黒のスピラ冒険記   作:通りすがりの熾天龍

12 / 37
キリトサイドです。
サブタイをWっぽくしてみました。


再開のR

ジョゼ寺院に向かう途中。

ルチルたちにあった。

チョコボ部隊は人、チョコボともに半数が死亡。

ただ、それ以外の被害もあり、しばらくは活動不能ということのようだ。

 

 

 

「これがジョゼ寺院か?」

目の前には巨大な岩をくりぬいて作ったかのような建物。

見ていると、岩の上部が青く光りだす。

何かと思えば、岩がは弾け飛んで中から建物が出現。

弾け飛んだ岩は建物の周囲を旋回し始める。

「・・・マジかよ」

「す、凄いです」

俺とユイの驚愕の声に、

「あの岩は《雷キノコ岩》。召喚士が祈り子様と対面した時だけ開くの」

ルールーが説明した。

「誰かほかの召喚士が来てるってことだな」

ワッカもそういって頷く。

「どんな人かな」

ユウナも気になるようだ。

「会えばわかるんじゃないか? これから出てくるはずだから会えるだろ」

俺はそう答える。

「うん、そうだね」

「んじゃ、早速行くッス!」

ティーダの掛け声に全員で寺院に入った。

 

 

 

 

寺院の中で見覚えのある人物を見つけた。

ガッタだ。

「あ、みなさん」

「よう、ルッツはどうした」

ワッカがそう声をかける。

「今、寺院の病室で手当てしてもらっています。先輩、両足の膝から下が潰れてしまって・・・」

「・・・そうか。よし、ルッツに言っておけ。ビサイドに帰ってからもう一回ぶん殴るってな」

「え!? なんかあったんですか!?」

「お前は気にするな。俺とあいつの問題だ」

「わ、わかりました。そのまま伝えておきます」

 

 

 

 

試練の間から誰か出てきた。

真ん中にいる青年が召喚士だろうか。

「失礼だが、お名前を聞かせてもらえないか?」

「ビサイドから参りました、ユウナと申します」

「やはりそうか・・・ブラスカ様の御息女だね。お父上の面影がある」

何? 知り合いなのか?

「父のお知り合いですか?」

ユウナも同じ疑問を持ったのだろう。そう尋ねる。

「いや、直接お会いしたことはないんだ」

ないのかよ。

「ああ、名乗らずに失礼。僕はイサール。君と同じ、召喚士だ」

「パッセです。よろしくお願いします」

「俺はマローダ。見ればわかるだろうが、アニキのガードだ」

向こうの自己紹介は終わった。

まず、ティーダが自己紹介をする。

「俺はティーダッス」

「ワッカだ」

「ルールーよ」

「・・・キマリ」

「ユイです! よろしくお願いします!」

「キリトだ。よろしく」

「あまり名乗りたくはないが・・・アーロンだ」

最後のに驚愕するイサールたち。

「アーロンさん!? ブラスカ様のガードをされていた、あの!?」

 

ユウナとイサールが互いに激励し合い、別れる。

俺たちは試練の間へ、イサールたちは外へ。

そこで、

「君たち!」

イサールに声をかけられた。

ほかのみんなは既に試練の間に入っており、この場には俺、ユイ、ティーダ。

「なんスか?」

ティーダが問いかける。

「ああ、マローダが妙な話を聞きつけてね。君たちも知っておいたほうがいい」

「妙な話?」

眉をしかめる俺とユイ。

ティーダは悟ったような顔をしている。なぜ?

