黒のスピラ冒険記   作:通りすがりの熾天龍

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さて、キリトサイド。
ティーダの秘密暴露です。
今回はレミアム寺院とパージ寺院までやります。


地球知識の打開策

「未来・・・から?」

ユウナの問いにティーダが頷く。

「逆行か?」

「そうだ」

俺の言葉をティーダは肯定した。

「つまり・・・どういうこと?」

リュックが問う。

「簡単に言うと、未来の記憶を持っているってことだと思うよ」

そうアスナが言った。

「じゃ、じゃあよ、お前、今までのことも、全部前もってわかってたってことか?」

「ああ、そうだ」

ティーダはワッカの問いに答える。

「何で黙ってたんだよ!」

そう言ったワッカにアーロンが言う。

「言えるわけがないだろう。いきなり未来から来たと言われて、お前は信じるか?」

「う・・・」

「アーロンさん、あなたはやけに落ち着いていませんか?」

ルールーがアーロンに訊く。

「思い当たる節はあった。今までにも幾つかな。俺はスピラに来て大きく成長したからだと思い喜んでいたわけだが・・・そういうことだったんだな。いつからだ?」

「リュック、最初に会ったときのこと、覚えてるか?」

「うん。あたし達が海に沈んだ寺院を調査しに行った時だね」

「そこに俺は倒れていたんだよな」

ティーダがリュックに訊き、リュックが答える。

俺もそこに付け加えた。

ティーダが頷く。

「そうだ。その時既に未来の記憶があったんだ。既にその時アルベドのこととかリュックだけが言葉が通じることを知っていた。だからリュックに助けを求めたんだ」

「じゃ、じゃあ、前回って言ってた時のあたしはその時どうしてたの?」

「前回はな・・・リュックに腹を殴られた」

その言葉にリュックは申し訳なさそうな顔をする。

「うわ、ご、ゴメン! ・・・まさか気絶してたキリトにも乱暴してたりとか・・・」

もう一つの可能性に至り、青ざめるリュック。

え、俺気絶中にさらに殴られてたかもしれないってこと?

・・・前回の記憶なくてよかった。

「そこなんだよ。俺が二度目の旅をしている中、前回と違うところが幾つもあった。その一つ、前回、キリト達は居なかったんだよ」

「俺達が・・・居なかった?」

俺が訊き返したことにティーダが頷く。

「そうだ。前回の旅で、地球という言葉を聞いたことも一度もなかったんだ」

そうか・・・。

「他に、今までと違う事ってありますか?」

今度はユイが尋ねる。

「そうだな、前回は・・・ビサイドで寺院に殴りこんだ」

「「「「へ?」」」」

今のはユウナ、ワッカ、ルールー、キマリだ。

「そのせいだろうな。翌日、いきなりキマリに襲われた」

「そうだったのか・・・すまない、ティーダ」

「いいって。俺にとってはもう過ぎたことだしさ」

ティーダは笑って言う。

「前回は、キーリカがシンに破壊された」

その言葉に息をのむビサイド組とユイ。

「それに寺院へ向かう階段の途中でコケラと戦う羽目になったな。ルカではキリトが居なかったからユウナが船まで連れ去られちゃってた。結局助け出せたけど。アーロンにルカで再会した時は八つ当たりしちまった。全部あんたのせいだってな。そこで初めて親父がシンだって言われた。その後暗くなっちゃってさ。ユウナにも心配かけちゃったよな・・・」

ティーダの語りに皆の表情がコロコロ変わる。

「ミヘン・セッションでは死者がたくさん出た。今回はルッツも脚を失うだけで済んだけれど、前回は体が引きちぎられていてさ・・・。グアドサラムでユウナがシーモアに求婚されただろ?」

