黒のスピラ冒険記   作:通りすがりの熾天龍

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三人称視点でお送りいたします。
第1章、最終回です!


FIRST ENDING

エボン=ジュは重力魔法を使いこなす。

それによってシンを構成する幻光虫を集めている。

シンが重力魔法を多用するのもこのためだ。

そして、今エボン=ジュは重力魔法で他の動きを鈍らせている。

それに対し、彼らはヘイスガを3重にかけて対抗する。

吹き荒れる魔法や完全支配の嵐をエボン=ジュは素早く避けていく。

躱しきれずに当たっても、ケアルガで回復してしまう。

それでも、完全には回復しきれず、少しずつだがダメージは与えている。

「いい調子だ! このまま押し切るぞ!」

アーロンの激励に、全員が頷くことで答えた。

「奴が動ける空間を減らす! 奴の周囲に攻撃を張り巡らせろ! その隙に奴にスロウだ!」

キリトの指示に皆が動いた。

「テンプテーション・サンダガ!」

「メテオガ!」

「サンダジャ!」

「タイダルウェーブ!」

ルールー、アスナ、ユイがエボン=ジュを筒状に囲むように魔法で攻撃。

下から逃げられないようにリュックが自分のオーバードライブを発動させる。

当然、エボン=ジュは残された上に逃げようとする。

そこに、

「サンシャイン!」

キマリがオーバードライブを発動した。

その方向に向かって全速で進んでいたエボン=ジュは当然避けきれない。

つまり、サンシャインの爆発に向かって自ら飛び込んでいく形となってしまう。

一気に大きなダメージを喰らい、動けずに落ちていくエボン=ジュ。

その場を狙い、三人分の魔法が当たる。

「「「スロウ!」」」

その魔法を使ったのはユウナ、アスナ、ユイの3人。

今だ、とばかりにそこに飛び込んでいく者が一人。

フラタニティを構えたティーダだ。

「ソニックリープ!」

彼が発動したソードスキルがエボン=ジュに直撃する。

飛び退くティーダと入れ替わるように、キリトが飛び込む。

その手には、この時の為だけの剣、《サモナーブレード》が握られている。

武装完全支配術(エンハンス・アーマメント)! ヴォーパルストライク!」

サモナーブレードを完全支配状態にし、ジェットエンジンの轟音と共に突き立てた。

飛び退くキリト。

そこにキマリとアーロンが飛び込み、エボン=ジュと戦う。

 

解析開始(トレース・オン)

キリトはサモナーブレードを調べる。

数秒後、彼は全員に向かって大声で言った。

「成功だ! 奴の召喚能力は奪えたぞ!」

その声に、ティーダがキリトのもとへ。

「やったッスね! キリト! 後はエボン=ジュを倒すだけだ!」

キリトは剣をティーダに渡しながら言う。

「ティーダ、これはお前が持ってろ。その方が早く召喚術式が馴染む。それに、お前とのリンクによって剣自体の強度も大幅に増す。背中にでも背負っておけ」

「了解ッス!」

サモナーブレードを受け取り、背中に背負うティーダ。

「キリトくん! コンビネーション行くよ!」

そこに前線のアスナからキリトに声がかかる。

「ああ、わかった!」

その言葉を受け取り、再び双剣を構え前線に躍り出るキリト。

「レイジスパイク!」

突進ソードスキルが決まる。

吹き飛ばされるエボン=ジュ。

そこに回り込むようにアスナが動き、ソードスキル。

「フラッシング・ペネトレイター!」

今度は逆方向に吹き飛ばされたエボン=ジュ。

そこに再びキリトのソードスキルが炸裂。

「バーチカル・スクエア!」

更にアスナもソードスキルを決める。

「スター・スプラッシュ!」

最後に二人が前後から挟むように同時に攻撃した。

「ノヴァ・アセンション!」

「マザーズ・ロザリオ!」

すぐに下がるキリトとアスナ。

そこに再び魔法攻撃。

「サンダジャ!」

「ウォタジャ!」

ルールーとユイが二人がかりで対極属性混合魔法を発動させる。

「エナジーレイン!」

そこにティーダが上から光弾を降らせる。

光弾は地面に溶けるように消え、その場を破裂させた。

アーロンが構え、それに気づいた皆が退避。

「陣風!」

アーロンが起こした竜巻がエボン=ジュにダメージを与えた。

更にキマリが追撃を放つ。

「サンシャイン!」

星の如き爆発がエボン=ジュを包む。

 