「討伐隊の連中から聞いたんだけどよ、ここんとこ旅の途中で行方不明になる召喚士がやたら多いらしい」

「行方不明、ですか?」

ユイの言葉にマローダが頷き、彼に代わってイサールが続ける。

「魔物にやられた可能性もあるが、それにしては数が多すぎるようだ」

「詳しいことはわかんねえけど、とにかくお前らも気ィつけろや」

「わかった。ほかのみんなにも伝えておこう」

頷きあう俺たち。

「何々?何の話?」

パッセが無邪気に問いかけてくる。

「ガードの仕事をしっかりやれって話だ」

「僕ちゃんとやってるよ!」

俺たちもイサールたちも苦笑。

「くれぐれも気を付けて」

「了解ッス」

 

「遅いぞ、何やってたんだよ!」

ワッカに怒られた。

「イサール達から気になる話を聞いたんだ」

俺とティーダ、ユイがワッカたちに説明する。

「行方不明か、そりゃ穏やかじゃねぇな」

「ガードがしっかりしていれば問題ないだろう」

アーロンらしいといえばらしいな。

「んじゃ、行くか」

「よろしくお願いします」

 

 

 

 

試練の間をクリアしてユウナが祈り子の間に入った。

と、

「あら、あなたたち」

後ろから声が聞こえた。

見ると、男女二人。

「相変わらず頭数が・・・ってなんか増えてない?」

誰だ?

そう思っているとユイが耳打ちしてきた。

「召喚士です。ドナさんとそのガードのバルテロさん」

なるほど、ライバルってことか。

と、バルテロという男がアーロンの前に立つ。

「どうしたの、バルテロ? そのオジサンに何か用?」

伝説のガードをオジサン呼ばわりとかww。

「あんた・・・アーロンだな」

「だったらどうする」

アーロンは特に何も感じていない様子。

まあ、これで怒ってたら器が小さいにも程があるよな。

「握手・・・してくれないか。アーロン・・・いやアーロンさん! 俺、あんたにあこがれてガードになったんだ!」

やや呆れ気味にバルテロと握手をするアーロン。

「ありがとうございます! 感激です!」

見た目ごついのになんだかなぁ。

「なあドナ、俺、もう手洗わんぞ」

おい何を言っている。

「やめなさいよ、もう」

ドナも呆れている。まあ当然か。

その後、ユウナが出てきてドナと2,3、言葉を交わしたが何事もなく終わった。

 

 

 

 

翌朝。ゆっくり休めたと思う。

ただ、ユウナは異界送りや白魔法で忙しかったが。

見かねた俺とユイが治療の方を引き受けてティーダ達が無理矢理休ませたが。

宿の前に皆で集まる。今日の予定を話し合うためだ。

と、ユウナの様子を見ていたはずのティーダが宿から出てきた。

苦笑しながら。

「どうかしましたか?」

ユイが尋ねる。

「いや、ユウナがさ・・・」

とティーダが話そうとしたとき、ユウナが大慌てで出てきた。

「ご、ごめんなさーい!」

おいおい、もうちょっと休めよ。

「そんなにあわてなくていいのに。寝癖ついてるわよ」

ルールーの指摘に、また大慌て。

「え!? ・・・起こしてくれればいいのに」

後のはティーダに言った言葉だ。

「いやー、すごくよく眠ってたからさー。涎垂れてたッスよ」

「むぅ~、今日はなんだかイジワルっすね」

その様子に、みんな大笑い。

ユウナがそれを見回し、アーロンに目が止まった。

「あ! アーロンさんまで!」

「くく・・・さて、召喚士様の寝癖が取れたら出発だ」

出発するのかよ!

「も、もう!」

 

 

 

 

「お早い出発ですね」

宿から少しの橋の上で、ルチル達が警備をしていた。

「ユウナ様は昨晩あれほど遅くまで働かれていたのに・・・大丈夫ですか?」

まあ当然心配するよな。

「それなら大丈夫だ。途中で無理矢理休ませて、治療の続きは俺達がやったからな」

俺の答えにユウナが続ける。

「そのおかげでよく休めました。あなたたちも出発ですか?」

「もうしばらくこの辺りの警備をします。明後日には幻光河を渡り、北上します。新たなチョコボを探すつもりです」

ルチルに続いてエルマが、

「チョコボが見つかったら、騎兵隊を再建しまっす!」

「そうですか。お互い、頑張りましょう」

「はい、ユウナ様もお気をつけて」

次の目的地は聞いている。

幻光河を渡り、北上だ。

 

 

 

 