その途端、俺を含め全員が顔をしかめる。

「あの後、ユウナがこっそりジスカルのスフィアを見てさ。ユウナは結婚と引き換えにシーモアに自首させようって誰にも言わずに勝手に決めてた」

ユウナが申し訳なさそうな顔になった。

「マカラーニャで初めてジスカルのスフィアを見て、慌てて試練の間に飛び込んだんだよ。その時はシーモアの付き添いでユウナが先に行ってたからな。その後シンに運ばれただろ? で、前回もユウナがシーモアに連れ去られてさ。ベベルで強制結婚だ。前回のアルベドホームの中で初めて究極召喚をした召喚士は死ぬって知ったんだよ。あのときは何で言わなかったのかってワッカ達を責めたっけな。で、今回と同じように飛空艇でユウナを助けに行った。祈り子の間で合流できたのはいいけどキノックに捕まって裁判。結局冤罪で反逆者扱いッス」

ここでアーロンが訊いた。

「その時マイカが死人だと?」

「そ、自分で正体を明かしてさ」

ティーダの言葉にアーロンが頷く。

「その後もユウナは自分の命を犠牲にするつもりでザナルカンドまで行った。ガガゼトではキマリがかなり苦戦してたな。何度割って入ろうと思ったことか。結局勝ったけれど。ガガゼトに大量の祈り子があっただろ? キリトが仮想世界を召喚してるんじゃないかって言ってた」

「あ、ああ」

ティーダの言葉にそう答える俺。

「あの祈り子たちが召喚してたのは俺が生まれ育った街、ザナルカンド」

何!?

「じゃあ、ティーダは・・・」

ユウナの呟きにティーダが苦笑。

「大丈夫ッスよ、ユウナ。俺はちゃんとここに居る」

ユウナを優しく抱きしめてティーダは言った。

「・・・うん」

ティーダは続ける。

「ザナルカンドではユウナレスカと戦った。前回もユウナレスカは倒したんだよ。これが、前回における今までの出来事」

ちょっと省略したッスけど、と笑うティーダ。

 

「ユウナレスカも前回の記憶があるって言ってたな。他には?」

そんな俺の質問に、ユウナが思い出したように言った。

「そういえば、祈り子様達が言ってた。今度は頑張るからって」

祈り子たちが・・・?

「俺が把握してるのは召喚獣の祈り子達、それとユウナレスカだけッスよ」

なるほどな。

「さて、次はどうやって前回シンを倒したか聞かせてもらおうか」

アーロンが言った。

「了解ッス」

 

「まず、シンの正体から話そうと思う。究極召喚獣がシンになる理由。それがシンの正体だ」

ティーダの言葉に皆が頷く。

「ユウナレスカの父親でもあるエボン。エボン教の原点だな。そいつは今、シンのなかにいる。それが究極召喚獣をシンに変えるんだ。エボン=ジュ。シンを倒してもそのエボン=ジュが究極召喚獣に乗り移り、それを新たなシンに作りかえる」

そこでアーロンが言った。

「それだ。究極召喚獣になったジェクトがシンを倒したとき、何か黒い影が見えた。そいつがジェクトの中に入り込んだと思ったらジェクトが苦しみだしてな。その体が、シンのものに変わって行ったのを見たんだ」

「それで、ザナルカンド遺跡に殴りこんだのか?」

俺の質問にアーロンは頷く。

「ああ、見事に返り討ちだがな」

「じゃあ、そのエボン=ジュってのを倒せばシンは居なくなるのか?」

ワッカの質問にティーダが頷く。

「その通り。ただ、そのままシンの中に潜り込んでもシンが暴れてたらまともに戦えないだろ? そこで、前回はもう一つの策も使った」

「それは何ですか?」

ユイが訊く。

「祈りの歌だ。シンは俺の親父。親父はあの歌が気に入っててな。マカラーニャでは歌が終わるまでシンは動かなかっただろ? そこで、スピラ中に連絡して、一斉に祈りの歌を歌わせたんだ。んで、シンが動きを止めたからその隙にエボン=ジュを倒した」

