ユウナ救出劇、その舞台裏です。
「《サベージ・フルクラム》!」
「「ぐぁっ!?」」
巡回兵を二人纏めて倒す。
さて、まずは地下から探していくか。
ちょうどすぐ近くに下行きの階段があることだし。
落とし穴的なのがあったからそこからあえて落ちてみたわけだが・・・。
「動かずに投降しろ。逃げ場はないぞ」
銃を持った兵士に囲まれてます。
ここ一体どういう場所なのさ。
落とし穴の下なら牢獄とか地下室だろう。
そんなところになんで兵士がたくさんいるんだ?
上を見る。
・・・だいたいわかった。
「落とし穴じゃなくて、老朽化で床が薄くなってたのか」
「状況解説には感謝する。それはともかく投降しろ」
やかましい。
「
「ぬ?」
俺の言葉に疑問符を浮かべる敵兵リーダー。
それを無視して、一気に跳ぶ!
「何っ!?」
「消えた!?」
包囲網から離れた場所に着地。
「隊長! 後ろです!」
その言葉に振り向こうとするリーダー。
だが遅い!
「
咲け、青薔薇!
「ぬおっ!?」
「これは・・・氷!?」
青薔薇の剣、その完全支配は氷漬けにして動きを止めること。
「さて、一つ訊かせてくれ。ユイは何処だ?」
「ユイ?」
「この中のどこかにいるはずなんだがな。8,9歳くらいの黒髪の女の子だ」
「・・・俺達は、知らない」
ハズレかぁ。
「悪かったな。それじゃあ」
兵士たちを氷漬けにしたままドアから出た。
と、ドアに打ち付けられた看板。
「あ、ここ休憩所だったんだ」
とりあえず引き続き探そう。
「何だここ・・・溜め池か?」
俺の眼下にあるのは巨大な溜め池らしきもの。
中に通路でもあるのかと思い、観察・・・と思いきゃなにやら集まる幻光虫。
現れたのは黒くなったエフレイエ。
若干肉が腐ってるように見えるがなにこれゾンビ?
・・・うん、明らかに俺に敵意持ってるよ。
「
天穿剣を投影。
「
光槍乱射で速攻終了。
「・・・戻るか」
どうせ何もないだろう。
地下は探し終えた。
今は1階に戻ってきており、これからこの階をもっと詳しく調べる。
その時、足音が聞こえてきた。
曲がり角の向こう側からだ。
しかし・・・ここの兵士にしては軽いな。
いや、待てよ。この足音、まさか!
その時、曲がり角から姿を見せたのは、
「キリトくん!」
「アスナ!」
俺の最愛の人、アスナだった。
「そういえば、アスナはなんでここに?」
アスナに事情を説明し、二人でユイを探す。
そんな中、気になって聞いてみた。
「えっとね、ここベベルには寺院の偉い人も知らない隠された図書館があったの」
「・・・なんか聞き覚えのあるフレーズだな」
「あはは・・・確かに。でね、そこの管理人がたまたま散歩に出たときに隠し入口のすぐそばに倒れていた私を助けてくれたの」
「そうか、後でお礼を言いに行かなきゃな」
「うん。で、さっき飛行船? が来たでしょ。それを見てね、キリトくんが来ているかもしれないって思ってここに潜入しました♪」
なるほど、ずっとベベルに居たんだな。
「ここにも居ないね」
「ああ、これでこの階は調べ終わったな」
虱潰しに調べて行ってるが、ユイはまだ見つからない。
「ちょっとキツイし、正確性に不安が残るけど、あれでいくしかないな」
「ああ、あれね。確かに不安がね」
アスナも少々苦い顔をしている。
「でも、やるしかないな。・・・
聴覚強化での音による探索。
壁を叩き、反響する音に集中。
それと同時に、人の声や足音を拾っていく。
僅かに聞こえた幼い少女の声。これは間違いない、ユイだ。
「見つけた!」
「どこ!?」
「最上階だ! 走るぞ!」
そして俺達は最上階へ向かう。
最上階は部屋のような形になっているはずだ。
その部屋の上の巨大な飾りをヘカートでぶち抜いたんだから間違いない。
しかし、その直前の階段の入り口に・・・。
「鉄格子か・・・」
「そうだね。しかも、魔力やら何やらで強化されてるみたい」
俺の言葉にアスナが続けた。
いや、良く見ると階段の一段一段ごとに鉄格子が張ってある。
ちなみにこの階段入り口以外は周囲を筒状に覆われた螺旋階段だ。
広めの通路の真ん中にでんと置いてある。
再び音を拾う俺。
今度は上側に集中する。
と、
「ユイちゃん!?」
「ぅぅ・・・」
「この娘の命が惜しければ、杖を捨てよ」
そんな声が聞こえた。
先から順に、ユウナ、ユイ、マイカ。
場所は・・・この真上から少し外れた地点。
「くそっ!