途中で警備中のシェリンダに会った。

「こんにちは、皆さん。聞きましたよ。皆さんの活躍で、死傷者をかなり減らせたそうですね」

「俺達というかほとんどキリトのおかげッスよ」

「ティーダ。俺はそんなに減らせなかったんだ。褒めるのは止めてくれ」

心が痛むから。

 

シェリンダと別れ、今度は二人のロンゾ、ビランとエンケに出会った。

「キマリを嘲りに来たか」

出会っていきなり馬鹿にしてきたため、キマリが食って掛かる。

「違う、小さなキマリに忠告に来た」

「召喚士が消え、帰らない」

! イサールたちが言っていたことか!

「次は、キマリの召喚士の番だ」

何? なぜわかる?

「哀れなキマリ! 角をなくし、召喚士もなくす!」

「みじめなキマリ! 一人で泣き叫べ!」

・・・なるほど。

「つまりお前たちの仕業という事だな?」

投影したエリュシデータとダークリパルサーを二人に突き付ける。

「違う。何故そう言う?」

動揺すらしないか。なかなか強いようだな。

「次に消える召喚士を知っている。それに、それで喜んでるじゃないか、お前たち」

それを聞いて、ティーダとキマリ以外が臨戦態勢に入った。

が、キマリは止める。

「まて、ビラン達ではない」

どういうことだ?

「この二人は嘘はつかない。だから、ビラン達ではない」

なるほど、ロンゾは嘘をつかないということか。

「わかった。疑ってすまなかった」

「消えた召喚士のほとんどはこの辺りで消えている。せいぜい、気を付けることだな」

そう言い残して、ビラン達は去って行った。

 

 

 

 

「また会ったな」

ベルゲミーネか。また会ったな。

「ミヘン・セッションに加わっていたそうだな」

この人も知っているのか。けっこう広まっているんだな。

「機械の無力、理解できたか? やはり、シンを倒せるのは召喚士しかいない」

あれがこの世界の機械の限界とは限らないけど?

あ、でもシンが機械壊して行ってるんだっけか。

「そうですね。もっと修行しないと・・・」

「お前が望むなら、修行に手を貸そう。召喚獣の実践訓練だ。どうだ、私と戦ってみるか」

「はい! よろしくお願いします!」

「うむ、そう来なくてはな」

 

ベルゲミーネがイクシオン、ユウナがイフリートを召喚した。

そういえばどっちも名前が『イ』で始まるな。どうでもいいけれど。

今回は前回よりも本気のようだ。

イクシオンが前回のイフリートよりも攻撃や回避をしている。

それでも、手加減はしているようだが。

お、イクシオンが倒れた。

「そこまで。もう十分だ」

時間は15分ほどか。なかなかいい結果じゃないか?

 

「大したものだ。あれからここまで成長しているとは」

「ありがとうございます!」

「うむ、これは私からの祝福だ。受け取ってくれ」

またベルゲミーネがユウナに何か手渡した。

なんだろう?

「次に会う時が楽しみだ。ではな、ユウナ」

 

 

 

 

幻光河に到着。

「わぁ~」

「これは・・・凄いな」

ユイと俺が感嘆の声をあげる。

それほどまでにそこは素晴らしかった。

「これが幻光河よ」

「凄くきれいですねぇ~。この花は何ですか?」

「幻光花だよ、ユイちゃん」

ユウナが答えた。

花の中から幻光虫が飛び出していく。

「夜になると沢山の幻光虫が集まるんだって。河じゅうが光って星の海みたいに見えるんだよ」

「見たいです!」

ユイが目を輝かせる。

「さすがに今晩まで待つわけにはいかないからさ。シンを倒したらみんなで来ようぜ!」

ティーダの言葉に皆は何故か目を伏せる。

ティーダはそれがなぜかわかっているようだが・・・?