「でも、マイカ総老師がよく許したわね」

ルールーが言った。

それを聞いたティーダは思い出すように苦笑。

「あいつはなぁ。俺達がユウナレスカを倒したって言ったら好き勝手ふざけたこと言って異界に逃げやがった。ホンット勝手な奴だよなぁ」

話を戻すけど、とティーダは続ける。

「エボン=ジュはあらゆる召喚獣に取りつく能力を持っている。エボン=ジュと直接戦うためには現存するすべての召喚獣を呼び出して奴を取りつかせ、その召喚獣を倒す必要があるんだ」

「そっか、召喚獣は一度倒れたらしばらく呼び出せないから・・・」

ユウナの出した答えにティーダが頷く。

「ユウナには辛いかもしれないけど、あいつらも覚悟の上だから」

「うん・・・わかってる」

 

さて、一つ気になることがあるんだが。

「ティーダ、お前のザナルカンドを召喚しているのはエボン=ジュじゃないのか?」

俺の言葉にティーダが目を剥いた。

「何でわかったんだ!?」

「エボンは古代ザナルカンド最高の召喚士だったんだろ? だとすれば、仮想世界の街丸ごと召喚できそうなのはそいつしか居ない。そして、エボン=ジュを倒せばザナルカンドを召喚する者が居なくなり、夢のザナルカンドは消滅する。・・・おそらく、そこで生まれたティーダも」

『!?』

俺の予想に全員が驚愕した。

「ティーダ、本当なの!?」

ユウナがティーダを問いただす。

それに対しティーダは俯いて答えた。

「ああ・・・キリトの言うとおりだ」

「そ、そんな・・・」

ユウナが泣き出してしまった。

「そんなの嫌だよ・・・ティーダが居なくなるなんて、嫌だよ!」

「ごめん、ユウナ。どうしても言えなくて・・・」

アーロンが、重苦しそうに言う。

「ジェクトから聞いていて予想はしていたが・・・やはりそうだったか」

「なあ、ティーダ、それ何とかできねぇのかよ!」

ワッカがそう言った。

「今のところ、その方法はわからない。祈り子達も考えてくれてはいるけど・・・」

ティーダの声も沈んでいる。

 

「方法ならある」

その言葉に全員が一斉に俺を見る。

「その方法って?」

ユウナが訊いてきた。

「第三魔法」

「それは一体?」

ルールーが訊く。

「一言でいえば『魂の物質化』だ」

俺の言葉に疑問符を浮かべるスピラ組一同。

アスナとユイはそれを聞いて納得したような表情を浮かべる。

「魂の・・・」

「物質化・・・?」

リュックとルールーが復唱。

「地球には魂と言う概念があります。スピラでは幻光虫が近いかもしれません」

ユイが言った。

続いてアスナも言う。

「人の意識そのものと言ってもいいと思うわ。それを直接肉体に変換する・・・だっけ?」

アスナの振りに頷く俺。

「そうだ。幻光虫で構成された体を本物の肉体に変換する。そうすればティーダも消滅を免れるはずだ。なにせ肉体は消滅しないからな」

一気に表情が明るくなる皆。

「ただ一つ問題があってな・・・俺、そのやり方を知らないんだ」

『へ?』

呆気にとられたような顔になる皆。

「地球では魔術と魔法は別のものなんだ。一般の魔術師が使えるものを魔術と呼んでいる。それに対して魔法というものは世界の根源そのものに深く関わるものなんだ。魔術とは次元が違う」

「それってつまり・・・キリトよりとんでもないのが地球には居るってこと?」

リュックの質問に俺は苦笑する。

「まあ、その通りだ」

『うへぇ~』

皆が一斉にそう言った。

おいおい、俺でも魔法の領域は無理だぞ。

エネルギー量ならともかく。

「今後必要になってくるのが地球との連絡手段。でも今のところ当てはないんだ。仮にあっても、第三魔法の使い手を呼ぶには時間がかかる。でもそれまで待ってるわけにも行かないだろ?」

