時間後、フィリップは勢い良く本を閉じた。

 

 

「事件の全てを閲覧した。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほぇー、これがセルメダルかぁ。」

「あぁ、なんでも大層なお宝だからな。しっかり守らないとな』

 

 

風都警察署の刑事『刃野幹夫』と『真倉俊』は風都博物館に展示されているセルメダルを眺めていた。

風都署は現在、様々な盗難事件を起こす仮面ライダールパンの逮捕に躍起になっており、今回の風都博物館への犯行予告を受けてから多くの警官が博物館やその周辺の警備に当たっている。

 

そして今日は予告していた日の当日。

ルパンが現れるのは深夜0時…23時を切った現在、警官達の間に緊張が走る。

 

「しっかし、警備は厳重ですけど…こんなに堂々と置いていいんですかね?」

 

セルメダルの展示場所は移しておらず、見通しの良い部屋の真ん中にゲージがぽつんと置かれている状態だった。

 

「安心してください。それは偽物です。」

 

真倉の質問に答えながら、いつもの紫色のネクタイを巻いた流牙と彼に付いていた亜樹子が現れる。

「流牙君!現場に来たら危ないよー」

 

「大丈夫です亜樹子さん…父に館を任されている以上、私も現場でコレを守る責任がありますから。本物は地下倉庫に厳重に保管してあります。」

 

「って言うか、亜樹子ちゃんがいるって事は、探偵も来るのか?」

 

うげーと嫌な顔をする真倉。

 

「そうなんだけど、犯行当日なのに連絡が着かなくて…。」

 

翔太郎は犯行当日にも関わらず昼間から連絡がつかないでいた。

 

「翔太郎…そいつは心強いな。」

 

トレードマークであるツボ押し器を肩に掛けながら腕時計を見る刃野。

 

「何言ってんですか!こんな大事なこと一般人に任せて…刑事としてプライドが。」

「まぁいいじゃないか。人手は多い方がいい。」

 

翔太郎とは何かと不仲な真倉。

彼が関わることに猛反対するも刃野が宥める。

 

「でも翔太郎君いつ来るんだろう…。もう時間だよ…。」

 

犯行時間まであと3分。

警官達の警戒度が一気に上がり部屋が緊張に包まれる。

 

博物館の振り子時計、その音が響き渡るほど辺りは静かになる。

 

 

そして深夜0時を知らせる鐘の音。

 

 

「ルパンは見えるか?」

 

一人が外を見張る警官に無線連絡をする。

 

『いえ、見えま…ザザザ』

 

無線にノイズが走る。

 

「おい、どうした。」

 

無線に不具合が発生したその瞬間。

シューと空気が抜けるような音と共に辺り一面、白い煙に包まれる

 

「な、煙幕!?」

「あぁ!目がぁ!!」

「マズイ!窓を開けろ!!」

 

警官達は急いで部屋の窓を開け空気を入れる。

風が入りようやく白い煙が晴れるも…。

 

 

「あぁ!!メダルがない!!」

 

亜樹子がメダルがない事に気く。

メダルがあった場所には赤いカードが置かれており

 

『セルメダルは確かに()()。』というルパンからのメッセージが添えられている。

 

『ルパンを敷地内で発見!現在逃走中!』

 

無線が復活し、ルパンが現れたという連絡を受信すると刃野は窓の外を見た。

そこには複数人の警官に追いかけられている仮面ライダールパンの姿があった。

 

「ルパンだ!奴を追え!」

 

「「「はい!!」」

 

声を荒げ部屋にいる警官に指示をする刃野

外に向かう警官を追いかけるように真倉、亜樹子、流牙も部屋から出るが

 

「あれ刃野刑事!何処へ?!」

 

別方向に向かう刃野に気づく流牙。

 

「俺は本物を見てくる、お前達はルパンを追ってくれ!」

 

「あ、はい!倉庫は突き当たりの階段を右に下ってください!」

返事をし、再び外へ向かう流牙

亜樹子は現れない翔太郎に再び連絡を入れようと携帯電話を取り出すと

 

「翔太郎君何処いっちゃたのよぉーもー…お?」

 

携帯電話に着信が入る。しかし相手は翔太郎ではなく

 

「フィリップ君?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「刃野刑事!」

「ルパンが現れた!お前達も早く追うんだ!」

「はい!」

 

刃野は博物館に残っている警官に外に向かうよう声を掛けながら、急足で地下に向かっていた。

 

階段を下り、倉庫近くまで来た刃野の目の前にある人物が現れる。

 

「…翔太郎?」

 

そこには帽子の鍔に手を当てる、左翔太郎の姿があった。

 

「こんな所で何をやってるんだ刃さん」

「翔太郎…ここにいたのか!ルパンが現れたんだ!お前も早く外に。」

 

 

 

 

 

「安心しろ…ルパンはいる。    俺の目の前にな。」

 

