黒のスピラ冒険記   作:通りすがりの熾天龍

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活動報告にてアンケートを実施中です。
皆さん、ご協力お願いします。

今回はアスナサイドです。


スフィアハンター カモメ団

「ママ、そろそろ休みましょう」

ユイちゃんがそう言ってきた。

「あれ? もうそんな時間?」

時計を見ると、結構遅い時間。

「いつの間に・・・」

そう呟いて苦笑する。

自分では気を付けているのだが、つい集中しすぎてこうなってしまう。

読んでいた資料にしおりを挟んで閉じた。

 

「やあ、アスナさん。今日はもうお休みかい?」

資料を片付け始めたわたしに声をかけてきたのはこの図書館の管理人さん。

名前はペイラーさん。

「ええ、もう遅い時間なので」

わたしの言葉に微笑むペイラーさん。

「そうかい。しっかり休むんだよ。明日に響くといけないからね」

「はい」

わたしが集中しすぎて遅くなったときは、いつもこんなやり取りをする。

「後は私がやっておこう。おやすみなさい、アスナさん、ユイさん」

「「おやすみなさい」」

そう言ってわたしとユイちゃんは寝室へ向かった。

 

 

 

 

この2年のことを話しておこうと思う。

最初の1年はメテオジャの反動のダメージの療養。

その後2,3ヶ月程図書館内でリハビリ。

次は変装して外に出て、魔物と戦うことで体を慣らしていく。

同時に図書館内では調べ物。

何処かにいるキリトくんと連絡を取るためにどうすべきかを調べている。

また別の世界に飛ばされたかもしれないから、そういうことも視野に入れている。

もうあれから2年になる。

いまだにキリトくんと連絡をとる手段は見つかっていない。

というか手がかりも見つかっていない。

2年前より更に強くはなったけどね。

わたしも、ユイちゃんも。

多分キリトくんも更に規格外っぷりがパワーアップしているんじゃないかな?

それを考えると苦笑いしか出ないわけだが。

 

そんな風に過ごす毎日。

でも、そんなある日、大きなきっかけがやってきた。

 

 

 

 

いつものように資料を読み、纏めていく。

そんな時、図書館の隠し入口からペイラーさんの声が。

「あれ、ユウナさんかい? ずいぶん雰囲気変わったね」

え、ユウナが来てるの?

忙しすぎてビサイドから出られなかったはずなのに。

「ママ、行きましょう!」

「ユイちゃんがわたしに言う。

「うん、そうだね。行こう!」

そう言ってわたしとユイちゃんは声の方向へ急いだ。

 

「アスナ! ユイちゃん! 久しぶりだね!」

隠し入口に着いたわたし達にそう言ったのは・・・。

「えぇ!? もしかしてユウナ!? すっごいかわいくなったね!」

髪を切って服装も可愛くなったユウナ。

その後ろから更に見知った顔がひょこっと出てきた。

「やっほー! 久しぶり! どう、ユウナ可愛くなったでしょ?」

「リュックも来てたの? 久しぶりだね!」

「お久しぶりです! 確かにすごくかわいくなりましたね!」

嬉しいことはまだ残っていた。

ユウナとリュックを押しのけるように前に出てきたのが一人。

「ようやく会えましたね、アスナさん! ユイちゃんも!」

「え、えぇ!? 直葉ちゃん!? なんでここに!?」

「リーファさん!? どうやってスピラに!?」

直葉ちゃんの登場に驚きを隠せないわたしとユイちゃん。

「詳しく話すと時間がかかるのでまたいずれ。それはともかく久しぶり!」

「うん! 久しぶり! うわ~、こっちで直葉ちゃんに会えるなんて思わなかったよ~」

「お久しぶりですね、リーファさん! 私も嬉しいです!」

2年ぶりの再会を喜び合うわたし達。

 

「実はアスナ達に見てほしいものがあるんだ。これなんだけどね」

図書館の中にみんなを入れ、テーブルを囲んで座る。

そう言ってリュックが取り出したのは、変わった形のスフィア。

「これは?」

「まずは見てみてよ」

リュックの言葉に頷き、スフィアを再生する。

 

 