すこし沈みぎみになる一同。

「で、それまでティーダの存在を繋ぎ止める手段を幾つか考えた。今」

その言葉にまた明るくなる一同。

「プランA、エボン=ジュを封印すること。一応それでシンを倒せるしザナルカンドは残せる。でも万が一封印が解けたらシンが復活してしまう」

だから推奨はできないわけだが。

「プランB、エボン=ジュの脳に干渉してシンを作らせないようにする。でもこのためにはエボン=ジュの動きを完全に止める必要があるし、もし失敗したらシンが狂暴化なんてこともありうる。まあ、十全に準備すれば安全性は確保できるだろう」

完全に動きを止められれば慎重に洗脳できるからな。

奴の脳に解析を使えばどこをどうすればいいかもわかるし。

「プランC。エボン=ジュから召喚する能力を奪う。召喚に関する膨大な知識が必要になるがそれを使って召喚用の剣を創る。その剣を完全支配状態でエボン=ジュに突き刺し、召喚能力を奪えば後はエボン=ジュを倒すだけだ」

剣は安全な場所に保管すればよし。

設計をちゃんとやれば余程の攻撃じゃなきゃ壊れなくなる。

「俺としてはBかCを推奨しよう。どうだ?」

 

 

 

 

「オヤジ! 次の行き先が決まったよ!」

リュックがシドに報告する。

「おぅ! それで、どこなんだ?」

「ナギ平原へ!」

そう、まずはまだ行ってない寺院二ヵ所へ行く。

その後ベベルに乗り込むのだ。

俺とユイ、ユウナはアスナの案内で秘蔵図書館へ。

他のメンバーはその間スピラ各地を回り何か使えそうな物を探す。

理由は、ベベルに何度も行っていたらマイカが騒ぐだろうから。

 

 

 

 

ナギ平原に到着。

ティーダの案内で進む俺達。

寺院の門にティーダが触れると、門に三つの文様が浮かんだ。

そして、扉が開いていく。

 

「よく来たな、ユウナ」

ベルゲミーネがお出迎え。

「ここがレミアム寺院・・・」

ユウナの呟きにベルゲミーネが頷く。

「そうだ。かつてナギ平原の中心地だったがシンに襲われ、見捨てられたのだ」

なるほど。

「さてユウナ、ここに来たということは、祈り子と話をしたいのだろう?」

「はい」

「行ってくるといい。その後、私の試練を受けてもらおう。ちなみに、この寺院には試練が無い。そこの扉の先はすぐに祈り子の間だ」

「わかりました」

そう言ってユウナが先へ進んだ。

 

「さて、ユウナが祈りをしている間に少しこれまでの話を聞かせてくれないか」

ベルゲミーネが俺達に話を振ってきた。

「そうだな・・・シンを復活させずに倒す方法がわかった」

俺の言葉にベルゲミーネが満足そうに笑った。

「そうか。それは何よりだ。その方法を聞かせてもらってもいいか?」

「OKッス」

今度はティーダが説明した。

「今までは究極召喚を使ってたからシンは復活したんだ」

「どういうことだ?」

「シンのなかにエボン=ジュってやつがいてさ。そいつがシンを倒した究極召喚獣に乗り移って新しいシンに作り替えちまうんだ」

「そうだったのか・・・」

沈みぎみになるベルゲミーネ。

まあ彼女がやってきたことは召喚士を究極召喚に導くためだったんだからな。

「で、俺達はシンの中に潜り込んでエボン=ジュを直接倒すことにした。そのためにもまた召喚獣は必要なんだけどな」

「なるほど、そのためには現存する全ての召喚獣を召喚しなければならないということか」

「そういうことッス」

と、そこにユウナが帰ってきた。

 

「お待たせしました。試練とは何ですか?」

ユウナがベルゲミーネに問う。

「ああ、お前たちには私が召喚する召喚獣と連戦してもらう。但しユウナ、お前は召喚獣を使うな。もう一つ、一回の戦闘につき戦えるのは3人までとしておこう」

ほぅ、そう来たか。

「よし、チームを決めようぜ」

ティーダが不敵に笑いながら言った。

 