 

「さて、急がないとシパーフが満員になっちまうぞ」

「シパーフ? 船か?」

俺の疑問にワッカがある方向を指さす。

「あっちに行けばわかるさ」

 

 

 

 

「・・・マジかよ」

「お、大きいですね」

そこにいたのは巨大な象に似た何かだった。

尻尾は恐竜みたいな形。耳はかなり小さく、鼻が細くてくるんと丸まっている。

「こいつがシパーフだ」

ワッカが解説する。

 

「シパーフ、久しぶりだな」

ユウナが懐かしそうに言った。

「乗ったことあるんですか?」

ユイが尋ねる。

「1回だけ、10年前にキマリと一緒にね」

「どうだったんだ?」

ティーダがキマリに尋ねた。

「シパーフが揺れてユウナが河に落ちた。シパーフは長い鼻でユウナを助けた。ユウナは喜んで3回わざと河に飛び込んだ」

「あ・・・」

ユウナが思い出したというような声を出す。

「キマリは心配した」

「ご・・・ごめん」

「あの時、ユウナは楽しそうだった。だから、いい」

 

「10年前・・・」

アーロンが語り始めた。

「親父がなんかやらかした?」

ティーダが訊く。

「察しがいいな。その通りだ。ジェクトもここで初めてシパーフを見た。酔っていたところに驚いたあいつはいきなりシパーフに斬りかかってな。魔物だと思ったらしい」

「「「うわぁ」」」

さすがにこれは引くぞ、ジェクトさん。いや俺は知らないけど。

「結局、俺たちの有り金を全部出して詫びをいれた。・・・それ以来、ジェクトは酒をやめた。このシパーフはあの時のか。今も現役のようだな。見ろ、体に傷がある」

あ、ホントだ。

 

「準備はできたか」

アーロンの言葉に、全員が頷く。

「シパーフ乗る~?」

「ああ、8人で頼む」

「じゃあ、乗りな~よ?」

 

俺たち全員がシパーフに乗るのを確認した青いカエルのような人が号令をかける

「シパーフしゅぱーつ!」

さて、幻光河を渡り、グアドサラムへ。

 

 

 

 

「見てみろ」

ワッカが下を指し示す。

そこにあったのは・・・。

「水没した都市か?」

俺の言葉にワッカが頷く。

「1000年以上前の機械の街だ。河にたくさんの橋をかけてその上に街を造ったらしい」

ワッカの解説にルールーが続ける。

「街の重さで橋が崩れて河の底に沈んでしまったそうよ」

「無計画か管理不足だろうな。もしくは設計段階で計算ミスでもしたのか」

俺は自分の考えを言う。

「どんな理由にしろ、いい教訓だよ」

「教訓? 何のですか?」

「橋の上に街を造るなんて何の意味がある?」

意味・・・か。

「そうだな、街全体が景色の一つとしてPRできるな。まあ、街が綺麗ならの話だが」

俺の推論にワッカが答える。

「確かにそうかもな。でも、本当の目的は他の街とかに技術力を誇示することだ。それが当時の流行だったらしい」

なるほど。流行か。

 

その時、突然シパーフを振動が襲った。

何事かとみんながあたりを見回す。

と、ティーダが、

「ユウナ!」

その叫びにユウナのほうを見ると、後ろに誰かが。

ユウナに飛びつくティーダの腕を掻い潜り、そいつはユウナを抱えたまま海に飛び込んだ。

って、あの恰好は!

「アルベドだ!」

ティーダとワッカが河に飛び込む。

アクアラングを投影し、俺も飛び込んだ。

 

潜った先には、妙な形のロボットに捕えられたユウナの姿。

どうやら向こうはこちらを撃退する気のようだ。

操縦者がいるのかどうかわからないが、一気に片づける。

そうしなければ、ユウナの息がもたないかもしれない。

――――行くぞ。

そう目で合図し、ティーダとワッカが頷く。

二人が同時にオーバードライブを発動させる。

・・・俺も。

――――エレメントリール

――――武装完全支配術(エンハンス・アーマメント)

俺とワッカが遠距離から攻撃しつつ動きを止め、

――――スパイラルカット

ティーダが止めを刺した。

 

 

 

 