 

 

そう言うと翔太郎は刃野を指差す。

 

 

「お、おいおい翔太郎。何言ってんだ?!ルパンならさっき外に…。」

 

「アレは囮だ。警備を引きつけた後にゆっくりお宝を盗む為のな。

鹿島平助の事件も囮を用意して、警備を手薄にした状態で宝を盗みだした。そしてその宝のありかを知る為に…お前は予め被害者と最も接触する人物に変装し、情報を仕入れた後に犯行に及んだ。鹿島の件も警備員辺りに化けてたんだろ?」

 

「は、なにを言って…。」

 

「俺は大勢がいる前で、あえて宝の隠し場所を言うように園咲に頼んでおいた…ここで張り込んでいたら、お前が現れると思ったからな…まさか刃さんに化けていたのか。」

 

刃野は焦った表情をし、弁解する。

 

「違う俺はルパンじゃない!信じてくれ翔太郎!!」

 

「本物の刃さんだったらなぁ、ルパンが現れた瞬間真っ先に追いかけてんだよ!」

 

 

「翔太郎君!連れてきたよ!」

 

亜樹子が真倉を含めた複数の警官を連れて現れる。

先程のフィリップの電話は翔太郎の罠を教える為であり、警官を連れてくるよう頼んでいた。

 

警官は銃を構えながら刃野の周りを包囲する。

 

「!?」

 

「大人しく投降しろ!刃野刑事の偽物野郎!!本物は何処だ!」

 

真倉が本物の刃野刑事の居場所を問いただす。

 

銃を向けられ焦っていた刃野の表情は一変、余裕の笑みを浮かべた。

 

「ふん、バレたら仕方がない。安心しろ、本物は今頃自宅でぐっすりさ。朝まで起きんよ。」

 

刃野はツボ押し器を投げ捨てると、懐から黄金のロストドライバーを取り出し腰に巻く。

 

「そのドライバーは!?」

 

黄金のドライバーを見た翔太郎はかつて鳴海荘吉が使っていたロストドライバーに似ている事に気がつき目を見開く。

 

刃野は手を広げる。

 

「ショータイムだルパン!」

 

 

『ふははははは!!』

 

 

辺りに男性の高笑いがこだまし 小さな影が、一瞬にして警官達が持っていた銃を叩き落とす。

 

「な、なんだ!?」

 

その正体は人型で動くガイアメモリ、ライブモード状態のルパンメモリだった。

ルパンメモリが刃野の手の平に乗っかると、刃野は素早くルパンメモリをメモリモードに変形させ、スイッチを押し起動する。

 

『ルパン』

 

「変身」

 

メモリをドライバーに刺し展開した瞬間、ジャズ調な音楽と共に黄金の竜巻が吹き荒れる。

 

そして『ルパン』という音声と共に刃野刑事の偽物は仮面ライダールパンへと姿を変えた。

 

『仮面ライダールパンここに参上。』

 

マントを靡かせ、ルパンステッキを召喚するルパン

それを抵抗とみなした警官は急いで銃を拾う。

 

「撃て!」

 

ルパンに銃弾の雨が降り注ぐも、仮面ライダーに変身した彼に一般的な武装が攻撃は効くはずもない。

 

「至急応援を!現在怪盗ルパンと交戦中!」

 

「と、投降するんだ怪盗!応援が博物館全体を包囲している…逃げ場は無いぞ!」

 

ぞろぞろと人が増え、辺りは警官だらけになる。

逃げ場は無い。

しかし彼は怪盗…逃げ道は作る物だ。

 

『ショーはまだ始まったばかり。今から素敵なマジックを見せよう。』

 

ルパンはメモリのレバーを引く。

その動作を見た翔太郎は直感的にそれが危険なものと分かり

急いで柱の影に隠れた。

 

『ルパンマジック!』

 

ルパンを中心に白い煙が発生し、一瞬にして視界が奪われる。

 

『げほっひまた煙幕!?』

『くっそぉ!逃すか!!』

 

しかし、先ほどの煙幕とは違い、白い煙は直ぐに晴れる。

翔太郎は直ぐにルパンを追いかけようと柱の影から身を乗り出すと…信じられない光景を目にする。

 

『いたぞルパン!捕まえた!』

『きゃぁ!何処触ってるのよ!』

『イッタ!!』

『な、なんだこれは!?』

『俺がルパンに…。』

『何が…。』

 

 

辺り一面ルパン、ルパン、ルパン、ルパン、ルパン

その場にいた翔太郎以外全員が、仮面ライダールパンに変身していた。

 

「なんじゃこりゃぁーーーーーー!」

 




次回 VS仮面ライダールパン

登場してほしい平成2期、令和ライダー(外伝執筆の参考にします)

  • オーズ
  • フォーゼ
  • ウィザード
  • 鎧武
  • ドライブ
  • ゴースト
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  • ジオウ
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