チーム1、VSヴァルファーレ:ワッカ、ルールー。

チーム2、VSイフリート:ユウナ、キマリ。

チーム3、VSイクシオン:アーロン、リュック。

チーム4、VSシヴァ:アスナ、ユイ。

チーム5、VSバハムート:ティーダ一人。

チーム6、VSヨウジンボウ:俺一人。

チーム7、VSメーガス三姉妹:ユウナとユイ。

「私が提示した条件よりも厳しいが・・・本当にそれでいいのか?」

ベルゲミーネの問いに頷く俺達。

「わかった。では、始めよう」

 

 

 

 

「・・・お前たちはおかしい」

「なんでそうなるんですか!」

ベルゲミーネの一言にユイが言い返す。

「考えてもみろ。経験の豊富なアーロンはともかく召喚獣を30秒かからずに倒せるのはどう考えてもおかしい! 特にティーダとキリト。5秒かからずに一人で倒すのはいくらなんでも速すぎだ!」

まあそうかもしれないが。

「コホン、まあ、これでお前たちの実力は証明された。お前たちは十分すぎるほどに強い。これをやろう。シンを倒すのに役立ててほしい」

ユウナに何かを手渡したベルゲミーネ。

「ありがとうございます」

「礼なら要らない。それに、これで私も安心して逝ける」

「え?」

疑問符を浮かべるユウナ。

ベルゲミーネの体から幻光虫が溢れる。

「私の役目は終わった。正直、終わることが無いと思っていたがな。もう、スピラに留まる理由もない。ユウナ、お前の手で私を異界へ送ってくれ」

ユウナに頼むベルゲミーネ。

「・・・わかりました」

そしてユウナは前に出て異界送りを舞う。

「頼むぞ、ユウナ・・・シンを消し去り、スピラを救ってくれ・・・」

 

 

 

 

今度はパージ=エボン寺院。

の、前に。

「俺はスピラに来たときあそこで目を覚ましたんだ」

ティーダが指し示すのは人二人が立てばギリギリになってしまいそうな瓦礫。

「うわ~、よく無事だったねぇ」

アスナが苦笑い。

「んで、前回の時はここでデカい魔物に食われかけてさ」

「なるほど、ぶちのめしてやろうってわけだね!」

リュックが言った。

「よ~し、なら付き合ってやるぜ!」

ワッカもそう言った。

今ここに居るメンバーは俺、アスナ、ティーダ、ワッカ、リュック。

「んじゃ、行くぜ!」

ティーダの合図とともに、全員で飛び込んだ。

 

瞬殺完了。

夜空の剣の完全武装支配で一発だった。

アスナが図書館の図鑑で見たらしいがジオスゲイノって名前だったそうな。

 

寺院の扉から中へ。

そしてティーダとリュックの案内で広場へ。

「ここに俺が倒れていたのか?」

「そうッス。あのときはホント焦った」

「悪ぃ」

「キリトのせいじゃないって」

それはともかく、この位置を飛空艇に伝えなきゃ。

投影開始(トレース・オン)武装完全支配術(エンハンス・アーマメント)

天穿剣の光を真上に。

しばらくして、飛空艇がやってきた。

そこからユイとユウナを抱えたキマリが飛び降りてくる。

ルールーを抱えたアーロンも

俺達は頷きあい、祈り子の間へ。

 

祈り子の間に到着し、ユウナが礼をする。

現れたのは一人の女性。

「シーモア老師の母君ですね」

ユウナの問いに女性は頷く。

「知っていて、私の力を求めるのですか? 息子を・・・憎んでいたのでしょう?」

暗い顔をするユウナ。

「よいのです」

シーモアの母は首を振った。

「憎しみの始まりはあの子。あの子のせいなのですから」

彼女の視線を辿ると、そこにはすすり泣く子供の頃のシーモアの姿が。

「そしてあの子を歪めてしまったのは私の過ち・・・。グアドと人の間に生まれたあの子はずっと一人でした。ですから、一人でも生きていける力を与えたくて、私は祈り子になったのです。・・・けれど、あの子は逆に力に取り付かれてしまいました。私の力では満足できず、より大きな力を求めて・・・そして・・・」