「怪我はない?」

ユウナを連れてシパーフの上に戻った俺たち。

ルールーがユウナに尋ねた。

「うん、大丈夫」

「まったく、アルベドの奴らめ!」

ワッカが憤慨する。

「だいじょ~ぶかな~?」

運転のハイペロ族が呑気な口調で訊く。

「すみませんでした! もう大丈夫です!」

ユウナの言葉に、再びシパーフが進み始めた。

 

「ちっ!アルベドめ! 何だってんだ? あいつら、ユウナ襲ってどうする気だ? あっ、試合で負けた腹いせか! あ! ミヘン・セッション失敗の腹いせか!?」

そんな独自の推論を展開するワッカにルールーが言う。

「違うんじゃないかしら。イサールたちやロンゾが言ってたでしょ。最近、召喚士が消えるって」

「そうか! それがアルベド族の仕業か! くそ、アルベドめ、何考えてやがる」

ワッカがぐちぐち言ってるせいで皆の空気が暗い。

その中で、ティーダが言った。

「どうでもいいって。アルベド族のことをここで話しても仕方ないだろ。・・・誰が相手でもユウナを守る。俺はそれだけ考えてやるッスよ」

「・・・確かにそうだけどよ・・・」

「お、そろそろ着くみたいだぞ」

俺の言葉に、皆が降りる準備を始めた。

 

 

 

 

対岸で、あっという間にユウナが囲まれてしまった。

と、ティーダが、

「少しこの辺りを見て回ろうぜ」

そう言う。

「・・・そうだな」

ユイには・・・ユウナを見ててもらおう。

 

道の先に何かが見えた・・・ってあれは・・・。

「誰か倒れてるぞ」

「俺は全然見えないッスよ。ここから見えてるのか?」

「まあな」

「やっぱりチートッスね。キリトの魔術」

そうでもないと思うんだけどなぁ。

 

「おーい、大丈夫ッスか?」

「だ、大丈夫・・・」

ティーダがかけた声に、ボディースーツ姿の人が立ち上がりながら答える。

声からして女性のようだ。なんか聞き覚えがある気が・・・。

ボディースーツを脱いでマスクをとったその姿は・・・。

「「リュック!」」

「うぅ、死ぬかと思った・・・」

そう、スピラに来たばかりのとき、俺とティーダを助けてくれたリュックだった。

「無事だったんスね!」

「でも、なんで倒れてたんだ?」

ティーダの安堵の声と俺の疑問に、

「チイたちにやられたの!」

顔を見合わせる俺とティーダ。

・・・まさか。

「さっきのロボ、じゃなくて、機械の中にいたのか?」

頷くリュック。再び顔を見合わせる俺とティーダ。

「めちゃくちゃ痛かった・・・酷いよね、もお・・・」

「「悪ぃ。でも先に襲ってきたのはそっちだろ?」」

三度顔を見合わせる俺たち。

「あれにはとっても深い事情があるんだよ!」

「んあ~、悪かった、怪我はないか?」

リュックの頭に手を乗せながら問いかける。

「あっ!? う、うん・・・」

反応悪いな。

「やっぱどっか怪我してるのか?」

「え?」

「え?」

なぜか疑問形の応酬になった。

「ぷっ、くくく・・・」

おいティーダよ、なぜそこで笑う?

 

「おーい!」

お、ワッカの声。

皆が歩いてこっちにきた。

どうやらようやく人混みから解放されたらしいな、ユウナ。

「知り合いか?」

「ああ、俺とキリトが世話になってな」

「どーも、リュックでーす!」

「俺がビサイドに、キリトがキーリカに流れ着く前に助けてもらってさ」

「リュックが助けてくれなかったら危なかったな」

「恩人か! 会えてよかったよなぁ!」

どうやら、ワッカにはバレずに済んだようだ。

「あの、ワッカさん」

ここでユウナが発言した。

「んあ?」

「ちょっとリュックと話したいんだけど、いいかな?」

「おお、いいぜ」

その後ろでホッと息をつく俺とティーダ。

ユイやアーロンもそんな俺たちを見てだいたい理解したようだ。

「女子だけで話し合いでーす! 男子は待っててください!」

「そうね、そうしましょう」

ナイス判断、リュック!