夜空の剣、金木犀の剣、熾焔弓を投影。
「アスナ、跳べるよな!?」
「うん! いつでも大丈夫」
一瞬だけの《接続》のおかげでアスナも状況を理解。
「
3つ同時に完全支配を発動。
漆黒の奔流、花弁の嵐、紅蓮の業火が混じり合い、俺たちの真上を吹き飛ばした。
すぐに、俺とアスナは跳び上がり、粉塵が舞い散る中、外へ。
「ヘイスト」
アスナが自身に白魔法をかける。
閃光の名に恥じない超神速でシーモアたちの横をすり抜け、ユイを取り返した。
「ユイちゃんは返してもらったわよ」
不敵な笑みを浮かべながらシーモアとマイカに言う。
「ママ!」
ユイが笑顔になって言った。
「よぉ、シーモア、マイカ。よくもうちの娘を人質にしてくれたな」
両手にエリュシデータとダークリパルサーを携え、粉塵の中から歩み出る俺。
向こうにはティーダたちと、その前にアスナとユイ。
その更に手前にシーモアとマイカ、そこから少し離れてユウナ。
「ユイちゃん、少し待っててね。すぐに片づけてくるから」
「はい、ママ!」
そんなやり取りをかわしユイはティーダたちのもとへ。
「少しだけ、ユイちゃんをお願いします」
アスナはそう言ってティーダたちに頭を下げた。
腰のランベントライトを抜き、構えるアスナ。
さて、
「ユウナ! ティーダ! 先に祈り子の間へ行け! 俺達もこいつらを片づけてすぐ行く!」
そう俺はユウナとティーダたちに告げる。
「は、はい! ヴァルファーレ!」
ユウナがヴァルファーレを召喚し、先行する。
「おい、キリト! お前道わかるのか!?」
ワッカに訊かれるが、それについては問題ない。
「そこは大丈夫だ。アスナが案内してくれる」
俺の言葉にアスナも頷く。
「寺院までの道は知っています。だからキリトくんのことは大丈夫!」
それを聞き、アーロンが言う。
「わかった。俺たちは先に寺院へ向かう。お前たちも急げよ!」
「さて、ティーダ達も行ったことだしとっとと終わらせるか」
「そうだね。ねえキリトくん、この人たちには手加減しなくていいのよね?」
「当然だ。それにアスナがスピラに来て得た力もまだ見てないしな」
俺たちは笑顔(若干黒)で言葉を交わす。
「く・・・こんなことになろうとは・・・」
マイカが言った。
「私も想定外です。いや、こんなこと誰が予想できますか・・・っ」
シーモアも言う。
「さて、わたしたちの娘を傷つけた罪は重いわよ。覚悟はいい?」
「俺達の怒り、たった20人ごときで止められると思うなよ。半殺しは確定だ」
俺たちの死刑宣告にマイカやシーモアだけでなく、兵士たちも顔を歪めた。
「「く・・・っ」」
さあ、贖罪の時間だ。
「《レイジスパイク》!」「《フラッシング・ペネトレイター》!」
「ここが入口だよ」
シーモアたちを半殺しにした後、アスナの案内で試練の間の入り口へ。
「もう一つ道があるみたいだけど?」
「う~ん、たぶん僧官用の通路じゃないかな? 通ったことはないけど」
試練の謎解きでだいぶ時間を食ってしまった。
「
聴力強化で先の様子を探る。
「まずい、急ぐぞ!」
「キリトくん、どうしたの?」
「追手が先にいた!」
「配置は!?」
「入口の近くに敵兵、そこから奥に離れてユイたちだ! ティーダとユウナだけさらに奥にいる! 無力化できるか?」
アスナは力強く頷いた。
「任せて!」
「3,2,1,今だ!」
「トルネド!」
俺の合図でアスナが魔法を使う。
入口近くにいた敵兵をまとめて無力化させた。
「悪ぃ、少し遅れちまった」
ティーダたちにそう言う。
「いや、むしろナイスタイミング。図ったんじゃないかって思うくらい」
まさか。
「そんなんじゃないよ、仕掛けに少し手間取っちまったからな」
「わたしも、寺院の中はわからなかったし、しょうがないよ」
そう言って笑いあう俺とアスナ。
そこに、ユイがアスナの胸に飛び込んできた。
「ママ~!」
「ユイちゃん、怪我はない?」
「はい! 大丈夫です!」
俺は抱き合う二人をその上から抱きしめた。
「アスナ、ユイ。二人とも無事でよかった」
「うん、キリトくんも無事で何よりだよ」
俺とアスナの間で、幸せそうに息をつくユイ。
俺は、アスナと見つめあい、自然にキスをする。
軽くだけじゃ物足りず、どちらからともなく舌を絡め合う。
・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
ん?