「シン・・・だな」

ティーダが言った。

「そうです。その上、エボンの負の思想、死が救いだという考えに染まってしまい・・・後は、皆さんもご存知の通りだと思います」

沈黙が降りる。

「おいでなさい、召喚士。我が力を授けましょう。暗黒の召喚獣、アニマ。この呪われた闇の力を、あの子が目指したシンを消し去る助けとしてください」

そして、祈り子の姿が消え、声だけが聞こえてきた。

「それが、あの子へのせめてもの償いです・・・」

 

 

 

 

ベベルへ向かう飛空挺。

さて、これからマイカを拷も・・・拷問しにいく。

言い直せていないのは気にするな。

ティーダたちは前回と同じようにグレードブリッジから乗り込むそうだ。

俺は前回を知らないけれどそこはティーダに任せよう。

一方で、俺とアスナはティーダたちとは別にベベル宮に進入し、マイカを直接拷問する。

その間にティーダたちが歌の件を寺院の人に伝えるそうだ。

投影開始(トレース・オン)

投影するのは物ではなく、姿と能力。

ALOでのスプリガンの姿、そして索敵スキルを俺自身に投影する。

「・・・もうキリト一人でエボン=ジュ倒せるんじゃねぇか?」

ワッカに言われたが、流石に厳しいと思うな。

「さて、行くぞ。アスナ、しっかり捕まっていろよ!」

「わかってますって」

アスナを横抱きに抱える。

そんな俺たちにユイが声をかけてきた。

「パパ、ママ、頑張って来て下さい!」

「「まかせろ(て)!」」

そう返して俺たちは飛空挺を飛び立った。

 

索敵完了。マイカは今一人だ。

チャンスは今しかない!

その部屋の真上、屋根に降りてアスナを降ろす。

二人で剣を構えて頷き合った。

「ノヴァ・アセンション!」

「マザーズ・ロザリオ!」

二人でソードスキルを発動し、天井を破壊。

すぐさま下に飛び降りる。

突然の出来事に驚愕するマイカを取り押さえ、俺たちは奴の首筋に剣をあてがう。

「な、お、お前たち、いったいどこから!?」

慌てながらも俺たちにそう訊くマイカ。

「まあそんなことはどうだっていいじゃないか。それはともかく、あんたが知っているエボン=ジュについてのこと、洗いざらい吐いて貰うぜ。助けは期待しないことだ」

「異界に逃げようなんて思わないでね。もしそんなことしようとしたら半殺しじゃすまないから」

さ~て、拷問開始だ。




ティーダが前回の記憶暴露しました。
シンの倒し方も公開しました。
そしてキリトはあっさり真実を見破りました。
その上であっさり打開策を考え付いたキリト。
まあキリトですから。
プランBを考えるのにすごく悩みました。

レミアム寺院。
ベルゲミーネの試練は召喚獣との連戦。
死んでからも鍛え抜いてきた召喚士の召喚獣をあっさり撃破する面々。
ベルゲミーネも呆れ返る程です。
戦闘シーンは省略しました。
う~ん、10-2編でも実力差がおかしい事になりそう。

ジオスゲイノは瞬殺。
登場シーンすらもカットです。哀れなり。
そしてアニマ取得です。
実は彼女、自分を瞬殺したキリトを内心恐れています。
キリトと話すことすら怖がってます。
まあ、しょうがないですよね。

そんなわけで(どんなわけで!?)、マイカ拷問タイム。
なんだかキリアス夫妻がSっぽくなっちゃってますね。
まあマイカ(下種)相手だからいいか。


次回はティーダサイド。
オメガ寺院と・・・後何にしよう?
まだシンとの対決はやりません。
ではまた次回!
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