反逆の名を冠するIS   作:田中太郎

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第10話

 

 

第3アリーナの中央に二つのISがあった。

ひとつは紫もう一つは水色の、きれいなIが二つ…

 

「…………ど、どちらさまでしょうか?」

 

シアンは、ドヤ顔で何か言っているお姉さま(笑)に素直な疑問を口にする。

 

「ん?私?おねーさんは、この学園の生徒会長。更識楯無よ、楯無って呼んでね♪」

 

そういうとシアンに向かって軽くウインクする。すると、

管制室から二人の様子を見ていた千冬の、閻魔大王も涙目の怒気を聞かせた声が

第3アリーナ全体に響き渡る。若干空気が寒くなったのはあながち気のせいではないのだろう。

 

「更識ぃ…さっさと模擬戦を始めろ…(私のシアンにウインクなどシオッテ…)」

 

 

「ありゃ、怒らせたかな?」

 

生徒会長とはいえ、この学園でもっとも恐ろしい教師に

 

「なんでですかね?(怒ることなんてあるのか。)」

 

「あ、分かってないんだ。(そういうことね)」

 

「??」

 

そうすると、また管制室から威圧感があった。

 

「織斑先生が、怖いからそろそろ始めましょう?」

 

楯無の額や顔おそらく背中には冷や汗だらだら流しているのだろう。

そして、一旦呼吸を整え顔を引き締めると、ランスを呼び出す。

 

「そうですか?まあいいですよ(近接武器か…ならこっちも)」

 

立ち話も何ですしねと付け足し近接ブレード

同田貫(どうたぬき)を呼びだす。

 

そして、シアンは一気に距離を詰め、連撃を与える。

 

「っ!(速い…)へぇ、随分と速いんだね?」

 

驚いたのは一瞬、楯無はシアンの連撃を余裕で捌く。

 

「それが、取り柄ですから!(くそっ簡単に捌かれる…だったら)」

 

そして、断罪者(ジャッジメント)を呼びだし、距離を取り

ズガガガンと適当に4連射する。

 

「?そんな甘い標準じゃ…」

 

楯無もさすがに油断し、簡単によけられると判断し、事実よけた。

しかし、グインと4発のラプアマグナム弾が楯無を追尾し

バスバスバスバスと全弾命中する。

 

「グウゥ!」

 

一気にSEを400削られる断罪者の銃弾は、多少絶対防御も貫通する。

 

「な!一気に400も…」

 

さすがの楯無にも焦りが見える。

 

「なかなかの威力ね…」

 

「どうも、じゃあもう2発如何ですか?」

 

シアンは、さらに2発断罪者を放つ。

 

「まだ、答えてないんだけどなぁ」

 

そして、避けるが当然追尾し命中する。

だが、SEが減った様子もなければ痛みに顔をゆがませることもなかった。

 

「(?何かおかしい)」

 

すると、着弾した楯無が水になった。

 

「なぁ!?(み、水!?)」

 

驚いたシアンは素っ頓狂な声を上げる。

ぞくりと背中にいやなものが走ったシアンは後ろを振り向く。

そこには、蛇腹剣を構えた楯無がいた。

 

「(後ろ!?まず…)っ!…」

 

大型ウイングスラクターを全開にして何とか回避しようとするが、

剣先が大型ウイングスラクターを一つ、断ち切る。

 

「へぇ…おねーさん避けられるとは、思わなかったなぁ」

 

「ぜぇ…ぜぇ(おいおい、余裕じゃないか…それにスラクター一つ

持っていかれたぞ…)」

 

「(だいぶ疲れているわね。決めドキね)そういえば、ここら辺何だか熱くない?」

 

急に何か言い出した楯無に何か嫌な疑問を持つシアン。

 

「(?)ああ、そう言われればなんとなく…」

「フフッ清き熱情(クリア・パッション)」

「?」

 

その瞬間ドカーンシアンの回りが爆発した。

 

「(!!?なにがあったんだ?)ぬぁ!」

「びっくりした?清き熱情はね、ナノマシンで構成された水を霧状にして攻撃対象物散布して、

ナノマシンを発熱させることで水を瞬時に気化させて、その衝撃や熱で相手を破壊する技なんだよ。」

 

「ご、ご丁寧にどうも…(SEが残り30!?。やばい早めに決着をつけなくては…)」

 

とてつもなく焦ったシアンは、

すぐに、アイザイアン・ボーン・ガンを呼びだしジュール熱を最大で入力する。

 

「勝負をつけるかい?(まあ、こっちもあの追尾弾のおかげで結構危ないんだけど…)」

 

楯無はちらっと目の前のディスプレイに表示された残りSEの量を見ると

残り200ちょっと。シアンは残り50この時点でシアンに勝ち目はない。

 

「ええ、そうしましょう」

「じゃあ、こっちも本気で行こうかな?(危ないけど、まあ本気じゃないと負けちゃうからね…)」

 

そして、アクア・ナノマシンを一点に集中し、攻性成形する。

「(多技かな?)シャレになってませんね?」

「「行くわよ(ます)」」

「ミストルテインの槍!!」

「アイザイアン・ボーン・ガン!!」

 

二人の大技が同時にぶつかり、第3アリーナを閃光が包んだ。

この時ばかりは、周辺にいた人だけでなく、すこし離れたところにいた人まで

第3アリーナに注目した。

 

 

 

 


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