映像はほとんど見えなかったけど、これは・・・。

「どう思う? アスナ」

ユウナが訊いてくる。

「うん・・・いくつかおかしいところがあるかな」

ゴクリと息を飲む音が聞こえた。

「映像がかすれていることについては専門家じゃないからわからないけど、敵の機械兵器っていう言葉がおかしいと思う。2年前からずっと、そんな敵は居ないでしょ? それに、逮捕されているんだとしたら一体どこに?ティーダを逮捕するような機関なんてないはずだよね?」

わたしの考えに皆は納得した様子。

「じゃあ、やっぱりこのスフィアは関係ないのかな・・・?」

落ち込み気味になるユウナ。

「でも、声が同じだし全くの無関係ってことはないかもしれないね。そこはわからないけれど」

「うん・・・そうだね」

ユウナのそんな言葉に、リュックが励ますように明るく言う。

「でさ、他にも何か手がかりになるかもしれないし、ってことでユウナをスフィアハンターに誘ってるんだけど、アスナとユイちゃんも一緒にどうかな?」

スフィアハンターって確か、スピラ中のお宝スフィアを集める人たちだったよね?

「ってことはリュックもスフィアハンターやってるの?」

「そうですよ。ちなみにあたしも1年前に入りました」

「えっ、そうなんですか!?」

直葉ちゃんの言葉にユイちゃんが驚きの声を上げる。

そっか、直葉ちゃんもスフィアハンターをやっているんだね。

「どんな名前なの?」

「カモメ団だよ!」

わたしの質問にリュックが答えた。

カモメ団、か。いい名前だね。

そこに、ペイラーさんが少し離れた場所から助け舟を出してくれる。

「アスナさん、研究なら僕が引き継ごう。行ってくるといい。いい結果を期待しているよ」

ペイラーさん・・・。

「「はい、ありがとうございます」」

ユイちゃんと一緒に礼を言う。

「やった、これで決まりだね!」

リュックが喜ぶ。

「うん、そうだね。それじゃあ、今から行く?」

「当然! 早く行こうよ!」

リュックが立ち上がって元気よく言った。

楽しみだなぁ。どんな人がいるかな?

あ、大事なこと忘れてた。

「直葉ちゃん、直葉ちゃんの他には誰がスピラに来てるの?」

「あ、はい。リズさん、シリカちゃん、クラインさん、エギルさん、シノンさん、士郎さんとその友人3人、それにレオです。2年前、皆で一緒に来ちゃいました」

若干苦笑しながら言う直葉ちゃん。

皆来ているんだ。会うの楽しみだなぁ。

それにしても・・・。

「レオくん、か。直葉ちゃんの彼氏も一緒なんだね」

そう言うと直葉ちゃんは大慌て。

「ええぇ!? アスナさん、何でそんなことを・・・っていうか何でレオを知ってるの!?」

「だってキリトくんがそう言ってたよ。少し嬉しそうにね~」

そうからかうと真っ赤になって少しかわいい。

「お、お兄ちゃんが!? い、いつの間にそんな認識に・・・」

今のは事実だけど少しからかいすぎたかな?

 

「ああ、出るときは気を付けて。くれぐれも、入口がばれないようにね」

「「「「「はい!」」」」」

ペイラーさんの言葉に、わたし達は揃って返事をした。

 

 

 

 

「と、いうわけで、自己紹介よろしく!」

リュックの言葉にわたしとユイちゃん、それにユウナが頷き合う。

「アスナです」

「ユイです」

「ユウナです」

「「「よろしくお願いします!」」」

自己紹介を終え、周りの皆から拍手の音。

「それじゃ、皆も自己紹介して! まずはアニキからよろしく」

リュックの言葉に彼女のお兄さん、通称アニキさんが答える。

「おう! 三人は知らなかっただろうが、俺の名前はアリキだ。今まで通りアニキって呼んでくれ。カモメ団のリーダーだ、よろしく!」

アニキさん、随分日本語、じゃなくてスピラ語がうまくなったね。

本名、アリキさんだったんだ。知らなかった。

「あの頃のアニキはスピラ語喋れなかったもんね。ユウナ達が知らないのも無理はないと思うよ」

リュックが補足してくれた。

「んじゃ、次は俺だな。俺はダチ。名乗りはしなかったが、2年前も居ただろ?」

2年前って・・・あの飛空艇に?