「これで決める!」

キリトが両手の剣を輝かせ、エボン=ジュに突撃。

「ダブル・サーキュラー!」

二刀流重突進二連撃ソードスキル。

彼の両手の刃が止めとばかりにエボン=ジュに迫る。

その時、エボン=ジュが体を黒く輝かせた。

「何だ!?」

キリトもそれに気付く。

しかし、既にキリトは地を蹴って空中。

このまま攻撃することしかできない。

彼も瞬時にそれを理解したのか、腕だけでも加速させようとする。

その時、キリトとエボン=ジュの間に、黒い渦のような穴が出現した。

空中で体勢を変えることもままならず、そこに飲み込まれてしまったキリト。

戦場の空気が、凍りついた。

 

数秒後、動いた者が一人。

その人物はかつて無いほどの怒りを胸に、絶叫を上げた。

極大禁忌古代呪文(メテオジャ)アアァァァァァ!!!」

次の瞬間、さっきの渦を使った反動か、動けないエボン=ジュに、シンの体を突き破って上から巨大な隕石が突き刺さった。

その隕石は、マグマで出来ているのではないかと思うほどに赤熱していた。

断末魔の悲鳴を上げ、消滅していくエボン=ジュ。

その時、エボン=ジュから一筋のレーザーが放たれた。

レーザーが向かう先には、ティーダ。

ティーダはフラタニティでガードしようとするが、レーザーは剣を避けるように回り込む。

しかし、コントロールが悪かったのか、レーザーはティーダの背負う剣に当たった。

その剣、サモナーブレードは無傷。

設計段階で既にかなり丈夫だったため、傷一つ入っていない。

そしてエボン=ジュは、消滅した。

 

 

 

 

「う・・・くぅ」

アスナが膝をついた。

先ほどの魔法の反動だろうか、かなり苦しそうにしている。

「ママ、大丈夫ですか?」

ユイがアスナを心配する。

「うん・・・なんとか、ね。少し無茶しすぎたかな。こういうのはキリトくんの専門なのにね」

ユウナがアスナに訊く。

「その、キリトのことなんだけど・・・大丈夫?」

アスナはそれに笑って答える。

「大丈夫。さっきは考える前に体が動いちゃったけどね。キリトくんならきっと大丈夫だよ。さっきのあれは何処かに飛ばすものだったみたいだし。飛ばされた先で大暴れして、そのうちひょっこり戻ってくるよ。今までもそうだったからね」

優しく微笑みながら自信満々に言うアスナ。

「そうですよ。なんたってパパですからね!」

ユイも笑顔で言った。

キリトを心から信じている二人だからこそ言えることなのだろう。

 

ユウナが異界送りを舞う。

そんな中、アーロンから幻光虫が溢れ出てきた。

それに気づいて、動きを止めたユウナ。

全員がその視線を辿り、アーロンを見て驚く。

いや、ティーダだけは驚かず、わかっていたような表情を浮かべた。

「続けろ」

アーロンが、動きを止めたユウナに言った。

「でも・・・」

そう口ごもるユウナ。

「これでいいさ」

満足そうに言ったアーロン。

彼はユウナのもとに歩き、過ぎ去りざまにキマリの胸をトンと軽く叩いた。

ティーダの目の前で、その足を一旦止める。

「10年待たせたからな」

そう言ってアーロンは再び歩き出す。

ユウナの横を通り過ぎ、広場の縁に立って振り向いた。

「もう、お前たちの時代だ」

そしてアーロンは、消えて行った。

 

 

 

 