「ん? ああ?」

ユウナ、ユイ、ルールー、リュックがその場を離れた。

 

――――5分後。

「アーロンさん」

ユウナがアーロンに話しかける。

「リュックを私のガードにしたいんですけど・・・」

「ふむ・・・」

リュックと向かい合うアーロン。

対するリュックは俯いているがこれならまだ気圧されたで済む。

「顔を上げろ」

しぶしぶ顔を上げるリュック。

「目を開けろ」

アーロォォォォォォン! ストレート過ぎだぁぁぁぁぁぁぁぁ!

・・・さすがに声には出さないが。

「・・・やはりな」

リュックの目を見たアーロンがそう言う。

ワッカにバレるからもうちょっと言葉を選べ!

「だ・・・駄目?」

「覚悟はいいのか?」

その質問にリュックは、

「ったりまえです!」

笑って答えた。

 

「と、いうわけで・・・いいんだよね?」

「ユウナが望むならな」

「私は、ぜひ」

と、

「う~ん」

ワッカが悩むような声を出す。

拙いっ! バレそうになってる!?

「リュックはいい子だよ。俺も世話になったし」

よ、よく冷静でいられるな、ティーダ。

「・・・そうだな。賑やかになっていいかもな!」

た、助かった。

「んじゃ、あたしは賑やか担当ってことで!」

あれ、考えてみれば・・・ワッカはアルベド族の特徴を知らないのか?

 

 

 

 

河沿いだった道が森の中に入る。

少し行くと魔物に出くわした。

「そういえば、キリトは魔法系なの? それともあたしと同じ格闘?」

なるほど、その疑問も当然か。

俺と同じく見てわかる武器を何も持っていないユイやルールーは体格を見ただけで魔法系だということがすぐにわかる。

だが、俺は細身だが相応に筋肉もついている。しかし、リュックのようなグローブをしていない。

「まあ見てな。投影開始(トレース・オン)!」

俺はエリュシデータを投影。

高速で魔物を斬り捨てた。

「え!? どこから出てきたの!?」

「これが俺の魔術だ。ちなみにスピラの魔法は使えない」

「へぇ! キリトってすごいんだね!」

なんだか思ったよりも反応がいいな。

「なあキリト・・・またなのか?」

ワッカがそう訊いてきた。

「何がだ?」

そういうと、皆が呆れたような様子を見せた。

リュックは疑問符を浮かべていたがユウナに耳打ちされた後、沈んですぐに立ち直った。

「そ・・・そうなんだぁ・・・うん! でも諦めないから!」

だから何が!?

 

「ここがグアドサラムか?」

「そうだ」

俺の質問にアーロンが答える。

グアドサラム。ここの長はあのシーモア。

・・・嫌な予感がする。

 




リュックが仲間になりました。
・・・8000字超えたけどどうでしょうか?

ドナの態度は少し柔らかくなってます。
バルテロがある意味変態ww。

ユウナの代わりに治療を引き受けた父娘。
ユイは白魔法、キリトは解析を応用した応急処置です。
ほら、ブリッツの試合中に出てきた、あの。

ルチルたちは出発を遅らせました。
理由は・・・なんとなくです。

ビランたちとのやり取り。
勘違いからの臨戦態勢は作者がやりたかっただけです。

ティーダの様子に違和感。
キリトだけでなくアーロンも疑っています。
二人とも言わないけど。

スピラにはロボットという言葉は存在しない設定。

キリトがやらかしました(2回目)
今度はリュック。
スピラの人間とは違うキリトの雰囲気はミステリアスに感じるのかもしれません。
だが彼女も報われない。
アスナと再会した時のリュックの落胆が目に浮かぶようです。

アーロンの行動にパニックなキリト。
こんなのキリトじゃないって思う人も大目に見てください。すみません。


さて、次回はグアドサラム!
シーモアのユウナに対する求婚にティーダの対策はなんなのか!
ティーダサイドでお送りいたします。
お楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。