「あっ」
ティーダたちが居るのを忘れてた!
「わ、悪ぃ! ずっと会えなかったものだから、つ、つい・・・」
「そ、そうそう! 久しぶりに会ったからであっていつも皆の前してるわけじゃないからね!?」
慌てて弁解をする俺たち。
その間でユイが呆れているのが見えた。
あの後、シーモアたちが来て俺たちを捕えようとしたが口頭でも物理でもあっさり撃破。
老師といってもたいしたことないんだな。
さて、ここはマカラーニャの森、その野営地だ。
「改めまして、アスナです。皆、よろしくね」
俺のすぐ横に座るアスナが自己紹介。
「ユウナ、アスナもガードに加えていいか?」
俺はユウナに訊くが、ユウナは他の皆の反応を伺う。
「お前がそれを望むなら、そうするといい」
アーロンの言葉にユウナが頷く。
「アスナさん、よろしくお願いします」
「わたしのことはアスナでいいよ。歳は同じくらいだろうし」
これならすぐに仲良くなれそうだな。
「ユウナ、ルールーさん、ワッカさん。ユイちゃんを助けてくれたこと、改めてお礼を言います。本当に、ありがとう」
改めて、ユイのことでアスナがお礼を言った。
ユウナが散歩に行き、ティーダもすぐに散歩に行った。
「なぁ、アスナ。さっき使った魔法はやっぱり例の図書館で?」
「そうなんだけどね。ある本に書いてあったの。管理人の人はあの魔法は使えなかったんだ」
「つまり、独学?」
「スピラの魔法の基礎は管理人さんに教わったよ。で、この本なんだけど・・・」
そう言ってアスナが取り出した本。表紙には字が書いていない。
手に取って適当なページを開く。
その瞬間、俺はスピラに来てかつてないほど驚愕した。
「なっ!? 英語!?」
そう、その本に書いてあったのは、英文による魔法の解説。
「管理人さんもその本が読めなかったらしいの。わたしも初めて見たときはすごく驚いたよ」
「
本そのものを解析してみる。
「魔法で保護されているな。だから傷一つないのか」
新品同様というほどではないが、かなり綺麗な状態だ。
「あ、これは・・・」
本の中のある部分に目が留まった。
魔力による身体強化について。
「なるほど。ソードスキルはこれを応用したんだな」
「うん。光を生み出すのは別の場所に方法が書いてあったよ」
しかし・・・ここに書いてあるアルテマという魔法、説明を見る限りどうも筆者のオリジナルのようだが・・・。
「それなんだけどね。どうやらスピラの歴史の中で一度だけ使われた魔法みたいなの」
曰く、幻の魔法さえ凌駕する規格外の魔法で、それを使ったのが伝説の賢者なのだとか。
幻の魔法にはラ系、ガ系、ジャ系はなかったが、それを開発したのもその賢者らしい。
「って言っても、管理人さんの一家に代々伝わる本の中に書いてあったんだけどね」
「その管理人、何者なんだ?」
「・・・さぁ?」
しかし、その賢者が書いた本がこれなのだとすれば・・・。
「その賢者ってのは地球の人間か。しかも魔術師」
俺がそう判断した理由は、ところどころにある見覚えのある術式。
間違いなく地球の魔術に類似するものだ。
特に、アルテマの術式は地球魔術定義の魔法レベルはありそうなものだ。
一度だけ見たことがある第三魔法の術式。
エネルギーはそれほどもありそうなかなりやばいものだろう。
ただそれも、各幻のジャ系と比べたら少々見劣りするが。
まさか・・・賢者ってキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ?