「「うーん、わかんないなぁ」」

ユウナと同時にそう言った。

「なんじゃそりゃ。俺って影薄かったっけ?」

「いや、偶然だ。そして気のせいだ」

項垂れるダチさんをアニキさんがフォロー。

「ま、まあ、それはともかく、これからよろしくな」

その次に紹介されたのはなんと子供。

「僕はシンラ。よろしくだし」

なんだか特徴的な語尾の子だなぁ。

「シンラはカモメ団の技術担当だよ。この船で一番の頭脳の持ち主なんだ!」

リュックの解説に、少し気になることができた。

キリトくんとどっちが上なんだろう?

まあ、わたしはキリトくんの方が上じゃないかなと思っているけれど。

「私はパイン。リュックやスグハと同じ、スフィア収集担当をしている。よろしく」

「パインはあたしの半年くらい後に入ったんですよ。今はリュックも合わせて三人でチームです」

直葉ちゃんが解説してくれた。

「それとあと一人、キッチンにマスターって人がいるんだけど、これから紹介するね。ま、そんなわけで新メンバーの加入を祝って歓迎会、やろー!」

『おー!』

皆凄くノリいいなぁ。これからが楽しみ。

でも、この旅での大事なことは忘れるつもりはない。

歓迎会のため、皆でキッチンへ向かった。

 

 

 

 

「あのね、一つ考えたことがあるんだけど」

夜、わたし達女子に与えられた大部屋で、リュックが言った。

「今度からあたし達って人チームになるじゃない? チーム名考えてみたんだ」

チーム名、かぁ。

「皆の頭文字を繋げてみたらどうかな? ユ・ア・リ・パ・スとか」

直葉ちゃんがそう提案するけど・・・。

「何で自分を最後に持ってくるんだ?」

パインちゃんの言うとおり、直葉ちゃんのスが最後に来ている。

「あ、特に他意は無いよ。語呂的にこの順番がしっくりくると思って」

確かにしっくりくる。

「そうだね。私はそれでいいよ」

ユウナは賛成のようだ。

「パインちゃんはどう?」

「ち、ちゃん!?」

わたしがパインちゃんに訊くと、彼女は別のことで狼狽した。

「頼むからちゃん付けは止めてくれ。普通に呼び捨てでいいから」

あ、嫌だったんだ。

「わかった。で、パインはどう?」

呼び方を訂正して訊き直す。

「私もそれでいいと思う。何だかかっこいいし」

クールに見えて意外とノリいいね。

「んじゃ、決定! これからあたし達はユ・ア・リ・パ・スで行こう!」

「リュック、声大きいよ」

「あ、ゴメン」

ユウナの注意に小さくなるリュック。

「私は解析担当ですからね。ママ、皆さん、頑張ってください」

ユイちゃんもそう言う。

「それじゃ、明日からがんばろー」

『おー』

リュックの音頭に皆で声を出すが、声が小さいせいか何だかイマイチ。

それに気付き、皆で苦笑。

「まあいっか。それじゃあ皆、お休み」

わたしの挨拶に皆が返す。

そしてわたし達は眠りについた。

明日からが楽しみだ。




図書館の管理人、初登場。
性別は男です。
彼の一族は代々この隠し図書館を守っているのです。

レオとの関係は実はキリト公認だった。
偶々妹のクラスメイトに会ったときにそう聞かされていたのです。
そんな風にちゃっかりキリトを味方に引き込んだクラスメイト達、恐るべし。

アニキの本名はアリキ。
そうすれば通称がアニキでも違和感がないはずです。
アリキ + リュックの兄貴 = アニキ。
彼はデキル男にする予定。
だって原作のアニキがダメすぎるんだもの。
まずはショックを受けているダチのフォロー。
とりあえず、シメられる回数は大幅に減るはず。

パインのセリフが上手く書けてるかが心配。
でもまあ、このメンバーだし原作より振り回されるんじゃないかと。
彼女がキャラ崩壊を起こさないように頑張ります。

チーム名決定。
ユ・ア・リ・パ・ス です。
アスナにちゃん付けされてうろたえるパイン。
早速振り回されています。


前書きでも書きましたが活動報告にアンケート。
ご協力お願いします。

次回はパインサイド予定。
彼女がユウナ達の旅の話を聞きます。
そんなわけでルカに行くのはもう少し後。
キリトやティーダの話にパインが戦慄します。
それでは!
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