飛空艇に場所を移し、再び異界送りを舞うユウナ。

その周りには、召喚獣たちが佇んでいる。

そして、シンがその体を幻光虫に分解し始めた。

爆発するように拡散する、紅く見える程大量の幻光虫。

かなりの密度に、幻光虫が分厚い雲のように見える。

その雲に沈んでいくシン。

召喚獣たちも次々と消えていく。

そして、シンは完全にスピラから消滅した。

ティーダはその光景を、前回とは違う心境で眺めていた。

そして、飛空艇の入口の壁に寄りかかる。

その瞬間、その場に異質な音が響いた。

バキン、と何かが折れるような音が。

その発生源は・・・ティーダの背中。

即ち、サモナーブレード。

ティーダの存在を繋ぎ止める要。

その場にいた全員の動きが凍りついた。

ただ、アスナとユイだけこの場には居ないが。

一番最初に動き出したユウナがティーダに駆け寄った。

ティーダが折れた剣を拾う。

サモナーブレードは、剣の内側がスカスカになっていた。

「そうか! さっきのレーザーは、最初からこの為に・・・くそっ!」

真実に気づき、毒づくティーダ。

先ほどエボン=ジュが放ったレーザーは、この剣を重力魔法でスカスカにするためのものか。

一瞬、ティーダの体が透けた。

「ティーダ・・・駄目だよ、そんなの・・・」

ユウナが訴えるように言う。

ティーダが深呼吸をする。

「ユウナ、俺は必ず帰ってくる。約束するよ」

ティーダの言葉にユウナが顔を上げた。

「何があっても、帰ってくる。俺は、ユウナの傍に帰ってくるから。絶対に」

その言葉にユウナが頷いた。

「うん、約束。私、待ってるから、ずっと」

「ああ、約束だ。アスナ達が言ってただろ、キリトもどっかで大暴れして帰ってくるって。俺もどっかで大暴れして、できるだけ早く帰ってくるさ。その時にはキリトも帰ってくるだろ」

歩き出すティーダ。

その向う先は、飛空艇の甲板の縁。

その途中で立ち止まり、ティーダは振り向く。

ティーダのもとに歩み寄るユウナ。

「少しだけ、旅するよ。でも必ず帰ってくる。その時は、ユウナ・・・俺と結婚してください」

その言葉にユウナは目を見開き、やがて幸せそうに微笑んだ。

「はい、喜んで・・・だから、必ず帰ってきてね」

ティーダも優しい笑顔を浮かべた。

「ああ、必ず」

二人の顔が近づき、唇が合わさった。

再び歩き出し、甲板の縁で立ち止まり、振り向いたティーダ。

「ユウナ!」

彼は指を口に当て、

ピィ―――――

音高く指笛を鳴らした。

それを見たユウナも唇に指を当て、

ピィ―――――

指笛を吹く。

「約束ッス!」

「うん、約束!」

笑いあう二人。

そして、ティーダは幻光虫の雲の中に飛び込んでいった。

 

 

 

 

「多くの・・・数えきれない犠牲がありました」

ルカ、そのスタジアム。

ユウナが講演する。

その後ろには彼女のガード達。

しかし、その中で5人が、その場に居ない。

アーロン、ユイ、アスナ、キリト、そしてティーダ。

この内アスナとユイはベベルの隠し図書館にいる。

アスナはそこで暫くの療養。原因はメテオジャの反動。

そしてユイはその付添いである。

ユウナは続ける。

「何をなくしたのか、わからないくらい、沢山・・・なくしました」

人々は静かに彼女の演説を聞く。

「その代わり・・・もう、シンは居ません」

大勢の拍手の音が響く。

「もう、復活もしません」

拍手がより一層大きくなる。

「これから・・・これからは、私達の時代・・・だよね」

歓声が響いた。

「不安なこともいっぱいあるけど、時間もいっぱいあるから・・・だから、大丈夫だよね・・・。力を合わせて、一緒に歩けるよね」

再び、いや、さっきよりも大きな歓声が上がる。

「一つだけお願いがあります」

ユウナの言葉に人々の歓声が静まった。

「居なくなってしまった人たちのこと・・・時々でいいから・・・思い出してください」




ちょっと説明口調っぽくなってしまった。
三人称視点って難しいですね。
今まで一人称視点でやってたから尚更・・・。

エボン=ジュがとんでもないことをしました。
キリトを異世界転送。
やった張本人が適当なのでどこに飛ばされたのかはエボン=ジュにすらわからない。
そしてアスナ怒りのメテオジャ炸裂。
極大禁忌古代呪文です。反動がキツイ。
そのおかげでアスナは療養とリハビリ合わせて1年かかるのです。
彼女は絶対安静。
療養場所はもちろん隠し図書館。
館長の負担が増えます。
まあ、館長の負担なんてほとんどないようなものですから。
しいて言うなら外出時?
ほら、買い物とか。その時に隠し入口を見られないようにすることくらいでしょうね。

キリトはいつの間にかどっかに行って大暴れして帰ってくる。
いつものことですね。
どんな場所からも無事に帰ってきているのでその点では絶大な信頼を得ているキリトです。
無茶はキリトの専門(笑)
まあキリトですから。

アーロン退場。
ここは原作通りです。

サモナーブレード折れた。
重力魔法を含んだレーザーで剣の内部をボロボロにしていたのです。
そのせいであっさり折れてしまいました。
ティーダが気付かなかったのは重さは変わってないからです。
剣の内部で密度を数ヵ所に偏らせることで中身をスカスカにしています。

ティーダのプロポーズ。
これで10-2編のラストでのティユウの結婚が確定したのです。
そして指笛はお約束。


さて! 次回から間章入ります!
まずは地球の話。
直葉ちゃんサイドにてお送りいたします。
ついでにオリキャラ登場予定。
お楽しみに!
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