会ったことはないが、その人なら地球とスピラを行き来することができる可能性が十分ある。
地球定義の魔法使いなのだ。スピラ魔法の極限化も朝飯前だろう。
いや、今はこれ以上考えても意味がないな。
「とりあえず、それは大事にしまっておくべきだな」
「うん、そうだね」
「お楽しみでしたか~?」
「「ブフゥ!?」」
手を繋いで戻ってきたティーダとユウナにユイが爆弾発言をかました。
当然のごとく吹き出す二人。
「こ、こら、ユイ! そういうことは人に言うなって! 心の中にとどめとけ!」
「そそそそうだよ! せめて言うなら私たちだけにまで抑えて!」
慌ててユイを叱る俺とアスナであった。
「それで、今後はどうする」
アーロンが話を切り替えた。
「旅は、続けます。でも、死ぬつもりはありません。シンを倒して、生きて帰ります。必ず」
ユウナが力強く答える。
「ふ、最高の答えだな。だが当てはあるのか?」
「ザナルカンドに行けば、答えが見つかると思います」
ユウナの答えに、アーロンは満足そうに笑った。
「よし、ゆっくり休んでおけ。夜が明けたら出発だ。それとキリト、途中で見張りの交代を頼む」
「了解だ」
親子3人、並んで芝生の上に寝転がる。
「さて、こうやって再会できたことだし・・・次の目的はどうするか」
「そうだね。ユウナのガードが終わってからゆっくり考えようか?」
「それがいいと思います。でも、こっちで暮らすのも悪くないと思いますよ」
ユイの言葉に少し笑う。
「それもいいかもな。でもそれはそれで地球に連絡しないと。皆心配してるだろうしな」
「うわ~、やらなきゃいけないこと多いね。これから大変だなぁ。でも、わたしはキリトくんやユイちゃんと一緒に居れて幸せだよ」
「そうだな。俺も幸せだ」
顔を寄せ合い、アスナとキスをする。
「ずっと幸せでいたいです。そのうち弟や妹も欲しいですね」
「はは、もうちょっと我慢してくれよ。まだ俺もアスナも未成年だし」
「あ、でもキリトくんも18歳になってるし、日本の法律だったら結婚できるよね」
そういえば、スピラに来てから俺もアスナも誕生日が過ぎちゃってたな。
「楽しみですねぇ。・・・ふぁ。お休みなさい、パパ、ママ」
「お休み、ユイちゃん。キリトくんも」
「ああ、お休み。アスナ、ユイ」
ユウナ救出とアスナ登場でした。
ただし舞台裏。
囲まれても一瞬で逆転するキリト。
彼は最強の名を欲しいままにする存在でしょうね。
そして青薔薇登場。
兵士たちをもれなく氷漬けです。
エフレイエ・オルタナ瞬殺。
天穿剣の完全支配で速攻終了です。
哀れなり、エフレイエ。
アスナと再会しました。
図書館の管理人は10-2でやる予定ではありますが・・・。
出すのに失敗する可能性も大いにあります。
あ、アンダーワールドのカーディナルではないですよ。あたりまえだけど。
キリトの聴覚強化による探索。
他にいい手が思いつかなかったのでこれになりました。
正確性に難があるので、あまり多用はできません。
螺旋階段は周りを煉瓦で覆われ、入口と出口だけが開いている状態。
中は真っ暗です。その上で全ての段に鉄格子トラップ。
かなり厳重です。この上は超重要な部屋です。
キリトが跡形もなく吹き飛ばしましたが(笑)
笑顔(若干黒)。ユイちゃんを人質に取られ、二人ともブチ切れております。
半殺しにされるシーモアとマイカに黙祷。
まあこの二人は死人なのですぐに復活しましたが。
キリトたちがやらかしております(笑)
どうぞ、ニヤニヤしてやって下さい。
互いに夢中になりすぎてその他が眼中になかったキリアスです。
皆の前でディープキス(笑)
シーモアたちとの論争は割愛。
前回もやりましたからね。
キリトサイドで全く同じの書くのもめんどくさいし。
新たな謎、浮上です。
地球の関係者が大昔のスピラの賢者。
賢者の生きていた時代はシン出現よりもだいぶ前。
大体今から1500年くらいです。
その人はいったい何者なのか。
それはまたいずれ。
アスナのソードスキルはキリトの物とは発動方式が違います。
彼女は魔術回路を持ってないですからね。
メテオジャ>フレアジャ=トルネジャ=・・・=バースジャ>アルテマ>>メテオガ
とまあ、こんな感じの力関係です。
本来、幻の魔法にはラ系以上がありませんでした。
それらを作ったのがアスナの本の著者でもある例の賢者です。
キリトもアスナもスピラに着た後で誕生日を過ぎてしまっています。
現在、地球では10月。あれから2ヵ月経ってるわけですね。
次回はナギ平原からお送りいたします。
さて、イベントも見直さなくちゃ。
視点はティーダサイド。
それでは!